産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第95号 2010.4.28発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成22年4月度(第95号) 目次
産懇宅配便
【22年4月度産業懇談会(木曜G)模様】 4月1日(木) 12時00分〜14時00分
【22年4月度産業懇談会(水曜第2G)模様】 4月7日(水) 12時00分〜14時00分
【22年4月度産業懇談会(火曜G)模様】 4月13日(火) 12時00分〜14時00分
【22年4月度産業懇談会(水曜第1G)模様】 4月21日(水) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】
【新会員自己紹介】
黒川 道男氏

学校法人日本福祉大学 専務理事

佐久 真一氏 株式会社河合電器製作所 代表取締役 
松井 尚樹氏 DIC株式会社 名古屋支店 支店長
松林 孝美氏 名古屋鉄道株式会社 取締役副社長 
【5月度産業懇談会開催日程】
【6月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【アートコーナー】    からくりアート点描 No.13
【コラム】
コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.73
コラム2 【和】 No.1
コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.18
コラム4 【苗字随想】 No.95
【22年4月度産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ『 最近の航空情勢と中部空港〜転換期を迎える航空行政〜 』

日  時:平成22年4月1日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 桂の間
参加者:35名

 

スピーカー:
稲岡 研士(いなおか けんじ
全日本空輸株式会社 執行役員 名古屋支店長

稲岡 研士氏

1. 国内外の航空情勢と我が国の空港政策
 世界の航空市場は約55兆円で、航空利用者は年間23億人、そのうち約9億人が国際線の利用者である。今後の国際線旅客動向は、2011年以降アジア地域を中心に年間平均5%を超える伸び率を予測しているが、日本の伸び率予測は2.6%と安定期に入ったと捉えられる。また、日本の国際線旅客市場は約5000万人と言われており、この市場を得るために努力しているが、本邦キャリアのシェアとしては約30〜35%に留まっている。これは、若者を中心に外国の航空会社を利用することへの不安感や抵抗感が薄まっており、寧ろ好んで利用している傾向によるところが大きい。
  国際線旅客が外国の航空会社を好んで利用する理由は、LCC(ローコストキャリア)にある。LCCとは、破格の低運賃での運行(エコノミークラスのみ、機内サービスは最小限もしくは有料)、予約は全てインターネットで行い、路線も短距離・中距離の折り返し運行のみにするなど、徹底的な低コスト運営を行う航空会社である。
低コストを実現しているLCCと日本の航空会社との最大の相違は、「代替空港を利用している」ということである。例えば、ヒースロー空港(ロンドン)を利用するのではなく、その近くのルートン空港を利用する方が着陸料が安いため、その分低コストでの運行が可能となるのである。日本は空港使用料(着陸料、航空援助施設使用料、航空燃料税など)の中でも、着陸料が非常に高い。主要空港の国際線と比較すると上位を日本の空港が占める結果となり、LCCなど外国の航空会社と競争する上で大きな負担となっている。
一方、日本の国内線旅客規模は約9500万人であるが、国内線需要は2006年以降停滞しており、今年は約8400万人と9000万人を大きく割り込む状況である。少子化や新幹線の延伸による鉄道網の整備等の影響によって、今後需要の大きな増加は期待できない。将来的には、需要の先細りにより、国内線の発着枠が国際線発着枠へ転用されることが考えられる。
日本には、現在都道府県数の倍である98の運用空港がある。民間の調査によれば、2005年の空港収支は主要41空港中、黒字空港は10空港しかない。一方で、2007年の空港施設会社収支は8割が黒字である。国土交通省は、今後国管理の空港の経営内容の公表を表明しており、空港とターミナルビル、給油施設や駐車場等の一体運営や天下り対策が必要との声もある。

2. アジアのゲートウェイ
 世界の航空業界は「オープンスカイ」という時代の変革期に突入している。日本は、2007年以降に韓国を始めとした9ヵ国と「オープンスカイ協定」を結んでおり、今年の10月にはアメリカともこの協定を結ぶ。しかし、日本の拠点空港である羽田空港の発着枠は満杯で、他国の飛行機に常時対応できるとはいえないことから、羽田空港を除いて発着を無制限とした“日本版のオープンスカイ”なのである。
 一方で、かつて航空後進国だった韓国や中国、マレーシア、タイ、シンガポール等は、いち早く「オープンスカイ」に対処することで、アジアのゲートウェイ(玄関口)となるハブ(拠点)空港を目指している。日本では、2006年9月のアジア・ゲートウェイ戦略会議で、成田・羽田空港を積極的に活かし、日本がアジアと世界の架け橋となって共に成長していくためのアジア・ゲートウェイ構想が取りまとめられた。
 各国が競ってアジアのゲートウェイを目指す理由は、ヒト、モノ、カネ、情報が集まることで、新たな観光や流通ビジネスの誕生が期待できるだけでなく、国際的な会議の開催や企業や工場の移転など、経済を活性化する魅力的なインフラを起こすことが可能となるためである。しかし、この分野において日本はアジア諸国の台頭に遅れをとっているため、世界で通用する“日本版”でない「オープンスカイ」と空港の対応が急務である。日本経済全体の活性化、国際競争力の向上という視点からも「オープンスカイ」は、閉塞感が漂う日本経済を改革していく一つの方法なのである。

3.中部国際空港の展望
  中部には現在、県営名古屋空港とセントレア(中部国際空港)の二つの空港がある。名古屋空港は国内線9路線18便の発着が、セントレアは国内線22路線74便の発着があるものの、成田、羽田空港の空港容量拡大に伴い、セントレアの路線便数の増加は当面厳しいだろうという見方もある。
 また、同じ中部の空港でも名古屋空港は着陸料が通常の3分の1に減免されており、空港施設使用料についても、名古屋空港は無料であるが、セントレアは国内線・国際線でそれぞれ決められた金額を支払わなければならない。空港政策は、空港だけでなく、航空会社と利用者全ての状態が改善するような将来的見通しを立てるべきである。特に中部は、航空機産業の集積地であり、MRJ就航便に対する空港の使用料減免措置など、航空と航空機産業とを結びつける画期的な施策も検討する価値があるのではないだろうか。
 技術大国の日本を支える中部地域とセントレアは中部経済活動の両輪であり、経済界、航空事業者、地域の自治体と一体となった取り組みの強化が必要である。

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【22年4月度産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ『 人を惹きつける名古屋都心づくり 』

日  時:平成22年4月7日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:36名

スピーカー:
新原 昇平(しんはら しょうへい
三井不動産株式会社 中部支店 支店長

新原 昇平氏

1.デベロッパーから見た「ナゴヤ」の魅力
  ナゴヤは暮らしやすく住みやすい非常に魅力的な街であるにもかかわらず、外から見たイメージはそれほど良くないのが現状ではなかろうか。そのようななか、日本各地で複合的な街づくりを生業としているデベロッパーからみた、現在のナゴヤの姿と将来の街づくりについて話をしたい。
 ナゴヤは都市部(栄から半径5`以内)に行政、商業、文化などの都市機能が集積されており、住民や来訪者にとって判りやすいコンパクトな都市構成である。また、交通インフラが非常に発達しているのも特徴であり、東京と大阪の中間に位置し、訪れやすく、出やすい点も魅力の一つである。加えて、当地域にはモノづくり文化や豊かな自然環境、歴史・精神文化の宝庫であり、さまざまなイベントや、食文化、スポーツからサブカルチャーまで、実は非常に数多くの訴求要素や魅力を持った地域なのである。

2.デベロッパーから見た「ナゴヤ」の疑問点
 まず、ナゴヤの不思議な弱点として、さまざまな魅力や訴求要素を持っているにもかかわらず、情報発信力が弱いことが挙げられる。街づくりについていえば、日本でも有数の港湾を持った港湾都市の割には、街から海が非常に遠く感じられ、水辺に親しむことが少ない。堀川では改修工事が進められているものの、家族連れやアベックで訪れるところまで発展していないのが現状である。東京の港湾地帯などでは、かつての工場や物流跡地を活用した商業施設や住居の開発が進められているが、ナゴヤでは港湾が産業用として活発に利用されており、産業が好調であるが故に、住民にとって魅力ある水辺の開発を難しくしている。また、ナゴヤの特徴として地下街の発達があげられるが、これも利便性が高い一方で、大規模な植栽ができないなど都市計画のネックになっていることが考えられる。

3.街づくりの将来「都市間競争に向けて」
 ナゴヤの都心を語る際に、名駅対栄という図式で語られることが多いが、このような観点で街を考えるのではなく、両者が一緒になってナゴヤの街を魅力的にしていくことを考えるべきであろう。ナゴヤの街を日本国内の他都市のみならず、世界の都市と比べても、優位にするためには、どのような魅力を付加していくのかを考えなくてはならない。そのためには、名駅と栄が担う役割が相違してもいいのではなかろうか。名駅エリアは交通の結節点であり、ナゴヤの玄関口として、また、オフィスビルが林立するビジネス街としての顔を持つ一方、栄は百貨店をはじめとした商業集積に加え、緑化された公園、博物館や美術館などの文化的施設も隣接しており、ショッピングのみならず、芝居や音楽の鑑賞を楽しむなど文化的色彩を持っている。エリア間競争、都市間競争には名駅と栄が、それぞれの特徴を活かし、有機的に結合することが不可欠なのである。

4.ナゴヤを魅力溢れる都市とするために
  現在、名駅地区や栄南地区で街づくり協議会が活発な活動を行っている。これらは地元が自ら地域活性化を考え、行政と協力して街を発展させることを目指している。今後は各地域の協議会が手を組み、ナゴヤ全体の街づくりを進めていくべきではなかろうか。
 また、インフラコストの抑制や自然保護を含めた低炭素化社会に向けた街づくり、高齢化社会に向けた利便性向上などの観点から、コンパクトシティという考え方がクローズアップされている。今後、環境都市を目指すナゴヤでも市街地を濃密にする一方で、郊外に自然を残すといった、活用すべきは活用し、残すべきものは残すというメリハリをつけた都市開発が望まれる。また、2025年にはリニアが開業し、東京と名古屋は40分で結ばれる。これにより、人の流れが大きく変わり、ナゴヤの街にも大きな影響を与えるであろう。企業内におけるナゴヤ支店の存在意味が薄れたり、住民が魅力ある商品を求めて東京まで買い物に出掛けるなど、ナゴヤから企業や人が離れていく危険性と同時に、東京が近くなることで東京のモノや会社をナゴヤに引き込めるチャンスも生まれる可能性もある。そのチャンスを掴むためには、2025年までに、ナゴヤをみんなが訪れ、働き、学び、住みたいと感じる魅力ある街にするための方策を協議会と住民が議論し、行政を巻き込み、変えるべきところは変えていく取組みが必要であろう。

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【22年4月度産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ『 もっと光を! 』《光を電気エネルギーに、電気エネルギーを光に》

日  時:平成22年4月13日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 桂の間
参加者:29名

スピーカー:
伊藤 倖一(いとう こういち)
株式会社きんでん 中部支社長

北村 康一(きたむら こういち
株式会社きんでん 技術本部副本部長
            技術統轄部長

北村 康一氏

1.株式会社きんでんの事業内容
  株式会社きんでんは、電気、計装、情報通信、空調・衛生、内装、土木設備等の総合設備エンジニアリング企業として、それぞれの計画・設計・調達・施工・保守・リニューアル等を主な事業としており、工事別の売上高構成は、一般電気工事57.5%、配電工事15.9%、情報通信工事14%、環境関連工事7.1%、風力・太陽光発電設備工事を含む電力その他工事が5.5%となっている。風力発電設備工事については全国38箇所の工事実績があり、そのうち23箇所ではメンテナンスを含めたトータル施工工事の実績を持っており、環境対策関連工事にも積極的に取り組んでいる。今後も優れた設備とサービスの創造に努め、社会への貢献と「エネルギー」「環境」「情報」を三本柱とする総合設備工事会社としての事業の発展を目指す。
 近年、CO2削減などの環境問題への対応が避けられない状況となっており、日本各地で太陽光や風力による発電設備が設置されている。日本の風力発電については、2010年1月に日本風力発電協会が発表した日本の風力発電の中長期導入目標は、2010年の300万キロワットに対し、2050年には5000万キロワットとしており、目標達成には洋上風力などの推進が必要である。

2.光を電気エネルギーに
  太陽光発電とは、太陽電池を利用し、太陽光エネルギーを直接電力に変換する再生可能エネルギーの一種であり、光起電力効果を利用し、光エネルギーを直接電力に変換するもので、光電池とも呼ばれている。一般的な一次電池(充電ができない使い捨ての電池)や二次電池(放電した後も何度も充電できる電池)のように電力を蓄えるのではなく、光起電力効果により受けた光を即時に電力に変換して出力するものである。現在主流のシリコン太陽電池の他、様々な化合物半導体などを素材にしたものが実用化されている。
  太陽光発電の特徴は、自然エネルギー利用のクリーンエネルギーであること、メンテナンスフリーであること、建物の屋上や壁などを有効活用することができること、対外的なイメージアップ効果があるなどのメリットがある一方、導入コストが高価であること、他の発電設備と比べると設置面積が大きいなどのデメリットが挙げられる。今後、他の発電設備並みの発電単価にするためには、一層の普及と技術革新が必要であろう。

3.電気エネルギーを光に
 ランプの歴史はエジソンの炭素電球からはじまり、今では、さまざまな種類のランプがさまざまな場所で使用されている。白熱電球は住宅や事務所などで古くから使用されており、蛍光ランプは事務所や店舗で使用されるなど我々にとって身近な存在であるが、最近は、LEDランプの普及が始まっている。LEDランプは、Light(光る)、Emitting(出す)、Diode(ダイオード)の頭文字をとって名付けられている。発光ダイオードとも呼ばれており、要するに電気を流すと発光する半導体のことである。赤色などのLEDは以前から開発されているが、1996年に白色LEDが実用化されたことで照明用途での展開の可能性が一気に広がった。特に、この1〜2年での発光効率向上には目覚しいものがあり、最近ではオフィスや店舗などに加えて農業などにも使用されており今後、我々の身近な照明となるであろう。LEDランプは白熱電球や水銀灯などと比較し、長寿命(省資源)で発光効率(省エネ)が高く、環境に優しいランプである一方、LEDランプ及びLED照明器具の大半は現状、電気用品安全法の対象外であり、安全品質が確保されていない製品が市場に流出する可能性が懸念されている。今後の課題として、日本工業会規格(JIS規格)、日本照明器具工業会規格の更なるLEDの規格化が急がれるところである。

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【22年4月度産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ『クラウドコンピューティングの活用による中小企業の経営の効率化について』

日  時:平成22年4月21日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル オリオンの間
参加者:25名

スピーカー:
田中 博道(たなか ひろみち
株式会社エイエイエス東海 代表取締役

田中 博道氏

1.クラウドコンピューティングとは
  クラウドコンピューティングとは、膨大な処理能力を持つコンピューター群とインターネットなどの通信ネットワークを組み合わせて実現したITサービスの総称であり、個人や企業が巨大な演算能力やデータベースを共有し、スーパーコンピューター並みの能力をネットワーク経由で安価に利用できることがメリットである。この語源は米国でインターネットがクラウド(雲)の絵で表現されていたことにある。また、従来のシステムとの違いは、クラウドは分散されたデータセンター内にアプリケーションが置かれており、利用者がブラウザからアクセスし、それをサービスとして利用するため、現在、使用されている物理的なサーバーやOSなどは必要なく、ブラウザさえ動けばサービスを受けられる点にある。加えて、クラウドビジネスを展開するグーグル(米国)などでは、最先端のセキュリティで、利用者のデータや個人情報を保護しており、耐障害性が十分に確保されたシステムを構築している。
 クラウドコンピューティングについては、最近、毎日のように新聞等に記事が掲載されている。これを利用し、さまざまな情報システムを活用する動きは確実に広がっており、今後もこの流れは一層強まることが予想される。

2.クラウドコンピューティングによる経営の効率化
  クラウドコンピューティングを企業の経営効率化にどのように活かしていくかについては、経費削減の観点からいえば、ハード・ソフトウエアの初期導入時のコストやそれ以降のシステム拡張費が不要になることに加え、自社で新規開発する場合のシステム開発費用の削減、サーバー設置スペースやシステム運用要員が不要になる。また、経費削減以外の観点では、社員の発想の活性化にも大きな期待ができることが挙げられる。時と場所を選ばずインターネット接続が可能となるため、営業活動が迅速化するとともに、社員に見せたいデータをクラウド上に上げておくことで、セキュリティは掛かるものの、どこからでも誰でも必要な情報を瞬時に閲覧することが可能となり、社員の帰属意識の向上も期待できる。また、クラウドによる情報共有は遠隔地の支店・営業所、海外拠点との意思疎通にも高い有効性があると考えられる。

3.クラウドコンピューティングをどこから始めるのか
 2008年の中小企業白書によれば、利用者が挙げるクラウドコンピューティングのメリットとして最も多いのは、安価な初期導入費用(48.9%)、続いて社内に人材やノウハウがなくても利用可能(48.5%)、必要なサービスを従量制、定額制等で購入可能(36.6%)、短時間でシステム導入することが可能(36.6%)などが挙げられ、デメリットを感じる理由として、 自由に変更ができない(25.8%)、重要なデータを社外に出すことができない(24.1%)、自社の業務プロセスの変更が必要となる(23.2%)などが挙げられている。企業内でクラウドを業務システムとして導入する際には、まず、社員が使うホームページやスケジュール、掲示板、メールなどの情報共有ツールとして活用することから取組み、次のステップとして、各種文書管理、顧客・社員データなどの管理業務に活用する。更には、クラウドの汎用パッケージが利用できる会計業務や在庫管理、給与計算などの業務を実践した後、比較的簡単で固有の業務である生産管理や人事管理、販売管理などのシステムを自社の業務プロセスに合せて利用することで、クラウドは企業にとって国内外を問わず、どこでも利用可能な非常に利便性の高いものとなるであろう。導入を検討する企業には、是非、このようなステップで導入、活用することをお薦めしたい。

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【名古屋いちばん物語】 

テーマ『 食文化の活性化で 名古屋にパワーを 』


株式会社ポッカコーポレーション
創業者  谷田 利景

 「名古屋いちばん物語」への記念すべき第1稿を受け持つことになりました。そこで、名古屋独自の素材である「きしめん」についてお話させて下さい。
  皆さんもご存知の名古屋名物「きしめん」は400年の歴史を持ち、長い間庶民の味として親しまれてきた名古屋の代表的な食文化であります。しかし、「名古屋めし」として、“手羽先”や“あんかけスパゲティ”など、比較的新しい食べ物の知名度が高くなり、今では「きしめん」の存在感が薄れつつあります。また、うどんや蕎麦に押されて、地元の方々でも「きしめん」を口にする機会が減り、東西の人に「美味しいきしめん屋は?」と尋ねられても答えられない方が殆どで、更に若者の皆さんに至っては、「きしめん」を滅多に食べないという方が増えています。このように「きしめん離れ」が進んでいるのは、地元ならではの食文化が衰退しつつあることの象徴ではないかと思われます。
  この状況に危機感を抱いた私は、名古屋の食文化を見直すと共に、「食」を活性化させることで地域を元気付けたいと考え、5年前に「NPO法人 食・尾張プロジェクト」を立ち上げました。「NPO法人 食・尾張プロジェクト」では、「食に関する産業基盤の活性化提案と実現」を目指して、「商品開発カレッジ」を開設しています。
 愛知県は、「きしめん」の原料となる小麦の全国的な産地であり、最近では製麺に適した「イワイノダイチ」を始めとする優れた品種の小麦が研究開発されました。そこで私は、地産地消を取り入れ愛知県産の小麦を100%使用した「きしめん」を作り、名古屋名物として再び蘇らせるための活動をすることが重要だと考えました。
 単に「きしめん」をPRするのだけではなく、お皿で「きしめん」を食べる新感覚メニューの開発とレシピのご紹介を行い、若者や女性の皆さんにも幅広く受け入れてもらえる様に活動を実施しております。また、地元の皆さんの食文化への意識を高めてもらうために、10月26日を「きしめんの日(※(1))」として登録しております。デパートでもスーパーでも食堂でも一斉にポスターを貼ったことで、一般市民の方々にも「きしめん」をより一層啓蒙することが出来るようになりました。このような“地産地消と新しい尾張きしめんの推進事業”を行った結果、昨年12月に開催されたCIRAC(※(2))とPSC(※(3))協働による第4回アイデアコンテストでは「奨励賞」を受賞することができました。
 また、新製品のアイデア戦略が企業にとって最も大切な時代であるとの思いから、「商品開発  カレッジ」では、商品開発の基本と戦略のマンツーマン指導を行い、講師と共に私もアドバイザーとして参加しています。
 3年ほど前には、「谷田さん、貴方は何のために「きしめん」を蘇らせる活動を行うのですか?」とよく質問を受けましたが、最近では「きしめんのイベント」を行う際に、麺業界の皆さんが挙って協力して下さるようになりました。ようやく私の真意が周囲に伝わるようになり、半歩前進というところであります。この名古屋独自の素材である「きしめん」が「名古屋めし」のトップブランドの一つとして蘇り、キラキラと輝く存在感を発揮できることを目指し、今後も活動に取り組んでいきたいと思っております。

※(1) 愛知県製麺工業協同組合が制定。食欲の秋である10月と、「きしめん」の特徴であるツルツル感を2(ツ)と6(ル)の組み合わせから。
※(2) (財)中部産業・地域活性化センター
※(3) 特定非営利法人パートナーシップ・サポートセンター


 「名古屋いちばん物語」の連載にあたって

 名古屋開府400年に因んで、今月号から「名古屋いちばん物語」を連載いたします。名古屋で始まった文化や名古屋名物、名古屋圏にある日本一などの「名古屋自慢」を会員諸氏にご紹介いただくコーナーです。
  第一弾は水曜第2グループの世話人を長らく担当された谷田利景氏(ポッカコーポレーション創業者)に名古屋名物「きしめん」をご紹介いただきました。
  今後も題材を変えながら毎号ご紹介する予定です。募集は随時行っています。下記投稿要領をご参考に奮ってご投稿ください。


投稿要領

  1. 分野
    • 文化、産業、歴史等幅広い分野を対象とします。
    • 名古屋にゆかりのある日本初や日本一をご紹介ください。
  2. 様式・分量
    • 様式は自由です。
    • 写真や表の使用も構いません。
    • 分量も特に制限はありませんが、メールマガジンの性格上、A4で1〜2枚を目安にしていただければ幸いです。(分量により「その1」「その2」等に分割掲載とさせていただく場合があります)
  3. 投稿方法
    • 「Word」等でのメール投稿を歓迎しますが、手書き等でも構いません。
  4. 原稿締め切り
    • 毎月15日までに投稿いただいたものは当月号に掲載します。(投稿多数の場合は翌月号掲載となる場合があります)
  5. 投稿先
    中部経済同友会事務局
    • e-Mail:cace@cace.jp
    •  
    • FAX:052-221-8925
    • 〒460-0008 名古屋市中区栄2-10-19 商工会議所ビル8階

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【新会員自己紹介】

黒川 道男氏
水曜第2グループ

黒川 道男(くろかわ みちお)
学校法人日本福祉大学 専務理事 

【学校法人日本福祉大学】
〒470-3295 愛知県知多郡美浜町奥田
TEL:0569-87-5225 FAX:0569-87-2796
URL:http://www.n-fukushi.ac.jp

 日本福祉大学の黒川でございます。
  産業懇談会水曜第2グループに参加させていただきます。前任者岡崎真芳同様、よろしくお願いします。
  私どもの大学は、社会事業からはじまり社会福祉、そして「ふくし」と一貫して日本の福祉の向上と地域の福祉人材の養成に努めてまいりました。おかげさまで、三年後には創立60周年を迎えることになります。私立大学をとりまく環境も厳しいものがありますが、改めて創立の原点に立ち返り、建学の精神に基づき新たな飛躍ができればと考えているところです。会員の皆様方におかれましては、何卒ご指導等いただければ幸いです。
  私自身は、相当以前に本会教育問題委員会のワーキング・グループの一員として、経済同友会の取り組みに参加させていただいたことがあります。今回を契機に、改めて同友会をはじめ多くを学び、そして交流を深めることができればと考えています。
  何卒よろしくお願い申し上げます。

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佐久 真一氏
木曜グループ

佐久 真一(さく しんいち)
株式会社河合電器製作所 代表取締役 

【株式会社河合電器製作所】
〒468-0014 名古屋市天白区中平1-803
TEL:052-807-1031 FAX:052-807-1036
URL:http://www.kawaidenki.co.jp

株式会社河合電器製作所の佐久真一でございます。
このたびは、産業懇談会木曜グループのお仲間に加えていただき、誠にありがとう ございます。
私どもは、お客さまが必要な「熱」を「カタチ」として提供する会社でございまして、お陰さまで昨年、80周年を迎えることができました。
永年、電子レンジ・食器洗い機など、家電向けのヒーターの製造に力を入れおりましたが、昨今は半導体や液晶の製造装置、燃料電池などのヒーターに軸足を移動しております。
今後、熱に関するモノ作りだけではなく、さまざまな熱に関するソリューションにも力を入れてまいります。
少しでもみなさま及び社会へのお役立ちができますよう、精進してまいりますのでご指導、ご鞭撻のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

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松井 尚樹氏
火曜グループ

松井 尚樹(まつい なおき)
DIC株式会社 名古屋支店 支店長

【DIC株式会社 名古屋支店】
〒460-0003 名古屋市中区錦3-7-15
TEL:052-951-9381 FAX:052-962-3591
URL:http://www.dic.co.jp

DIC株式会社の松井でございます。このたび産業懇談会火曜グループに参加させていただくことになりました。何卒宜しくお願い致します。
旧大日本インキ化学工業から2008年創業100周年を機に社名を「DIC株式会社」に変更しました。売上規模1兆円の総合化学メーカーで印刷材料・電子情報材料・工業製品から健康食品スピルリナを製造販売しております。30万にも及ぶ製品群は皆様の身の回りにもきっと使われていると思います。特に印刷インキや顔料では世界の30%、トップシェアを誇っております。経営ビジョンは『化学で彩と快適を提案する。』最近はユニバーサルデザインで社会貢献の評価を戴いております。
私は群馬県生まれですが、前回の名古屋勤務の際、この地にベースキャンプを張り、札幌・東京は単身赴任、男の手料理も身についたところで今回家族がまとまりました。高校時代から写真好き、カメラもたくさん持っていますがデジタルは大嫌い、しかし時代には逆らえずに遂にデジタル一眼派に寝返ってしまいました。
産業懇談会で業種を越えた交流機会を得ましたこと、今からワクワクしていると共に心より感謝申し上げます。皆様のご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

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松林 孝美氏
水曜第2グループ

松林 孝美(まつばやし たかみ)
名古屋鉄道株式会社 取締役副社長 

【名古屋鉄道株式会社】
〒450-8501 名古屋市中村区名駅1-2-4
TEL:052-588-0838 FAX:052-588-0845
URL:http://www.meitetsu.co.jp

名古屋鉄道の松林孝美でございます。
産業懇談会水曜第2グループに参加させていただきます。よろしくお願いいたします。
名古屋中区、旧地番では仲ノ町の生まれの生粋の名古屋人でもあります。動くものが好きなこともあって名古屋鉄道に入り、鉄道現場をはじめ色々な仕事を経験いたしました。とりわけ思い出深いのは、中国南京市での仕事でございまして、ご存知の方も多いと思いますが、名古屋財界と中国南京市との合弁事業の南京古南都飯店での仕事でございます。私は1997年から関係し、2003年まで足掛け7年、行ったり来たりし、結局、ご出資各社のご同意を得て、日本方持分を南京方に譲渡し引揚げたわけでございますが、その間、国情が違う、文化、仕事の進め方が違うなどなど、面白いと言えば面白い数多くの、ローカルな名古屋鉄道では考えられない貴重な体験をすることが出来ました。一言で言えば、枠にとらわれないグローバルな視点を持てたと言うことでしょうか。
鉄道事業は、どうしても自らの枠の中に囚われがちで、変化には弱いところがございますが、時代の変化に取り残されるようなことでは、企業存続も危ぶまれると思います。今回産業懇話会に参加させていただき、皆様方とお話をさせていただくなかで、勉強してまいりたいと思っております。よろしくご指導ご鞭撻、お願い申し上げます。

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【5月度産業懇談会開催日程】

場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
5月11日(火)
12:00〜14:00
あいおい損害保険(株) 常務執行役員
末永 氏のご紹介
元 あいおい損害保険(株) 取締役
現 愛知淑徳大学 非常勤講師
跡部 浩一氏
「いのちと保険」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
5月19日(水)
12:00〜14:00
(株)アルデバラン 取締役会長
山本 卓氏
「数学で浮世を生きる」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
見祐次
5月12日(水)
12:00〜14:00
(株)NTTデータ東海 取締役社長
中村 充孝氏
「NTTデータの企業変革活動」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
5月6日 (木)
12:00〜14:00
(株)三豊ビル 取締役会長
向 博氏
「景気は既に拡張局面にあり」
18階
伊吹の間

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【6月度産業懇談会開催日程】

場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
6月 8日(火)
12:00〜14:00
(株)名古屋証券取引所 取締役副社長
竹田 正樹氏
「株式会社と証券市場
     〜株は儲かる?公開はお得?〜」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
6月 16日(水)
12:00〜14:00
宝和工業(株) 取締役社長 落合 肇氏のご紹介
(株)間組 名古屋支店 執行役員 支店長
木下 壽昌氏
「本丸御殿復元への思い」(仮)
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
見祐次
6月 9日(水)
12:00〜14:00
(株)アイチコーポレーション 名古屋支店
名古屋支店長 遠藤 俊也氏
「ちょっとユニークな会社
   アイチコーポレーションのご紹介」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
6月 3日 (木)
11:00〜17:00
企業・商業施設見学会
(株)ソトーmozoワンダーシティ
一宮市篭屋町5-1-1
名古屋市西区二方町40

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【アートコーナー】
からくりアート点描 No.13

=第十六回「春姫道中」華やかに=


4月18日、第16回「春姫道中」を開催しました。
名古屋城文化フォーラム主催(旧本丸御殿フォーラム)
会員数2500人

―本丸御殿の復元を主な命題とし、ひいては名古屋城全体の整備などを提言・支援・協力を
目的としての市民活動。(同友会の方々も多くが会員)―

春姫道中

春姫道中

春姫道中

春姫とは初代尾張藩徳川義直の正室。
義直と春姫は名古屋城本丸御殿に居住した、最初で最後の住人です。

徳川義直と紀州浅野家春姫は1615年に結婚しその春姫の嫁入りを再現したものです。
その華やかな行列は戦国末期の町民を驚かしたことでしょう。

「春姫の嫁入りが名古屋の派手な結婚のルーツ」と30年前に、
文献を調査した結果を、勝手な考えで世の中に提言したことが、今では定説になっています。
自衛隊、団体職員、アルバイトなどが扮装する他の時代行列と違い、「春姫道中」は市民、県民が自ずから行動するボランティアの文化運動なのです。「自分達の住むまちを誇りに思う」ということはとても大切なキーワードだと思います。今年のパレード参加者は800人強にものぼりました。

名古屋城に入城した春姫は嫁いできたのに、新居が無い。
ということで、「御殿は何処じゃ」と訴えます。
会場の人々も「御殿は何処じゃ〜」。
本丸御殿を探す恒例のパフォーマンスに、観光客は拍手喝采!
それを受けた河村市長はご先祖の国学者河村秀根の役で登場。見事に演じられました。

名古屋城本丸御殿の再建は、昨年、一時工事が中断されたものの再開。10年かけて当時と材質工法等寸分たがわぬものをつくりあげます。焼失前の名古屋城、そして本丸御殿等は国宝第1号なので、同等の価値を目指したものです。


市の事業は、市長や市職員が起案し実現されますが、本丸御殿の再建は官主導ではなく、春姫道中を主催する名古屋城文化フォーラム(旧名古屋城本丸御殿フォーラム)が中心となって、再建にこぎつけたと自負しています。

今年の秋には玄関の一部の復元過程が公開される予定です。
名古屋城本丸御殿玄関の復元過程特別公開は開府400年事業として、時期は平成22年10月16日から26日を予定されています。

春姫道中

<今年の主な配役>
春姫:光田奈央(名古屋大学4年生)
義直:伊藤拓雄(三菱東京UFJ銀行 松坂屋伊藤治郎左衛門次男)
家康:中北智久(中北薬品会長)
浅野長晟:宮川正(中部経済産業局長)
成瀬正成:伊藤松博(中部運輸局長)
熊井藤兵衛:古川 陽(中部整備局県政部長)
先触れ隊:桜井治幸(名古屋市会議員)
       横井利明(名古屋市会議員)
       水平かずえ(名古屋市会議員)
       富田昭雄(愛知県会議員)

名古屋城文化フォーラム
        代表  夢童由里子記


制作
夢童由里子
〒459-0024 名古屋市名東区本郷2-150
電話:052-774-6891 携帯電話: 090-2610-5925
E-mail:mudo@r9.dion.ne.jp
夢童アートHP:http://mudou-art.com/

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【コラム】

コラム1 【花ちゃんからの健康だより】 No.73
花ちゃんからの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 元気人を増やす方法 』

 風薫る新緑の中を、ウオーキングするのに絶好の季節になりました。ゴールデンウィークを前に、楽しみや計画がある人は、忙しいけど、意外に集中力があって、仕事が片付いているのではないでしょうか。
 
  皆様は、部下や社員を褒めるとき、叱るときには、どのような言葉をつかっていますか?また、自分が言われてうれしいのはどんな褒め言葉でしょうか?
 
 たとえば、売り上げ目標を100%達成したときは「よくやった、おめでとう!」と、とても褒めやすいですね。ところが50%だったら、どのように褒めますか?
とんでもない、褒めるより、叱るか、注意、叱咤激励だよと言われるかもしれません。それでは、今時の大半の部下や社員は元気にはなれません。結果は駄目でも、プロセスを誉めることで、自信がつき、やる気が出てきます。「企画書は上手になったね。」「商談の数が多くなってきているね。」とかプロセスの一部でも褒めることを心がけましょう。実際にそれを心がけた会社では、ホウ・レン・ソウが増えたそうです。(ホウ:報告、レン:連絡、ソウ:相談)もし、言葉で言えないときはメールで伝えましょう。
  褒め言葉には、いろいろありますが、「あなたは頑張っていますね。」と言われるとうれしいことはうれしいのですが、印象が薄い。それよりも「あなたが頑張ってくれるから私も頑張るよ。」と言われるとどうでしょう。いやみもなく、心にストンと落ち、自分のやったことが周りにいい影響を与えていることに気づき、自分の存在を実感します。したがって、自分の感情を言葉にして褒めると、より相手の心に伝わり効果的です。反対に叱る場合は、冷静に論理的に話して理解させるべきですが、なかなか難しい。私は、叱るが怒るになって、感情を口に出してしまいがちですので叱り方も課題です。

 社員や部下を元気にしたり、やる気を持たせたりするスキルはたくさんあると思いますが、叱り上手と褒め上手でどんどん周りを元気人にしましょう。

褒め方、叱り方に磨きをかけ 元気人を増やそう!

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コラム2 【理念経営物語】
コラム【理念経営物語】

株式会社御園座 特別顧問
     理念経営研究所 理事長
             窪田 貞三

和

『その1 なにかがおかしい』

 なにかおかしな時代になってきたように思います。人そのものも、企業や学校や家庭という人の集まりにおいても、なにか大切なことを忘れてしまっているのではないでしょうか?進歩というものは、時になにかを捨ててしまうものなのでしょうか?今、この厳しい時代において、我々が考えるべきことは、なにがおかしいのかを考えることではないでしょうか?私が今最もおかしいと思うこと、それは、人と人の“和”です。企業も学校も家庭においても、この“和”が乱れてきている?もっと言えば「崩壊して来ている」ように思えてなりません。以前、ある会社の社長が言っていました。「うちのある社員が隣の席に座っている同僚に連絡をする時に、いつもメールを利用していることを知ってビックリしました。なぜ、隣にいる同僚にわざわざメールをするのか?ただ横を向いて、声をかけるだけでいいのに」と。そう言えば、最近ある若者から聞いたのですが、恋愛をしていて、別れたくなった時に、その別れの言葉をメールで送るというのです。いったい、最近の若者はどうなっているのか?と思ってしまいますが、そんなことを考えていた時に、私はあることを思い出しました。確か25年ほど前のことなのですが、ある大手企業出身の方と話をしていて、その方は昔のことを思い出しながら「私が以前いた会社は、ある日突然FAXが送られてきて、○○君は来月から○○へ転勤です。という連絡が来る会社でした。私はそういった会社の対応が嫌で転職しました」と言われたのです。それを聴いた私は、そんな会社は存在すべきではない!と言いましたが、実はその会社は10年後に経営破綻したのです。つまり、和の崩壊は、最近始まったことではないのです。いつの間にか、「スピード」「量」「大きさ」を求める経済環境の中で、我々は本当に大切なものを壊して来てしまったのではないでしょうか?“和”は、大変重要なコミュニケーションであり、人という字の語源のように、人と人が助け合ったり、協力しあったりすることが、人にとって最も重要なことなのでははいでしょうか?欠かしてはいけないことではないでしょうか?
 私は思います。「経済成長のために壊してしまった“和”が、逆に、現在の経済危機を創っているのではないか?」と。皆さんはどう思われますか?

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.18
コラム【理念経営物語】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『ゴルフはマナーでうまくなる』
鈴木康之著・日経ビジネス文庫

 だらしない服装、他人のホールに打ち込んできても「すみません」と言わない、後ろの組が待っているのにホールアウト後グリーン上でスコアをつけている、・・・。とみにマナーの悪いプレイヤーが増えています。
  「アマチュアのゴルフは社交のゲームである」と言う著者は、巻頭一番、ゴルフ場では「知らない人とも挨拶を交わせ」、と説きます。理由はお読み頂くとして、なかなかできることではありません。
  私のゴルフをご存じの方は、「ついに技術は諦めて、せめてマナーは、と考えたな」と思われたことでしょう。ところが、そのマナーが付け焼刃でできることではないことを知り、読後、ゴルフは人格を現す、と反省するところ大なるものがありました。

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コラム4 【苗字随想】 No.95
コラム【理念経営物語】

片桐清志

「本」と「丸」

  4月の名古屋名物に「春姫道中」があり、名古屋開府400年の今年も盛大に行われた。「春姫道中」は当会メンバーの夢童由里子(本誌アートコーナー担当)さんの提唱で20年前に始まった。名古屋城初代城主の徳川義直に紀州から輿入れした春姫のために作られた「本丸御殿」を再建するための市民運動だ。この運動が実を結び、昨年は再建工事も始まった。本丸に因んで今月は「本」と「丸」に注目してみた。
 「本」も「丸」も苗字では人気ものだ。山本や金丸のようにどちらも下につく苗字も多いが、「本」で始まる苗字は220種余、「丸」でも120種が見つかった。
 一字姓の「本」もいてホン・モトの呼び方がある。「丸」もあり、こちらはマル・マロのほかにワニの呼び方がある。
ランキング(佐久間 英氏)でも上位を占める苗字が多い。「本」姓では本田の142位を筆頭に本多(196位)、本間(264位)、本橋(298位)、本山(932位)が1000番内だ。本郷・本庄・本村が2000番内にいる。「丸」姓では丸山の83位を筆頭に丸井が997位に、丸岡・丸田・丸屋・丸谷・丸尾・丸茂・丸が2000番内に食い込んでいる。
 「本」でユニークな苗字をピックアップすると、建物関係では本堂(ホンドウ)、本宮(ホングウ・ホンミヤ・モトミヤ)、本殿(ホンデン・ホントノ・モトドノ他)、本城(ホンジョウ・モトシロ)、本館(モトタテ)、本宿(ホンジュク・モトジュク他)、本陣(ホンジン)、本倉(モトクラ)、本家(ホンケ・モトイエ他)、本瓦(ホンガワラ)などが見つかった。本望(ホンモウ・ホンモチ・ホンボウ)、本領(ホンリョウ)、本願(モトタチ)、本番(モトシゲ)、本命(ホンミョウ)、本道(ホンドウ・モトミチ)、本土(ホンド・モトツチ)、本国(モトクニ)も出くわすと驚くだろう。本屋(ホンヤ・モトヤ)、本代(ホンジロ・ホシロ)は書店向きの苗字だ。本名(ホンミョウ・ホンナ・ホンメイ・モトナ)も苗字愛好家向きだが書類記載時には混乱しそうだ。
 「丸」でユニークな苗字は丸目(マルメ)、丸頭(ガントウ)、丸石(マルイシ)、丸箸(マルハシ・マルバシ)、丸鶴(マルツル)、丸亀(マルガメ)などだろう。丸一(マルイチ)、丸大(マルダイ)、丸井(マルイ)、丸中(マルナカ)、丸物(マルブツ)、丸福(マルフク)、丸菱(マルビシ)、丸藤(マルフジ・マルトウ)などは屋号から転じた苗字かもしれない。
余談ながら、「春姫(ハルヒメ)」さんもいるし、「本丸(ホンマル)」さんもいる。「道中」さんも見つかったが「ミチナカ」とお読みするようだ。「御殿」は見つからなかったが「御城(オンジョウ・ミキ)」、「御館(オダテ・ミヤカタ他)」ならいる。ゴテンさんでは「五天」さんが見つかった。本丸御殿が完成したときの「春姫道中」では「春姫」さん、「道中」さん、「本丸」さん、「ゴテン」さんが参加したら愉快だ。

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【平成22年4月号編集後記】

  第23回全国経済同友会セミナーが、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で注目が集まっている高知市で4月15日、16日の両日開催された。全国からの参加者約900名が「今こそ、日本を洗濯いたし申し候」のテーマで研修した。
 基調講演ではGNH(Gross National Happiness)の国ブータン王国首相ジグミ・ティンレイ氏から「地球規模での幸福な経済成長の実現」を拝聴できた。経済発展と幸福のバランスの大切さをブータンの取組みを交えてご披露いただいた。会場からも多くの質問が出たが、それらにも丁寧に回答いただき、感動的な基調講演だった。
 恒例の分科会では滝代表幹事がパネリストを務める第3分科会では、「これからの成長と経営者の役割」が討論された。また二日目には地元高知出身の人気作家、山本一力氏から「人生雑記帖」と題して土佐人魂について聴くことができた。戦国の世に、運命に翻弄されながらも強く生き、戦いに命を散らした人々を弔う姿を歴史小説作家の目を通して熱く語ってくれた。講演終了時の万雷の拍手が印象的だった。

 4月20日には中部経済同友会の総会が開催され、水野体制がスタートした。「中部の未来をつくる〜ピンチをチャンスに変える中部の底力〜」のテーマでこの1年様々な活動を展開していく。
  産業懇談会も新年度がスタートした。早速、各グループの興味深いテーマの例会模様を紹介できた。年度初めの多忙な時期にも拘わらず、スピーチ戴いた各氏に感謝したい。また今年は「名古屋開府400年」の節目の年だ。本誌でもこれを記念して「名古屋いちばん物語」を連載することにした。初回は本会で長年世話人を務めた谷田氏に「きしめん」をご紹介いただいた。今後も会員諸兄の投稿をお願いしたい。

(片桐)