産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第97号 2010.6.28発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成22年6月度(第97号) 目次
産懇宅配便
【22年6月度産業懇談会(木曜G)模様】 6月3日(木) 11時00分〜17時00分
【22年6月度産業懇談会(火曜G)模様】 6月8日(火) 12時00分〜14時00分
【22年6月度産業懇談会(水曜第2G)模様】 6月9日(水) 12時00分〜14時00分
【22年6月度産業懇談会(水曜第1G)模様】 6月16日(水) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.3
【名古屋いちばん物語】 No.4
【新会員自己紹介】
伊藤 高人氏

株式会社スズケン 取締役副社長執行役員

牛込 伸 株式会社TYK 代表取締役社長
金城 次夫氏 株式会社日本テクシード 専務取締役
田中 一好氏 三菱UFJリース株式会社 取締役会長
山下 義一氏

株式会社ジェーシービー 東海支社長

【7月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【アートコーナー】    からくりアート点描 No.15
【コラム】
コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.75
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.20
コラム3 【苗字随想】 No.97
【22年6月度産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ『 商業施設視察会((株)ソトー・イオンモール(株)mozoワンダーシティ) 』

日  時:平成22年6月3日(木) 11時00分〜17時00分
場  所:株式会社ソトー(一宮市)、mozoワンダーシティ(名古屋市西区二方町)
参加者:16名


 今回の産業懇談会視察会は、株式会社ソトー(一宮市)とmozoワンダーシティ(名古屋市西区)を見学した。
 一行は、バスで11時00分に商工会議所ビルを出発し、昼食後、一宮市の株式会社ソトーに到着。はじめに、会議室にて取締役社長・高岡幸郎様より事業概要および今後の事業展開についての説明を受け、その後、染色整理加工工場内を視察した。続いて、バスで名古屋市西区にあるmozoワンダーシティへ移動し、イオンモール(株)ゼネラルマネージャー・小林重治氏より同施設の商圏や設備等の説明を受けた後、視察を行った。

◆株式会社ソトー
 株式会社ソトーは、日本最大の毛織物の産地として知られる愛知県尾州地域で大正12年に創業した。繊維は衣料素材となるまでに様々な加工技術を要し、ソトーが携る「染色整理加工」は、その中でも重要な技術分野である。「染色整理加工」とは、織機で織り上がった織物を洗浄して染色などの加工を行い、衣料素材へ仕上げる作業である。同社では「染色整理加工」事業のみならず、将来に向けて独自に研究・開発を行い、テキスタイルの製造・販売事業を立ち上げた。
また、染色整理加工で培った感性技術をテキスタイル事業に活かし、新興国の富裕層などをターゲットとしたグローバル展開による、更なる成長を今後の基本方針としている。具体的には、(1)繊維業の収益拡大、(2)ジャパンクオリティのグローバル展開、(3)消費者ニーズを的確に掴んだ新加工技術の開発・提案、(4)更なるコストダウン、(5)固有技術を活かした新事業の展開、という5つの基本戦略を掲げている。
  高岡社長の事業概要説明後、3グループに分かれて工場内を見学した。工場内は様々な種類の巨大な機械が所狭しと並んで稼動し、着々と加工及び出荷作業が行われていた。
  経済産業省が今年4月に発表した『今後の繊維・ファッション産業のあり方』によれば、日本の繊維産業の強みとして、多彩な技術や豊かな感性、高品質なモノづくり、多品種少量生産への対応が挙げられる一方、弱みとして、海外市場への進出の出遅れや、流通・取引慣行が複雑で業界団体が細分化しすぎていること、国内での需要縮小や繊維業界への人材離れなどが挙げられている。
 加えて、新興国の技術面での追い上げ、低価格品の台頭が大きな脅威となっていることは言うまでもない。
 今後、日本企業にとって、新興国の経済発展に伴う市場拡大が進むなかで高まる環境問題や安全・安心の社会的ニーズに対して、日本の技術をどのように活かしていくのかを考えることが重要である。

◆mozoワンダーシティ
 mozoワンダーシティは、近年、マンション等の開発が進む名古屋市北部上小田井地区に2009年4月21日にオープンした。名鉄犬山線及び地下鉄鶴舞線が乗り入れる「上小田井駅」から徒歩約5分の距離にあり、敷地は国道302号、県道名古屋外環状線に隣接している。公共交通機関や車両でのアクセスに恵まれており、当初の予想以上に三重県や岐阜県など広域範囲からの来客も多い。
  同施設は、敷地面積約10.7万m2、延床面積約24.4万m2、店舗面積約6.9万m2、駐車場台数約5,000台を擁し、名古屋最大級となる約220の専門店で構成されるショッピングセンター(SC)である。
 また、「人と環境に配慮したSC」の実現に取り組んでおり、より簡単・快適・安全なホスピタリティを提供するため、ユニバーサルデザインの理念を導入している。例えば、トイレや喫煙所の案内サインなどは、文字よりも絵を大きく表示し、必要な情報をわかりやすく提供している。また、屋内駐車場の一部は体の不自由な方の専用駐車場として、リモコン開閉式のゲート方式を採用するなどしている。
 環境保全活動にも積極的に取り組んでおり、具体的な取り組みとして、壁面緑化の実施(建物の外壁1,700m2を壁面緑化し、CO2削減と建物の圧迫感軽減を実現)、氷蓄熱空調システム(夜間に氷を作り蓄えておき、昼間の冷房に活かす)と高効率冷凍機(消費電力の大きい空調システムのモーターの回転数を負荷に応じて制御することで、従来の固定速モーターと比較して大幅なエネルギー削減が可能)等を導入している。これらを導入したことで、年間約1,975トンのCO2削減が可能となり電力の平準化にも貢献している。視察後には、普段は目にすることのない商業施設の設備について、積極的な質疑応答が行われた。

 今回、株式会社ソトーの視察では、普段見ることのない染色整理加工の現場を視察し、衣料品が店頭に並ぶまでにはいかに多くの工程と人の手を要するのかということを実感し、衣料品の価値をきちんと知ることが必要だと思った。また、mozoワンダーシティの視察では初めて同施設を訪れる方も多く、視察した設備以外にも、店舗内の広さや専門店の豊富さに皆さん、高い関心を寄せていた。最後に滝代表幹事よりご挨拶をいただき、閉会となった。

株式会社ソトー
株式会社ソトー
mozoワンダーシティ
mozoワンダーシティ

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【22年6月度産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ『 株式会社と証券市場〜株は儲かる?公開はお得?〜 』

日  時:平成22年6月8日(火)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:26名

スピーカー:
竹田 正樹(たけだ まさき
株式会社名古屋証券取引所 取締役副社長

竹田 正樹氏

1.「株式会社」とは何か?
  人類の三大発明は、火薬、羅針盤、活版印刷といわれる一方、経済分野に限っていえば、複式簿記と株式会社が人類の二大発明とされている。複式簿記は13〜15世紀にイタリアで生まれた。一方、ローマ時代から共同で事業を行う場合には、お金を出資して自分も参加する形態(ソキエタス)と、お金を出資し人に事業運営をさせる形態(コンメンダ)があり、後者が発展して株式会社となったといわれ、1602年に設立されたオランダ東インド会社は全員が有限責任を負った最初の株式会社となった。また、同会社設立に伴い株式が発行され、売買のためにオランダで世界初の証券取引所が設立された。19世紀後半になって、準則主義、株主の有限責任、株主主権の三つの要素に基づく近代的な株式会社が設立されるようになった。20世紀になると、1889年に米国で法人株主が認められた結果、会社が会社を支配するようになり、株式会社は巨大化し全世界に拡大していった。加えて、産業が大量生産・大量販売方式に移行し、巨大な生産施設を建設するため多額の資本を要したことで、これまでのような鉄道敷設や運河開設といった大規模プロジェクトのみならず、製造業にも株式会社の流れが拡大した。第二次世界大戦後には、米国を中心に株式会社黄金時代を迎えたが、二度の石油ショックを経て経済を取り巻く環境が一変し、リストラクチャリング、CSR、コーポレートガバナンス等々、株式会社は様々な新しい課題に直面することとなった。

2. 株式会社は誰のもの?
  株式会社は誰のものかと問われたとき、株主が会社を所有するという株主主権論と、株主だけではなく企業を取り巻く従業員、顧客など企業にかかわる全ての人が会社を支えるとするステークホルダー所有論の2つがある。1930年代から米国で巨大な企業が出現し、所有と経営の分離が進み、実質的に株主主権論が否定される現象が起こったが、1970年代から機関投資家の株式所有が進むにつれて、モノ言う株主として経営改善を要求するようになり、そのバックボーンとして株主主権論が強く主張され、コーポレートガバナンスを強化し、経営者を管理する流れになってきた。一方、日本においては、1980年代以降、日本の経営・生産方式が世界で賞賛され、ステークホルダー所有論が主流になったが、バブル崩壊以降は一転、日本的経営への批判が高まり、欧米での株主主権論の強まりを受け、日本でも会社は株主のものという考え方が強くなった。そうした中、2003年に東京大学の岩井克人教授は、「会社はだれのものか」という問題提起を行い、経営者は自己の利益追求を抑え、会社のために倫理的行動をすべきであり、会社の存在意義は、人々の生活を豊かにするために、様々な財やサービスを提供することで、利益や株価が第一目的ではないとの考え方を提示し、コーポレートガバナンス強化論や過度の株主主権論に一石を投じた。

3. 株式投資 〜株は儲かる?〜
  株式投資は、株の値動きが正しく予測できれば確実に儲かる。この株価予測をめぐっては、株価予測可能論と効率的市場理論に基づいた株価予測不可能論があり、さらに、株価予測可能論には、企業価値を計算し市場価格と比較するファンダメンタルズ分析派と株価チャート等の分析により過去の値動きから将来価格を予測するテクニカル分析派がある。また、最近の投資テクノロジー理論では、分散投資を行うポートフォリオ理論やその発展型、21世紀に入って出てきた行動ファイナンス理論がある。行動ファイナンス理論は、投資家=人間は非合理な行動をとる存在だと主張し、いつも上手くいくという過剰な自信、偏った思い込みや群集心理から誤った判断をする―例えば、欲しくない株も周囲が買えば自分も買うという行動がバブルを助長していくと分析する。プロスペクト理論では、人間は負けず嫌いで確実に損を嫌い、少しでも損が少ない方に賭けたいという心理があり、例えば、個人投資家は値上がり株を売り、値下がり株を持ち続ける傾向がある。株価予測不可能論も決して株は儲からないと言っているのではなく、市場全体=分散投資したインデックス・ファンドを持ち続ければ、長期的には勝利する可能性が高いとの主張が多い。

4.新規上場(IPO) 〜公開はお得?〜
  昨年は世界的不況の影響で我が国の新規上場企業は19社に止まった。企業にとって上場するメリットは、信用力と知名度の向上や資金調達力の拡大、経営管理体制の確立などが挙げられる一方、留意点は、企業内容の開示義務や事務量の増大、買い占めや乗っ取りのリスクなどがある。遵守すべき法令等の拡大をデメリットと考える企業もあるが、上場会社でなくても会社として法令尊守は絶対であることに加え、逆に上場によって企業のリスク管理能力の高まりが期待できる。なお、最近では様々な買収防衛策を講じることも可能になり、実態的にもあまりそういったリスクを懸念する声は少なくなったといえる。

5.まとめ
 最後に、資金に余裕があるという前提のもと、現代社会において、世の中のあらゆることに関与している株式会社というものに投資をすることで、個人の損・得は別として、経済成長に寄与していただきたいと願っている。また、株式会社とは、大きな資本を集めるための必須の制度であり、会社を起業されて順調に運営されているのであれば、社会の公共財としての株式会社という観点で上場することが最大のCSRと考えていただきたい。つまり、株は儲かるかといえば、株のもうけはあくまでもおまけであり、株式公開はお得かといえば、公開しても決して後悔はしないと考えていただければよいのではなかろうか。

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【22年6月度産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ『 ちょっとユニークな会社 アイチコーポレーションのご紹介 』

日  時:平成22年6月9日(水)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:21名

スピーカー:
遠藤 俊也(えんどう としや)
株式会社アイチコーポレーション 名古屋支店長

遠藤 俊也氏

1.はじめに
 当社は1962年(昭和37年)に創業し、電力・電気・電話・通信工事用特装車及び、建設・荷役・造船・鉄道工事用特装車の製造・販売を事業としている。
 特装車とは、トラックシャーシ上に荷台ではなく、多種多様な装備を架装したものである。2005年からグローバル化へ本格着手しており、現在は、米国、オランダ、中国に現地法人(中国には2工場)を展開している。現在の海外売上比率は15%程度であり、今後、更なるグローバル化拡大を目指していく。

2.事業展開がユニーク
 当社は設計から生産、販売、修理、アフターサービスまでを一気通貫で行っている。
このメリットは、お客様のニーズやコンプレーンが迅速に社内にフィードバックされることで、製品の改良・開発スピードが増すことに加え、環境の変化に対して敏感に対応が可能なところにある。当社では循環型事業にも取組んでおり、顧客から特装車を下取り・買取りをし、メーカ視点で点検後、必要な部品交換等を行い、再販をする「安心の下取り・買取りシステム」を構築している。また、こうした事業スタイルを活かして、「ライフサイクルサポートサービス」を掲げ、製品の導入提案をはじめ、情報誌やITを利用した情報提供、製品のリフレッシュやリメイクなどの長期活用支援、及びメンテナンス契約等の運用支援を行い顧客満足度の高いサポートに注力している。

3.製品がユニーク
 代表的な製品として、高所作業車と穴掘建柱車がある。
 高所作業車とは電気、通信設備をはじめ各種のメンテナンス工事に用いられ、足場掛け払いの手間がなく、最適作業姿勢を選べることに加え、資機材を一緒に上げることが可能であり、工事の安全と効率を飛躍的に向上させる。
 穴掘建柱車とは電柱の穴を掘る、電柱を吊る、電柱を建て込む、電柱を抜くなどの作業が一台で可能な機械である。これらの分野でトップシェアを戴いており、お客様のニーズに合わせた独創的な製品開発を行っている。

4.創業者がユニーク
 愛知車輌の成長は、創業者 鈴木作次郎の思い込んだら命懸けという熱血姿勢と取引先企業の温かい支援に因るところが大きい。特に、鈴木の「日本の電気・通信工事の現場を近代的なものにし、不幸な労働災害を無くす」という熱い想いに共感をしていただいた、日本電話施設の本多静雄氏(当時 社長)からは絶大なる支援をいただいた。また、1962年には当社製品のスピードと正確さが認められ、東海電気工事(現 トーエネック)に全面採用が決まり、同年には電電公社や全国の通信工事会社が集まる研究会で製品実演のチャンスを手にしたことで、一気に電気・通信業界に知名度が広がった。
 鈴木は「アイチはユーザ系列」を口癖とし、お客様第一主義を貫き、何事にも理想を描いたうえで、その達成のために何をすべきかを重視した。また、「製品を売るのではない。使用効果を売る」と、現場の課題解決の重要性を説いた。一方、社員には「失敗は会社もち」と、リスクを恐れることなく新しいことに積極的に挑戦させ、事業を通じて社会に貢献することを目指し続けた。

5.工場がユニーク
 1998年度から5期連続赤字となり、2003年には豊田自動織機と資本業務提携することになった。連結子会社となるのと同時に、TPSの指導を受け、取り組んだ結果、2007年度に売上は765億円、経常利益は132億となり、最高益を上げるまでになった。2009年度はリーマンショックの影響で売上は344億と激減したものの、経常利益は11億、黒字を確保できた。工場ではTPSの2本柱である「ジャストインタイム」と「自働化」を徹底し、7つのムダの排除、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)の推進を基盤に、現場の「見える化」を実践し、コストダウンを追及した結果、損益分岐点を劇的に引き下げることに成功したのである。

6.営業がユニーク
 営業はお客さまからパートナーとして信頼していただき、お客さまが抱える課題を共通課題として捉え、それに対する解決策を提案する「個別提案型商談」の推進を行っている。お客さまの課題を導き出すために、5C分析(お客さま Customer、自社 Company、お客さまのお客さま Customer’s Customer、お客さまの競合他社 Customer’s Competitor、競合他社 Competitor)でコンセプトワークを行っている。これをASPシートにまとめ、プロセスを重視し、お客さまの業績向上を目指したご提案活動を心がけている。

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【22年6月度産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ『 本丸御殿復元への想い 』

日  時:平成22年6月17日(水)12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 曙(西)の間
参加者:31名

宝和工業(株) 取締役社長 落合 肇氏のご紹介

スピーカー:
木下 壽昌(きのした ひさよし)
株式会社 間組 執行役員支店長

木下 壽昌氏

1. 間組の歴史と代表作品
  当社は1889年に福岡県の門司で創業した。1924年には東京の永代橋新設工事では国内初の潜函工法(波が高く、潮流が激しいなど悪条件のもとで用いられる工法で、具体的には、ケーソンと呼ばれるコンクリートや鋼製の箱を沈めて海底に設置し、防波堤や橋梁の基礎とする。)により竣工し、43年には日本初の海底トンネルの関門トンネル・下関工区を竣工、59年には名古屋城再建、63年には黒部ダムを竣工した。一方、海外では97年に当時世界一の高さを誇った、マレーシアのペトロナスツインタワーを竣工するなど、国内外のさまざまな大プロジェクトに相次いで従事した実績を持つ。また、歴史的建築物の復元も数多く手掛けており、白石城、会津若松城、大洲城などの城郭の復元や、20年ごとに行われる伊勢神宮の宇治大橋の架け替え工事を過去3回連続で請け負っている。更に、2008年には名古屋城本丸御殿復元工事を受注し、現在、工事を進めている。当社と名古屋城とのかかわりは、1957年に石垣の修繕工事を受注したことからはじまり、59年には天守閣の再建工事を竣工、84年には再建25周年イベントの名古屋城博、2005年には新世紀・名古屋城博で天守閣からの金鯱下ろしの作業を請け負った。このような歴史的背景から、当社の名古屋城への愛情と想いは非常に深いものがある。

2. 本丸御殿復元工事
  本丸御殿は1615年に完成し、当初は尾張藩主の住居、藩の政庁として使用され、1634年には3代将軍家光が上洛の際に宿泊した歴史的建築物である。その後、明治に入り1893年に皇室の名古屋離宮となった後、1930年に名古屋市へ下賜され、国宝に指定されたものの45年に戦火により焼失した。
 当社では、本丸御殿の復元が「ものづくりの技、心、自然環境の大切さを後世に伝える一大文化事業」であるということを肝に銘じ、本丸御殿復元の意義である「市民の新たな誇りの創出」、「名古屋城の価値と魅力の向上」、「名古屋圏の活性化につながる大交流の拠点の創出」、「匠の熟練の技を後世に継承」に復元工事を通じ貢献したいと願っている。
  本丸御殿復元工事は、2008年7月に総合評価方式(技術提案を受付け、入札価格とその技術提案を総合的に評価して落札者を決定する方式)で発注され、10月に開札、間・松井・八神特別共同企業体が落札し、09年1月に起工式が行われた。復元のスケジュールは、第1期工事として、玄関・表書院・中之口部屋など約1,090m2を13年までに、第2期では、対面所・上台所・梅之間など約1,160m2を16年までに、第3期として上洛殿・黒木書院・御湯殿書院など約850m2を18年までに完成させる予定である。

3. 復元工事の状況
  復元工事入札に際しては、技術提案の必要があり、次のような提案を行った。まず、指導者選考委員会を設置し、重要な専門工事の指導者を選定する際に、その中で本工事の品質に対する理解度や技術伝承への情熱、所属会社の支援体制などを確認し、選定することにした。また、過去に優れた歴史的建築物の実績を持つ地元業者を発掘することにより、地元職人を活用し、当地域の匠の技術伝承に努めるなどのソフト部分の提案を行った。加えてハード面では、復元現場の見学施設の充実やインターネットによる工事のリアルタイム中継による進捗状況の積極的な公開で、市民が本丸御殿に対して親しみと愛情が持てる設備計画の提案を行い、現在はそれを実践して復元を進めている。現在の進捗状況は、ソーラーマスターシステムによって環境に配慮された素屋根の中では、遺構保護工事によりオリジナルの礎石を保護した後に、玄関部分の新しい礎石を設置する工事が完了している。また、木材の保管庫や加工場、実物大の図面を書く原寸場を活用し、伝統技術と匠の技を活かして木材の加工が進められている。10月16日には開府400年を記念した復元過程の特別公開が迫っており、是非、復元工事の現場で伝統の技術を皆さんにご覧いただきたいと願っている。

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【名古屋いちばん物語】 No.3

テーマ『 日本一の日記魔 朝日文左衛門(江戸時代) 』

株式会社アクティオ
  水谷 文和

 日本一の日記魔といえば、江戸時代中期に尾張藩に仕えた下級武士「朝日文左衛門」。日記のタイトルは「鸚鵡篭中記(おうむろうちゅうき)」。朝日文左衛門は、江戸時代延宝2年(1674年)に東区主税町の朝日家に嫡男として生まれた。尾張藩の中でも下級武士の家系になる。彼自身は禄高百石の畳奉行の役目だったが、安月給ながら楽しんで暮らしていたようである。 
 日記は、18才から書き始め、亡くなる1年前の44才までの26年8ヶ月のあいだ書き続けた。何がきっかけで書き始めたのかは不明である。日記の内容は、天気や食事の内容、芝居、噂話など、普段の生活の中で見聞きしたことを、そのまま記録に残している。画期的な大発見は無いが、下級武士の生活ぶりが良く分かるので、300年ほど前の名古屋の様子を知ることができる。
 先日、著者:加賀樹芝朗の「鸚鵡篭中記」を読んだ。原作を解読して、読みやすくして主要箇所を一冊にまとめたものだ。不慣れな私には、理解できないところもあったが、十分に当時の生活ぶりを知ることができて楽しかった。噂話の信憑性については、疑わしいところもあるが、史実として残されている文献と照らし合わせると貴重な裏付けになることも多い。限られた範囲であるが、日記に書かれた内容を皆さんに紹介したい。

〔政治・社会〕 将軍は5代将軍徳川綱吉。「生類憐れみの令」の真っ只中で、誰々が処罰されたという記載が多い。最初、犬から始まったものが鳥魚類にまで広がり、庶民を苦しめたようだ。赤穂浪士の討ち入りも日記に登場する。宝永2年(1703年)おかげ参り(伊勢神宮参拝)が大流行したとある。300年経って再び大流行している。歴史は繰り返されるといったところか・・・

〔災害〕 宝永4年10月に関西で大地震、11月に富士山の噴火が起こっている。災害の記載については、前兆や発生後の状況が具体的に記録してある。現代でも似たような前兆の事例を聞くので、参考になるかもしれない。富士山の噴火では、しばらく灰が雪のように降り続き、太陽が差し込まなかったとあり、噴煙は名古屋からも見えたとある。相当ひどい惨状だったと記載してある。

〔食事〕 食事は、お祝い事には鯛、鮑など今と変わらない。ボラがよく出てくるのは、地元で採れる出世魚だからだろうか。余談だが、私の地元では「ボラ雑炊」というボラ料理があって美味い。コチもよく食べている。彼は、かなり酒が好きなようで、あらゆる場面で酒が出てくる。呑み過ぎた反省の言葉を残した日記も多い。

〔娯楽〕 彼の趣味は、芝居見物。特に人形浄瑠璃が好きだったようだ。質素倹約の時代で、武士の芝居見物が禁止されていたにもかかわらず、隠れてでも見に行けたのは、取り締まり自体がそんなに厳しくなかったからかもしれない。

 「昔の日記を読むのは退屈だ」という人には、時代小説:畳奉行秘聞シリーズ 著:池端洋介/だいわ文庫(1〜3巻)をお勧めする。史実と史実をフィクションでつないで作品にしてあるので、全てが事実ではないが、「可能性を感じさせる」仕上りになっていて楽しく読める。気楽に読むなら、こちらをお勧めする。
 朝日文左衛門が亡くなってから293年。朝日家は跡継ぎ(女の子が一人)に恵まれず家は断絶しているが、よくぞこの日記が現代に残ってくれたと思う。幕府を批判する内容もあり、文左衛門亡き後、誰が見つけたのか?幕府や藩の事を考えれば、見つけた本人は、どう扱ったらよいのか悩んだことだろう。そして明治維新、第二次世界大戦の空襲を経て無事に現代に残ってくれた。そのお陰で、私は今回の記事を書くことができた。そして、この記事を読んだ何人かに、朝日文左衛門という人物に関心をもっていただければ嬉しい。名古屋市制400年の機会に、名古屋に住んだ無名の藩士が再び注目される。こういう人物がいたことが思い起こされる事も「名古屋いちばん物語」の楽しみかもしれない。

【参考文献】
加賀樹芝朗:著 朝日文左衛門「鸚鵡籠中記」 雄山閣
池端洋介:著 元禄畳奉行秘聞シリーズ 1〜3巻 だいわ文庫

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【名古屋いちばん物語】 No.4

テーマ『 荒子観音と円空仏 』

日比谷総合設備株式会社
加藤 敏

 “円空仏のワンダーランド”―荒子観音(淨海山円龍院観音寺)は、名古屋市中川区荒子町にある。この春、久しぶりに拝観日の荒子観音を訪れた。円空仏が直に見られることもあって、本坊は家族連れなど多くの拝観客で賑わっていた。横から見る木彫仏の檜の薄さに感嘆し、背面の円空の筆跡に感動するなど、至近距離から見る円空仏は圧巻である。こうした共時体験ができる例を他には知らない。うっかり触れて毀損でもしたら一大事だ。ガイド役を務める「円空仏彫刻・木端の会」の人たちの軽妙な説明は手慣れたもので、いつしか円空仏の世界に魅入られてしまう。この日はテレビ局の番組収録があり、有名タレントのインタビューを受けた現住職の二十七世日置教康師が、見どころを雄弁に語っていた。
 荒子観音は、鎌倉時代末に始められた尾張四観音の一つとして、毎年2月3日の初観音(節分祭)には多くの参詣客で賑わう。白山を開いた泰澄和尚により天平元年(729年)に開基された天台宗の寺であり、本尊は33年に一度開帳される聖観世音菩薩像である。天平13年(741)には七堂伽藍の雄姿を見せ栄華を誇ったが、戦乱等もあり寺勢は衰えて荒廃した。天正4年(1576)に荒子城に生まれた前田利家により本堂が再建され、江戸時代には尾張藩主である義直や光友の寄進等を受けている。その後、濃尾大地震や本堂消失等もあったが、幾多の苦難を乗り越えて今日に至っている。天文5年(1536)に再建された多宝塔は、名古屋市内最古の木造建造物として国の重要文化財の指定を受けている。このほど470年振りの全解体修理を終えて往時の輝きを取り戻している。
 円空は、寛永9年(1632)に岐阜羽島に生まれ、元禄8年(1695)に岐阜関で入定している。浄土真宗等の世俗化とともに中世以降の仏像彫刻が衰退していく中で、平安時代の木彫仏制作を復活させ12万体の仏像制作を発願した。現存する5,300体ほどの木彫仏は、北海道から関西までを中心に25都道府県にわたり広く分布している。修験・遊行僧である円空は、従来の礼拝仏ではなく奉納仏の制作に心血を注いだ。素木の姿を活かした鉈とノミによる男性的な一木造りは円空独特のフォルムとなっている。荒削りながら素朴で微笑みに包まれているものが多く、日本最大の仏師によるこれら異形の仏は今なお人々の心を捉えて離さない。その素晴らしさに逸早く注目したのは、名古屋新聞の記者であり後に第16代名古屋市長(1952〜1961)になった小林橘川である。また、円空には184枚の仏像画や1600首ほどの和歌が残されており、最近ではその内容の素晴らしさから仏像の域を超えた芸術家としての価値にも注目されてきている。
 安政5年(1858)に十八世法印全精が撰んだ寺の由緒等を記録した『淨海雑記』によると、たびたび荒子観音を訪れていた円空は、延宝4年(1676)に中興の祖といわれる十世法印円盛と意気投合し、円空仏最大の3m余の2体の仁王像を造り、その余材で仏像神体大小数千体を彫っている。昭和47年になって、住職の二十五世日置即全師が、多宝塔の厨子の中から檜の白木がまばゆい1024体の千面菩薩と木屑を発見したことにより、その記録は裏付けられた。この大発見により、多彩な像容の1255体もの木彫仏を有する荒子観音は、日本最大の円空仏の宝庫となったのである。しかも円熟期の傑作として高い評価を受けているものが多い。さらに、平成21年にも東隣りの神明社拝殿奥の祠の中から高さ40cmほどの木彫仏が発見されており、荒子観音の円空仏への関心は尽きることがない。
 昭和30年頃に境内で近所の腕白仲間達と一緒に遊んだ荒子観音は、町内の生活の中にすっかり溶け込んでいた。幼心にも円空の名を知らない者は誰もいなかった。このほど梅原猛氏の力作である『歓喜する円空』に出会い、改めて郷里に燦然と輝く円空仏の偉大さを再発見した。そして、円空が“姓は藤原、氏は加藤”であることを知り、すっかり心を奪われてしまった。冒頭の句は梅原氏の言葉であるが、円空を自らの人生と二重写しにして、“梅原生きるにあらず、円空わが内にありて生きるなり”と語るその筆致はもの凄い。ガイド役の一人は「今後彼の円空論を超える者はいない」と力説した。境内の一角には「円空仏彫刻・木端の会」による制作教室もあり、情報発信の基地となっている。
 円空仏の拝観日は、毎月第2土曜日(午後1時〜4時)である。

荒子観音・仁王門
荒子観音・仁王門
荒子観音・多宝塔
荒子観音・多宝塔

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【新会員自己紹介】

伊藤 高人氏
水曜第2グループ

伊藤 高人(いとう たかひと)
株式会社スズケン 取締役副社長執行役員

【株式会社スズケン】
〒461-8701 名古屋市東区東片端町8
tel:052-953-7100 fax:052-951-6696
URL:http://www.suzuken.co.jp

 株式会社スズケンの伊藤高人でございます。
 この度、産業懇談会水曜第2グループに参加させていただくことになりました。前任者西浦忠男同様、よろしくお願い申し上げます。
 弊社は、「健康創造」を事業領域とし、医薬品卸売事業をコア事業に、医薬品製造事業や医療機器製造事業、保険薬局事業等、医療に関する幅広いサービスを提供しています。昨年の4月、スズケングループ経営理念を制定いたしました。キーワードは「笑顔=SMILE」で「健康の先には笑顔がある」という想いから策定いたしました。「Desigh Your Smile 健康創造のスズケングループ」です。ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

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牛込 伸P氏
火曜グループ

牛込 伸(うしごめ のぶたか)
株式会社TYK 代表取締役社長

【株式会社TYK】
〒507-8607 岐阜県多治見市大畑町3丁目1番地
tel:0572-22-8151 fax:0572-22-0706
URL:http://www.tyk.co.jp

 TYKの牛込伸と申します。
 この度、産業懇談会火曜グループに参加させていただくことになりました。よろしくお願い申し上げます。
 TYKグループの歴史は、「先端技術へのチャレンジと、お客様へのひたむきな貢献」の歴史であります。そして、我々が常に抱いている思いは、『仕事を通じて世界に喜びと感謝の輪を広げる』ということです。
 更に「先端技術へのチャレンジと、お客様へのひたむきな貢献」を追及して参ります。そのために2つの現場、「我々のものづくりの現場」と「お客様に我々の商品を使っていただく現場」を、大切にして行きたいと考えております。お陰様で、我々には『夢』を大切にする社風が培われています。夢を実現するためには、大きなエネルギーとたくましい精神力とが必要ですが、我々はその夢を実現した時に得られる大きな喜びと深い感動を知っています。我々はこれからも、「よりよい製品とサービスを、よりローコストに、よりスピーディに」をモットーに、皆様と喜びを分かち合える様、夢の実現にチャレンジして参ります。
 皆様のお仲間に入れて頂けましたことに感謝申し上げますとともに、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い致します。

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金城 次夫氏
水曜第1グループ

金城 次夫(きんじょう つぎお)
株式会社日本テクシード 専務取締役

【株式会社日本テクシード】
〒460-0008 名古屋市中区栄3-18-1ナディアパークビジネスセンタービル20階
tel:052-242-9001 fax:052-242-9007
URL:http://www.tecseed.co.jp

 日本テクシードの金城と申します。
 この度、中部経済同友会への入会とともに産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。
 当社は、自動車業界を中心に顧客企業の開発部門を支援するR&Dアウトソーシング事業を主業務とし、機械設計開発、電気電子設計開発、ソフトウェアー開発を得意分野としております。
 中部経済同友会の会社単位ではなく個人としての経済人の立場で中部経済、日本経済の進歩と安定に寄与し、あわせて会員相互の啓発親睦を図るという目的に共感し、入会させていただきました。この会を通して、多くの方々との交流そして親睦を図り、視野を広げたく考えておりますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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松原 秀式氏
火曜グループ

田中 一好(たなか かずよし)
三菱UFJリース株式会社 取締役会長

【三菱UFJリース株式会社】
〒460-8407 名古屋市丸の内3-22-24名古屋桜通ビル
tel:052-857-9200
URL:http://www.lf.mufg.jp/

 三菱UFJリースの田中です。産業懇談会火曜グループに参加させて頂くことになりました。3年間東京を主に名古屋と行ったり来たりの生活でしたが、7月から逆の生活になり、皆さんとご一緒出来る時間が増えるのを楽しみにしています。
 当社は、名古屋本社のセントラルリースと東京本社のダイヤモンドリースが3年前に合併して生まれた総合ファイナンスカンパニーです。国内外で工作機械、半導体製造装置などの各種機械から船舶、航空機、不動産などに至るまでの幅広いファイナンス事業を展開しています。
 また、PFI、環境関連の新エネルギー事業や省エネルギー化のシステムを提案するESCO事業、専門部署による医療分野の各種金融の他半導体製造装置、工作機械、医療機械などの中古機械の売買をはじめとする当社独自の機能をお客様に提供しています。
 近時、環境関連のESCO事業に関し、アジア地域で現地進出の日系企業だけでなく各国からのコンサルティング依頼が増えており、各国の問題意識の高まりを感じます。また、中国やタイなどでこれからリースを使って販売を強化したいといったご相談も増え、アジア重視の動きが一段と進んでいることを肌で感じています。専門性を生かしてお客様の課題解決に少しでもお役に立ちたいと思っています。

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山下 義一氏
火曜グループ

山下 義一(やました よしかず)
株式会社ジェーシービー 東海支社長

【株式会社ジェーシービー東海支社】
〒460-0003 名古屋市中区錦2-16-26 SC伏見BLDG.11階
tel:052-209-8056 fax:052-231-7012
URL:http://www.jcb.co.jp/

 株式会社ジェーシービーの山下でございます。産業懇談会火曜グループに参加させていただきます。前任者大郷治同様よろしくお願い致します。
 クレジットカードを取り巻く環境は、個人消費の冷え込みや関連業法の改正などにより大きく変化しており、従来の延長線上では、持続的な成長は望めない事業環境であると認識しております。
 そのような中で、当社は2011年1月に設立50周年を迎えます。半世紀を超えて、「日本発唯一の国際クレジットカードブランド」としての強みを活かし、皆様に「期待感」と「信頼感」をご提供できますよう引き続き努力してまいります。
 また、今回は産業懇談会へ参加させていただく機会をいただけましたこと、心より感謝いたします。皆様のご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。

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【7月度産業懇談会開催日程】

場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
7月13日(火)
12:00〜14:00

(株)料亭蔦茂 取締役社長 深田正雄氏のご紹介
一般社団法人グローバルみらい塾 会長
(株)グローバル教育ドットコム 代表
渥美 育子氏
「グローバル教育@セントレアの開講
 〜日本浮上のためにもっと
           グローバル人材の育成を!〜」

18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
7月21日(水)
12:00〜14:00
ニューライトサービス(株)
代表取締役 淺井 博司氏
「ご提案し続けたコミュニケーションツール
(2008年同時不況からの成果)」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
見祐次
7月14日(水)
12:00〜14:00
シーキューブ(株)
取締役社長 片桐清志氏のご紹介
コムシステクノ(株) 取締役社長 小野 隆夫氏
「通信・放送の融合時代に思うこと
              −歴史を辿って−」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
7月 1日 (木)
12:00〜14:00

名古屋中小企業投資育成(株)
取締役社長 池田芳原氏のご紹介
名古屋中小企業投資育成(株)
業務第六部長 取締役 磯部 隆英氏
「事業承継問題の深刻化と
         投資育成会社に対する期待」

18階
伊吹の間

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【お知らせ】

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メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

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【アートコーナー】
からくりアート点描 No.15

=「天空の春」=

北名古屋市文化勤労会館内 エントランスホール


北名古屋市(旧西春町)に依頼され、文化勤労会館に制作した作品。
19年前、コンピュータ制御のからくり人形は当時としてまだ珍しく、新機軸の分野でした。

日本でも有数の雛人形や五月人形の生産拠点であることから
「人形のまち」をイメージして設置したものです。

西春という名前のように「春」を連想してもらえるよう、優雅で格調のある作品を目指しました。日本画出身という自分の特技も生かそうと、本格的に岩絵の具で扉7枚に、「法成寺桜」を、ダイナミックに描きました。
連日、マスコミ取材が多く特にTVの報道や、からくり特集が組まれたものです。
人々に親しまれる作品となり、オープンから5,6年は遠方の行政マンがひっきりなしに、視察に来られていました。
19年もたつのに、見学者は今も多く、地域の活性化に少しは寄与できてるのかと、嬉しい限りです。

天空の春

天空の春

正面玄関、エントランスホール天井まで伸びる10数本のオブジェバナーと、水平方向に配された7つの厨子。全体は和楽器の「笙」をイメージしています。
始まりを告げる幻想的な音色と共に、左右3対6個の厨子の中から、順次に童子が現れ、各々楽器を手にし演奏を始めます。
しばらくすると、中央の厨子扉が厳かに開き、鳳凰を供に従えた天女が現れ、観客の頭上へ移動し、共に宙高く舞い踊ります。

この広大な演出空間の創出は、エントランスホール全体が「からくり」となり、日本最大級と呼ばれる所以です。

横7m×高さ11m×奥行き1.5m
合計:7体の人形
演技時間:4分30秒
作動時刻:12時、15時30分
愛知県北名古屋市法成寺蔵化60番


天空の春

天空の春

制作
夢童由里子
〒459-0024 名古屋市名東区本郷2-150
電話:052-774-6891 携帯電話: 090-2610-5925
E-mail:mudo@r9.dion.ne.jp
夢童アートHP:http://mudou-art.com/

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【コラム】

コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.75
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 日焼け対策をこまめにしましょう! 』


  6月、7月は最も紫外線の影響を受ける時期、外出の機会は多いでしょうか?紫外線は、非常に強いエネルギーを持ち、私たちに様々な影響を与えます。男女問わず、こまめに日焼け対策をしましょう。

 火傷が広範囲の場合、命取りになることは皆さんよくご存知のことでしょう。つまり、皮膚は体の最も外にある大切な臓器です。表面から「表皮」、「真皮」、「皮下組織」の3層からできています。紫外線などの有害な刺激から体を守るのが「表皮」で、4つの層からなります。表皮は基底層から生まれ、上に押し上げられ、表面の角質層へ。やがて角質層は垢となって剥がれ落ちます。この新陳代謝を「ターンオーバー」と言い、28日周期で新しい皮膚に変わります。この正常な働きがあって、私たちは健康な生活ができているのです。

【紫外線の種類と害】
(1)UVA(長い波長)・・・しわやたるみの原因、紫外線の95%はUVA
(2)UVB(中間の波長)・・・日焼けや水ぶくれ、目の炎症、白内障の原因、皮膚がんの原因、免疫力の低下で日焼け後、口唇などにヘルペスができる
(3)UVC(短い波長)・・・殺菌作用(オゾン層に遮られて現在は問題なし)

【日焼け対策の方法】
(1)紫外線(UV)カットの日傘、サングラスの使用
(2)紫外線(UV)カット加工の帽子や衣類の着用
(3)日焼け止め剤(2時間毎に塗る、1日5回)の使用
(4)食べ物にも注意(レモンやライム、パセリ、セロリ、春菊、みつ葉に含まれるソラーゲンという物質は光毒性があり、一度にたくさん食べて直射日光を浴びるとシミができやすくなる)

【日焼け後の対策】
(1)乾燥を防ぐ・・・肌にたっぷりの水分補給をして保湿クリームをぬる
(2)ビタミン不足に注意・・・新陳代謝を活発にする働きをもつビタミンA、C、Eを多く含む食品を中心に、バランスのとれた食生活を心がける

ビタミンA・・・うなぎ、卵黄、バター、かぼちゃなど
ビタミンC・・・柑きつ類、芋類、大根、海苔、緑茶など
ビタミンE・・・胚芽米、玄米、植物油、豆類、サンマなど

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.20
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『山椒大夫』
外・新潮文庫

 宇宙開発の意義に懐疑的な私も、6月13日の小惑星探査機「はやぶさ」の帰還には感動しました。万が一に備えた準備が功を奏したときや、約2ヶ月間途絶していた通信が再び繋がったときなどの、関係者の皆さんの心情を想像することから来る感動もさることながら、「はやぶさ」が「満身創痍」で帰って来たそのことに深い感動を覚えました。
  この広い宇宙で、2ヶ月も通信が途絶え、3年も遅れて地球へ帰って来た「はやぶさ」は、単なる機械とはとても思えません。大気圏に突入後、カプセルを分離し本体は燃え尽きてしまったことに、哀れを感ぜずにはおれません。弟・厨子王を逃し、自分は入水して果てた安寿を想い出し、森外の『山椒大夫』を読み直しました。
  この作品は、外が児童のために書いたものだそうです。そう言えば、子供のころに読んだ絵本の中の安寿と厨子王を、今もはっきりと覚えています。最後のクライマックスで、盲(めしい)になった母親が「安寿恋しや、ほうやれほ。厨子王恋しや、ほうやれほ。鳥も生(しょう)あるものなれば、疾(と)う疾(と)う逃げよ、逐わずとも。」とつぶやくのには、涙を禁じえません。

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コラム3 【苗字随想】 No.97
コラム【理念経営物語】

片桐清志

「尾」と「張」

 名古屋開府400年シリーズの第4弾は「尾張」に因んで「尾」と「張」に関する苗字に着目してみた。
 「尾」は読み方が単音の「オ」を持つためか、「尾」で始まる苗字は300種弱見つかった。松尾や牛尾のように下に「尾」がつく苗字も多い。他方の「張」で始まる苗字は少なく、26種しか見つからなかった。一字姓はどちらもあって、「尾」さんはそのまま「オ」とお呼びする。「張」さんは「ハリ」と「チョウ」の呼び方がある。
 ランキング(佐久間 英氏)でも「尾」姓が優勢で、尾崎の221位を筆頭に尾形(797位)、尾上(947位)、尾島(1293位)、尾関(1606位)、尾山(1701位)、尾沢(1759位)、尾田(1769位)、尾花(1795位)が続く。「張」姓では張替(1898位)、張本(3415位)が上位で見つかる程度だ。
 「尾」姓でユニークな苗字をピックアップすると、尾尻(オシリ・オジリ)、尾股(オマタ)、尾口(オグチ)、尾頭(オカシラ・オトウ・ビトウ)、尾鼻(オバナ)、尾首(オクビ)、尾羽(オバ・オバネ)、尾曲(オマガリ・オキョク・オガネ)、尾根(オネ)などがある。対になっている苗字では尾長(オナガ)と尾無(オナシ)、尾黒(オグロ)と尾白(オシロ・オグロ・オハク)、尾入(オイリ)と尾出(オイデ)、尾東(ビトウ)と尾西(オニシ)と尾北(オキタ)、尾鷲(オワセ・オワシ)と尾鷹(オタカ)と尾鴨(オカモ)などがある。
 尾張ももちろんあるが、張尾もあるのにはちょっとびっくりだ。

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【平成22年6月号編集後記】

  株主総会シーズンより一足早く内閣のトップ交代が行われた。平成になって16人目となる菅首相が指名され、6月10日には所信表明演説も行われた。菅内閣誕生までのいきさつはさておき、所信表明からは熱い思いが伝わってくる。自身の政界入りのきっかけ、3度の落選後初当選の感想等、氏の政界人としての原点「市民自治」の政治姿勢が読み取れる。国民主権の実現のために「官僚内閣制」から「国会内閣制」を目指すと宣言している。また新内閣の使命を「閉塞状態を打破し元気な日本の復活」と位置づけた。そのための政治課題として「戦後行政の大掃除」「財政再建」「責任ある外交」の3つを掲げている。そして3つの課題に対し、基本認識と具体的な解決手段を織り込んだ。さらに、従来国家レベルの改革が進まなかった要因としてリーダーシップの欠如を挙げ、リーダーシップの発揮には国民の支持が不可欠と締めくくっている。
 最近続出した二世首相と異なり、標準的サラリーマン家庭から誕生した市民感覚首相の誕生だ。血統に頼らぬ雑草の強さを期待したい。「財政再建」で示した「第三の道」の一節「企業は従業員をリストラできても、国は国民をリストラできない」を忘れず、雇用創出の政策を期待したい。「強い経済」の実現で示した6つの処方箋や「強い財政」の実現、「強い社会保障」の実現には中長期的視点での取り組みが不可欠だ。課題によっては超党派で取り組むべきテーマも多い。しかもその課題の多くは今後、世界が乗り越えなければならない課題だ。文字通り、日本は「課題先進国」だ。日本がアジアのお手本になるためにも今度こそ途中で投げ出さず、閉塞感を打破してもらいたいものだ。

 今月も5名の新会員をご紹介できた。この時期は例年交代入会も多くなるが、前任者同様「産業懇談会」をご活用いただきたい。今年は産業懇談会が活動を始めて30年の節目に当たる。この機会を捉えて「会員の増強キャンペーン」を展開中だ。中部経済同友会会員で産業懇談会未入会会員の勧誘はもとより、身近な知人・友人にもPRをお願いしたい。
 名古屋開府400年記念の「名古屋いちばん物語」は今月2編を紹介できた。水谷氏からは他の原稿もいただいているので残りは次号以降に掲載させていただく予定だ。開府400年を期に、会員諸兄の手で郷土のナンバーワン発掘をお願いしたい。

(片桐)