産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第235号 2021.12.27 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

令和3年12月度(第235号) 目次
【3年11月度 産業懇談会(木曜G)模様】 11月4日(木) 9時00分〜17時30分
【3年11月度 産業懇談会(火曜G)模様】 11月9日(火) 12時30分〜14時30分
【名古屋いちばん物語】 No.125
【新会員自己紹介】
煎谷 輝伸氏

株式会社ワイ・ディ・シー 代表取締役社長

【産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」のご案内】
【2月度産業懇談会のご案内】
【コラム】
コラム1 【さっかの散歩道】 No.42
コラム2 【師、曰く】 No.7
コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.158
【お知らせ】
【3年11月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 徳山ダム 見学会 』


日  時:令和3年11月4日(木) 9時00分〜17時30分
場  所:水と森の学習館, 徳山ダム
参加者:9名

 今回中部電力ミライズ(株)様のご協力のもと、カーボンニュートラル実現の上で重要な、水力発電の拠点である徳山ダムの視察会を開催した。最初に水と森の活動センター協議会の高橋末信氏より徳山ダムについて概要を説明していただいた。

<高橋末信氏 徳山ダム概要説明>

■徳山ダム概略
 大垣市は、揖斐川ほか複数の河川が流れており水害常襲地帯であったため、古くより多くのダムが建設されてきた。最後に作られたこの徳山ダムは、岐阜県の西北部に位置し、毎年、積雪は2〜3m、降水量は約3,000mm以上となるためダムに適した場所として、昭和32年に建設が計画された。しかしながら、ダムに沈む7つの集落、及びアクセス不可となる1つの集落の転居先の検討や、周辺環境、作業道路、下流の道路などの長い議論により、本体着工は平成15年、運用開始は平成20年と、50年もの歳月を要した。水をためる前に、7つの集落は更地にされているが、徳山小学校だけは鉄筋コンクリートで作られていたため、取り壊さずに沈められた。

写真:概要説明の様子

現在は魚巣となっている。南北朝時代に建てられた徳山城の5つの曲輪のうち、3つはダムに沈んだが、2つの曲輪は、樹齢数百年のしろびや杉と供に、歴史を伝える重要な遺産として保存されている。ダム周辺に生息する動植物など環境重視し、山を可能な限り削らないよう、ダム湖面に沿った道路は無い。ダムのパトロールは船で対応している。
 徳山ダムの構造は、水を通さない赤土粘土層(コア)を中心に、両側を砂利(フィルタ)で挟み、外側を岩石(ロック)で覆う。底は1000m、上部は20m、高さは161mの台形の構造をしている。ダムの高さは黒部ダム、高瀬ダムに続く3番目。湛水面積は13km2と諏訪湖同等の面積である。総貯水容量は6億6000万m3と、浜名湖の2倍の水をためることが可能である。うち4億7000万m3ほどの水を運用し、1億2000万m3分は、下流の洪水を防ぐため、平常時は洪水調整域としている。なお、1億2000万m3はナゴヤドーム110杯分の水に相当する。また、ダムにより一定の水が流せるため、揖斐川の渇水を防止し、水田や飲み水の確保が可能である。

<ダム堤体標準断面図>
写真:ダム堤体標準断面図
(独立行政法人水資源機構 徳山ダム管理所ホームページより)

■徳山ダム発電施設
 当初は治水と利水のために作られた徳山ダムであるが、名古屋市の電気需要の増加に伴い、中部電力が7年かけて平成28年に発電所全号機の運転を開始した。第1発電所は地下76m、第2発電所は26m地下に竪穴で作られている。山中にある水を流す管の発破工事では、後追い工事であるが故、ダム本体に影響を与えないよう、振動を最小限にせねばならず、相当な難工事であった。
 水車発電機は、水車を水圧で回転することで、その水車にコイルにまかれた回転子が連動し、電磁誘導によって発電する。この回転子の重さは240トンもある。第1発電、第2発電の両方がフル稼働すると、揖斐川町、池田町、神戸町、大垣市の8万3000世帯への電力供給も可能である。第2発電所は常時稼働しており、第1発電所は夏場など、名古屋市の電力使用量がピークになった時や、上流の降水量の多い時に、状況に応じて稼働させている。

<ダム施設見学ツアー>
 高橋氏よりレクチャーいただいた後、ダムの内部施設についても見学させていただき、取水量の調整のためのゲート室や、内部の点検のために設置された1358段もの階段の見学を行った。

■ダム内部
 ダム堤頂より、エレベーターで127m地中に下ったゲート室及び、監査廊を見学した。
 ゲート室では、選択取水設備で取水した水を、巨大なゲート設備によって量を調節し、放流している。発電には水圧確保が必要であるが、流れをよくするためには、管内に水と空気を同時に流す必要がある。空気は地上のダクトから取込んでいるため、 非常に大きな音がする。幸い当日は第1発電所が停止中であったため、騒音もなく、内部を見学することができた。
 採掘・建設に使用されたトンネルの多くは閉鎖されたが、ダム内の調査及び、調査の移動のために、いくつかのトンネルは残されており、ゲート室から監査廊に続くトンネルを歩いた。採掘・建設時、トンネルは、山肌がむき出し状態であったが、現在は安全のため、セメントと水を混ぜたモルタル吹付を施している。モルタルには石灰が含まれており、天井から無数の、いわゆる人工鍾乳石が垂れ下がっていた。高橋氏が着任した7年前から、少なくとも20センチは成長している。
 ダム掘削・建設中に作られた階段は、ダム底から続いており、現在は監査廊としてダム内部を点検するために利用されている。点検では、岩盤から漏れる地下水の除去と、ダムのコア部分の異常検査を行っている。監査廊には、1段25センチ、45度と高傾斜の階段が1358段もある。当日は上から約500段目を見学したが、上下ともに先が見えず、圧倒された。通常は職員2名ペアで、10日に1回、半日かけて調査を行っている。なお、年末に放送されるスポーツ・エンターテイメント番組に出演した消防職員が500段を駆け上ったが6分も要したという。

写真:監査廊 写真:人工鍾乳洞
監査廊で。気温は一年中15℃程度 モルタルで出来た人工鍾乳石
写真:ものすごく急な階段。全部で1358段ある 写真:集合写真
急傾斜の階段。全部で1358段もある 徳山湖を背景に集合写真

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【3年11月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 DIC株式会社のご紹介 Color & Comfort by Chemistry 』


日  時:令和3年11月9日(火) 12時30分〜14時30分
場  所:若宮の杜 迎賓館
参加者:24名
スピーカー:
DIC株式会社 名古屋支店長
住谷 安彦(すみたに やすひこ)
DICプラスチック株式会社 名古屋営業所所長
池上 佳隆(いけがみ よしたか)
写真:住谷 安彦氏 写真:池上 佳隆氏
DIC株式会社 名古屋支店総務G主任
岡 紗智子(おか さちこ)
株式会社ルネサンス 地域健康営業部課長
星 信幸(ほし のぶゆき)
写真:岡 紗智子氏 写真:星 信幸氏

<住谷安彦氏によるご講演>

■自己紹介
 1984年に京都の大学を卒業後、大日本インキ化学工業(株)に入社し、グラビア営業部に配属された。グラビア印刷とは食品パッケージなどのプラスチックフィルムなどに印刷する手法のことをいうが、2014年まで営業一筋に、京都、大阪、九州、上海など様々な地域に異動したが、名古屋には2019年より赴任している。
 いろいろな趣味があるが、旅行では、東海道五十三次を、京都の三条大橋から日本橋まで歩いて制覇した。落語鑑賞、音楽鑑賞、映画鑑賞の他、写真も好きで、丸八会の写真の会にも入会している。ゴルフの平均スコアは100程度で、競馬は約30年やっているが赤字である。一方、10年前に始めた一口馬主では、6頭の成長を見守ってきたが、現在所有している馬は予想以上にレースに勝っている。共通の趣味の方はお声がけいただきたい。

■DIC株式会社紹介
 1908年に、川村喜十郎が川村インキ製造所を創業した。1962年に、社名を大日本インキ化学工業(株)に変更し、2008年4月の創業100周年を機にDIC(株)となり今日に至っている。
 喜十郎は、従来の方式より高品位な印刷が可能な、オフセット印刷が日本に伝えられると、1914年には専用インキの開発に取り掛かり、なんと1年で開発・製造に成功させた。
 その後も、有機顔料の自給生産の開始や、合成樹脂事業の外資合弁会社を設立するなど、化学メーカーとして大きく踏み出した。近年では液晶材料メーカーや、サンケミカル社のグラフィックアーツ材料分野を買収。太陽ホールディングスと資本業務提携し、エレクトロニクス分野へも進出した。2021年、欧州化学メーカー最大手のBASFの顔料事業を買収し、顔料分野では世界1位となった。
 創業以来、幅広く分野を拡大し、世界62ケ国173社のネットワークを活かした、グローバル企業となっている。
 名古屋支店は錦三丁目にあり、40名の所帯である。EP営業GはPPSという耐熱性と耐薬品性に優れた難燃性プラスチック原料を取り扱っており、これも世界シェア1位である。土地柄、約60%は自動車向けである。EV化に伴い、PPSの使用量が増加するだろう。  

■インキ事業紹介
 パッケージ包装には、表刷りと裏刷りがある。表刷りは、文字通り表から印刷する手法であるが、耐摩擦性や耐油性などを付与した品質設計になっている。食パンや、野菜のフィルムなどに使われており、インキに光沢が必要となるなど、単純に見えるが技術的に難しい。
 一方裏刷りは、フィルムの裏側に印刷するため、フィルム自身の光沢を利用した綺麗な発色が可能である。印刷後、フィルムやアルミを貼り合わせて色々な機能を付与する。
 スナック菓子やレトルト包装材に採用されている。ペットボトル用ラベルにも裏刷りがあり、収縮させてボトルに密着させる仕様もある。
 缶コーヒー、缶詰、歯磨き粉チューブ、一斗缶、王冠など、金属用インキやニスも扱っている。金属板にニスを塗った後、金属に直接印刷し、上から再度ニスを塗っている。
 その他、タバコや菓子箱などの紙用インキも扱っている。新聞向けインキとしては、全国で主要新聞社にDIC製インキを導入いただいている。

<岡 紗智子氏によるご講演>

■カラーセミナー、ワークショップのご紹介
 色を通じた地域活動の一環としてカラーセミナーやワークショップも行っている。
 製品開発時のカラーマーケティングは重要である。例えば好みの色が青だった人の場合、扇風機のような小型家電は好みの色、もしくはそれに近い色が選ばれることが多いが、冷蔵庫のような大型家電を選ぶ場合は青ではなくキッチン空間に溶け込む色が好まれる。
 また、自動車を選ぶ場合も青ではなく、飽きない色が好まれる。
 カラーマーケティングを考える際、人や物、時代によって、色の好みは変わる事を考慮する必要がある。また、色自体にも人に与えるカラーイメージがあり、赤は興奮や情熱などのプラスのイメージと、逆に怒りなどのマイナスイメージも与える。DICでは、色と認知体系を組み合わせた、定量的な統計分析により、イメージを多角的に把握する手法であるDCAMを提供している。入門編はDICカラーデザイン社のHPに記載しており、参考にしていただきたい。
 DICでは1968年より、色見本帳「DICカラーガイド」の販売を行っている。10年ほど前より、工場の統廃合などで不要になったカラーガイドを使ったカラーワークショップを、名古屋三越にて定期的に行っている。カラーガイドには2230色もの色のバリエーションがあるため、色鉛筆では出せないアートが楽しめるとして、年齢性別問わずとても好評である。

<住谷安彦氏より関連事業ご紹介>

■DIC スピルリナ
 スピルリナはらせん状の微細な藻の一種であり、地球最古の生命体ともいわれている。
 DICでは1972年より研究を開始しており、年間900トンのスピルリナを生産している。ベータカロチン、たんぱく質、アミノ酸、ビタミン、ミネラルなどが豊富で、マルチサプリメントとしても販売されているほか、抽出したフィコシアニンと呼ばれる青色色素は、天然着色料としてソーダアイスの着色にも利用されている。フィコシアニンには、肌のバリア機能を高める役目もあり、機能性表示食品としても販売している。

<池上佳隆氏より関連事業ご紹介>

■DICプラスチック株式会社 ヘルメット事業紹介
 DICプラスチック(株)はDIC(株)の100%子会社であり、1950年代よりヘルメットの製造販売を行っている。軽くて、通気性が良いヘルメットや、折り畳み型ヘルメットなどが好評で、シェアは約20%を誇っている。
 折り畳み型ヘルメットの開発を始めるきっかけは2011年の東日本大震災であった。震災前より、企業各社はヘルメットを社内配布していたが、実際の震災時に使用された事例は少なかった。倉庫にまとめて保管していたため、取りに行けなかったり、身近に備えていた折り畳み式でも、外観が奇抜であるがために使用しにくかったというのが理由である。
 DICプラスチック(株)では、2013年秋に「IZANO」を開発・発表した。折り畳み式であるものの、ヘルメットとして違和感のない形であるため、実際に利用いただきやすくなった。また飛来落下物対応だけでなく、墜落事故時を想定した後頭部と前頭部に対する保護機能を持たせることにも成功した。
 2021年6月に更に改良した「IZANO2」を、開発期間3年を経て発表した。62mmまで折りたためるため、出張用のビジネスバックにも収納可能である。さらに、頭周りのサイズ調整機能により、小学校低学年から大人まで使用可能であるのも特徴的だ。また内装部品が交換可能となり、コロナ禍の中で需要は伸びている。

<星 信幸氏より関連事業ご紹介>

 DIC(株)の関連会社である、(株)ルネサンスでは、愛知県でスポーツクラブを4店舗運営している。星課長の指導のもと、参加者全員でシナプスソロジーの体験を行った。シナプスソロジーとは、2つのことを同時に行ったり、左右異なる動きを行うなど、慣れない動きで脳を混乱させ、刺激を与えることで、脳の機能を高め、集中力を向上させる運動である。参加者は皆さん、笑顔で楽しまれていた。


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【名古屋いちばん物語】 No.125

テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第102回 続編』

料亭つたも 会長・深田正雄

柳生新陰流兵法を名古屋の無形文化財に!

所縁の地は矢場町、仲ノ町

 尾張に伝わった柳生新陰流兵法 第二十二世宗家、柳生耕一平厳信氏は名古屋に在住され武道指南とともに同兵法の名古屋市無形文化財指定要望や柳生家旧宅跡説明板設置運動を積極的に推進されております。伝統ある文化承継の活動は中区の街づくりにも貢献いただけると思いご紹介させていただきます。

<柳生新陰流兵法とは>

下記HPよりご覧ください。
https://yagyu-shinkage-ryu.jp/

<名古屋市内ゆかりの地>

  1. (1)白林寺(菩提所):矢場町1丁目(現在地:栄3丁目25-18)
  2. (2)清浄寺(武道研鑽の場):矢場町3丁目(現在地:大須4丁目1-74)
  3. (3)仲ノ町1番(現在地:錦1丁目12下園公園西周辺)

 柳生耕一平厳信氏は令和3年8月23日ご縁のある旧宅跡地南の名古屋観光ホテルで開催される名古屋中ロータリークラブ例会でご講演の結びに次のように述べていらっしゃいます。
 『最後に、現代的意義でありますが、これは文化の継続性が非常に大事だと考えています。例えば、倭姫が日本武尊に草薙剣を渡すときに「慎みて怠ることなかれ(1900年前)」と説いたように、柳生家にも「他流勝つべきに非ず、昨日の我に今日は勝つべし(450年前)」という家憲があります。これは両方とも謙虚にあって、日々向上に努めよという考え方となります。そして、空海が真言宗として「消えずの火」を1200年間守り、今でも消えない火があるのと同様に、次の世代に受け継げるよう「消えずの火」を守ることが大事なのではと考えております。』

 栄地区の街づくりをテーマに、前回ご紹介した「南伊勢町は江戸川乱歩の街」につづき、南の矢場町の歴史資産を「名古屋柳生新陰流の里」としてPRできればと思っています。

 旧町名を復活する有志の会・平成3年5月15日(土)例会で≪柳生新陰流兵法を名古屋の無形文化財に!≫というテーマで柳生氏から提言セミナー開催しました。内容と映像は下記HPにてご覧になってください。
http://www.fukkatu-nagoya.com/reikai/vol104.html

<事務局より>
 「住吉の語り部となりたい」シリーズのコラムは、深田正雄世話人より平成23年〜31年まで100回にわたりご寄稿をいただきましたが、今回、続編としてお寄せいただきました。
 「住吉の語り部となりたいシリーズ」は、産懇宅配便バックナンバーよりお読みいただけますので、ぜひご覧ください。
 記念すべき第1回はコチラ → 「住吉の語り部となりたい 第1回」

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【新会員自己紹介】

写真:煎谷 輝伸氏
木曜グループ

煎谷 輝伸(いりたに てるのぶ)
株式会社ワイ・ディ・シー
代表取締役社長

【株式会社ワイ・ディ・シー】
〒141-0032 東京都品川区大崎1-2-2
アートヴィレッジ大崎セントラルタワー
URL:https://www.ydc.co.jp/

 みなさま、初めまして。株式会社ワイ・ディ・シーの煎谷と申します。
 ITを通じて主に小売・流通、製造業の企業の変革の支援を継続して行ってきております。

 中部経済同友会の活動においては、自身の経験を交えながら、中部地区の経済、ひいては日本経済の将来に向けた議論へ積極的に参加するとともに、経営者としての自己研鑽を行いたいと考えております。
 また、個人としてはワイン、スポーツ観戦(特にF1とプレミアリーグ)、走ることを趣味としており、こういった話題も通してみなさまとの交流を深めて参りたいと考えています。

 若輩者ではございますが、よろしくお願い申し上げます。

【略歴】
1999.4 フューチャーシステムコンサルティング株式会社(現フューチャー株式会社)入社
2001.8 Future System Consulting UK Ltd.
2005.1 フューチャーアーキテクト株式会社(現フューチャー株式会社)帰任
2010.3 ローソン出向
2012.1 フューチャーアーキテクト株式会社(現フューチャー株式会社)帰任
2015.7 ウシオ電機株式会社
2016.4 同社執行役員
2020.4 フューチャー株式会社 ヴァイスプレジデント(現任) 兼 株式会社ワイ・ディ・シー 取締役
2021.3 株式会社ワイ・ディ・シー 代表取締役社長(現任)

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【産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」のご案内】

 今年度は、加留部筆頭代表幹事からご講話をいただきます。あわせて新年合同懇親会を開催いたします。
 感染リスクを回避するため、産業懇談会の会員に限定させていただきますので、何卒ご理解、ご協力のほどお願い申し上げます。
 なお、感染状況により、開催方法を変更することがありますことをお含みおきくださいますようお願い申し上げます。

日時 令和4年1月25日(火)17:30〜20:00
17:35〜18:30 加留部筆頭代表幹事ご講話
18:45〜20:00 新年合同懇親会
場所 ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋 5階 ローズルーム
講師 加留部 淳 代表幹事
演題 「豊田通商のCX(コーポレート・トランスフォーメーション)」
参加対象 産業懇談会会員ご本人
定員 先着100名(定員到達のご連絡は本会HPにてお知らせします)
(本会方針および会場の収容人数から定員を設けさせていただきます。)
懇親会費 10,000円(飲食代)
(当日、講演会場受付にて頂戴致します。講話のみご出席の場合は会費不要です。講演のみご出席の方は、会員専用ページの「事務局への連絡・お問い合わせ」欄にご記入をお願いいたします)
その他
  • 食事の手配など準備の都合上、ご出席の場合は会員専用ページより1月14日(金)まで に必ずご登録をお願い致します。(代理出席はできませんのでご留意ください)
  • お申込後のキャンセルは、1月21日(金)までにお願いいたします。それ以降は、会費を申し受けますので、予めご了承ください。
本件連絡先 中部経済同友会事務局 担当:木野瀬・菱川 Tel.052-221-8901
本会会合にご参加いただける際は、マスクのご着用・手洗い、積極的なアルコール消毒の励行にご協力ください。発熱の症状がみられるなど体調不良の方は、ご参加をお控えいただきますようお願いいたします。

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【2月度産業懇談会のご案内】

 感染リスクを回避するため、引き続き定員を設けさせていただきますのでよろしくお願い申し上げます。
 また、開催日に緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が適用されている場合は、昼食の提供を中止致します。
 何卒、ご理解・ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます
 なお、開催方法が変更になりましたら、ホームページでもご案内いたします。

  • 定員は先着25名

 ※会合にご参加いただける際は、マスクのご着用・手洗い、積極的なアルコール消毒の励行にご協力ください。発熱の症状がみられるなど体調不良の方は、ご参加をお控えいただきますようお願いいたします。

グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

2月1日(火)
12:30〜14:30

『再生可能エネルギー熱や未利用熱を利用したヒートポンプによるカーボンニュートラルやSDGsに向けた取り組み』(仮題)
ゼネラルヒートポンプ工業株式会社 
代表取締役 柴 芳郎 氏

名古屋観光ホテル
集合・食事
18階 伊吹の間
講演
3階 桂の間

水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

2月16日(水)
12:30〜14:30

『高齢社会を迎えた日本が選択する道
        〜社会保障改革の観点から〜』(仮題)
衆議院議員
橋本 岳 氏

若宮の杜
迎賓館
集合・食事
2階 桜の間
講演 
1階 橘の間
水曜第2グループ

大倉偉作
香川裕子
高見祐次

2月2日(水)
12:30〜14:30

『感動と失望の海外駐在について』
安藤株式会社
取締役社長 安藤 仁志 氏

若宮の杜
迎賓館
集合・食事
2階 桜の間
講演 
1階 橘の間
木曜グループ

河村嘉男
中林直子
吉田憲三

2月4日(金)
12:30〜14:30

『大人のお酒講座』
一般社団法人日本バーテンダー協会
中日本統括本部 愛知県支部長
代表評議員 谷口 耕一 氏

若宮の杜
迎賓館
集合・食事
2階 桜の間
講演 
1階 橘の間

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【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.42
コラム【さっかの散歩道】

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 ひとり『プロジェクトX』その1 』

 年の瀬が近くなって、一年越しのイベントが怒涛のように押し寄せてきた。思い返せば昨年の10月から年明け1月まで、スケジュール表が真っ白になり、名刺も減らず、誰と顔を合わせるでもなく一人出勤一人退社を繰り返していた。それがこの11月くらいからリバウンドのように予定が目白押し。おまけに北海道を行き来するようになったので手帳の中身はバブル期の再来となっている。なので、どんな会に参加するにしても感染対策には念を入れて、毎週しているPCR検査結果が送られてくる、携帯電話の陰性証明を、黄門さまの印籠のように持ち歩いている。

 産業懇談会火曜日グループの忘年会も1年ぶりの開催だった。この会には世話人の富田さんが自前のセラーからワインをごそっと持ち込んでくださるので、ワイン飲みの私も手持ち無沙汰にならない…のだが、今年は3杯で我慢することになった。というのも翌日、一年越しの某クリスマス会で30分のステージをお願いされたからだ。
 30分のステージは短いと思われるかもしれないが、オペラの場合、オーケストラでなくピアノ伴奏で歌うとなると、一曲の時間はかなり短く、途中MCを入れたとしても最低7〜8曲は歌わなくてはならない。しかも今回は私が苦手とするドイツ語と、発音が厄介な日本語の歌がメイン。イタリア語は1曲のみ、おまけの「乾杯の歌」で計2曲。問題はそれだけでなく、ドイツ語の歌詞はベートーベンの第九以外きれいさっぱり忘れているので楽譜が必要なのだが、以前にもお話した通りドレスで老眼鏡をかけるわけにいかず、A5の譜面をB4まで拡大し、なおかつ太字でなぞり、リハーサル時、譜面台に照明がちゃんと当たる場所を見つけなければいけない。しかも会場がコンサートホールではないので、お客様が入ると一気に室内の乾燥が進む。前日に飲み過ぎて、翌朝声帯が腫れていると午後までに復活は難しく、泣く泣くワインを控えたのだが、とはいえ一年越しに忘れずお招きいただけるのは本当に嬉しく、選曲にも凝った結果なので、感謝の気持ちを込めて精一杯歌わせていただいた。

 そしてその週末、北海道のワイナリー予定地に飛んだ。その直前までは雪もまばらで暖かかったのだが、寒波が来ていて荒天になる予報が出ていたので、今回はレンタカーを止め電車で向かうことにした。本来ならもう少し早く行きたかったところだが、前記のステージ前に風邪などひいたら目も当てられないので1週遅らせ、厚めのダウンジャケット、手袋、帽子などを用意し極寒覚悟の出発となった。朝6時に家を出て、夜明けと共に常滑の橋を渡り、飛行機に搭乗する。千歳空港から札幌で旭川行き特急ライラックに乗り換え、旭川から1両編成のローカル線、富良野線に乗り換える。
―さてここで問題です!6時に家を出発した私は、何時に中富良野に到着したでしょう?
分かった方は今度こっそり私に耳打ちしてください。先着1名様にワインを御馳走します!

写真:特急ライラック
特急ライラックは緑


写真:富良野線のワンマンカー
一両編成の富良野線はワンマンカー

 久しぶりの電車旅なので、車内で駅弁などと思い立ち、札幌で途中下車してデパートの食品売り場に立ち寄る。本当はスノーブーツを調達するつもりだったのだが、思いのほか暖かく、昼の気温は5℃くらいなので、明日からの寒波も大したことないだろうと防寒売り場をスルーして地下へ。都市部にも同じ名前のデパートはあるが、地下食に並ぶ総菜や弁当はご当地グルメが満載で、特に札幌は毎日「北海道うまいもの展」が開催されているようなものだ。あれもこれもと悩みつつ「そうそう、今夜の食事とワインも買わなくちゃ!!」で荷物が1つ増える。駅弁は定番の蟹いくら弁当に大地のグリーンサラダ。

夜は沢蟹の素揚げレモンソースがけ、知床豚の蒸し焼き粒マスタードソース、グリル野菜。ホテルの一人飯もかなりゴージャス。そんなノリで夜、ワインも1本すっかり空けてしまった。

 翌朝、電話の呼び出し音で目が覚める。ワイナリーでお世話になる農場のオーナーから「雪連れて来たんねえ。外見たかね?無理して来んでもいいよ。」
 カーテンを開けると、目の前がフランスで見慣れた雪景色となっていた。スノーブーツはちょっぴり後悔したが、足元は防水トレッキングシューズで固めている。積雪30センチくらいまでは行けるだろう、「いえいえ大丈夫です。これから役場まで歩いて、そのあとタクシーで向かいます。」役場までは下りで約1km。

写真:富良野岳
before 前日夕方の富良野岳

スノーブーツよりスキー板の方が重宝しそうだ、などと思いながら雪の日のワンコよろしく、ウキウキしながら雪道に歩を進める。この雪が畑の葡萄の木の根腐れを守ってくれるんだ、などとまだ植えてもいないのに感謝しつつ、「プロジェクトX」のテーマソングを口ずさみながら、フランスアルプス張りのパウダースノーを踏みしめる。
 さあ、これから役場に突撃だ!!

写真:雪景色
after 当日朝8時

 その2は年明けに。皆様よいお年をお迎えください。

 余談。産懇忘年会で事務局スタッフに「こんなにワインがあって、よく3杯で我慢できますね」と言われ、「だって、ギャラ出るもん」などと答えつつ、それを“現金”という、と心の中で一人合点した。

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コラム2 【師、曰く】 No.7
コラム【師、曰く】

妹尾 鷹幸(ペンネーム)
(株式会社構造計画研究所 名古屋支社長 妹尾(せのお) 義之)

 ペンネームは、恩師、田坂広志先生の多重人格マネジメントの応用、作家人格の名。心に鳴り響く言葉を、今回も一筆。

『 瞑想 』

 田坂先生が講演で話されたことや、書籍で書かれていたことが、私の知る限り皆無だが、授業だからこそ話された何気ないお話で印象に残っていることがある。それは、大晦日の夜の過ごし方。除夜の鐘が鳴り響くより少し前から、年が明けるまでの1,2時間、自室で静かに瞑想されるのだそうだ。私はその頃合いは、息子と、母が作った年越しそばを食べた後、ワインを飲みながら紅白を見たりして、ゆく年くる年のあたりで、近くの一人暮らしのマンションに帰るのがここ数年の大晦日だった。

 私が恩師から学んだ一つに、反省の修行がある。田坂先生が原発の営業をしていた若い頃、顧客との面談の帰り道はいつも、同行したメンバーと数分程度でも振り返り、良い悪いだけでなく、お客さんの反応の理由を考えたそうだ。何事も、やりっぱなしにせず、振り返り、反省するという修行を長年繰り返されてきた。経験を反芻することで、体験の知恵として蓄積してこられた。確かに、1時間の面談でも振り返る反省は3分程度で済むものだ。それを積み重ねた結果、どれだけの体験という智恵が蓄えられることだろう。田坂先生は経験を反芻し、棚卸しすることで体験という智恵として活かすことを非常に重視される。

 他に学んだ一つは、以前の『不動心』のコラムでも書いたが、何かことにあたる時は、心を調えてから取り掛かるということ。特にトラブルの時は尚更で、乱れ揺れ動く心でトラブルに対処してはならない、ほんの一瞬にせよ瞬間禅をして、心を調えてことにあたらねば、適切な決断は下せないという。それと同じことだろう。新年を迎える大晦日の夜、瞑想することで心を調え、新たなる年を迎えるという心構えなのだろう。

 自室に1,2時間も籠って瞑想されるということは、きっと今年一年間の振り返り、反省の修行をされているに違いない。さらに、深いテーマゆえ短く述べるのは困難だが、田坂先生は目に見えないものをこそ大切にされる。例えば、天。お天道様が見ているという言葉に表されるように、天が我々を見つめているという考え。そう思うことは、決して損にはならない。むしろ、心の平穏をもたらす。人生に起こること全てが、天による導き。天に全てを託し、全てを受け容れる。ゆえに、感謝と全託で、「ありがとうございます。導きたまえ。」と祈りながら、瞑想されているのだろう。瞑想し、心を調え、新たな年を迎えるのだ。

 私も2021年は様々な艱難辛苦があった。しかし、それは運が悪いことではなく、むしろ、新たな運を引き寄せるきっかけになったと、ようやく最近、そう解釈できるようになった。大晦日の夜、私も瞑想し、振り返りの反省の修行、そして感謝と全託の思いで祈り、心を調え、新しい年を迎えようと思う。修行は続くよ、どこまでも。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

写真:イルミネーション (なばなの里イルミネーション)

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.158
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 余命3000文字 』
村崎羯諦著・小学館文庫

 奇妙な書名に惹かれて手に取りました。巻頭に置かれた6ページほどの小説「余命3000文字」は次のような書き出しです。

「大変申し上げにくいのですが、あなたの余命はあと3000文字きっかりです」
(略)
「余命何年なら聞いたことはあるんですが……。一体どういうことなんですか?」
「どうもこうも言葉の意味そのままです。あなたの余命はあと3000文字きっかりで、その文字に達したと同時にあなたは死んでしまうということです。ほら、こんなやりとりをしている間にもう200文字も使ってしまった」

 奇想天外な発想からなる26の短篇を一冊に纏めたものです。「彼氏がサバ缶になった」「笑う橋」「幼馴染証明書」などタイトルからして奇抜な小説もいくつかありますし、著者名の「羯諦(ぎゃてい)」も意味ありげです。

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