産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第80号 2009.1.26発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成21年1月度(第80号) 目次
産懇宅配便
【特別寄稿】 株式会社ナゴヤキャッスル  取締役社長  大森邦彦氏
【新会員自己紹介】
山岡 公美氏
中京総合リース株式会社 取締役社長
【2月度産業懇談会開催日程】
【3月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 『花ちゃんからの健康だより』
コラム2 『理念経営物語』
コラム3 『「ほん」のひとこと』
コラム4 『苗字随想』

【特別寄稿】

『ワークライフバランスの時代』

株式会社ナゴヤキャッスル  取締役社長  大森邦彦

 前職の新聞社から7年前にホテルにやって来たとき、ホテルという商売の表の顔からして女性がもっと沢山働いているものとばかり思っていた。ところが、である。前職より多いとしても、せいぜい全社員の20%足らずしかいないと聞いてガッカリ(?)させられたものだ。以来、女性スタッフの比率を高めようと号令を掛け続けているのだが、簡単そうでこれがなかなか容易なことではない。
  昔はともかく、私が来てからのこの数年間というもの、毎年の社員採用では応募者はもちろん、その結果としての採用者も、8割方は女性である。にもかかわらず、社員の女性比率は未だに20%そこそこにしかなっていない。
  答えは簡単で、女性の場合、大学や短大、専門学校を出て入社しても早ければ3〜4年、長くても5〜6年で辞めていくケースが極めて多いからだ。理由は寿退社、海外留学、仕事がきつくて体力的にもたない、家庭の事情・・・等々で、私が期待するキャリアウーマンのレベルまでなかなか育ってくれないことが残念でならない。
  そんなこともあって、マーケティングや駅前にあるキャッスルプラザのブライダル部門のスタッフを全員、女性にしたり、職場を超えた女性だけのチームを社内につくるなどして女性の目や感性を活用すべく努めてきた。
  お陰で、ホテル内の装飾や改装時のデザインほか、様々の催し、例えばカービング、フレグランス、紅茶の楽しみ方等々のカルチャーセミナーはじめ専ら女性を対象にした田中宥久子、佐伯チズらのトークショー企画、さらには若いカップルが対象のプロポーズ大作戦― など、いくつかのヒット商品も誕生した。
  しかし、そんなスタッフの中にも出産とともに退社を余儀なくされるケースもあって前途多難であることに変わりはない。若い女性スタッフが「あの人のようになりたい」と自分の将来の姿を重ね合わせることができるような女性像を、一日も早く社内につくり上げることが大切なのだろうと思う。
  もちろん男性スタッフも含めてのことだが、そんな意味からも「ワークライフバランス」という言葉がずっしりと胸に響く昨今である。

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【新会員自己紹介】

山岡 公美氏
水曜第1グループ

山岡 公美(やまおか きみよし)
中京総合リース株式会社 取締役社長

【中京総合リース株式会社】
〒460-0002 名古屋市中区丸の内1-15-15 桜通ビル3階
TEL:052-218-5001 FAX:052-218-6711
URL:http://www.ck-l.co.jp

 中京総合リースの山岡でございます。
 このたび産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 実は3年前までは堀場製作所常務取締役として加入させていただいておりましたので、久しぶりの復会でございます。グループのメンバー表を拝見し懐かしい方々とまたお会いできることを楽しみにしております。
 私は、以前は東海銀行、直近は中京銀行に在籍しており、今年の6月に現在の職に就きましたが、ファイナンスという点では共通するものもありますが、リース会社はあくまで現地・現物を第一にして営業活動を行っていることが銀行時代とは大きく異なる点でございます。
 世界不況の進行とともに設備投資は極端な縮小基調にあり、私どもの経営環境も急速に厳しくなっております。従来の枠にとらわれない新たな発想と果敢な行動が求められています。
 メンバーの皆様のお考えやご意見を聞かせていただきながら大いに勉強させていただき、苦境突破のヒントを見出せればと期待しております。

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【2月度産業懇談会開催日程】
場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
2月17日(火)
12:00〜14:00
※今回は、第3火曜日の開催となりますのでご注意下さい。
株式会社日立ハイテクノロジーズ 中部支店 
支店長 宮田 充康氏
「電子顕微鏡から見える世界」

18階
オリオンの間

水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
2月18日(水)
12:00〜14:00
テルウェル西日本(株) 
常務取締役東海支店長 岡本 金久氏のご紹介
西日本電信電話(株) 名古屋支店 
副支店長 池田 佳隆氏
「最近の情報通信」(仮)
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
内藤由治
2月4日(水)
12:00〜14:00
※今回は第1水曜日の開催となりますのでご注意下さい。
NTTコミュニケーションズ株式会社 東海支店
支店長 芦沢 秀明氏
「多様化し、情報力を持った賢い顧客に企業はどう対応していくのか?
(ブログ/SNS等顧客接点の多様化に対応した顧客フロント改革とは?)」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

2月12日(木)
12:00〜14:00
※今回は第2木曜日の開催となりますのでご注意下さい。

(株)三豊ビル  取締役会長
向 博氏
「どこへ行く、金融危機下の日本経済」
18階
伊吹の間

【3月度産業懇談会開催日程】
場所は、3月5日以外は名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
3月3日(火)
12:00〜14:00
※今回は第1火曜日の開催となりますのでご注意ください。
(株)中村土木建設 代表取締役
中村 陽公氏
「我社が手がける非開削技術」

18階
伊吹の間

水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
3月18日(水)
12:00〜14:00

(株)メイアン 
取締役社長 橋本 昭一氏
取締役教育部長 宮本 理氏
「警備業における人材育成と人間関係」

18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
内藤由治
3月4日(水)
12:00〜14:00
※今回は第1水曜日の開催となりますのでご注意ください。
東洋建設(株) 名古屋支店 執行役員支店長
長尾 正平氏のご紹介
(株)オリエント・エコロジー 代表取締役
藪下 貴弘氏
「いちごとトイレ〜ベンチャーへの取組事例」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

3月5日(木)
11:15〜15:45
(予定)

新日本製鐵(株) 名古屋製鐵所 見学会 東海市

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【お知らせ】

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.58

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 メダカとプチ社会貢献 』の話

  あけましておでとうございます。新しい年を迎え、皆様のご多幸を心からお祈り申し上げます。本年も宜しくお願いいたします。
 皆様は、初詣で神様・仏様に何を誓い、何をお願いされたでしょうか。私はたくさんありすぎて、頭がしばらく上がりませんでした。やはり景気の回復を期待してやみません。
  2年前に、私は訪問先の社長からいただいたメダカを飼うことになりました。その社長は、五条川周辺の日本古来のメダカが絶滅しないように、増やしてはもとの小川に放流しているというのです。昨年の夏は、いただいたメダカが卵を産みましたので、1mmの卵からの観察飼育がスタートしました。卵はカビに弱く、カビ予防のためには水道水の塩素が役に立つことも知り、卵の間はきれいな水道水で過ごさせます。ふ化する前には、卵の中は二つの黒い目が大きくはっきりしてきます。名前の由来が気になり調べると、単に目が高い位置にあるので「目高=めだか」ということ。
  ふ化してからは水質管理が重要です。自然に近い状態は難しく、稚魚は日を追う毎に減っていくのです。50匹程いたのに1ヵ月で15匹になってしまいました。試行錯誤の上、どうにか水質が良くなったのか、適応できるメダカのみが生き残ったのかどうかは不明ですが、現在その15匹が1cmの大きさに育っていて、水槽の中での絶滅はまぬがれてほっとしました。目ばかり目立つ小さな身体で泳ぐ姿をみていると、素晴らしい生命の働きが自分の中にもあることや、お蔭様で生かされていることに気づかされます。
いつしか、私も地元の川のメダカを育てて放流できると、プチ社会貢献になるかなと思っています。日本古来のメダカが気持ちよく泳ぐ小川を次世代に残したいものです。
  メダカの学校は川の中〜、ソ〜ッとのぞいて見てごらん"という童謡がありますが、春になったら、「メダカ」を探しにちょっと出かけてみませんか。

生きていること自体、ただ事ではない 「お蔭様で・・」も忘れず 元気に1年を過ごしましょう

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コラム【理念経営物語】
株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

理念経営成功例:No.8

理念人事制度

 A社という商社にBという経営者がいました。Bは理念経営を実践しようと日々努力していました。しかし、その考え方はなかなか組織全体に浸透せず悩んでいました。そんなある日、BがC人事部長でと話をしていた時のことです。CはBに言いました。「社長、理念という理想が現実のものとして実践されるには、社員の意識だけを啓蒙してもなかなか現実的な日々の仕事の中で実践されません。思い切って人事制度の中に理念実践という項目を入れてみてはどうでしょうか?」と。その言葉に対しBは「制度にしなくても自然に浸透し実践されるのが本来理念というものだと考えてきたが、それこそ理想論で終ってしまったら意味がない。C部長、一度その人事制度について考えて提案をしてくれ!」と指示をしました。その後Cは提案書という形で、新人事制度=「A社理念人事制度」というタイトルでBに提出し、内容説明をしました。大きくは2つの新制度提案で、まず一つ目は「新人事考課制度」二つ目は「新表彰制度」でした。新人事考課制度の内容は、評価項目の中に「理念実践」という項目を入れ、自己採点と直属の上司や部門長による採点、その直属の上司や部門長の採点に対する役員・幹部による採点を行うことにより、採点される部下も採点する上司も部門長も理念をしっかりと意識しなければならないような採点方式となり、上司や部門長自身の理念実践評価も部下以上に厳しい採点となっていました。次に新表彰制度ですが、日々の業務の中で、理念実践したことをまとめ、レポート提出し、月次単位で表彰を行うという方法でしたが、この評価結果については全社にオープンにし、全社員の理念理解力を向上させるという方法でした。この提案に対しBは大変喜び、早速採用しました。A社の企業理念は「価値の創造と提供」ですが、この新人事制度導入後は、過去に無かったような本質的価値を考えた商材集めや、顧客の潜在的ニーズを引き出すような営業が出来るようになり、Bが求めてきた理想に一歩一歩近づいて行きました。

解説

理想を言えば評価など関係なく理念行動をするべきですが、理念という大変難しいものを短期間で理解してもらうのは困難であると言えます。だからこそ自分自身に直面することに置き換えることも重要なのです。

理念経営論

理念経営論とは、
根本にある理念に基づき、ビジョンに向かい、
木(企業組織)は成長していく。それが理念経営論です。
根をしっかりと伸ばすことで、木は成長します。
理念経営論は、
(1)本質的経営=理念創造・実現経営
(2)夢実現経営=ビジョン創造・実現経営
(3)実践的経営=全社員自立・実行経営

以上、3つの柱から出来ています。

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コラム【「ほん」のひとこと】
 〔「ほん」のひとこと〕No.4

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『大人の見識』 阿川弘之著・新潮新書

第6章に「ノブレス・オブリージュ」という言葉が出てきます。載せていない国語辞典も多いかもしれませんが、「高貴な身分に伴う義務」という意味だそうです。昔ならば、国の危急存亡の秋(とき)には貴族が命を懸けて先頭に立つような行為とのこと。(釈迦に説法ですみません)
  今の日本は、総理大臣でさえ敵前逃亡する有様ですから言葉を失いますが、各界のトップにも真のリーダーが少ないのではと感じています。では、私は高貴な身分ではないから関係ないのでしょうか。私も、日本国民・会社の代表者・地域社会の一員・夫・親・子など、色々な立場での義務を背負っています。逃げることなく、与えられた義務を果たして行こうと思います。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No.80

片桐清志

「縄」と「綱」

 新春を迎える準備の一つが「注連縄(しめなわ)」の架け替えだ。夫婦岩や神社で新しい稲藁で編まれた大縄飾りが神妙さを醸し出す。縄は古代文化の代表格だ。今回は縄に因んだ苗字を探ってみる。
 「縄」の一字姓もあり、そのままナワさんとお呼びする。「縄」で始まる苗字も結構有って、24種見つかった。ユニークな苗字としては縄舟(ナワフネ)、縄船(ナワフネ)、縄手(ナワテ)、縄巻(ナワマキ)、縄留(ナワトメ・ツナトメ)、縄止(ナワトメ)などがある。縄と綱を組み合わせた縄綱(ナワツナ)も見つかった。
 「縄」に似た言葉に綱がある。強いて識別すれば、縄を数本撚りあわせたものが綱だが、「縄張り」や「お縄になる」などの言葉は実際使われるのが綱の場合でも縄を綱とは言い換えない場合が多い。
 「綱」の一字姓もあり、ツナ・コウとお呼びする。苗字の種類では「綱」の方が人気が有り、「綱」で始まる苗字は38種見つかった。ユニークな苗字では綱取(ツナトリ)、綱屋(ツナヤ)、綱引(ツナヒキ)、綱懸(ツナカケ)、綱掛(ツナカケ)、綱戸(ツナド)、綱手(ツナテ)、綱頭(ツナトウ)などがある。
 「綱」と見間違いそうなのが「網」だ。こちらも苗字の人気度は高く、「網」で始まる苗字は「綱」を抜いて44種見つかった。一字姓の「網」さんもいてアミ・ヨサミとお呼びする。ユニークな苗字としては網代(アジロ・アミシロ)、網元(アミモト)、網倉(アミクラ)、網切(アミキリ)、網口(アミクチ)、網頭(アミガシラ・アドウ)、網屋(アミヤ)、網守(アミモリ)、網干(アボシ・アミホシ)、網引(アミヒキ)、網戸(アミド)、網敷(アミシキ)などが見つかった。
 「網中」と「綱中」、「網内」と「綱中」、「網岡」と「綱岡」、「網島」と「綱島」、「網崎」と「綱崎」、「網川」と「綱川」、「網本」と「綱本」、「網野」と「綱野」などは混同しそうなので注意したい。

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【平成21年1月号編集後記】

 新しい年がスタートした。今年も想定外の出来事が多い年になりそうだ。それでも我々は個々の事象に一喜一憂することなく、100年に一度の危機だというなら逆に100年先を見据えた覚悟を決めて対処したいものだ。
 たとえば環境問題などはじっくりと取り組む好機だ。せっかく昨年、洞爺湖サミットで環境先進国ニッポンを世界にアピールした。これを絵に描いた餅にしないために今回の景気後退局面で資源再利用を推進する「静脈型産業」を整備してはどうか。好景気のときはどうしても生産優先になり静脈型産業は育ちにくい。雇用創出の点でも静脈型産業は有望だ。
 技術革新の激しいIT分野では不要になる機器が大量に発生する。ケータイ電話もその一例で買替え時に下取りすれば回収は容易だ。TVも地デジ化で買替えが進んでいる。これら電子機器にはレアメタル(希少金属)が使用されており、回収技術もかなり進歩している。問題は経済性だ。残念ながら現状技術では回収コストは新規調達に勝てない。
 どんな技術も当初から経済性を確保するのは難しい。新サービスが伴えば高価でも先行顧客が登場し新技術を育ててくれる。やがて新技術はブレークスルーし普及段階を迎える。ところが静脈型産業にはこうした先行顧客が存在しない。このため民間主導では新技術が育たないし、ブレークスルーもできない。したがって初期段階では国家プロジェクトで新技術を育成する必要がある。技術だけでなく産業として定着するためにはステータス化も必要で、資格制度の導入などの工夫が求められる。
 大量消費型社会で使い捨て文化がはびこってしまったが、日本には「もったいない」文化が昔からあった。エコ社会の先進国づくりは今が好機だ。2兆円の定額給付金は今回限りにして時代を先取りした静脈型産業の育成等の生きた使い方をしてもらいたいものだ。環境をテーマにした「愛・地球博」を成功させた中部には静脈型産業の芽が育つ可能性は十分ある。新しい時代を中部が切り拓いていくべきだろう。

 さて、産懇宅配便の新春号は12月例会が各グループとも懇親会のためコラム主体になった。それでも大森会員から特別寄稿をいただいた。年末年始でご多忙な中、快く引き受けていただきこの場を借りて深く感謝する。

(片桐)