産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第153号 2015.2.27 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成27年2月度(第153号) 目次
【27年1月度 産業懇談会 「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」】 1月30日(金) 17時30分〜20時00分
【27年2月度 産業懇談会(火曜G)模様】 2月10日(火) 12時00分〜14時00分
【27年2月度 産業懇談会(木曜G)模様】 2月12日(木) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.69
【新会員自己紹介】
種橋 潤治氏

株式会社三重銀行 取締役頭取

一泉 知由氏

日本ゼネラルフード株式会社 代表取締役副社長

【3月度産業懇談会開催日程】
【4月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.131
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.76
コラム3 【苗字随想】 No.153
【27年1月度 産業懇談会 「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」】

テーマ: 『 ニューステージを迎える証券ビジネス 』

日  時:平成27年1月30日(金) 講話:17時30分〜18時30分、懇親会:18時45分〜20時00分
場  所:ウェスティンナゴヤキャッスル 講話:2階 青雲(東)の間、懇親会:2階 青雲(西)の間
参加者:61名

スピーカー:
石田 建昭(いしだ たてあき)
中部経済同友会
筆頭代表幹事

石田建昭氏

1. 証券市場の現状と今後について
 今日はこうした講話の機会をいただきありがとうございます。
 上場証券会社の2014年4〜12月までの決算がほぼ出揃った。各社とも前年同期比で10〜20%、あるいは25%程の減益になった。前年同期が異常なまでに好決算だったために減益にはなったが、恐らく過去2番目か3番目の良い決算ではないかと思う。特に10月末の黒田総裁のバズーカ砲がまさに効き、11月、12月はかなり好調だった。
 我々は安倍政権になって以来、「投資の時代が来た」、「証券の時代が来た」と話している。日本の株式市場は急激に回復し、東証株価指数は2012年1月から現在にかけて約2倍に上昇したが、アメリカ、あるいはヨーロッパの代表的な株価指数の上昇率を遥かに上回っている。また、東証一部の時価総額は300兆円から500兆円に増加した。売買代金は1兆円割れを心配した当時から、日によっては5兆円を超える活況を呈している。
 我々は2年前から、アベノミクスの下、株式市場に非常に大きな好影響を与える“Seven sisters”と呼ぶ7つのファクターがあると説明していた。つまり、円安や原油安に守られた「業績改善」。東京オリンピックやリニア建設、国土強靱化に伴う「建設投資循環」。安倍首相がアメリカで「Buy my “Abenomics”」とおっしゃっていたように「国家戦略特区等」。そして、黒田バズーカではないが、「日銀の更なる金融緩和」。それと同時に、GPIFいわば年金基金が株式運用を増やすであろう「市場需給の改善」、「実質マイナス金利」、「政官一体体制の強化」。こうした要因から、「日本は大丈夫だ」と予想したが、それが今のところ当たっている。
 この2015年に対して、我々は、日経平均1万8千円、あるいは2万円は十分に期待できると思っている。最近、マーケットは非常に値動きが激しいが、好調な企業業績、株主への利益還元策、良好な株式需給がポジティブに働くからである。
 投資信託の残高投信もどんどん増えている。また、新規上場企業数も一時は年間20社を切っていたが、2014年は70社を超え、2015年は100社を上回るであろう。こうした統計数字から見ても、投資時代が到来したと思う。証券界は「わが世の春」をエンジョイしている。
 半面、我々は、果たしてこの時期がいつまで続くかと、実は若干不安を感じている。向こう1年、あるいは1年半については、日本の株式は余程の世界情勢の変化、地政学的な問題の勃発がない限り、「まずは大丈夫だろう」とは思っている。しかし、これから1年半を過ぎる頃から、東京オリンピックへと向かうところには、非常に懸念材料を抱えている。
 実際、前回の東京オリンピックは昭和39年に開催されたが、当時の株価を振り返ると、昭和40年に証券不況が起きており、当時の株価は暴落している。理論的に、オリンピックの後に株価が下落することは分かるが、よくよく見るとオリンピック開催の2年前から、相当な勢いで下がっていた。当時は岩戸景気だ、あるいは所得倍増計画ということで、その前の昭和34年、35年から日本の経済は非常に好調だった。そのような統計的、あるいは歴史的な動きを念頭に入れている。
 結論的には、先程も申した通り、日本のマーケットは、恐らく1年から1年半、あるいは2年はまず大丈夫と考えている。それ以降は、アメリカの金融政策変更の影響、日本の国債問題の出口政策、多々あるユーロ問題などが不透明であり、2017年、2018年は少し怖い現象が起こるかもしれない。2017年は、アメリカの金融政策が引き締めに向かうピークになるであろう。日本の金融政策も緩和しているが、一つの山が来るであろう。それと同時に、消費税増税の問題がもう一度相当な影響を与えてくるだろう。そして、2018年には黒田総裁、安倍首相ともに任期が訪れる。2017年、2018年問題をどう乗り越えるかということを頭に入れておく必要がある。

2. 東海東京フィナンシャル・グループの戦略
 時計の針がチックタックと進むかの如く、Chiq Tac(チックタック)革命により、証券会社を取り巻くビジネス環境が大きく変化している。Chiq Tac革命とは、「CHEAP(手数料低下)」、「IT(高度情報化社会)」、「QUALITY(高品質)」、「TAX(税制)」、「TSE(東京証券取引所)」、「AGING(高齢化)」、「COMPETITION(競争)」、「COMPLIANCE(法令順守)」の頭文字をとっている。補足すると、手数料の低下、ネット証券の台頭、FACE TO FACEの営業の復活、証券界に不利な税制、証券を購入する人の高齢化、ネット証券や銀行系証券会社との競争等である。
 いま最大の問題は、証券会社のお客さまの高齢化の問題だ。日本の個人金融資産の60%を60歳以上が保有しているが、証券会社の収益依存においては、もっと“高齢化”が進んでいる。社内でも「10年経ったらどうするのか」とよく言われているが、エイジング問題は相当シリアスである。次の新世代のお客様が増えてくればいいが、金融資産を厚くしていく層は、なかなか簡単に出てこないだろう。サラリーマンの場合、金融資産は毎日勤勉に働き、その所得の中から積み上げて貯めていく。しかしながら、現在3,000社以上が上場しているが、そこに勤務する人々において年間1億円以上の給与所得者はわずか300人である。仮に1億円を得ても、税金で半分持っていかれ、残りもそれなりに消費に回す。サラリーマンの給与所得からだけでは、金融資産を大きく積み上げることは難しい。
 この高齢化問題を示す典型的な現象は「日本の貯蓄率の低下」で、ついにマイナスに転じた。シニア層を中心に金融資産を保有しているが、その人々はお金を使うしかなく、貯めるソースがない。そう考えると、現在の1,600兆円の個人金融資産は減る以外になく、証券会社の将来のビジネス環境はなかなか厳しいと思う。
 それと同時に、競争も相当激化しており、特にネット証券や銀行系証券に目立つ。現在、銀行は銀証連携により、証券分野へ侵入してきている。このようなChiq Tac革命は、何かのんびりした名前であるが、日々、我々の経営に大きなプレッシャーを掛けてきている。そうした中で、各社ともいろいろな戦略を考えている。
 最後に、多少宣伝も含めて、我々の戦略を簡単に申し上げると、東海東京証券は野村、大和、三菱UFJ、SMBC日興、みずほの5大証券に次ぎ、大体6番目程度の業容かつ収益であり、SBI、岡三と同じくらいである。
 当社は、株価面では比較的上昇率が高いが、海外の投資家に「なぜ当社の株を購入するのか」と尋ねると、理由として主に3つを答える。第一に、やはり中部という確固たる営業基盤が収益の安定性に貢献していること。第二に、過去十数四半期連続して経常利益ベースで黒字を確保し業績安定感があること。第三は、経営戦略の独自性である。当社は、地方銀行4行とそれぞれ合弁証券会社を設立している。地方銀行との連携は当社だけで、今後も当社しかできないだろう。地方銀行4行との合弁証券会社の預かり資産は増えている。それと、「プラットフォームビジネス」と呼んでいるが、中堅証券などに対して外国株、アメリカ株、あるいはトヨタ自動車の外国債券などを取り次いでいる。これも当社だけが行っており、40社程と組んでいる。こうした当社戦略の独自性が、業績的にも貢献しているため、外国人の投資家から期待されていると聞く。
 ただし、現状の戦略のみでは、大きな成長は期待できないと思っている。競争が激しくなり、マーケットは縮んでいく。そこで、今も様々な手を打ちつつあり、新しい金融ビジネスへの展開を考えている。各証券会社、各銀行とも同じ悩みを抱えているが、ネット銀行機能、投資銀行機能、資産運用機能、信託機能などを強化し、マーケット上のポジションをしっかりと確保していきたい。


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【27年2月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 フタバ今昔物語 −内部統制の重要性について− 』

日  時:平成27年2月10日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:24名

スピーカー:
佐々木 康夫(ささき やすお)
フタバ産業株式会社
代表取締役専務執行役員

佐々木康夫氏

1. 会社概要紹介
 当社は1945年に設立され、現在は主に自動車の排気系部品とボディ部品を製造している。また、環境部品として最近注目されているエネファームの中核部品も製造している。岡崎市に本社のある唯一の東証一部上場企業でもある。当社は製造部品が大きいため、商品を効率良く運搬するため、主な納入先であるトヨタ自動車に近い場所に工場が所在している。
 従業員は連結で約一万人、子会社が海外に19社(北米、中国、欧州、インド、東南アジア等)ある。当社はトヨタ自動車や他の自動車メーカーが海外進出する際、客先の要請もあり近くに進出したため、海外子会社が多くなった。現在、売り上げの約6割が日本国内で、残りは海外であり、その比率を2020年には半々にしたいと考えている。

2. 過年度決算訂正
 当社は、2000年頃はトヨタグループの中でも超優良会社であったが、新社長に交代後、過大な投資を行ったことに加え、会計処理の不備が重なった結果、有価証券報告書等の虚偽記載となり、2008年12月に第一次過年度決算訂正を発表した。その後、社外調査委員会を設置し、「なぜ決算訂正を行わなければならなかったか」の原因究明、虚偽記載の故意性、さらに今後会社を再生させるための方策の立案を依頼した。その結果、第一次過年度決算訂正は、当社が急激に海外事業を拡大し、多くの海外投資を行ったため、経理の能力が追いつかず、設備投資等に関して仮勘定から本勘定への振替等が行えていなかったことに問題があった事が分かった。さらに、この調査課程において、他社への不正融資が発覚し、第二次過年度決算訂正を発表せざるを得なくなった。第二次の訂正の際には、特別調査委員会を設置し、不正融資の全体像の解明、問題の真意の明確化、改善に向けた方向性の提示を依頼した。特別委員会から提出された報告書により、不正融資が表面化する以前に当時の監査役から「当該会社への融資には問題がある」と指摘を受け、取締役会議で「融資は行わない」と決定されたものの、ワンマン社長へのゆがんだ忠誠心により、経理担当役員が偽装工作し、多額の融資を実施し、それが発覚したことで刑事事件へと発展した。このようなことから、当社は、同報告書で示された再建計画を進めることとなった。

3. 改善報告書と特設注意市場銘柄
 当社は二度の決算訂正を実施したため、東京証券取引所(以下、東証)から二度の改善報告書の提出を求められた。これを提出し、改善が進んでいるとの判断がされない場合、特設注意市場銘柄(後述)が解除されないため、この改善報告書の作成には、非常に多くの時間と人手をかけることになった。また、その改善書に基づき東証がひとつひとつ確認を行うため、その説明や対応にも多くの時間と人手がかかった。
 2008年10月に当社の株式は、監理銘柄に割り当てられ、翌年3月に解除されると同時に、特設注意市場銘柄に指定され、当面上場を維持できることとなった。万が一、特設注意市場銘柄指定後一年以内に内部統制確認書を提出し、東証の審査に合格しない場合、一年毎に再提出となり、三年以内に審査に合格できないと上場廃止という厳しい条件がつけられている。当社は、内部統制の仕組みを確立できていなかったため、内部統制確認書の作成と共に、当社本体並びに全子会社の内部統制の仕組みの整備を進めていった。
 改善報告書や内部統制確認書の作成等、全社プロジェクトとして総力をあげて取り組んだ結果、2010年6月の株主総会当日に特設注意市場銘柄解除となった。作成した書類は、確認書459ページ、事務フロー図284ページ、キングファイル33冊に及んだ。

4. 過年度決算訂正から学んだこと
 一番の学びは、「優良企業であるが故の油断」で、会社のトップが交代しても優良企業を維持できるかどうか、という点である。当社内には、「何年にもわたり多額の設備投資を行っているのに、なぜ会社の利益が出ているのか不思議だった」という従業員も多くいたが、決算数値が良かったため、「当社はすごい会社なのだ」と思っていたという。従って、会社内で何か変化点があった場合、過去に優良企業であった時の状態が、現在も問題なく続いているのか、と考えてみることが必要である。
 当社の場合、無理な事業拡大、実力の伴わない成長戦略、脆弱な管理体制等の問題を抱えていたが、気付いても改善提案できない企業風土があり、「少々のルール違反は問題ないだろう」とコンプライアンス違反の恒常化につながってしまった。従って、内部統制というルール作りをしっかり行い、「コンプライアンスを遵守する風土を造り上げることが、経営基盤を確立するために重要なことだ」としっかり認識しなければならない。
 現在当社は、内部統制委員会組織を立ち上げ、各部門の内部統制責任者を明確にし、定期的な情報の吸い上げを実施している。また、それまで不備であった規程類を整備し、定期的なメンテナンスを実施している。さらに、リスクマトリクス表によるリスク管理を行って、リスクを吸い上げ、対策の活動状況のサポ−トおよびフォローを実施している。

5. 現在のフタバ産業
 現在当社は、第二次中期経営計画の中で「VISION 2020」を策定し、(1)「安全、品質」の深化・向上と安定供給、(2)「ものづくり改革」と「コア技術強化」による収益力の向上、(3)スピーディーなグローバル展開、(4)コア技術を生かした新しい価値の創出、商品化、(5)人材育成、組織活性化の5項目を基本方針とした。そして、目指す姿として、「挑戦する人の集団」、「モノづくりで社会に貢献」、「新しい価値を世界へ提供」を掲げ、取り組みを進め、着実に成果をあげはじめている。

6. 最後に

  1. 行き過ぎたリーダーシップ・ワンマン経営は必ず破綻をきたす
  2. 10年かかって悪くなった会社は、元に戻るだけで同じ年数がかかる
  3. 社内ルールを設置しても、それをきっちりと守ろうとする風土がなければ、コンプライアンスは遵守されない。
  4. トップ次第で、会社は簡単に良くも悪くもなる


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【27年2月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 食品の安全と“美味しい”ものとは… 』

日  時:平成27年2月12日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:27名

スピーカー:
下村 孝爾(しもむら こうじ)
(有)三渓 代表取締役

下村孝爾氏

 今回は、下村氏より、同社で取り扱っている「ルアク」コーヒーと純国産の紅茶をご提供いただいた。参加者の方々は、昼食後にいずれかの飲み物をいただき、芳醇な香りを楽しみながらお話を伺った。

1. 味噌の話
 父が、味噌などを取り扱う会社の役員を長らく務めていた関係で、私も小さいころから味噌について見たり考えたりする機会が多く、知識が身についた。
 味噌は大豆を主原料とした伝統的な発酵食品で、麹原料・製法から主に米味噌、豆味噌、麦味噌に分けられ、その2種類以上の味噌を混合したものは、調合味噌として分類される。また、味噌は健康バランス食品で、大豆サポニンという成分が多く含まれ、コレステロール抑制効果、がん予防効果、老化防止効果、美白効果等の優れた生理的効果が期待できる。
 味噌と言えば、中京圏出身の方は、「赤味噌」、「八丁味噌」とおっしゃる方が多いが、実は違うものである。「八丁味噌」は、「八丁ブランド」で、岡崎市の「(株)まるや八丁味噌」と「(株)カクキュー八丁味噌」の2社のみが使用している。しかし、「八丁味噌」は商標登録されていないため、使おうと思えばどの会社も使うことができるのだが、昔からの経緯で、この2社のみが使用している。
 前述のとおり味噌にはいろいろな種類があるが、製造方法は全て同じである。簡単に説明すると、原料となる大豆を洗浄後、水につけて膨れさせ、その後煮て潰す。潰した大豆に塩と麹を混ぜ合わせ、容器に入れて保管すれば出来上がりである。しかし、例えば赤味噌といっても製造会社によって味が異なる。それは、各製造会社の蔵で醸成する際の温度や湿度により、麹菌の付き方が異なるからである。

2. 豆乳の話
 最近、豆乳がよく飲まれるようになってきた。以前の豆乳に対するイメージは、「青臭い」、「飲みづらい」等だった。豆乳は約40年前に登場したが、その頃は確かに「とても飲めたものではない」という評価だったが、その後飲みやすさの研究が重ねられ、今の豆乳は誰でもおいしく飲めるようになっている。
 豆乳はもともと豆腐の原料から作られているが、大豆固形分(水分を除いた大豆の成分の量)により、豆乳、調整豆乳、豆乳飲料の3種類に分けられる。豆乳は大豆固形分が8%以上あり飲みにくく、豆乳飲料になると大豆固形分が3%前後になるので飲みやすい。調整豆乳はその中間で、大豆固形分が6%以上と規定されている。種類と大豆固形分は、豆乳パックのラベルに表示されているのでご確認いただきたい。
 豆乳の成分として含まれる大豆サポニンは、味噌よりも多い。また、それ以外に、植物性タンパク質、大豆イソフラボン、大豆オリゴ糖、レシチン、ビタミンE・B群等の成分を含み、ダイエット、メタボ予防、アンチエイジング等の効果が期待できる。

3. 「ルアク」コーヒーの話
 高校3年生のころ、テレビ番組で「ルアク」というコーヒーを知り、「世界にはこんなにうまいコーヒーがある」と人生初めての衝撃を受けた。「飲んでみたい」と思い、友人と二人で愛知県中を探したが、どこにも売っていなかった。その後、東京の大学に進学し、東京でも探したがやはり見つからなかった。しかし、ある喫茶店のオーナーから、「日本にはないが、フランスへ行けば飲める」とアドバイスを受け、アルバイト等でお金を貯めフランスへ出かけた。フランスのホテルで飲むことはできたが、限定コーヒーのため少しの期間待たされ、しかも当時のお金で、1杯8,000円程の料金を取られた。しかし飲んだ時、強い感動を受けた。そして、「確かにうまい、香りもいい、こんなコーヒーを普段から飲めるようになりたい」とその時強く思った。
 その後、大学を卒業し、食品会社を経営するようになった私のところに、病院を経営する知人から、病院内に患者さんも憩える喫茶店を作ってもらえないかとの相談を受けた。その時、「ルアク」コーヒーを取り扱うことを承諾していただき、コーヒーの生豆も扱う喫茶店経営を始めるきっかけとなった。
 「ルアク」はインドネシア産で、「トラジャ」というコーヒー豆を食べた、ジャコウネコの糞から採られる未消化のコーヒー豆のことである。ジャコウネコは非常に嗅覚がよく、「トラジャ」の良い豆を選んで食べるという習性がある。「ルアク」は独特の香りを持ち、また、野生のジャコウネコの糞を集めることから、インドネシア国内で、1年で採取されるコーヒー豆の量が7トンと少なく、大変高価である。ところで、いつの世もジャコウネコを捕獲して檻で飼い、強制的にコーヒーの実を食べさせ、要領よくコーヒー豆を採取する人たちがいる。しかし、そのように強制的に食べさせると、ジャコウネコは良い豆、悪い豆の区別なく食べるため、本当においしい「ルアク」ではなくなってしまう。インドネシア国内で出回っているものの中には、そのような粗悪なものもある。また、「ルアク」と言って、偽物が出回っていることもあるので、現地でお買い求めの際は気を付けていただきたい。
 私は、私の店で「ルアク」コーヒーを飲んでいただいた方や、「ルアク」コーヒー豆をお買い求めいただいた方には、原産地証明をお付けしている。日本国内には、間違いのないものを現地から仕入れている会社が何社かあり、当社は、そのような会社と取引をしてコーヒー豆を仕入れている。
 おいしいコーヒー、紅茶を飲みたいという方は、ぜひ私にご連絡いただきたい。


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【名古屋いちばん物語】 No.69


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第47回 』

料亭つたも主人
深田正雄

矢場町一丁目西・守綱寺、小倉トースト

 徳川十六神将の一人「槍半蔵」渡辺守綱は、三河松平氏の譜代家臣として家康に仕え、尾張藩家老として、名古屋の町づくり起点「南寺町」北端に、菩提寺の「守綱寺」を構えました。江戸末期には、青松葉事件で処刑された渡辺新左衛門の墓も建立されたといわれています。
 18世紀中期・宝暦年代の地図(写真1)では、同寺の西は白林寺、南には東照宮御旅所、若宮八幡社とつながり、東は末広町を挟んで清須越しの多くの寺院が立ち並んでいます。現在も、羽塚尚明住職ご家族がお住まいで、奥様は栄学区の子供会役員として、地域のお世話をされています。
 南寺町も戦災と区画整理で寺社の面積は半分以下に、敷地内の墓は全て平和公園に移転となり、新しい街づくりのキッカケとなりました。寺の向いにある平沢外科の大先生は、京都大学医学部から軍医を経て戦後開業、結構荒っぽい手術で、虫垂炎などは早く退院させてくれるため、「平沢軍医さん、盲腸手術は即日退院!」と話題で繁昌していました。先生のお嬢様は服部紘子さん、アマチュアゴルフでアプローチの上手い天才少女と全国各大会にも出場されていました。プロゴルファーの服部道子はその娘さんで、ご自宅は守綱寺の南隣にあり、玄関の前庭には練習グリーンがありました。現在は2台分のコインパーキングとなっています。表札には「平澤・服部」両家名が併記、数寄屋造りのご自宅にお住いのこともあるようです。紘子さんは和合ゴルフ場でプレイされたり、近所で買い物をされ、笑顔で挨拶のとても気さくな方です。ミッちゃんは1985年の全米女子アマで、当時史上最年少、日本人として初の優勝を経てプロデビューし、1998年には年間5勝を挙げて賞金女王となりました。母上と同様にお医者さんとご結婚、一昨年ベビー誕生とうかがっていますが、最近は町内ではお姿を拝見しておりません。
 レース卸野村商店・現在3代目野村忠司さんには町内会長、栄小学校PTA会長、名古屋子供会連合会広報理事など、地域のお世話をいただき感謝しております。
 「大石豆腐屋」さんは毎朝早くからお仕事され、ポワーと漂う大豆の香が懐かしい思い出です。「割烹光洋」はいち早く鉄筋ビルを建設され、「ホテル光洋」に変身、栄界隈ビジネスホテルの先駆といえます。現在はそのままの建物で、札幌かに本家グループが社宅と託児所として活用されています。ブラシ製造卸「徳安」の伊藤さんは、駐車場経営と野村さん北隣と換地移転した「洋服・富久屋」の場所でマンション「フォトレス栄」を運営しつつ、お住まいです。内装用繊維卸の熊田商店さんは住吉3丁目に移転、一帯はライブハウス「ホリディナゴヤ」と坪井花苑さんの作業場と変わっています。
 昭和46年に「ほていや(古川呉服店)」・「西川屋チェーン(西川屋履物店)」が合併して「ユニー株式会社」が誕生。ほていや本社には古川ファミリーはお住まいでなく、活気ある配送センターとして、オート三輪車で賑わっておりました。現在は7社のコインパーキングが並んで、当時の面影は全くございません。文具製造卸「(株)伊藤大商店」のご次男の伊藤豊君は小生の白川幼稚園時代の親友で、事務所奥一階ダイニングでしばしば食事やパーティなどご馳走になりました。当時、珍しいテレビが2台、洋風リビングにもあり、お金持ちの洋風生活にビックリ、母上の作る手作り料理など家庭の味を知らない料亭の小倅(せがれ)正雄君には羨望の的でした。先代の伊藤大氏は、名古屋文具卸組合の設立に尽力、業界に貢献されました。現在はサッカーボールなどスポーツ球具・(株)モルテン名古屋支店として、建物もそのまま利用されています。(写真2)
 若宮八幡社鳥居前の喫茶店「アリ」はナゴヤめし「小倉トースト」誕生の地です。伊藤早苗さんは3年程前に閉店され、現在はブティックとなっています。もともと、三越隣にあった小倉トースト「満つ葉(まつば)」が移転し、15年程前にオーナーの西脇さんから受け継いだと聞いています。(写真3)
 「こなもんや三度笠」のブログから、引用紹介させていただきます。

 大正10年頃、名古屋・栄に「満つ葉(まつば)」という喫茶店がありました。そこに「西脇キミさん」という美人で心の優しい評判の女性が働いていました。彼女は、「広小路の小町」と呼ばれました。喫茶店のオーナーのお嬢様。彼女を一目見たさに旧制八高(現・名古屋大学)の学生たちがたくさん押しかけたそうです。
 当時、バタートーストはハイカラブームの人気メニュー。キミさんのご両親は、市内の大須で製餡業を営んでいたので、メニューには「ぜんざい」もありました。食欲旺盛な学生たちは、トーストとぜんざいを注文。トーストにぜんざいをトッピングして食べていました。それを見ていたキミさんが、トーストにあんこを挟みました。これが、小倉トースト(あんトースト)の始まりです。

写真1
写真1:宝暦地図・江戸時代の守綱寺付近(徳川美術館蔵「名古屋井熱田図」。寛延元年(1748)以降、宝暦十三年(1763)以前の成立と推定されている。「守綱寺」から東西に寺院が林立、ここから1km位に広範な南寺町を形成しています。

写真2
写真2:若宮北住吉通り南西角:喫茶満つ葉・伊藤大商店・ほていや本社 跡地:それぞれ、ブティック、(株)モルテン名古屋支店、コインパーキングと変遷

写真3
写真3:小倉トースト発祥の地、喫茶アリ 2010年頃(写真2と同じ)

写真4
写真4:昭和34年頃・住宅地図:矢場町一丁目若宮八幡社北通り(住吉通南)

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【新会員自己紹介】

種橋潤治氏
火曜グループ

種橋 潤治(たねはし じゅんじ)
株式会社三重銀行 取締役頭取

【株式会社三重銀行】
〒510-0087 三重県四日市市西新地7番8号
TEL:059-353-3111 FAX:059-351-9123
URL:http://www.miebank.co.jp

 株式会社三重銀行の種橋でございます。
このたび前任者の井上のあとを継いで産業懇談会火曜グループに参加させて頂くことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 三重銀行は「地域とともに発展する銀行」「お客様とともに栄える銀行」「株主・従業員とともに歩む銀行」という経営理念のもと、地域社会、お客さま、株主さま、従業員といった当行と関わりを持つ全てのみなさまに共感いただける経営の実践に努めております。そして、あらゆる方のニーズにきめ細かくお応えすること、より多くの方にさらに便利にご利用いただけるようサービスを充実させることに尽力し、目指す姿として掲げる「地域に広く深く根を張り、親しまれ信頼される銀行」に近づけるよう努めております。
 きめ細かなニーズへの対応として、事業者のお客さまに対しては、ライフステージに応じた課題解決策の提案を積極的に行っているほか、創業・新分野進出や国際ビジネス、6次産業化といったニーズの高まっている分野については一層体制を充実させております。また個人のお客さまに対しては、資産運用やローンのご相談に対し、的確な説明・提案ができるよう、職員の知識・能力の向上を図っております。

 さて、私は三重県四日市市の出身で、大学を卒業するまで四日市に住んでおりました。7年前に35年ぶりに四日市に戻り、改めてこの地域の発展を実感しております。古き良き伝統を重んじる風土と新しい環境から芽生える文化、ものづくりを得意とする企業と地域を愛する人々の融合が地域の発展につながっています。私も積極的に地域行事に参加して、この地域をさらに発展させていくことに少しでも協力していきたいと考えております。

 今回、産業懇談会の参加を通じて、様々な業種、業界の皆さまの貴重なご意見を拝聴できることを大変楽しみにしております。皆さまにおかれましては、何卒ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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一泉知由氏
水曜第1グループ

一泉 知由(いちいずみ ともよし)
日本ゼネラルフード株式会社 代表取締役副社長

【日本ゼネラルフード株式会社】
〒463-0022 名古屋市守山区八剣2-118
TEL:052-798-6111 FAX:052-798-5159
URL:http://www.ngf-penguin.co.jp/

 日本ゼネラルフード株式会社の一泉 知由(いちいずみ ともよし)と申します。
 この度、前任者の西脇司の後を継ぎ、「産業懇談会水曜第1グループ」に参加させて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 弊社は、1967年(昭和42年)の創業以来、学校や病院、福祉施設、工場やオフィスなどの給食業務を生業とし、全国で約1,400ヵ所のお客様に毎日約33万食のお食事をご提供し、お陰様を持ちまして、中部地区では最も高いシェアを頂戴しております。 弊社の社是であります、『おいしい料理は愛情と工夫から』『ピカピカの厨房』『笑顔の接遇』を実践することによりまして、お客様に愛され、親しまれる食堂運営を目指しております。
 私自身の経歴は、1975年(昭和50年)に東京海上火災保険株式会社に入社し、2008年までの33年間、営業一筋で、中でもトヨタ自動車さんとその販売店さんを24年間担当させて頂きました。
 2008年に高校、大学の同窓同期であった弊社社長の西脇に誘われ、「日本ゼネラルフードを日本一の給食会社にする」という決意で弊社に入社しました。
 出身は東京で、名古屋での単身生活は、通算で14年になり、正に、名古屋が第二の古里です。
 この度の本会の活動を通じまして、皆様と様々な交流をさせて頂けますことを楽しみにしておりますので、何卒宜しくお願い申し上げます。

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【3月度産業懇談会開催日程】
木曜グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

岡部 聰
深田正雄

3月17日(火)
12:00〜14:00

東栄(株)
取締役社長 広井幹康氏
「会社に役立つ監査役
    〜自らの体験を踏まえて」(仮)
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

3月18日(水)
12:00〜14:00

一般財団法人愛知総合HEARセンター
センター長
臨床心理士 小瀬木尚美氏
「企業が抱えるメンタルヘルスの対応と
          人間力アップについて」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

3月11日(水)
12:00〜14:00
大和不動産鑑定(株)名古屋支社
支社長 古谷廣道氏
エグゼクティブ・フェロー 村木信爾氏
「企業不動産戦略の基本と
    不動産有効活用について」
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

3月5日(木)
10:00〜15:00
「八事窯 作陶体験会」
5代目 中村道年氏にご指導をいただきながら、
作陶体験を行います(昼食付)
【費用】1名につき、15,000円(材料代)
【定員】先着20名(会場の都合上)
【詳細】ご出席の方には、後日詳細スケジュールを
    お送りさせていただきます。
【現地集合】
八事窯
名古屋市昭和区
南山町12-1

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【4月度産業懇談会開催日程】
水曜第2グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

岡部 聰
深田正雄

4月7日(火)
12:00〜14:00

(株)ヨコタエンタープライズ
代表取締役 横田成人氏
「リーマンショックの後遺症を
    払拭した今、そして未来」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

4月14日(火)
12:00〜16:45

(株)ジェイテクト 取締役会長 新美篤志氏のご紹介
「(株)ジェイテクト 刈谷工場視察会」
【定員】行程の都合上、30名(お申込順)とさせて
    いただき、定員に達し次第、申込みを締切
    らせていただきます。
【詳細】ご参加の皆様には、別途ご案内申し上げ
    ます。
【集合場所】
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

4月8日(水)
8:00〜15:00
井村屋グループ(株) 取締役会長 浅田剛夫氏
「井村屋グループ(株)工場視察会」
【定員】行程の都合上、30名(お申込順)とさせて
    いただき、定員に達し次第、申込みを締切
    らせていただきます。
【詳細】ご参加の皆様には、別途ご案内申し上げ
    ます。
【集合場所】
名古屋商工
会議所ビル
正面入口前
中区栄2-10-19
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

4月2日(木)
12:00〜14:00
航空自衛隊小牧基地
第1輸送航空隊司令兼小牧基地司令 野中 盛 氏
「我が国周辺の防衛情勢」
18階
伊吹の間

<ご参考>
平成27年4月8日(水)水曜第2グループ:井村屋グループ(株)工場視察会
井村屋グループ(株) 津工場 住所:三重県津市高茶屋7丁目1番1号 TEL:059-234-2131

8:00
8:15〜10:00
10:00〜11:30
11:30〜11:45
12:00〜12:50
12:50〜13:00
13:00〜14:00
14:00〜15:30
15:30頃
名古屋商工会議所ビル入口前 集合
バスにて移動
井村屋グループ樺テ工場見学
バスにて昼食会場へ移動(降車後、徒歩移動)
はま作(津市垂水3013-1)にて昼食
徒歩にて移動
石水博物館 (津市垂水3032-18)見学
バスにて移動
名古屋商工会議所ビル 帰着・解散

平成27年4月14日(火)水曜第1グループ:(株)ジェイテクト 刈谷工場視察会
(株)ジェイテクト 刈谷工場 住所:刈谷市朝日町1丁目1 TEL:0566-25-5111

12:00
12:00〜12:30
12:40〜13:20
13:30〜14:00
14:00〜15:30
15:30〜15:45
16:00〜16:45
名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間 集合
昼 食
バスにて移動
会社(工場)説明
工場見学
質疑応答
バスにて移動、名古屋観光ホテル帰着・解散

【備 考】

  • 4月8日(水)、14日(火)ともに、後日実費を精算させていただきます。
  • スケジュールは変更となる場合がございますので、ご了承くださいますようお願い申し上げます。

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【お知らせ】

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.131
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 いい休養がとれていますか? 』

 暦の上では立春が過ぎましたが、身体で春を感じるには、もう少し時間がかかりそうな天気が続いていますね。年度末も近づき、皆さまお忙しくご活躍のことと思います。以前にもこのコラムで紹介しましたが、毎年2月は全国生活習慣病予防月間です。この月間は、毎年テーマが変わります。2015年のテーマは「多休(たきゅう)」、スローガンは「休養で 病気予防し 健康長寿」です。

 生活習慣病予防というと、食事や運動のことばかりが取り上げられがちですが、いい休養をしっかりとることも、健康の維持にはとても大切なことです。働く世代の人には、平日は朝早くから夜遅くまで仕事をして、睡眠時間が十分に取れず、その分土日に家で寝て過ごす、というパターンの人が多いようです。そして、お子さんが小さかったり親御さんの介護が必要だったりすると、週末の休養すらままならない人もいるようです。「睡眠が大切なのは分かるし、早くに帰って寝られるならそうしたいけどできない」という方が多いのも現実です。ですからまずは、“ちょっと”の工夫でできそうなことをはじめてみませんか。

<いい休養のために>

  1. 一日の中にスキマ時間を見つけてホッと一息、何もしない・考えない空白の時間を作って、ゆとりを持ちましょう
  2. 睡眠不足が2日続いたら、3日目は早く帰ってしっかり睡眠をとることで、こまめに疲労を回復しましょう
  3. 睡眠不足の時には昼休みに少し(15分程度)の仮眠を取って、作業能率を維持しましょう
  4. 一日の終わりにはゆっくりと湯船に浸かって、身体とこころのコリをほぐしましょう
  5. 朝は朝日を浴び、夜寝る前のパソコンやスマートホンはやめて、睡眠の体内リズムを整えましょう
  6. 睡眠薬がわりの寝酒をホットミルクに変えて、身体を眠る体勢に導きましょう
  7. 睡眠は「3時間+90分の倍数」、タイミングよく眠って質のいい睡眠をとりましょう

全部は無理でも、“ちょっと”の何かからはじめてみることが大切です。いい休養をとることで健康長寿を目指しましょう。

生活習慣は

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.76
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 ゴルフ 次のラウンドで確実に100を切る裏技 』
中井学著・青春新書

 この本は、飛ばない・曲がる・ミスをするというショットの不安定な人が100を切るための本です。「裏技」と言うと何か奇抜なことでもするイメージがありますが、この本の主旨は「考え方を変える」ということに尽きます。

  • ドライバーを思い切って振ってもいいのは、広くてOBのないホールと、プレーイング4のあるホールだけ
  • グリーンまで残り30ヤード以内は全部パターで
  • 持ったクラブの7割以上の距離が出ればいい
  • パー3で刻む
  • シャフトが軟らかく、ロフトの大きいクラブを使う

 「恰好悪い」と思いますよね。でも、この本の最初の教えは、「見栄はどこかに捨ててしまう」です。

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コラム3 【苗字随想】 No.153
コラム【苗字随想】

片桐清志

「祝日」と苗字(2)

 2月の祝日は「建国記念の日」だ。昭和42年に、かつての「紀元節」が復活して「国民の祝日」となった。余談だが、正式な名称は「建国記念日」ではなく、「の」の一文字入っていることに注目しておきたい。この「の」が復活劇の決め手だった。
 苗字との関係ではさすがに「建国」さんは見つからなかったが、一字姓の「建(タテ・タケル)」さんはいる。「国(クニ)」さんもいるので「建国記念の日」にお二人が顔を合わせる企画も面白そうだ。
 「建」が頭に付く「建姓」は36種見つかった。ランキング(佐久間 英)では、建部(タケベ・タテベ他)の2568位、建石(タテイシ・タケイシ)の3847位が4000番内に見つかった程度だ。ユニークな苗字では建入(タテイリ)、建壁(タテカベ)、建桁(タテゲタ・タケタ・タケダ)、建屋(タテヤ・タケヤ他)、建持(タテモチ・ケンモチ)といったところだろう。
 「国」が頭に付く「国姓」は結構多く、172種見つかった。ランキングでも国分(コクブ・コクブン・クニブ・クニワケ)の781位を筆頭に、国井(クニイ・コクイ:884位)、国本(1208位)、国枝(クニエダ・クニエ:1962位)、国吉(クニヨシ・クニキ:2180位)、国松(2472位)、国府田(コクフダ・コウダ他:2491位)、国友(2497位)、国沢(2892位)、国島(2906位)、国広(2918位)の11姓が3000番内に登場する。
 ユニークな苗字では国土(コクド他)、国家(コッカ)、国主(クニス・クス他)、国司(コクシ・クニツカサ・クニシ他)、国頭(クニガシラ・クニカミ他)、国守(クニモリ)、国府(コクフ・コウ他)、国政(クニマサ)、国母(コクボ)、国益(クニマス)、国盛(クニモリ)、国元(クニモト)、国分寺(コクブンジ)、国立(クニタチ・コクリュウ)、国宝(コクホウ)、国納(コクノウ)、国見(クニミ)、国越(クニコシ)などが見つかった。

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【平成27年2月号編集後記】

 少子高齢化問題と地域活性化対策をテーマにした講演会を聞く機会が増えた。中部経済同友会でも2月の会員懇談会で、野村総研顧問・元総務大臣の増田寛也氏から「人口減少社会を考える」を、金融問題委員会では法政大学大学院・政策創造研究科の小峰隆夫教授から「我が国経済の中長期的展望―人口オーナス下の経済・地域―」のお話を伺った。両氏共、昨年12月27日に閣議決定された「地方創生・国の長期ビジョンと総合戦略」を踏まえてのお話だった。
 こうした議論とは別に、現実の動きとしてマスコミ等で時折紹介されるのがいわゆる「ふるさと納税」だ。この制度は都市部へ移住した人が出身地等の地方自治体に寄付を行い、地域活性化を応援しようという趣旨で2008年に始まった。2000円を超える額に対して一定の税制優遇が受けられる。発足当初は認知度が低かったが、人口流出で住民税の減少に苦しむ地方自治体ではこの制度のPRに熱心で、寄付のお礼にその地方の名産品等を送るケースも多い。「ふるさと納税」という愛称名で呼ばれているが寄付先は出身地という制約はなく、寄付をする人が自由に選択できる。複数の自治体に分散して寄付することも可能だ。このためお礼の品をより魅力的にするなど過熱気味の側面もある。最近ではふるさと納税のお礼の比較サイトもあり、寄付先の選択に活用されている。因みに昨年は平戸がトップになったそうだ。
 一見すると同じパイの奪い合いに見え、寄付金の一部がお礼に使われるため制度の歪のようにも見える。比較サイトや一部の報道で「お得感」が強調されるため、お礼のエスカレートも懸念される。しかし、お礼の品で郷土の特産品がPRでき、農家や漁師など地元生産者が息を吹き返しているのも見逃せない。需要さえ喚起すれば生産者が活性化する好例だ。
 従来の補助金や助成金では効果が不透明だが、お礼の品の場合は市場原理が働く。平戸がトップになったのは平戸の海産物等の魅力を納税者が評価した結果だ。「何を納税者が評価してくれるのか」工夫した結果は、寄付金の合計額で自治体の担当者が直接把握できる。安倍総理も提唱する「努力すれば報いられる」仕組みだ。市場と直結していれば、たとえ歪があっても修正することも容易だ。
 従来は「地方交付税」が都市部と地域の格差是正機能として使われてきた。しかしこの制度では配布額の決定権が中央官庁にあるため中央集権の弊害もある。税を受け取り、使う「tax eater」が「tax eater」を評価するのでなく、税を払う「taxpayer」が「tax eater」を評価する方が結果的に税の使用効率を上げやすい。権力に基づくガバナンスではなく、市場原理に基づくガバナンスの導入といった意味でも「ふるさと納税」は画期的だ。

 今月の産懇宅配便では、先月掲載できなかった石田筆頭代表幹事の特別講話と2月の例会模様2件を紹介できた。証券市場の話を聞く機会はいろいろあるが、証券ビジネスのお話を聞く機会は少ない。同友会活動と社業の両方でご多忙な中、会員のために懇切丁寧なお話をいただいたご厚意に深く感謝したい。

(片桐)