産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第177号 2017.2.28 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成29年2月度(第177号) 目次
【29年1月度 「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」】 1月30日(月) 17時30分〜20時00分
【29年2月度 産業懇談会(木曜G)模様】 2月2日(木) 12時00分〜14時00分
【29年2月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 2月8日(水) 12時00分〜14時00分
【29年2月度 産業懇談会(火曜G)模様】 2月14日(火) 12時00分〜14時00分
【29年2月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 2月15日(水) 9時50分〜15時10分
【名古屋いちばん物語】 No.94
【3月度産業懇談会のご案内】
【4月度産業懇談会のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【遊歩道】 No.2
コラム1 【遊歩道】 No.3
コラム2 【保健師からの健康だより】 No.155
コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.100
コラム4 【苗字随想】 No.177
【29年1月度 「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」】

テーマ: 『 日本と日本人について 』

日  時:平成29年1月30日(月) 講 話:17時30分〜18時30分
懇親会:18時45分〜20時00分
場  所:ウェスティンナゴヤキャッスル
参加者:89名
種村 均氏

スピーカー:
種村 均(たねむら ひとし)
中部経済同友会 筆頭代表幹事


 1月の産業懇談会は、4グループ合同で、種村筆頭代表幹事をお招きし、ご講話をいただいた。要旨は以下のとおり。

■日本の変化
 現在、日本は構造的な変化の只中にある。明治維新、終戦という2度の大変革を経た日本は、戦後の高度経済成長を謳歌した。しかし、近年は「失われた20年」ともよばれる停滞の時期に入り、少子高齢化・国家財政の逼迫など、重大な問題を抱えている。このような情勢を鑑みて、現在の日本を下記の5つの多様な視点で見るべきと考える。

  1. 少子高齢化…先進国共通の課題だが、人口・労働力の減少はその国の体制の崩壊だ。
  2. 産業・経済の構造変化…戦後、工業化へ邁進した日本だが、現在、第2次産業は空洞化しつつある。加えて、第1次・第3次産業の生産性向上は喫緊の課題だ。
  3. 安全保障体制の危機…中国の脅威が膨張する一方で、米国の対日姿勢が変化している。
  4. 伝統・文化の衰退…家族など帰属する組織の絆が弱まり、日本人の精神性の保持へ懸念。
  5. 環境破壊と自然災害…工業化に伴う環境破壊や自然災害への懸念。

■世界情勢の変化
 また、世界の情勢も構造的に変化している。東西の冷戦が終わり、多極化の局面を迎えている。世界の秩序は乱れ、民族・宗教対立などの紛争が絶えない。これらの変化は非可逆的な変化であるとともに、その変化の確たる方向性は定かではないが、大きく、下記の5つに分類できる。

  1. 東西冷戦が終焉し、世界秩序が崩壊。世界各地での内乱が発生している。また、米国側で日本の位置づけが変化している。
  2. 新興国人口が急増するとともに、工業化が進み経済力が台頭している。
  3. 先進国の工場が新興国の成長市場近くへ海外移転するなど、市場がグローバル化。
  4. 国家間、国民間の経済格差が拡大し、それに不満を持つ人々の暴動・テロが頻発。
  5. 技術の中心が、日本人が比較的得意でない「情報・知能」分野へシフトしつつある。

■「日本と中部の未来を考える」
 今年度の中部経済同友会活動テーマは、これらの日本・世界情勢を鑑みて設定し、毎月の例会の講師を招聘した。その中で、いくつかご紹介したい。
 8月は、男女の脳の使い方・考え方の違いについて学んだ。現在の産業社会は、男性が中心となってつくりあげたもので、そこに女性を引っ張り込んで活躍してもらうのは、非常に難しい。男女それぞれが、お互いの持ち味を理解し、尊重し、活用しあう社会を目指すべきである。これは、外国人と一緒に仕事をするときにも活かせる考え方だ。
 12月には、生物の寿命について学んだ。高齢化の進展は、年金が財政を逼迫するなど構造的問題となっている。異論もあろうが、やはり高齢者は若い人に迷惑をかけず、若い人のお手伝いをして社会の発展に貢献すべきではないだろうか。去り行く者の責任を考える必要がある。
 1月には、サービス経済化する日本について学んだ。日本の産業構造上、製造業は20%に過ぎず、第3次産業が70%を占める。我が国の経済規模を維持するためには、第3次産業をいかに伸ばしていくかが最重要課題である。

■日本と日本人について
 歴史を振り返れば、負けるとわかっていた太平洋戦争に踏み切ってしまった軍部のエリートや、戦後における行き過ぎた戦前の全否定など、日本人のものの考え方や意思決定には弱点があると言わざるを得ない。なぜ、敗戦濃厚の戦争へ踏み切ったのか…この「日本人の失敗」に対する突っ込んだ反省をすることが、これからの我が国の進路を考える際に、非常に重要だ。
 また、「日本人の働き方」についても、見直す必要があろう。今年度、海外経済視察に赴いたオーストラリアの1人あたりGDPは日本の1.6倍であり、資源・為替レートの差を除いたとしても同程度ではないか。働きすぎといわれる日本人が、働かないオーストラリア人と生産性が変わらないのはなぜか。やはり、小売業界などに見られる、限られたパイを熾烈に争う過当競争が原因ではないだろうか。また、高度経済成長終焉時に入社した、団塊の世代がもたらした「モーレツ」な働き方も影響しているように考えられる。
 現在、日本はこれらの多くの難題を抱えている。今すぐに正解が出せる性格のものではないが、問題意識を持ち、考えていきたい。

 講演会終了後は、恒例の4グループ新年合同懇親会を開催した。産懇メールマガジンを受信している会員などビジターを含め89名が集まり、懇親を深めた。

新年合同懇親会 写真1

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【29年2月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 トランプ政権下のアメリカと国際情勢 』

日  時:平成29年2月2日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間
参加者:51名

スピーカー:
石塚 元章(いしづか もとあき)
株式会社CBCテレビ
報道・番組総局 論説室長

紹介者:
木曜グループ世話人 河村 嘉男

石塚 元章氏

■トランプ大統領の就任
 1月20日に行われた就任式で、第45代アメリカ合衆国大統領にドナルド・トランプ氏が就任した。矢継ぎ早に大統領令を発し、世間を困惑させている。予測不可能と評されることの多いトランプ大統領だが、選挙中の言動や大統領令の発し方などから、現状の政策及び今後の動きを考えてみたい。

■軍事・安全保障
 2月2日現在、ジェームズ・マティス国防長官が韓国を訪問し、翌日には日本を訪問する。マティス氏は元中央軍司令官で、中東で対テロ作戦を指揮した実戦派である。ニックネームは「狂犬」と穏やかではないが、自宅に7000冊の蔵書を抱えるインテリの側面も持つ。就任後、まず同盟国の日本と韓国を訪問したマティス氏の視線の先には、中国と北朝鮮の存在があると考えられる。また、自らが真っ先に赴くことで、トランプ大統領へ「日本と韓国との同盟の重要性」をアピールする狙いもあったのではないか。ちなみに、トランプ大統領が抱える軍事関係の基本政策は「軍の再構築のための予算獲得」と「最新のミサイル防衛システム開発」である。

■貿易・通商 及び 治安・司法
 そもそも、TPPは中国経済圏へ対抗できる枠組みを、アメリカが中心となってつくろうという取り組みであったが、トランプ大統領は理解していないのではないか。TPPの離脱やNAFTAの再交渉を明言しているトランプ大統領は、2国間交渉でよりアメリカに有利な条件を引き出すことを考えている。結果、各国首脳が続々と会談を希望する事態となっており、順番待ちが発生している状況だ。トランプ大統領は国家間の関係をビジネス的に捉える志向があり、NAFTAの再交渉もカナダとメキシコとの貿易赤字が原因といわれる。
 メキシコに関しては不法移民を防ぐべく「壁」の建設を明言しているが、国境は3200kmある。すべてに壁を配置しようとすれば4〜5兆円かかる見通しで、実現可能性は低いといわれている。トランプ大統領は最初に目をひく政策を打ち上げて、徐々に変えていく傾向がある。この「壁」に関しても「国境へ障害物を配置する」というニュアンスへ変化しつつあり、今後も変わっていく可能性が高い。

■外交
 外交をつかさどる国務長官はレックス・ティラーソン氏である。エクソンモービルの会長兼CEOで、ロシアでの油田・ガス田開発に携わっており、ロシアのプーチン大統領との関係が深いといわれている。オバマ前大統領は、クリミア併合などでロシアとの溝を深めたが、トランプ大統領はロシアとの接近を匂わせており、継続中の経済制裁がどうなるか、今後注目される。
 中東関連では、テロとの関連が深いとされる7カ国からの入国制限を行うなど、強権的な手段を厭わない姿勢を示す。イスラエルのアメリカ大使館移動問題など、ナイーブな課題への対応が上手くない。

■過激発言を支えるもの
 首席戦略官・上級顧問のスティーブ・バノン氏は選挙中からトランプ大統領の広報戦略を支えてきた人物である。バノン氏は白人至上主義ともいえる考え方を持っており、連発している大統領令もバノン氏が書かせている可能性がある。今後の政権運営でかなりのキーパーソンになるのではないか。
 いずれにしても、トランプ大統領を象徴するのは過激なまでのスピード感である。問題は、全てを急ぎすぎるあまり、一つ一つの重要課題の処理がおざなりになることではないか。全ての判断を自らで進めるため、トランプ大統領自身の判断がボトルネックとなり、混乱を招く可能性もある。
 トランプが選ばれる時代に我々は生きている。アメリカが分断されている時代であり、人々の不満が変化を求める時代でもある。報道の最前線に身を置く者として、今後とも皆様へ最新の情報をお届けしていきたい。


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【29年2月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 日本初の大規模公開オンライン講座
                        新しい学びスタイル gacco とは? 』

日  時:平成29年2月8日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間
参加者:30名

スピーカー:
伊能 美和子(いよく みわこ)
株式会社ドコモgacco
代表取締役社長

紹介者:
水曜第2グループ世話人 片桐 清志

伊能 美和子氏

■自己紹介 gaccoの立ち上げ
 私は、NTTへ入社した後、首都圏エリアの広告やイベントキャンペーンなど、マーケティングを手がけ、その後は一貫してメディア・コンテンツ領域の新サービス開発分野に従事してきた。NTT研究所の音声認識(オーディオフィンガープリント)技術を活用した音楽著作権の権利処理ワークフローの変革に取り組み、現在は業界のプラットフォームとなり活用されている。また、デジタルサイネージの可能性にいち早く着目し、コンソーシアムの立ち上げや同分野の人材育成・流通のための活動も推進している。
 2012年から、NTTドコモで学び領域における新ビジネス開発を担当している。日本初のMOOC(Massive Open Online Courses=大規模公開オンライン講座)である「gacco(ガッコ)」を立ち上げ、現在は(株)ドコモgaccoの社長を務めている。学び領域への思い入れは強く、次世代に何かを残せる教育のフィールドで、勝負したいと考えている。

■gaccoへ取り組む意義
 日本では、世界に先駆けて通信市場のシュリンクが始まっている。NTTドコモも新たな事業領域を拡充すべく非通信事業(スマートライフ事業)を立ち上げている。gaccoは、そのスマートライフ事業の中のひとつで、教育分野やICTを活用した地方創生というフィールドに位置づけられている。
 米デューク大学の研究では「2011年にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就く」といわれている。どのような技術・社会変動があるか「答え」がなく、技術更新サイクルも短期化している。また、オックスフォード大学の研究では「アメリカの702の職種のうち、47%が自動化される」と予測されている。知識が自動化される一方で、人にしかできない感性・想像力がより一層重視される時代になる。
 これからの時代は、生涯をとおして学び続けて知識をアップデートする必要がある。これまで重視された学歴は、あくまで人生のいち時点での学習の成果だが、今後は長い人生を通じた「学習歴」が重要になる。

■オープンエデュケーションの進化形「MOOC」
 世界の教育界ではオープンエデュケーションが進んでいるが、その進化形がMOOCである。2012年にアメリカのスタンフォード大学やマサチューセッツ工科大学がはじめ、現在世界的な潮流となっている。オンラインで無料講座が受講できる、大学講座の短縮版のようなイメージだ。コース修了認定基準を満たせば、修了証が交付される。2013年にはイギリス、フランスなど欧州諸国もMOOCプラットフォームが立ち上げられている。
 これは、日本の教育界にとって大きな危機である。MOOCの仕組みで学んだ世界中の優秀な頭脳をアメリカや欧州に吸い上げられることを意味するからだ。アメリカでは大学発で進んでおり、欧州は国策で進めている。日本はまだ取組みがない。この危機感が、gaccoを立ち上げる大きなモチベーションとなった。

■gaccoとは
 2014年にスタートした日本初のMOOCプラットフォームが「gacco」だ。大学教授陣による本格的な講義をいつでも誰でも無料でオンライン受講することができる。わからないことを受講者同士が教え合う掲示板が活況で、修了条件を満たすと終了証が発行される。現在会員登録者数は32万人で国内最大。188講座以上を開講している。相互採点やオンラインディスカッション、グループワークシステムなど様々な工夫が凝らされており、継続が難しいオンライン学習システムの難点を克服している。ビジネスモデルとしては、企業への有料サービスの販売を収益源としている。人材育成に興味がない企業は存在しない。オンラインサービスを活用した、効率的なスタイルの社員研修を提案している。

■これからの「学び」
 技術更新のサイクルが短期化するこれからの社会は、「学習歴」社会へと移行する。学び直しや知識のアップデートによりキャリアを形成していく時代になる。常に知識や技術の更新をすることで、予測不可能な未来に対応できる人財が育成される。
 ピーター・ドラッカーの「学び方を学ばなければ、未来の変化についていけない」という言葉が、これからの未来の姿を示唆している。

「gacco」の学び方は人それぞれ自由。自分のペースで決められます。
新しい講座が開講を控え、バラエティに富んだラインナップで更に充実!
ぜひgaccoサイトをのぞいてみてください!

「gaccoサイトはこちら」URL:http://gacco.org/


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【29年2月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 還暦からの趣味と肉体改造
                     長唄三味線とライザップの魅力に迫る 』

日  時:平成29年2月14日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:30名

スピーカー:
宮崎 卓也(みやざき たくや)
三井住友信託銀行(株) 名古屋圏営業管掌顧問
ゲスト:
六代目 杵屋 勝四郎(きねや かつしろう)先生
RIZAP 講師  塩崎 昂(しおざき たかむ)

 2月の火曜グループ例会は、ゲストをお二方お招きして2部制とし、今回のスピーカーである宮崎氏が還暦を迎えたことを機にはじめた多彩な趣味について、実演を交えながらお話いただいた。

〜第一部〜
■長唄について(宮崎氏よりご紹介)
 私は、35歳頃からロックギターを演奏しはじめ、50歳頃までバンド活動を行っていた。様々なコンテストへ出るなど活躍していたが、還暦を過ぎてから一念発起して、長唄三味線を習いはじめた。
 長唄とは、江戸時代に歌舞伎と密接に関わりながら発達した、日本の代表的な邦楽のひとつである。大きな会場で演奏されることが多いため、三味線の演奏にバチを使用して、高い音を響かせながら演奏する。小唄と混同されることもあるが、小唄はお座敷芸のため大きな音を出す必要がなく、指でつまびく演奏方法である。
 現在、高名な六代目杵屋勝四郎先生に直接手ほどきを受けることができ、大変うれしく思っている。ご多忙の中、名古屋でも長唄教室を開催されているので、ご興味のある方は、是非ご連絡いただければと思う。

■杵屋勝四郎先生からのお話・演奏
 現在、歌舞伎役者の坂東玉三郎氏の公演で主に立唄(唄方の首席)を務めている。坂東氏は、決して妥協しない志をお持ちで、人間国宝になられている。芸の細部にまで目を光らせるため気が抜けないが、高いレベルでの切磋琢磨で己を鍛えることができる。
 邦楽はロック等に比べると、音階がとりにくく複雑な側面を持つ。楽器も非常に繊細なものが多く、例えば三味線には猫の皮が張られているが、湿気にとても弱く、扱いには注意が必要だ。また、「楽器を弾きこなそう」という考えではなかなか上達しない。自ら「楽器に歩み寄っていく」イメージを持つことが重要である。
 長唄・三味線などの伝統的な邦楽は「伝統芸能」というくくりで、格式高く敷居が高いイメージを持たれがちである。しかし、伝統芸能をお茶の間へ浸透させる心持ちで、これからも精進していきたい。

 杵屋先生、宮崎氏の対談と、参加者の前で普段の稽古の様子をご紹介いただいた後、杵屋先生より長唄「松の緑」をご披露いただいた。染み入るような歌声と響き渡る三味線の音色に、参加者一同時間を忘れ聞き入った。

火曜第1G 写真1
【「公開稽古中」の宮崎氏と杵屋先生】
火曜第1G 写真2
【長唄「松の緑」を披露される杵屋勝四郎先生】

〜第二部〜
■RIZAPを活用した肉体改造(主に宮崎氏より)
 元々、健康にはかなり気をつけておりRIZAPをはじめる前から毎朝6kmのランニングをしていた。しかし、還暦を過ぎると筋肉をつけていくことが難しく、何か方法はないか探していたところにRIZAPに出会った。
 RIZAPは日本ではじめての本格的な肉体改造トレーニングで、完全予約の個室・トレーナーと1対1で行うプログラムである。RIZAPプログラムの筋トレは本当に辛く、自分の肉体の限界への挑戦である。筋トレは正しくやらないと殆ど効果がなく、関節や神経を傷つけてしまうおそれもある。効率的な、怪我をしないトレーニングを徹底的に行えることが、RIZAPのひとつの特徴だ。
 RIZAPでは、週数回のトレーニングを1対1でしっかりと見てもらえるとともに、毎日の食事内容の報告を通じて、食事のコントロールも行うことができる。筋肉量を増加させるため、たんぱく質をしっかりと摂り、糖分をできるだけ抑えるなどの栄養管理がなされる。筋肉量が増加することで基礎代謝能力が向上し、体内での脂質の燃焼や血流の促進がのぞめ、健康寿命が延びる。RIZAPをはじめてから、体調が改善されたことを実感している。勿論、RIZAPの継続にはそれなりの費用はかかる。しかし、何ものにも代えられない健康を管理する上で、有効な投資と考えることができる。

火曜G 写真3
【宮崎氏とRIZAP塩崎氏の対談】


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【29年2月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 岐阜車体工業(株) 視察会 』

日  時:平成29年2月15日(水) 9時50分〜15時10分
場  所:岐阜車体工業株式会社
参加者:13名

紹介者:水曜第1グループ世話人 淺井博司

 今回は岐阜県各務原市にある岐阜車体工業(株)の視察会を開催した。
 当日は、暖かい日差しにも恵まれ、名古屋商工会議所をバスで出発し、11時に現地に到着。同社総務部 井戸田部長他、社員の皆様に快くお迎えいただき、まず会議室でオリエンテーションを行っていただいた。

■岐阜車体工業(株)について
 当社は、昭和15年に創業した。創業当初は軍用トラックや特殊車両を手がけ、昭和30年代から岐阜県唯一のトヨタの完成車メーカーとして商用小型トラックの生産を行っていた。平成11年からトヨタハイエースハイルーフの生産を開始し、平成17年に新型ハイエースの生産を始め、平成19年にトヨタ車体(株)の完全子会社となった。
水曜第1G 写真1
【井戸田総務部長より概要説明】

 自工程完結、ダントツ5S、からくり改善など、品質向上への取組みを続け、2011年から国内車両生産工場内で品質6年連続トップグループの評価を獲得している。
 2013年に創業70周年を迎えたことをきっかけに、品質、環境、福利厚生など13のテーマからなる改革プロジェクトを実施することとなった。
 「勤めれば健康になる会社に」というテーマのもと、保健指導やウォーキング推奨、食堂での喫食情報システムを導入し食事管理を行った結果、喫煙率やメタボ率が大幅に低下した。また、「GI(岐阜車体)ファンを増やそう」というテーマのもとで地域貢献活動にも取り組んだ。近隣住民との定期的な意見交換、工場見学会などを実施。「岐阜車体でハイエースをつくっていることを知らなかった」という意見をいただき、近隣住民にすら自社のことを知られていなかったという事実に愕然としたが、本社敷地内でのフェスティバル開催や清掃活動、児童登校時の交通安全運動など地道に交流を重ね、今では苦情、要望件数は格段に減り、良好な関係を構築できている。
 そして、「来るのが楽しみになる会社に」というテーマで、社員食堂を新築した。
 旧食堂は狭く、座席数の不足、メニューが少なく作り置きで冷たいなどとても満足できる食堂ではなかったが、社員が元気になれる食堂にしようという思いで、内装やデザインにもこだわり、2013年に現在の食堂が完成した。

 メニューも豊富で、サンプルはすべてディスプレイ表示している。これは廃棄を減らすことにも一役買っている。社員の満足度も大幅に向上し、以前は外で済ます社員が多かったが、今ではほとんどの社員がこの食堂を利用するようになった。 水曜第1G 写真2
【社員食堂 Sha-shockスマイル】

 当社は、「小粒でもピカッと光る企業をめざして」をキーワードに、創意工夫と知恵を生かして、常に技術を磨き上げ、高品質のモノづくりに取り組んでいる。

■工場見学
 概要説明のあと、ハイエースの生産ラインと、2017年1月にトヨタ車体から移管したばかりのコースターの生産ラインを見学した。
 コースターの生産ラインには、限られたスペースを活かして大型の車両を効率的に生産するための工夫が随所に施されている。例えば、ルーフ部分の取り付けの際には、車体を横送りさせて後方の開口部分から部品を投入する。部品の補充棚には「からくり」が用いられ、人の手で空の棚を入れ替えなくても、スムーズに補充されるようになっていた。
 間近でみられる製造工程の様子に、参加者からは感嘆の声があがっていた。
水曜第1G 写真3

■社員食堂での昼食
 工場見学のあと、お待ちかねの社員食堂での昼食となった。3種類の日替わり定食、スペシャルメニュ-、麺類・アラカルト等豊富なメニューで組み合わせ自由。焼き立てパンや自家製デザートも人気である。それぞれ楽しく迷いながら、自身のメニューを選んで席に着いた。美味しくいただいたのち、自身が食べたメニューの総カロリーを「喫食情報システム」で確認。同社が取り組む「健康経営」を、身をもって体験することができた。

水曜第1G 写真4
【食堂でメニューを選ぶ皆さん】
水曜第1G 写真5
【集合写真】

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【名古屋いちばん物語】 No.94


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第71回 』

料亭つたも主人
深田正雄(栄ミナミ地域活性化協議会)

栄ミナミNAGORINの思い出

 今年で第11回目を迎える5月13-14日「栄ミナミ音楽祭」、18回目となる8月26-28日「にっぽんど真ん中祭り」、など恒例の栄ミナミ発イベントは開催地域も広がり、全国から多くの参加者で賑わう観光事業として定着してまいりました。矢場公園での栄ミナミ盆踊りGOGO、Nago1グルメグランプリも継続して開催、栄の名物催事として話題作りにも事欠きません。
 しかしながら、矢場公園でチャレンジしたユニークなフェアの中には、諸般の事情で継続できなくなったケースもあります。栄ミナミ地域活性化協議会では、とにかく何でもやってみようと様々な事業を展開しましたが、現在は実施できなくなった屋外スケートリンク・イベントの将来再開を期するためにも、今回紹介させていただきます。

NAGORINナゴリン:全国でも珍しい屋外アイススケートリンク
″Ice to meet you″のテーマのもとに矢場公園に本格氷のリンクを2年冬期間に開催
第1回 2009年12月12日(土)〜2010年2月21日(日) 合計72日間 来場2.8万人
第2回 2010年12月4日(土)〜2011年2月20日(日) 合計79日間 来場3万人
キャラクター 村上佳菜子さん、イメージソング Mizca(ミツカ)「星のつぶつぶ」
http://www.sakaeminami.jp/event/nagorin/

住吉 画像1
「名古屋を代表するスケートリンク」のイメージを強く打ち出しながら、
1ワードの愛称で言葉に強さがあり、子どもからご年配の方まで覚えやすいネーミング。
来年(2010年)開催の「五輪(ゴリン)」の響きも含んでいます。
また、人と人が手をつなぎ「輪」になり遊び、楽しみ、喜び合うことで、
和やかな輪(なごりん)が生まれる温かい場所になってほしいという思いも込められています。
ロゴマークには、名古屋を象徴する金鯱がスケート靴を履いたマークを採用。
氷をイメージしたロゴタイプとセットでデザインされています。

 栄のビル街のまん中に突然現れたステージ付の屋外アイスリンクは20m×30m本格サイズ、フィギュアスケートのメッカ名古屋に相応しい憩いの場となり毎日ライブ演奏他、楽しいイベントで日本中の話題となりました。
 アイススケート教室から多くのチビッ子がデビュー、エキシビションでは現在のオリンピック選手が模範演技、クリスマスイベント、氷上プロポーズ大作戦、氷の彫刻コンクール、深夜までの大晦日カウントダウン、成人の日晴れ姿和装スケート、バレンタインデー、美味しい移動販売車屋台とドリンク・・・とってもオシャレな企画で名古屋のイメージ向上に大貢献したと自負しています。

住吉 写真1
第1回ナゴリンポスター
村上佳菜子さんとナディアパーク、協賛企業名
住吉 写真2
一面にスケートリンクとなった矢場公園、会場風景
住吉 写真3
会場入り口のクリスマスツリー、LED仕様 豊田合成・協賛
住吉 写真4
ロマンチックな夜景、デートスポットとして人気となる

 初年度の運営にあたっては、大日本印章さんに特別協賛いただき、EIDENさんほか30の企業様のご支援のもと、東海テレビの全面協力で総費用約8200万円で実施しました。勿論、公的助成は一切受けずにチャレンジしましたが、入場料など興行収入が2000万にも満たず多額のマイナス計上となり(株)I&Qアドヴァタイジング及び関連企業、南大津通り商店街などからの救済に頼る状況となりました。次年度も改善はしたものの、2011年3月の東北大震災の影響もありスポンサーの集まりも芳しくなく、3年目からの継続は断念せざるを得ない結果となりました。
 大胆な素晴らしい発想でNAGORINを実現させた藤井一彦実行委員長の執念、そして、極寒の中、連日深夜まで現場フォローいただいた事務局の清水洋一さん、石原哲也さん、スタッフの皆さんの奮闘に改めて敬意を表させていただきます。

 エキシビションで登場したチビッ子スケーターに魅せられてスケート教室は大賑わい、夜のロマンチックな公園は多くのカップルで賑わい入場者以外にも多くの人々が栄ミナミの魅力に感動されたことと思います。また、近い将来、この経験を生かして新しい街づくりの担い手により「NAGORIN」が再開されることを祈念しています。
 また、栄ミナミ地区では2015年より伊勢町通・白川通・プリンセス大通り・三蔵通に早咲きのオオカンザクラとオカメザクラを植え始め、今春で118本となります。また、三つ蔵通では名駅まで桜並木でつなぐ構想があります。そこで、今般新しい仲間たちが中心となり「第1回栄ミナミ早咲き桜まつり」を開催することとなりました。
 3月10日から28日まで開催の「桜メニュー&桜スイーツグランプリ」、および、桜もち誕生300周年に因んで名古屋生菓子組合青年会と共催する「桜もち誕生300周年祭」イベントにチャレンジします。この桜まつりも地元の支援と協力を得て、新しい栄ミナミの恒例行事として継続できるようにトライしてまいります。

 次回は、屋外映画上映シネマキャラバン、北欧イベント「TRAVELERS」についても、お話ししたいと思います。

住吉 写真5
チビッ子によるエキシビション、その後、
皆さんがオリンピック選手や候補に

住吉 写真6
第1回1万人、2万人来場記念イベント・
東海テレビ「ワンダホ」出演

住吉 画像2
栄ミナミ早咲き桜まつり2017
パンフレット
http://sakura300.sub.jp/

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3月度産業懇談会のご案内
木曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

3月14日(火)
12:00〜14:00
徳倉建設株式会社
取締役副社長執行役員営業本部長 細畠 秀雄氏
『我が社のODA(政府開発機構)事業における
        発展途上国での建設工事の取組み』
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

淺井博司
飯田芳宏
落合 肇

3月15日(水)
12:00〜14:00
名古屋工業大学大学院
工学研究科 准教授 徳丸 宜穂氏
『製品開発プロセスにおける日本の強みと弱み
               〜日中韓の比較から〜』
2階
曙の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

3月22日(水)
12:00〜14:00
オリックス株式会社
東海ブロック長 藤井 茂氏
『オリックスの紹介とコンセッション事業の現状』
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

3月2日(木)
9:00〜18:40
中部電力(株)浜岡原子力発電所 視察会
(定員に到達したため、申し込みを締め切りさせていただきました。)
名古屋
商工会議所
(バスで現地へ
移動いたします)

<ご参考>
産業懇談会木曜グループ 中部電力(株) 浜岡原子力発電所 視察会

日時:平成29年3月2日(木) 9:00〜18:40
見学先:静岡県御前崎市佐倉5561
TEL:0537-86-3481
スケジュール:
9:00 名古屋商工会議所 正面玄関 集合・出発(バスで移動いたします)
11:40〜12:25 昼食(海鮮食堂「みはる」 静岡県御前崎市御前崎1099-3 TEL:0548-63-5328)
12:25〜12:45 移動
12:45〜15:45 浜岡原子力館・浜岡原子力発電所 到着、視察開始
  • 概要説明、原子力館 視察
  • 防波壁、防水構造扉等 視察
  • 5号機視察 他
(※工事の進捗、天候等により、内容が変更となる可能性がございます。)
15:45 現地出発、バスにて移動
18:40 名古屋商工会議所 到着

(道路事情等によりスケジュールが変更になる場合がございます。)

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4月度産業懇談会のご案内
火曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

4月11日(火)
12:00〜14:00
『名古屋ボストン美術館 見学会』
「歌川広重 東海道五拾三次展」
(三菱東京UFJ銀行貨幣資料館所蔵)
名古屋ボストン美術館  馬場駿吉館長 ご講話
ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋
6階 おしどり
(現地集合)
水曜第1グループ

淺井博司
飯田芳宏
落合 肇

4月19日(水)
12:00〜14:00
東海東京フィナンシャル・ホールディングス(株)
顧問 岡部 聰氏
『新興国での事業展開のポイント』(仮)
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

4月12日(水)
12:00〜14:00
ポッカサッポロフード&ビバレッジ(株)
取締役執行役員営業本部本部長 加藤 淳氏
            名古屋戦略部 福 政彦氏
『レモン大学』
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

4月6日(木)
12:00〜16:40
『東レ(株)オートモーティブセンター 視察会』
東レ(株) 名古屋支店長 遠藤 正人氏
18階
伊吹の間
(バスで移動します)

<ご参考>
産業懇談会木曜グループ 東レ(株)オートモーティブセンター  視察会

日時:平成29年4月6日(木) 12:00〜16:40
見学先:名古屋市港区大江町9-1
スケジュール:
12:00 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間 集合
12:00〜12:30 昼食
12:30〜13:10 バスにて移動
13:10〜16:00 東レ(株)オートモーティブセンター  到着
  • 名古屋事業場長 沖田 茂様 ご挨拶
  • 事業概況説明
  • 実験棟/ショールーム見学(2班に分かれてご見学いただきます)
  • 質疑応答
16:00 現地出発、バスにて移動
16:40 名古屋観光ホテル 到着

(道路事情等によりスケジュールが変更になる場合がございます。)

定員:20名程度(申込多数の場合は木曜グループの方を優先させていただきます。)
参加費:バス代等、実費をご請求させていただきます。(費用概算5,000円程度)
備考:ご参加いただく方には別途、詳細案内を送付いたします。

産業懇談会火曜グループ 名古屋ボストン美術館「歌川広重 東海道五拾三次展」見学会
日時:平成29年4月11日(火) 12:00〜14:00
見学先:〒460-0023 名古屋市中区金山町一丁目1番1号
スケジュール:

12:00 ANAクラウンプラザホテルグランコート名古屋 6階「おしどり」 集合
12:00〜12:25 昼食
12:30〜13:30 名古屋ボストン美術館レクチャールームにて概要説明
  • 三菱東京UFJ銀行 貨幣資料館 館長 北岡 泰秀様 ご挨拶
  • 名古屋ボストン美術館 館長 馬場 駿吉様 ご講話
  • 紹介映像上映
13:30〜14:00 館内見学
14:00 現地解散

(道路事情等によりスケジュールが変更になる場合がございます。)

定員:20名程度(申込多数の場合は火曜グループの方を優先させていただきます。)
備考:ご参加いただく方には別途、詳細案内を送付いたします。

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【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

○メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

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○2016年6月24日より、本メールマガジンの運用ルールを明確にさせていただき、本会をご退会された方は自動的に配信を停止させていただくことといたしました。誠に勝手ながら、ご了承くださいますようお願いいたします。
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【コラム】

コラム1 【遊歩道】 No.2
遊歩道

ヤマカ株式会社
取締役社長 加藤 智子

ワインと共に広がる縁

 ミッションで各地へ出掛け、好奇心旺盛な私は熱心に勉強(?)し経験を重ねた。
 岐阜県高山からご参加の、少しお年を召したご夫婦が常に私に目をかけて頂き、食事の都度、私に同席する様、声をかけて頂いた。一層楽しいひとときばかりであったが、残念ながら食事の度に出るワインに全く興味が無く寧ろ苦痛だった。
 一人で参加された少し若い男性に、好みで選ぶワインに薀蓄だか能書きを長々と言う人が居て、早く食べたいばかりの私にはうんざりだったが、その奥様がとてもおいしそうに飲まれ楽しそうに会話が弾んでいる様子を見て、手持ち無沙汰の私も少しずつ口にしている内に、すっかり嵌って約20年。今では、味の解って頂ける人、楽しんで頂ける人には、値段関係なくその人の好みに合わせて提供したくなる悪い癖が芽生え、そのお蔭で多くの人々と巡り合う事が出来、私には、分不相応な皆様方との人脈を得、とてもとても大切な唯一の宝だと思っている。
 人様からとても美味しい、とってもレアーなもの、日本には輸入されないもの・・・と聞けば直ぐに飛びつき買い求めている内、飲み切れない量となってしまった。
 当初は、ボルドーから興味を持ち、今ではカリフォルニア、イタリア、スペイン、NZ、etc。ボルドーからコマンドリー叙任の栄を浴し、大きな勲章を頂いて既に7〜8年、こよなくワインを愛する人とはご一緒し、ワイン談義に花を咲かせ楽しいひとときを味わいたいものです。

遊歩道 ワインと共に広がる縁 写真1 遊歩道 ワインと共に広がる縁 写真2 遊歩道 ワインと共に広がる縁 写真3

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コラム1 【遊歩道】 No.3
遊歩道

小唄 橘派 師範 橘彌勝 こと
産業懇談会水1G 名菱電子 岡野 勝

ゴルフと小唄

 2006年に神戸から名古屋に赴任して、今年で11年目になる。本コラム投稿に際し、名古屋に来てからの「遊歩道」は何かなと考えた結果お題は「ゴルフと小唄」とした。
 先ず「ゴルフ」。ゴルフ環境抜群の名古屋だけあって同友会会員諸氏を始め、名古屋の新たな友人知人からゴルフのお誘いを受けることが多くなった。ゴルフ経歴だけは長いものの腕前は所謂「百獣(110)の王」いや「猛獣(もう10⇒120)」で、せめて同伴メンバーの迷惑にならない程度に練習せねばと、昭和区のゴルフ練習場に出かけた。折しも「基礎から教えるゴルフ教室」の生徒募集中、年間40回のコースに入会した。毎週水曜午後7時から、先ず30分はテキストとビデオを見ながらの座学、その後1時間の打撃練習。生徒の8割はゴルフ初心者の女性、2割は私同様固めた下手を叩き直したいおじさんである。前半6か月でフルスイングの完成、後半6か月でコントロールスイングとショートゲームの基本技術を習得するというプログラム。初心者の女性は持ち前の柔軟性で正しいスイングの習得も早い。此方は固めた下手を解凍しないと正しいスイングが入ってこず悪戦苦闘しながらも、ようやく一年間の教室を修了した。
 その後10年経過しゴルフの腕前はさして進歩していないが、ゴルフ教室仲間との付き合いは今も続いている。会の名前は練習日に因んで「水曜会」。ゴルフ仲間というより呑み仲間であり、地元女性が選ぶ安くて美味しい店でB級を通り越してウルトラC級グルメの会を堪能している。同友会メンバーにこれらの店を紹介すると、皆さんどうしてこの店を知ったかと感心されている。職業・年齢とも多彩で元気な地元女性同期生との付き合いは、男性同士の付き合いには無い多様性のある貴重な遊歩道である。最近は同友会メンバーにゲスト参加頂き、仲間の輪が広がっている。
 次に「小唄」。こちらは入門7年、一昨年橘派師範を許された。
 歌舞伎、浄瑠璃の誕生とともに発展した長唄、常盤津、清元等三味線音楽は、江戸中期劇場から飛び出して民間のお座敷に進出し端唄や小唄が誕生する。江戸末期に清元節の人たちが余技的に作曲し始め、明治大正を経て昭和に最盛を極めた三味線音楽が江戸小唄と呼ばれている。
 小唄は長唄、常磐津、清元といったものに比べると、1曲3分程度と短いのが特徴で、人生や男女の機微、季節の情景を唄った粋な唄が多い。主にお座敷で唄われた為、三味線伴奏は撥を使わず「爪弾き」といって指先の肉を使って柔らかい音色で弾く。唄と三味線伴奏の掛け合いのような演奏もあり弾き語りは難しい。脳の活性化(ボケ防止)に役立ちそうである(笑)。また歌舞伎や浄瑠璃の名場面・名台詞のいいとこ取りの芝居小唄も多くあり、1曲覚える度に題材となった演目への興味が広がる。歌舞伎十八番の一つ『勧進帳』では、「…今は露おく鬼あざみ 深き情けの関こえて 気も晴れ渡る花の道 飛び六法の蝶ひとつ」と、花道を飛び六法で退場する弁慶の姿が目に浮かぶ。歌舞伎や浄瑠璃を鑑賞するようになったのは名古屋に来て小唄を習い始めてからで、今ではNHK Eテレ金曜夜10時「にっぽんの芸能」を録画予約して観ている。
 名古屋のご当地ソングで有名な『名古屋甚句』は、名古屋の街並みや歴史を読み込んで、後半の名古屋名物のくだりは「そうきゃもそうきゃもなんだゃあも…」と名古屋弁の歌詞が楽しい。5年前正調名古屋甚句伝承会から甚勝彌の名前を頂戴した。
 私が所属する文化の街づくり委員会が「訪れたい・働きたい・住みたい街名古屋」の街づくりに向けて〜女性が魅力を感じる街づくりの視点から〜と題して3月に提言発表する。今後とも「ステキ・小粋・街歩き」や名古屋に根付く伝統芸能に触れ「豊かさとゆとりを兼ね備えたお値打ち名古屋」をアピールしてゆきたい。

遊歩道 ゴルフと小唄 写真1 遊歩道 ゴルフと小唄 写真2

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コラム2 【保健師からの健康だより】 No.155
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 稲垣 静香

『 うっかりに潜む病 』

 食事中にコップを倒す、すれ違いざまに人とぶつかる、読書していてもうっかり行を飛ばして読むことがある、といったことはありませんか。ただの「うっかり」ならいいのですが、もしかしたら、目の病気「緑内障」かもしれません。

 日本緑内障学会が実施した大規模な調査(通称:多治見スタディ)によると、40歳以上の20人に1人が緑内障であるとの結果が出ました。緑内障は、目の奥の網膜に異常が起きて視野が欠けてしまう病気です。実は自覚症状がほとんどなく、9割の方が気づかない病気です。なんとなく考えると、視野が欠けて見えない場所があると異変に気づきそうなものですが、どうして気づかないのでしょうか。

 その理由の1つとして、見えていない場所に関係があります。緑内障は視野の中心部より周辺部分が欠けやすくなります。人間は中心が見えていれば、周辺の視野が欠けていてもあまり気にならないため、気づきにくいのです。
 2つ目の理由は、脳の補正力に関係があります。欠けた部分の映像はただ消えるだけではなく、脳が映像を作ってあたかも見えているかのように補正するため、なおさら気づけないのです。

 手術で視力が回復する白内障と違って、一度緑内障になってしまうと治すことはできません。ただ、早期に見つけて治療をすれば進行を止めることができます。眼球には、栄養を送るための水分が流れ込んでいますが、水分が溜まりすぎて眼圧が上がると網膜にあるくぼみが圧迫されて緑内障になります。治療用の目薬には、水分量を調整してくぼみへのダメージを軽減する効果があります。失われた視野を元に戻すことはできず、よくなるという実感がない病気なので、治療を始めても中断してしまう方もいます。根気強く治療を続けることが大切です。

 毎年3月6〜12日は世界緑内障週間です。日本の失明原因の第1位は緑内障です。早期発見・早期治療を継続すれば、失明する可能性の低い病気になってきています。特に40歳代以上で近視の方は、定期検査で早期発見を心がけてください。

異常を指摘されたら 放置せず必ず受診 根気強く治療継続

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.100
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

読んでいない本について堂々と語る方法
ピエール・バイヤール著・ちくま学芸文庫

 世界の「読書家」がこっそり読んでいる大ベストセラー! とは帯のキャッチコピーです。2008年に同社から出版されたものの文庫化です。著者は、1954年生まれのパリ第八大学の教授で、精神分析家。

 読書をめぐっては、暗然たる強制力をもつ規範がいくつもあるが、以下の三つは決定的である。
 第一は、読書義務。神聖(名著)とされる本を読んでいなければ、他人から軽視される。第二は、通読義務。本は始めから終わりまで全部読まなければならない。第三は、語ることに関する規範。本について語るにはその本を読んでいなければならない。

 これらの禁忌を取り払うことが大切だ、と著者は主張します。例として取り上げる作品は、『ハムレット』『エセー』『薔薇の名前』『第三の男』などをはじめ多彩で、『吾輩は猫である』まであります。
 「結び」の中でこう言います。「読んでいない本について語ることはまぎれもない創造の活動なのである。」

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コラム4 【苗字随想】 No.177
コラム【苗字随想】

片桐清志

「しこ名」あれこれ(1)

 第66代横綱若乃花以来、なんと19年ぶりに待望の日本人の第72代横綱稀勢の里が誕生した。外国人に門戸開放したとは言え、日本人横綱のいない大相撲はやはりどこか物足りない。稀勢の里の今後の活躍を大いに期待したい。
 しこ名が誕生したのは江戸時代の勧進相撲が始まった頃とされている。番付表には姓に相当する通称名のほかに名前も記されている。稀勢の里の場合も番付表には「稀勢の里寛(キセノサトユタカ)」と記されている。したがって広義には番付表の表記全体(姓+名)をしこ名とみるべきだろう。しこ名に関する相撲協会の決まりは特になく、千秋楽から番組編成会議までの間に届け出れば認められる。戸籍と異なり使用する文字も制約はない。このため難読のしこ名も多い。
 今月は戦後の横綱と本名(苗字)の関係に着目してみた。稀勢の里の本名は今回横綱昇進で何度か報じられたように萩原(ハギワラ)だ。若乃花(56代・66代とも)と貴乃花の本名の花田も引退後は本名で呼ばれることが多いのでご存じだろう。しかしその前の63代横綱旭富士が杉野森(スギノモリ)はあまり知られてない。さらに遡ると、大乃国は青木(アオキ)、北勝海(ホクトウミ)は保志(ホシ)、三重県出身の双羽黒(フタハグロ)は北尾(キタオ)、隆の里(タカノサト)は高谷(タカヤ)、昨年亡くなった名横綱千代の富士(チヨノフジ)は秋元(アキモト)、しこ名からも三重県出身と分かる三重の海(ミエノウミ)は石山(イシヤマ)、同じく北海道出身の北の湖(キタノウミ)は小畑(オバタ)、石川県出身の輪島(ワジマ)は実は本名でもある。琴櫻(コトザクラ)は鎌谷(カマタニ)、北の富士(キタノフジ)は竹澤(タケザワ)、愛知県出身の玉の海(タマノウミ)は谷口(タニグチ)だが後に竹内(タケウチ)の養子となっている。佐田の山(サダノヤマ)は市川(イチカワ)、栃の海(トチノウミ)は花田で青森出身だが若乃花との血縁はない。大鵬(タイホウ)は納谷(ナヤ)だが母親の再婚で住吉(スミヨシ)の時代もある。柏戸(カシワド)は富樫(トガシ)、朝潮(アサシオ)は米川(ヨネカワ)、栃錦(トチニシキ)は中田(ナカタ)、吉葉山(ヨシバヤマ)は池田(イケダ)、鏡里(カガミサト)は奥山(オクヤマ)、千代の山(チヨノヤマ)は杉村(スギムラ)、東富士(アズマフジ)は井上(イノウエ)、前田山(マエダヤマ)は萩森(ハギモリ)だ。
 しこ名は本名のままでも構わないが、しこ名が一般化した現在は本名をしこ名にするケースは少ない。本名のまま横綱となった輪島は異例だ。本コラムおなじみの珍しさランキングの横綱は旭富士の本名の杉野森だ。

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【平成29年2月号編集後記】

 花粉症の人には憂鬱な時期が巡ってきた。この花粉症対策で村おこしに成功した村がある。和歌山県に属しながら奈良県と三重県に囲まれた飛び地の北山村だ。人口はわずか500人しかいない。しかし、全国でもここでしか生産されてない柑橘類の「じゃばら」が村の特産品として脚光を浴びている。
 「じゃばら」の誕生そのものがユニークだ。「ゆず」と「九年母(くねんぼ)」と「紀州みかん」の自然交配種でこの地区にしか自生してない。厳しい自然環境が生み出したのだろう。「香酸かんきつ」として調味料的に使われていた。一本しかなかった原木が村民の努力で今や7000本にまでなったという。
 ところがある時、このじゃばらを大量に注文する客がいて、訊けば花粉症が改善したという。それを聞いた村が直営で飲食に適するよう商品開発に取り組んだ。今ではドリンク、ジャム、スイーツなどに加え化粧品までラインナップが増えている。こうした努力が実って今や2億円以上を稼ぐヒット商品になっている。
 しかし、ここに至る道のりは平坦ではなかった。奥田前村長(平成28年7月退任)の話によると30年以上の地道な商品化努力と、ネット通販化と、効能の学術的解明などの総合的な取り組みの結果だという。学術的解明には岐阜大学も参画している。中でもネット通販へ踏み切った効果は大きく、村ではインターネットの効果を見直し、今では全戸に光回線を引いているという。もちろん村のホームページにも「じゃばら商品」関係を大きく取り上げている。村ではじゃばらに感謝する意味でじゃばら発祥の地に「邪払(じゃばら)神社」を建立して収穫祭を営んでいる。
 注目されだすと、ライバルが登場する。自然交配種と言えど接ぎ木で増える「じゃばら」は他の地区でも栽培できるようになるだろう。それまでに北山ブランドの力をつけることも必要だ。追随を許さない商品力の強化も必要だ。今後も楽ではないだろうが規模の小ささは意思決定をスピードアップすることができる。長年培ったノウハウに磨きをかけ、「小なれど雄」を維持してほしいものだ。

 今月号では恒例となった年初めに開催された、種村筆頭代表幹事による特別講話「日本と日本人」の概要をご紹介できた。この1年、種村氏が抱き続けてきた思いの一端を熱く語っていただけた。また、今月開催された例会模様もすべて掲載できた。実演あり、見学ありの多彩さは今年も健在だ。担当された講師、関係者にこの場を借りて深く感謝する。

(片桐)