産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第143号 2014.4.30 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成26年4月度(第143号) 目次

【26年3月度 産業懇談会(火曜G)模様】 3月18日(火) 12時00分〜14時00分

【26年3月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 3月19日(水) 12時00分〜14時00分

【26年4月度 産業懇談会(木曜G)模様】 4月3日(木) 11時30分〜14時00分
【26年4月度 産業懇談会(火曜G)模様】 4月8日(火) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.59
【新会員自己紹介】
川瀬 千賀子氏

株式会社川瀬電気工業所 代表取締役会長

【5月度産業懇談会のご案内】
【6月度産業懇談会のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.121
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.66
コラム3 【苗字随想】 No.143

【26年3月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 介助犬と障がい者の自立〜医師の立場から普及をめざして〜 』

日 時:平成26年3月18日(火) 12時00分〜14時00分
場 所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:18名

スピーカー:
蛛@友子(たかやなぎ ともこ)
社会福祉法人 日本介助犬協会
常任理事 事務局長
医学博士

蛛@友子氏

1. 介助犬のことを知って欲しい
 肢体不自由者に役立つ「介助犬」は、視覚障害者の手助けをする「盲導犬」に比べて、世間の認知度がまだまだ低く、ほとんどの方が知らない。しかも、日本における肢体不自由者数は視覚障害者数の5倍にも及び、介助犬は全く不足している。私自身は、学生時代に介助犬のことを知り、日本に介助犬を広めることが必要だと信じて普及活動を続けている。本日は、介助犬について一人でも多くの方に理解していただく機会を得て、大変ありがたい。
 介助犬に係わる法律として、2002年に「身体障害者補助犬法」が施行された。身体障害者補助犬は、この法律に基づき認定された犬で、「盲導犬」・「聴導犬」・「介助犬」のことである。これらの補助犬は特別な訓練を受けており、障害のある方に同伴して、デパート・スーパー・ホテル・飲食店などの一般施設や公共施設、交通機関に立ち入ることができる。また、施設や交通機関、一定規模以上の事業所などは、補助犬であれば、同伴として受け入れなければならない。すべての不特定多数者が利用する施設では、補助犬の利用を拒んではならないと決まっている。補助犬は「身体障害者の方の自立と社会参加」を目的に訓練された犬であり、利用者は補助犬がいることで日常生活を送り、障害があることで諦めかけてきた様々なことにチャレンジができるようになる。たとえ障害を持ったとしても、最終的には就労して納税者となり、社会参加(復帰)することもできる。

2. 社会にとって必要な介助犬
 介助犬は、肢体不自由者の日常生活の動作を介助してくれる。例えば、手の届かない場所にあるものを取ってきたり、脱衣、ドアの開閉、姿勢支持、歩行などである。
 特に、障害者が一人でいるときには、緊急時の連絡手段を確保することが大切であるが、介助犬は電話機の子機や携帯電話を探して、手元に持ってきてくれる。また、水分補給の際には、「テイク・ボトル」と言うと、離れた部屋でも冷蔵庫を開閉してペットボトルを持ってきてくれる。介助犬なら、昼夜問わず遠慮なく、手伝って欲しいことを頼むことができる。

 当日は、介助犬PR犬“グレース”が来場し、(1)冷蔵庫の中からペットボトルを持ってくる、(2)靴下を脱がせ、洗濯かごに入れる、(3)部屋の片隅に隠した携帯電話を目視で探し出して持ってくる、という3種類の動作のデモンストレーションを行った。

3. 介助犬の育成にご協力を
 日本では約15,000人が介助犬を必要としているが、2014年2月現在、認定を受けて実動している介助犬は65頭しかいない。介助犬の活躍の場は多く、育成・普及が強く求められているが、介助犬の育成には時間もお金もかかり、育成が非常に難しい。
 介助犬を育成するにあたり、まず候補犬となる子犬や成犬を一頭5〜15万円で購入する。子犬の場合、1歳前後で適性評価を行うが、適性がある犬は全体の3〜4割で、残りの6〜7割は“キャリアチェンジ犬”となり、ペットとして可愛がってもらう。
 介助犬になるまでの訓練期間は1年半から2年を要し、また、その認定は犬のみではなく、その介助犬を利用する障害者とともに、1組のペアとして受ける必要がある。そのため、認定後の継続指導も含めると、1組あたり240〜300万円の費用がかかる(介助犬の貸与は無償で行っている)。なお、双方いずれかがパートナーを替わる場合には、改めて認定を受けなければならない。
 今後も介助犬の育成に協力していただきたく、本協会では一般寄付や募金活動、チャリティーグッズの販売、また協会サポーターとしての継続的な支援をお願いしている。

4. 人にも動物にも優しい社会を目指して
 街中で、介助犬や盲導犬、聴導犬などの介助犬に出会った時には、“優しい無視”をしていただきたい。犬の気を引くような行為(触る、目を合わせて見つめる等)は、犬が向きを変えてしまったりして、事故に繋がりかねない。
 介助犬をパートナーに迎えることで、生活や人生を変えられる人がまだまだ大勢いる。一人でも多くの人が「生きていて良かった」と思えるように、これからも介助犬を世の中に送り出していきたい。どうか末永く応援していただきたい。
 最後になるが、5月17日(土)に、愛・地球博記念公園内地球市民交流センターにて、「第4回 介助犬フェスタ2014」が開催される。人にも動物にも優しい社会を目指した、様々なイベントを用意している。是非、たくさんの方々にお越しいただきたい。
<ご参考>
社会福祉法人 日本介助犬協会 http://s-dog.or.jp/
第4回介助犬フェスタ2014  http://www.kaijoken-festa.jp/


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【26年3月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 2014年度の経済展望 』

日 時:平成26年3月19日(水) 12時00分〜14時00分
場 所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:30名

スピーカー:
村上 真輔(むらかみ しんすけ)
株式会社りそな銀行名古屋支店
名古屋営業本部長

スピーカー:
荒木 秀之(あらき ひでゆき)
りそな総合研究所株式会社 
主席研究員

村上 真輔氏 荒木 秀之氏

 本日は、りそな総合研究所の主席研究員の荒木から「2014年度の経済見通し」について説明させていただく。
 りそな銀行は、その前身の一つである旧協和銀行が25年前に、名古屋地区に22店舗を抱えていた。その数は、都市銀行では東海銀行に次ぐものであったが、その後の統廃合を重ねた結果、現在は名古屋支店(伏見)、赤門通支店(大須)、名古屋駅前支店、今池支店の4支店となっている。
 りそな銀行は11年前に発足したが、そのすぐ2ヵ月後に、公的資金の注入を仰いだ。投入額はピーク時に約3.2兆円に及んだが、現在では3千数百億円にまで減少している。りそな銀行自体の構造改革が進んだ一方、中堅、中小企業を中心にした良い顧客基盤に恵まれたおかげにより、あと少しで全額返済できるところにきた。完済後には、名古屋における営業体制の見直しも念頭に置き、お役に立てるようますます頑張っていきたい。

1. 2014年度の経済見通し
 現状の景気は回復基調にあるが、実質国内総生産の主な需要項目をみるとバラつきがあり、消費は伸びているものの、輸出や設備投資は依然として鈍い動きである。これは前回のいざなみ景気(2002〜2007年)との大きな違いである。特に、輸出は円安傾向によって金額ベースでは伸びているものの、数量ベースでは伸びていない。
 各機関による2014年度のGDP成長率の見通しには大きなバラつきがあるが、平均値は0.8%であり回復基調は途切れないと認識されている。政府は1.4%、日銀は1.5%と高い予測を示している一方、民間機関の予測値は低い。この差は、消費税の増税下の個人消費について、政府見通しがプラス成長である半面、民間見通しの平均ではマイナス成長である。一方、政府、民間の予測ともに、輸出や設備投資は高い伸びを見込んでいる。しかし、輸出や設備投資によって主に牽引される業種は製造業、建設、卸売であり、業種ごとに好不調のバラつきが出やすい点に注意しなければならない。また、足元の企業収益は好調で、製造業の大企業を中心に利益を伸ばしている。しかし、収益改善が中小企業には広がりにくいようであり、企業規模による賃金格差が生じている。
 消費税増税を前にした駆け込み需要は少なく、反動減も少ないだろう。住宅着工戸数は、賃貸アパートが増加したが、その背景には2015年1月からの相続税率引き上げに備えての土地活用の動きがある。
 企業動向に比べて、家計動向は悪く、「街角景気」の指標である景気ウォッチャー調査・先行き判断DIは1月、2月と大きく低下した。消費税率の引き上げにより、世帯当たり6万円程度の追加負担となり、消費の下振れリスクがある。そうした中でも、省エネ家電、エコカー、スマートハウス、ネット関連、スマホなどの需要は堅調となるだろう。

2. 物価・アベノミクスの行方
 今後の物価上昇の動きは、税込と税抜きで大きく異なる。東京商工会議所が中小企業を対象にしたアンケートでは、消費増税時に価格転嫁をすべて見込んでいる企業の割合は、全業種で59.2%だが、小売では53.6%と低い。政府・日銀が目標とするインフレ率2%に届くかどうかは不透明である。
 今後の政治・経済の安定には次の3つの条件が必要であり、それらが崩れると、アベノミクスに対する不信感が出てくる。
 第一に、次なる大型金融緩和「日本版QE2」が効果を発揮するかどうかである。その効果が過小となれば、アベノミクス懐疑派の声が一気に強まる。
 第二に、円安・株高傾向の持続である。特に、株価はアベノミクスの通知表と化している。株安は国内外に存在し、その推移が注目される。
 第三に、成長戦略でのポジティブサプライズが必要であるが、TPPには守りの姿勢が目立ち、期待薄の状態である。今後は国家戦略特区、5月のゴールデンウィーク後のカジノ法案等に注目していきたい。
 このうち、円安・株高傾向のカギは世界経済と大きく関わる。リスク要因として、中国の政治・経済の不安定、新興国における成長率の低下などが考えられる。

3. 2014年度のトレンド
 2014年は、4つの「S」が消費を支えるだろう。4つのSとは、「シニア」、「節約」、「省エネ」、「スマホ」である。
 例えば、シニアについて言えば、アクティブシニアの活躍が続くだろう。九州を周遊するJR九州のプレミアム寝台列車「ななつ星」や難波、名古屋と伊勢方面をつなぐ近鉄のプレミアム観光特急「しまかぜ」などはシニアを中心に人気が高い。2014年は、団塊世代の最後である1949年生まれが65歳になる。シニア市場はさらに拡大するだろう。
 一方、もう少し話すと、アクティブシニアはいつまでもアクティブではない。2017年以降、団塊の世代が70歳を迎える。そうした中で、介護ロボットの需要が高まるだろう。介護ロボットは、移乗支援、移動支援、排泄支援、認知症の方の見守りなどに役立つが、特に排泄支援は、排泄を人に見られずに済むということから求められるだろう。国による介護ロボットの開発支援がスタートし、開発、実用化の動きが加速すると思われる。

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【26年4月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 フェラーリの魅力とイタリアン 視察会 』

日 時:平成26年4月3日(木) 11時30分〜14時00分
場 所:愛知県名古屋市名東区本郷
参加者:35名

スピーカー:
平松 潤一郎(ひらまつ じゅんいちろう)
オリエンタルビル株式会社
取締役社長

平松 潤一郎氏

 オリエンタルビル(株)取締役社長・平松潤一郎氏のガレージにて、氏が所有する10台のフェラーリのコレクションを前にお話を伺うとともに、見学会を実施。説明会終了後にガレージ内で1台のエンジンを始動。吹き上がるエンジン音に、一瞬見学者の目が子供に帰った。
 併せて、「ローマの休日」で一躍有名になったスクーターの「べスパ」の各モデルを展示した併設のアウトガレリア・ルーチェを見学。また、当日の昼食は、平松氏が経営されている「リストランテ ・エスト」にて、イタリアンランチを堪能した。

1. 私とフェラーリ
 私は、子供のころから模型作りや、絵を書くのが好きだった。イタリアの車に憧れて、将来は車のデザイナーになりたいと思っていた。今から40年ほど前、その当時世界最速で302km/h出る「フェラーリ・ベルリネッタ・ボクサー」を購入。しかし、その車は入手後まもなく、高速道路で全損の事故を起こして廃車となった。その後、1台1台増やしていったのだが、私はフェラーリに関するものは、車だけでなく何でも収集している。1年ほど前、京都の三十三間堂にある国立博物館でフェラーリの展示を依頼され、展示資料作成のため、フェラーリについてまとめる機会を得た。そして、実車とともに「フェラーリ:3つのキーワード」をパネル展示した。

2. フェラーリ社概要と3つのキーワード
 フェラーリ社は、1947年にエンツォ・フェラーリ氏によって設立され、年間約7000台生産している会社である。場所は、イタリア中部のモデナという町の郊外に本社工場がある。フェラーリは、ポルシェやランボルギーニに比べてステータス性が高く、世界的にブランドが確立されている。
 フェラーリの名声や人気がどのように確立されたか考えてみると、次の3つのキーワード「先進の技術とデザイン」、「タイムレスとバリュー」、「継続と挑戦」が浮かび上がってくる。
 「先進の技術とデザイン」という点では、フェラーリはトリノにあるピニンファリーナ社が、そのとき一番良いとされるデザインの車をつくる。例えばポルシェのデザインは、モデルチェンジしてもすぐポルシェと分かるのだが、フェラーリの場合は、外観や形状が大きく変化するが、「これもフェラーリ!」と思わせるような車に変わってしまうのである。
 「タイムレスとバリュー」という点では、フェラーリは製造年月が古くても、常に新鮮で美しさを感じる車である。車という道具ではなく、芸術の領域に入っていると言ってよい。65年間で十数万台が生産されたが、今でも95%が実動車で、古くなればなるほど価値が上がるのは、フェラーリだけである。したがって、オークションで5億円、6億円とするものもあり、投資の対象とすることもできる。
 「継続と挑戦」という点では、フェラーリはF1の世界において、数十年間一度も休むことなく参戦を続けている。そして2012年末で849回連続参戦し、219回優勝と他のチームを圧倒している。日本の会社は、すでにF1から撤退したが、来年からホンダがエンジンの再供給を始めるといわれている。フェラーリでは最近、F1の技術を活用して「究極のフェラーリ」と言われる「ラ・フェラーリ」が発表された。この車は、ハイブリットで960馬力以上の車だ。この、「継続と挑戦」という姿勢が、フェラーリの魅力を一層高めているといえる。
 以上の3つのキーワードがフェラーリのイメージを高め、ブランド力を確立しているのである。

3. 限定車コレクションの紹介
 フェラーリはこれまで、5台の限定車を世に送り出してきた。一番新しい限定車は、2013年から発表された「ラ・ フェラーリ」であるが、このガレージには、それ以外のフェラーリの限定車が4台保管されている。このようなコレクターは世界にも数少ない。又、「ラ・フェラーリ」も今夏ここに加わる予定だ。
(1)フェラーリ・288GTO
 この車は、「288」の車名の由来となった、2.8リッター、V8エンジン・ツインターボを搭載した車で、1984年に272台限定で製作された車の1台である。
(2)フェラーリ・F40
 1987年に創業40周年を記念して製作された、リアミッドシップ・後輪駆動の2シータースポーツカーである。限定車であるが世界的に良く売れ、約1400台製作された。ボディは軽量化が図られ、まさにレーシングカー仕様で、クラッチが重く、ターボが利くと操作不能に陥るという、運転技術が必要な車である。
(3)フェラーリ・F50
 1995年に創業50周年を記念して製作された、オープンタイプのスポーツカーである。この車は「F1を疑似体験できる」というコンセプトを基に作られており、運転の際、振動や音をそのまま体感できる。屋根も取り付け可能だが、取り付けに2時間かかるという欠点を持っている。
(4)フェラーリ・エンツォフェラーリ
 2002年に創業55周年を記念して製作された、初めてセミオートマチックを採用したスーパーカーである。創始者エンツォ・フェラーリ氏の名を冠して発表された。フェラーリにとって、F40、F50に続く、21世紀最初の記念碑的な限定生産車である。

4. 限定車以外のコレクションの紹介
(1)フェラーリ・250GT TdF
 フェラーリが1957年に製作した車。フランスのトゥール・ド・フランスで8年連続優勝したことにちなんで「TdF」という呼び名がついた。生産台数は94台。
(2)フェラーリ・250GTベルリネッタSWB
 それまでの250GTに対して、ホイールベースを20cm縮めて、運動性能を上げた車である。1960年前後に製作された。生産台数は約160台。
(3)フェラーリ・275GTB/4
 250型に対し300CC程、エンジンの容量が大きくなっている。形が流線型をしており、フェアレディZが参考にしたといわれている。1966年製で、生産台数は約350台。
(4)フェラーリ・365GTB/4
 この車は、「フェラーリ・デイトナ」とも呼ばれている、グラントゥーリスモ(高速での長距離走行に適した自動車)である。フェラーリでのフロントエンジン最後の車。
(5)フェラーリ・348
 1980年代後半に作られたリアミッドシップエンジン・後輪駆動の2シータースポーツカーである。
(6)フェラーリ・SP1
 2008年、私が還暦になったのを記念して、フェラーリにワンオフモデルの製作を依頼して製作された車。それまで、ワンオフモデルの受注を止めていたフェラーリが、50年振りにこれをきっかけに受注を再開。2014年3月までに6台のワンオフモデルが発表されており、そのうちの2台が日本人の依頼である。

集合写真

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【26年4月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 ソチオリンピック観戦記 』

日 時:平成26年 4月8日(火) 12時00分〜14時00分
場 所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:18名

スピーカー:
鈴木 俊一(すずき しゅんいち)
東海東京証券株式会社
秘書室

鈴木 俊一氏

1. 当社のアスリート支援
 当社には現在、「近代五種」の黒須成美選手と、「スケート・ショートトラック」の桜井美馬選手という2名のアスリートが所属している。黒須選手は、2012年6月に入社、同年に行われたロンドンオリンピックでは、日本人女子初の近代五種でのオリンピック出場を果たした。桜井選手は、2013年4月に新入社員として入社、今年2月に開催されたソチオリンピックでは、スケート・ショートトラックの500m・1500m・3000mリレーに出場した。
 当社のアスリート支援は、中部経済同友会が実施したセミナーに参加したことがきっかけ。資金難で苦しんでいるアスリートと、アスリートを採用したい企業を結ぶ、日本オリンピック委員会の「アスリート・ナビゲーション(通称:アスナビ)」という制度を活用し、両名を採用した。
 アスナビは、企業とアスリート双方がメリットを享受できる制度である。所属企業側のメリットは、(1)同僚が世界を舞台に戦う姿を見ることにより社員が会社に誇りを持つ、(2)皆が1つの目標に向かう事で社内に一体感が生まれる、(3)同じアスリート支援でも実業団に比べて低コストである、などが挙げられる。他方でアスリート側のメリットは、(1)企業からの資金援助により生活が安定し競技に集中できる、(2)勤務時間など柔軟な働き方ができる、(3)企業の一社員となる事で社会人としての自覚が生まれる、など。

2. ショートトラックとスピードスケートの違い
 ショートトラックとスピードスケートは、混同されやすい2競技だが、リンクやルールが異なる。まず、ショートトラックは、(1)1周111.12mのリンク(フィギュアスケートと同じ)を使用する。周回数が多いため、コーナーでのスピードが重視される。(2)各選手のレーンは分けられておらず、選手同士の接触や転倒が多い。(3)順位は各組での着順により決定するため、駆け引きが重要となる。これに対し、スピードスケートは、(1)1周400mのリンクを使用し、直線でのスピードが重視される。(2)各選手のレーンが分かれており、バックストレートの交差地域で内側と外側の選手が入れ替わる。(3)順位はタイムによって決定される。
 このようなリンクやルールの違いを受けて、ショートトラックでは安全防具の着用義務が生じることや、スケート靴などの仕様も大きく異なる。

3. 桜井美馬選手の採用による影響
 桜井選手の採用により、「桜井選手応援」という目標に向けて、社内に一体感が生まれた。また、社外的には、桜井選手やショートトラック、当社のアスリート支援に関するTV番組や新聞記事への露出などがあった。これまでは経済系の番組や記事での露出が大半だったが、スポーツ系の露出により、今までとは違った層に当社をアピールすることができた。そして、どちらかといえばマイナーな「ショートトラック競技」に光が当たり、競技の知名度が上がってきたという効果も見られた。

4. 桜井美馬選手のソチ五輪出場
 ソチオリンピック出場に先立ち、12月に大阪で行われた最終選考へ関西の支店を中心に150名程度の応援団を派遣した。また、出場が決まってからは、社内で若手を中心とした壮行会を実施。メディアからの注目度も高く、関係会社も含めグループ全体の士気が向上した。
 ソチオリンピックの開催期間中、当社からは私を含め総勢14名の応援団が現地へ派遣された。さらに、日本では350名を超える社員が、スティックバルーンを手にパブリックビューイング形式での応援に参加し、大いに盛り上がった。
 日本の女子チーム(通称:Believe JAPAN)は、当初目標としていたメダル獲得はならなかったが、3000mリレーで5位入賞を果たした。日本チームには個人でメダルを獲得できるレベルの選手はいないが、タッチの技術向上によりチーム力でメダルを争った。

5. 開催地ロシア・ソチの実情について
 ソチはロシア南部にある人口40万人程度の都市である。北緯43度で札幌と同じくらいの緯度にあり、黒海に面したロシア随一の保養地として有名。気候は温暖(2月の平均最高気温が東京とほぼ同じ9.9℃)で、「最北の亜熱帯」とも呼ばれている。
 このような場所で冬季オリンピックが開催できるのか不思議に感じていたが、実際に現地を訪れて驚いたのは、氷上種目はソチ中心部から35kmほど離れたアドレルという町のオリンピックパーク、雪上種目は80km程離れたクラスナヤ・ポリャーナという山間部が開催地であったこと。現地通訳の話によると、どちらもソチではないが、「ソチ」と言わないと世界の人々に場所を理解されないという事情から「ソチオリンピック」と銘打っているそうだ。
 今回のオリンピック開催に向けてロシア政府は、史上最高額と言われる日本円で5兆円規模の予算を投入、インフラの整備や競技施設の建設に使用した。しかし、実際は使途不明で消えた金額が非常に多く、駅舎の壁面ガラスがはまっていない、エレベーター内の籠がない、花壇には生花ではなく写真が飾ってあるなど、オリンピック開催までに建設が間に合わなかった未完成の施設が散見された。
 また、人口40万人の町に約200万人もの観戦者が押し寄せたため、タクシー事情も非常に興味深い。運転手のほとんどがオリンピック特需を狙った出稼ぎ労働者であり、そのため、周辺の地理に疎い上、英語もほとんど通じず、最後は乗った自分たちが地図を片手に身振り手振りで行き先を教えなければならない状況であった。
 その一方で、今回のオリンピックは、開催前からテロへの警戒が呼びかけられていたこともあり、あらゆる場所で厳重な手荷物検査が実施され、私の場合、8泊10日で50回以上手荷物検査を受けた。さらに、競技の観戦には、チケットのほかにパスポート番号や顔写真が登録された「観戦者パス」が必要となるなど、厳重な警戒態勢がとられていた。約4万人もの警察・軍関係者が警備にあたっており、オリンピックパーク内をはじめ、空港や駅などに警察や軍隊が配備され、ボランティアの中にも、多数の警官・軍人が紛れ込んでいるといった状況。これらの警備内容は、2020年の東京オリンピックでも見習う必要があるのではないかと感じた。

6. 2020年 東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて
 昨年9月、2020年 東京オリンピック・パラリンピック開催決定の知らせに日本中が感動の渦に巻き込まれた。日本のプレゼンテーションは世界中で大絶賛され、観光客へ向けた「おもてなし」というフレーズは脚光を浴びたが、テレビを通じてオリンピックを観戦する人は、全世界で2億人と言われている。
 確かに観光客向けのアピールは非常に重要だが、大多数の人々に感動を与えるのは、選手の好演や熱戦である。その根幹となる部分を再認識し、アスリートのためのオリンピックという側面を重視した「アスリート・ファースト」の徹底を図る必要がある。
 ソチでは、多くの日本人選手が世界に感動を与えた。しかし、実は競技環境としては最悪の状況だった。雪上種目は雪が足らず人口雪、氷上種目は氷が溶けかかっていたというのが実情。2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、選手が実力をいかんなく発揮できる環境を作り出すのが日本としての責務である。
 1964年の東京オリンピックでは、新幹線や首都高速道路など、交通インフラが大きく発展した。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催は、未来の日本に何を残せるか。今回ソチを訪れて、それはあらゆる意味での「バリアフリー化」を通じた観光・福祉インフラだと私は考えている。そういう意味で、「おもてなし」精神は非常に重要になってくる。また、ここ言う“バリア”とは、通常使われている表現より広い意味で「障壁」と捉えて頂きたい。
 例えば、私が日本最大のバリアと考えているのは言語の問題である。ロシアでは英語が通じないという実態があったが、実は日本でも事情は大きく変わらない。また、通常の意味でのバリアフリーは、パラリンピック開催においての「アスリート・ファースト」と密接に繋がっている。
 これらの取り組みを通じ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックを成功させるとともに、一段と発展した観光・福祉インフラを未来に残していければと思う。

7. 質疑応答
Q:アスナビで登録されているアスリートの競技レベルはどの程度なのか。
A:アスナビでは、オリンピックを目指すレベルの実力を持ちながら、資金難に苦しむアスリートが登録されている。国際大会で上位の成績を収めた選手やオリンピック出場経験のある選手も多数登録されている。

Q:契約は何年単位なのか。
A:企業によって異なる。当社の場合、引退後も通常の社員として働いてもらっても良いというスタンス。

Q:年間かかる費用はどの程度なのか。
A:アスナビはスポンサー契約ではなく社員契約であり、通常の社員としての給料を支払うことになる。練習や遠征の費用や道具代なども会社で負担する。

Q:アスナビでの採用は常時募集しているのか、それとも期間限定か。
A:常時募集している。登録選手等についてはJOCのホームページをご確認頂きたい。
 公益財団法人 日本オリンピック委員会(JOC):http://www.joc.or.jp/


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【名古屋いちばん物語】 No.59


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第37回 』

料亭つたも主人
深田正雄

大久保見町は鉄砲町3丁目と名称変更

 明治5年中須賀、大久保見町の二つは、鉄砲町と合併して中須賀町は鉄砲町二丁目、大久保見町は三丁目となりました。鉄砲師が住んでいたので鉄砲町、清州の須賀口から移り中須賀町、おおくぼみ(大窪み)とは地形が窪んでおり、本町に架かる石橋の下に紫川の流れありました。
 若宮八幡社に唯一現存する福禄寿車は延宝4年(1676)に大久保見町が建造した山車で神社東に同町の所有する蔵で、戦災で焼失を免れました。八幡社境内に山車蔵があったため焼け残った福禄寿車と河水車(住吉町建造)も、昭和22年に出来町(名古屋市東区)に売却されついに若宮から山車が消える事態となってしまいました。
 しかし、その2年後の昭和24年に若宮八幡社が復興されるとともに、福禄寿車は再び当地に返車され、若宮祭の山車はついに1輛のみとなってしまいました。
 返還された福禄寿車は若宮八幡社の所有となり、祭礼時に氏子8町内(末広町・裏門前町・南大津通り・矢場町・住吉町・鉄砲町・池田瓦町・門前町)が順に当番町をつとめることで運営されます。今年も5月15−16日祭礼で往時の大久保見町の繁栄を彷彿させる渡行と「からくり」もお楽しみください。

 旦那衆の面影が残る鉄砲町3丁目のお店を昭和35年版北見地図から紹介してまいりましょう。繊維雑貨、羅紗、袋物の百貨店問屋が軒を並べ西ブロックはボタン(株)脇田商事、糸商(株)川口、敷物の伏屋(息子は正雄君と小学校同年の秀才)の大店も今は脇田さんが現存するのみで味噌煮込み屋山本屋本店さんやコメダコーヒーと様変わりです。南の大正15年創業の(株)横山商店はリオグループとして平和町に移転、婦人服チェーン、ショッピングセンター開発、ゴルフ場と多角経営されています。小島専蔵商店は現金問屋として発展、「センゾー」の通称、素人歓迎販売で近郊より多くの会員制買物客で週末は大賑わいです。名古屋グリーンカントリークラブを経営され、戦後発展した代表的な全国レベルの問屋として東京で市場を広げられているようです。創業1781年小間物商からスタートした(株)森本本店の当主は明治時代より名古屋財界の重鎮でもあり、戦前は最初のカタログ通信販売を国内、満州各地で展開されたと聞いております。10年ほど前に一宮の大きな配送センターに移られました。青山紐店は鉄砲町2丁目の青山リボンさんと同系列で現存、創業明治35年の服部旗店さんは裏手の西角に移転されましたが「日の丸」国旗の元祖のお店と祖父が申しておりました。
 (株)沢井ネクタイ店は澤井万となり錦2丁目でメンズ中心の繊維問屋としてご兄弟で経営、御嬢さんのゆき子ちゃんは正雄君の小学校の同級生、一緒にアメリカ村探検や、3階のご自宅で遊んだ思い出があります。何故か隣のビルと屋上で繋がっており立体的な「かくれんぼ」が楽しかったようです。
 南角の(株)沢重さんは、おむかえの東海スポーツさんがその後、買収されました。この角地「大窪み」は、かつての紫川流域で地形が低く、現在でも大雨が降ると下水処理が追いつかずいつも洪水となっています。
 尾張藩士高力種信の尾張名陽図会から、紫川の石橋を紹介させていただきます。(写真:1)
 大久保見町と末広町の間の筋は、現在は白川通りと名前が変わってしまいましたが、江戸時代は紫川に沿って花屋町筋と呼ばれていました。細い道の花屋町は花にゆかりのある人々の町で、安永(1772〜1781)頃、是心斎一露の創始した華道松月堂古流家元、生花の三省堂、造花店、花卉商人が軒を並べ、南寺町への墓参に町衆が立ち寄る紫川のほとりであったといわれています。現在の科学館北の筋は東の住吉通りから伏見通りに向かって1m以上の高低差があります。(写真:2)
 現在の東側はかつての面影がなく、ライオンズマンション、日貿ビル、そして、お洒落なグラスシティ栄の3棟となってしまいました。地図では羅紗、洋品、糸などの問屋街で、南角のKK山本さんは錦2丁目に移転、万勝として現金問屋として繁昌されています。
 現社長の山本勝(まさる)さんは2年年下で、色白の西洋人の風貌でもあり栄小学校であだ名「マーシャル」(中日ドラゴンズの外人選手)と呼ばれていたことが懐かしく思い出されます。また、白川通り(元花屋町筋)に師匠がお住まいであったのか松月堂の名前が残っているのが嬉しいですね。


写真1:尾張名陽図会. 巻之4; 著者: 高力種信 見開き6枚目
「紫川大久保見町の石橋」末広町に架かる南北橋
花屋町筋を西に流れる紫川は明治となり白川に改名されたようです。


写真2:白川通り・花屋町筋の現在道路看板 東西が白川通り
西奥には白川公園・科学館の緑が鮮やか。伏見にかけて下り高低差1M。
かっては紫川流域でしたが、大正初期に埋め立てられ暗渠となっています。
白川公園遺跡の発掘調査は平成19年より約1年、科学館の建て替えに伴い実施、縄文時代からの多くの遺物・遺構を発見、紫川流域に古代人が生活していました。

北見地図(昭和35年版)鉄砲町3丁目
南北・本町通り沿いには大手繊維問屋が立ち並ぶ。
末広町との東西・花屋町筋は、華道の師匠やら粋な魚屋、菓子屋パン屋、化粧品店、かばん屋などが軒を連ねる。
住吉3丁目31番「白川幼稚園」は浄土宗伝光院の併設幼児学校同園東側には紫式部の石碑があり、紫川の泉が湧き出ておりました。

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【新会員自己紹介】

林 正氏
火曜グループ

川瀬 千賀子(かわせ ちかこ)
株式会社川瀬電気工業所 代表取締役会長

【株式会社川瀬電気工業所】
〒466-0064 名古屋市昭和区鶴舞3丁目16番30号
TEL:052-741-1111 FAX:052-733-1222
URL:http://www.kawase-denki.co.jp

 株式会社川瀬電気工業所の川瀬千賀子でございます。
この度、産業懇談会火曜グループに参加させていただくことになりました。
 当社は昭和22年に父・川瀬正一が創業した電気設備工事会社です。
「高品質な施工とサービスを通してお客様に信頼と満足を提供する」ことを企業理念としております。
 事業内容は、工場,ビル,諸施設建設に伴う動力,電灯,計装、防災建設工事の設計、施工、及びシステム設計・開発、太陽光発電の設置などです。

 個人的には趣味はゴルフとカメラです。ゴルフは「課題は永遠、精進も永遠」のものを趣味としてしまったと思うことしきりの入門者です。カメラは、体力・腕力増強に一役担う重装備の一眼レフの愛機で、スナップや花、風景などジャンルにこだわらず私流に撮っております。

 産業懇談会への参加を機に様々な業種、業界の諸先輩方の貴重なご意見を拝聴し勉強させていただく所存です。皆さまにおかれましては、何卒ご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

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【5月度産業懇談会のご案内】
名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

岡部 聰
深田正雄

5月13日(火)
12:00〜14:00

新日鉄住金エンジニアリング(株)
理事 中部支社長 中村裕司氏
「海外のインフラ事業の受注に
     あたっての実践的な教訓
    −私の成功・失敗例を参考に−」
3階
桂の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

5月21日(水)
12:00〜14:00
(学)愛知真和学園大成中学・高校
理事長・校長 足立 誠氏
「私学経営の妙味」−直近の四半世紀の変容−
2階
曙(西)の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

5月28日(水)
12:00〜14:00
三菱地所(株)
執行役員 名古屋支店長 仲條彰規氏
「(仮)大名古屋ビルヂング開発と名駅前街づくり」
2階
曙(西)の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

5月8日(木)
12:00〜14:00
丸菱工業(株) 取締役会長 河村嘉男氏のご紹介
航空自衛隊小牧基地 第1輸送航空隊
司令部援護業務室長 小島 広氏
「飛行のはなし(パイロットの世界)」
3階
桂の間

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【6月度産業懇談会のご案内】
水曜第2グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ 場所
火曜グループ

岡部 聰
深田正雄

6月10日(火)
12:00〜14:00

島屋スペースクリエイツ株式会社
取締役社長 明比実也氏
「業界の常識は世間の非常識
       −二つの業界を経験して−」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

落合 肇
飯田芳宏

6月18日(水)
12:00〜14:00
三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)
常務執行役員 森口茂樹氏
「女性がイキイキと働く職場づくりに向けて(仮)」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
見祐次

6月11日(水)
11:50〜14:30
(株)アイチコーポレーション
名古屋支店長 今井田 敦氏
「はたらく車の健康診断と空中散歩」
※恐れ入りますが、行程の都合上、定員を25名様(お申込み順)とさせていただきます。
※ご出席の方には、別途詳細案内をお送りさせていただきます。
(現地集合)
名古屋市
緑区大高町
丸の内70
052-621-5112
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

6月5日(木)
12:00〜14:00
株式会社アクティオ 
支店長 水谷文和氏
「大型プロジェクトで東海地区はどう変わる?
          〜自由な発想で予測〜」
18階
伊吹の間

<ご参考>
平成26年6月11日(水)水曜第2グループ:(株)アイチコーポレーション視察会
株式会社アイチコーポレーション
住所:名古屋市緑区大高町丸の内70-1 Tel:052-621-5112

11:50





12:00〜12:30
12:30〜13:15
13:15〜13:45
13:45〜14:30
14:40

公共交通機関をご利用の方 → JR大高駅集合
 ※駅から現地まで、車で移動致します。
車(社用車 等)をご利用の方 → 現地集合
 ※上記住所をご参照ください。
※交通手段によって集合場所が異なりますので、
 ご注意ください。
昼食
概況説明「はたらく車の健康診断」
工場ご案内
空中散歩(※雨天時は屋内見学のみ)
現地解散

<公共交通機関のご案内>
■JR東海道本線 豊橋行
 名古屋駅 11:34 発 → 大高駅 11:48 着【乗車時間:14分/運賃240円】

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【お知らせ】

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.121
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 鳥巣 妃佳里

『 強さとタフさ 』

 新年度が始まって1か月が経ちました。一般の方にはあまり馴染みがないかもしれませんが、5月には「看護の日」があります。1990年に旧厚生省は、近代看護を築いたとされるフローレンス・ナイチンゲールの誕生日である5月12日を「看護の日」と定めました。その少し前、1965年には国際看護師協会が同日を「国際看護師の日」に定めています。

 ナイチンゲールの著書や言葉は数多く残されていますが、それは私たちのような看護職(保健師、看護師、助産師)を目指す人が、看護学科に入学して最初に出会うものになっています。看護師を例える時に使われる「白衣の天使」という言葉は、クリミア戦争時に、ナイチンゲールが「クリミアの天使」と呼ばれたところからきていると言われています。「天使」という言葉には、人々に笑顔で優しく手を差し伸べるようなイメージがありますが、彼女はそういったイメージをもたれることを喜ばなかったとか。クリミア戦争終結後に英雄扱いされるのを嫌い、わざわざ偽名でイギリスに戻ったという話も残されています。「天使とは、美しい花をまき散らすものではなく、苦悩するもののために戦うものである」と言ったナイチンゲール。この言葉には、彼女の想いが凝縮されているようで、強く印象に残っています。

 戦うというと少し大げさかもしれませんが、信念をもって何かをやり遂げようとするときには、どんなことがあってもやり遂げる強さやタフさが求められます。では強さやタフさを作り上げるものは何か?と考えると、やはり健康な心と身体が基本になると思います。そしてそれを作るのはいい生活習慣と、心のしなやかさではないかと思うのです。凝り固まった心で思い込みや悪い情報に縛られていると、ありのままの自分を認めることも、自信をもって物事を決断することもできません。そして心のしなやかさを保つために必要なのは、自分を理解し、信じてくれる存在なのかなと思います。ナイチンゲールには、彼女の想いを理解し金銭的援助をしてくれた父がいました。そして彼女を信じて政治的側面で協力してくれたハーバード夫妻やその他の協力者がいました。自分を信じて理解してくれる人の存在は、ありのままの自分を認めることや自分に自信を持つことの助けになります。

 いま、若い世代のメンタルヘルス不全が増えています。学生から社会人になって、誰かの役に立つ立派な人になりたい、と思う反面、どうしたらいいのかわからず緊張と焦りで固まっている新入社員をときどき見かけます。行動や結果で評価すると「やる気がない」ように見えるけれど、実際には「気持ちはあるけど動けない、動き方がわからない」ために行動できないでいる場合も多くあります。そんな時、気持ちと行動を分けて考えて、気持ちがあることは否定せずに理解を示し、それを行動で示すためにどうしていこうか、というスタンスで関わってみることをお勧めします。そして一番大切なのは、「その人は必ず自分の思いを実現できるようになれる」と信じてみること。若い彼らは、経験値は少ないけれど自分の気持ちに素直なので、信用されたらその気持ちに答えたいと頑張る人が多いのです。もちろん若い人だけでなく、誰にとっても自分を信じてくれる人を持つことは大切ですし、自分も誰かを信じ続けられる人になっていけると組織でも社会でもいい関係が作っていけるのではないでしょうか。いい関係の中で、将来有望な社員が大きく、のびのびと育っていってくれることを願ってやみません。

強さ、しなやかさは、誰かからの理解と信頼に支えられている

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.66
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

豆の上で眠る
湊かなえ著・新潮社刊

 大学2年生になった結衣子は、13年前に起こった2歳年上の姉・万佑子の失踪事件が未だに頭から離れない。失踪当時小学3年生だった万佑子は、2年後突然帰ってきた。そして、結衣子は、今に至るまで訊ねられない問いを心に抱えたままである。「お姉ちゃん。あなたは、本物の万佑子ちゃんなの?」
 物語の時間は、結衣子が夏休みに帰省した日の午後から翌日の早朝までの10数時間。その中に13年間の記憶がはめ込まれており、小説全体が引き締められている。タイトルは、アンデルセン童話の『えんどうまめの上にねたおひめさま』より。

 過日、作者の湊かなえさんが、当社へ来てくださいました。今回の作品は「週刊新潮」に30週間連載されたもので、1回分は原稿用紙15枚だそうです。今までの作品は、どちらかというと女性読者を想定したものが多かったが、今回の読者は中高年の男性が多いのでそれなりの工夫をした、などのお話を興味深く伺いました。湊さんの印象は、気さくで純朴そうな腰の低い方で、この方のどこからミステリーのアイデアが湧き出てくるのだろう、と不思議な思いがしました。

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コラム3 【苗字随想】 No.143コラム【苗字随想】

片桐清志

一字姓について(9)〜一字姓と天気

 行楽にはもってこいの季節になった。気になるのはお天気だ。今回はお天気に関係する一字姓に着目してみた。
 日常生活に密接に関わっていることもあり意外とたくさんある。先ずは天気予報でお馴染みの「晴」さんがいる。ハレ・ハライとお読みする。晴が頭につく「晴姓」も12種が見つかった。晴山(ハルヤマ・ハレヤマ)や晴海(ハルミ)、晴野(ハルノ・ハレノ)は見たことがあるだろう。晴間(ハレマ)、晴気(ハレケ・ハルケ・ハルキ)も見つかった。ランキング(佐久間 英氏)ではよく見る晴山も残念ながら4000番外だ。
 「雨」は嫌われたのか一字姓は見つからなかったが、「雨姓」は「晴姓」より多い54種が見つかった。ランキングでも雨宮(アメミヤ・アマミヤ他484位)や雨森(アメモリ・アマモリ・ウノモリ他2799位)はお馴染みだろう。ユニークな「雨姓」では、雨乞(アマゴイ)、雨具(アマグ他)、雨笠(アマガサ・アマカサ)、雨夜(アマヤ他)、雨間(アメマ・アママ)、雨霧(アマギリ)、雨水(アマミズ・ウミズ)、雨池(アマイケ・アメイケ)などが見つかった。
 「曇」さんもいる。読み方はクモリではなくアズモと読む。「曇姓」は非常に少なく、曇田(トンダ)が見つかった程度だ。
 「雪」さんもいる。ユキの他にキヨシ・ススキ・ススギ・スズキの読み方がある。「雪姓」は結構多く、42種見つかった。ユニークな「雪姓」では、雪吹(フブキ・イブキ・ユキフキ他)、雪上(ユキウエ・ユキガミ)、雪下(ユキシタ・ユキシモ)、雪垣(ユキガキ)、雪山(ユキヤマ)、雪嶺(セツレイ)、雪窓(セッソウ)、雪車町(ソリマチ)などが見つかった。
 意外だが「雷」さんもいる。カミナリ・イカヅチ・ライの読み方がある。「雷姓」も4種あり、雷門(カミナリモン)、雷田(ライダ)、雷野(ライノ)が見つかった。
 「風」さんもいて、そのままカゼとお読みする。「風姓」は種類も多く、67種見つかった。ユニークな「風姓」では風吹(フブキ)、風嵐(カザアラシ他)、風晴(カザハレ・カゼハレ)、風当(フウトウ・フタギ他)、風無(カゼナシ)、風速(カザハヤ)、風神(フウジン・カゼガミ他)、風月(フウゲツ)、風呂(フロ)、風味(カザミ)、風袋(フウタイ・カザブクロ)、風土(フト)、風穴(カザアナ)が見つかった。ランキングでも風間(582位)、風見(1870位)が上位に登場する。
 このほかの、お天気予報に出てくる一字姓を列挙すると雲(クモ)、霜(シモ)、嵐(アラシ)、凩(コガラシ)、凪(ナギ・ナギサ)、霞(カスミ)などだ。

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【平成26年4月号編集後記】

 4月17日(木)・18日(金)の両日、第27回全国経済同友会セミナーが静岡市で開催され、全国44の経済同友会から約1,000名が集まった。静岡同友会の50周年記念事業で、しかも初日の4月17日は徳川家康の命日にあたる。2015年が没後400年になるため、そのプレイベントでもある。テーマは、265年続いた江戸時代の礎を築いた家康公の英知に学び、今の日本社会が目指すべき「持続可能な発展をめざして〜“ふじのくに日本”の新・成長戦略〜」だ。
 基調講演では伊藤元重(東京大学教授)氏から「日本と地域の新・成長戦略」と題して、デフレ脱却を確実にするための「第3の矢」は民間投資がその鍵を握っていると強調された。基調講演後の分科会では「持続可能な発展と企業経営」「農業・医療を成長産業として育てていくために」「再生・日本のモノづくり」「“豊かな少子高齢化社会”、“若者が希望を持てる社会”を目指して」の4つのテーマで熱い議論が展開された。翌日の特別講演は(公財)徳川記念財団理事長で徳川宗家18代当主の徳川恒孝(つねなり)氏から「江戸の遺伝子・日本人の遺伝子」を拝聴した。

 4月23日(水)には中部経済同友会の定時総会が開催され、石田筆頭代表幹事体制がスタートした。今年度のテーマは「世界を魅了する“CHUBU”を目指して」だ。アベノミクスの下、「停滞の時代」から「日本再興」への大転換期を迎え、しかも2020年の東京オリンピック、2027年のリニア中央新幹線の品川〜名古屋開業をとらえ、大転換後の世界を見据えた“CHUBU”の地域ビジョンを描き出す。具体的には(1)最先端モビリティ地域・都市、(2)産学連携地域・都市、(3)国際交流地域・都市、(4)観光ハブ地域・都市、(5)アメニティ地域・都市の5つのテーマを意識した活動を展開する。
 総会後の記念講演では竹中平蔵(慶應義塾大学教授)氏から「日本経済の新展開〜中部経済のフロンティア〜」を拝聴した。竹中氏も安倍政権の「3本の矢」を取り上げ、3本目の「成長戦略」の成否の鍵は民間活力であり、政府の岩盤規制緩和の取組みと連携して魅力ある地域づくりを目指せとのエールを戴いた。大転換期をチャンスと捉え、我々も大いにチャレンジしたい。

(片桐)