【7年3月度 産業懇談会(木曜G)模様】
テーマ: 『 すい臓がん早期発見の最前線「尿がんリスク検査マイシグナル」~名大発ベンチャーの挑戦~ 』
- 日 時:令和7年3月6日(木) 12時00分~14時00分
- 場 所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
- 参加者:29名
スピーカー:

Craif株式会社
CLO 法人部門責任者

永草 孝憲(ながくさ たかのり)氏
株式会社永賢組
取締役社長
<Craif株式会社 CLO 法人部門責任者 豊田 高行 氏>
会社紹介
Craif株式会社は、2018年に設立された名古屋大学工学部発のベンチャー企業であり、NANO IP(NANO Intelligence Platform)を活用した次世代がん検査の開発に注力している。社名は「Crane(鶴)」と「Life(生命)」を組み合わせたものである。
Craifは、細胞間のコミュニケーションを仲介する伝達物質であるマイクロRNAに着目し、がん細胞が周囲の細胞にマイクロRNAを送り込み、環境を変化させながら増殖・転移するメカニズムを利用している。2,000種類以上存在するマイクロRNAは、がんの種類ごとに異なるマイクロRNAを放出するため、解析することで小さながんの活動も検知でき、早期発見につながる。
Craifは、20以上の特許技術とAI解析によるがんリスク判定アルゴリズムを開発した。国立がん研究センターや大学病院との共同研究を通じて、2万件近い世界最大級の尿ライブラリーを構築し、がん患者特有のマイクロRNAのパターンを解析してきた。この技術により、早期発見が難しいとされるすい臓がんを含む最大7種のがんリスクを、ステージ1から検知することが可能となった。「マイシグナル・スキャン」は、ホームページや医療機関、薬局・ドラッグストアでお手軽に購入可能であり、受診者の負担が少なく、がんの早期発見が可能である。北海道岩内町では、肺がん検診受診率が低く、社会実装プロジェクトを実施し、ステージ0や前がん病変の時点でがんの超早期発見に成功した。
そもそもがんってどんな病気?
日本人の2人に1人ががんに罹患する時代である。正常な組織であれば細胞分裂が精巧に制御されるが、がんは細胞分裂の機能が異常に活性化している。がん発生の鍵となるのは遺伝子であるが、がん発症の遺伝による影響は30%程度であり、残りの70%は生活習慣による影響とされる。生活の中で遺伝子にダメージが蓄積し、複数の遺伝子が機能しなくなることでがんが発症する。その要因は、たばこ・紫外線・不摂生な食事・睡眠不足・運動不足などが挙げられる。
がんの早期発見の大切さ
がんは、生活習慣を改善しても100%防げるわけではなく、早期発見が非常に重要である。少子高齢化が加速する社会においては、がんの予防・早期発見を強化しなければ、日本の社会保障は保てなくなる。
特にすい臓がんは、自覚症状が乏しく早期発見が困難であり、発見時には約45%の患者がステージ4に進行しており、生存率は1%台と極めて低い。
こうした厳しい状況の中、「マイシグナル・スキャン」は、がんの早期発見を可能にする新たな手段として有効である。自分の健康を守るためには、予防と早期発見のサイクルを継続することが重要である。
<株式会社永賢組 取締役社長 永草 孝憲 氏>
自己紹介・会社紹介
1981年愛知県に生まれ。中学・高校とサッカーに打ち込み、高校卒業後は総合格闘家として世界各国で修業を積む。2005年に父の誘いを受け、株式会社永賢組に入社。祖父が1955年に創業した同社は、2025年に創業70年を迎える。
2012年、父の他界に伴い代表取締役に就任し、債務超過の解消に尽力。協会からの離脱や大手企業からのヘッドハンティングなど業界の常識にとらわれない変革で急成長を遂げた。現在、建設業のほか、不動産開発や家事代行、ビルの管理・清掃など多角的な事業展開を行っている。
NAGAKENグループのコンセプトは、「Well-being」であり、社員・お客様・パートナー企業そして地域社会の幸福を実現するための共創プラットフォームを目指している。
父をがんで亡くし、また、中途入社で会社の再建に尽力してくれた従業員もがんで亡くした。その従業員の葬儀翌日にCraifの豊田氏に出会い、運命を感じて「マイシグナル・スキャン」を導入。大切な人材をがんで失ってはならないとの強い思いから、全額会社負担でがん検査を実施している。
永賢組は、「社員の自己実現」、「事業拡大と社会貢献の両軸の向上」、「建設DX」という3つの経営ビジョンを掲げ、グループ売上高1,000億円を目指しさらなる成長を続けていく。
【7年3月度 産業懇談会(火曜G)模様】
テーマ: 『 ヨコタエンタープライズで実現するDX人材・ITセキュリティ人材へのリスキリング~トレンドマイクロ、シスコシステムズでのキャリア活かし、中部産業会に貢献~ 』
- 日 時:令和7年3月12日(火) 12時00分~14時00分
- 場 所:若宮の杜 迎賓館 1階 橘の間
- 参加者:34名
久保 統義(くぼ のりよし)氏
株式会社ヨコタエンタープライズ
理事

ICT業界30年で出会った偉人達からの学び
愛知県西尾市出身。ジャストシステム株式会社に入社以降、ICT業界で30年以上を経験。その内ICTセキュリティ業界で20年以上経験を積んできた。
新卒で就職した愛知県工作機械メーカーを経て転職した、ICT業界のジャストシステム株式会社は、ワープロソフト「一太郎」を開発した会社であり、そこで創業者の浮川和宣氏と出会った。浮川氏は、ソフトウェアの力で日本人の役に立ちたいという信念のもと事業を展開した。また、同時期にソフトウェア流通事業と出版事業を立ち上げたソフトバンクの孫正義氏とも出会い、桁違いの発想力と大胆な行動力で大きな目標を掲げる姿勢が印象的であった。
2社目のシマンテック株式会社では、後にマイクロソフトの会長を務めた後に、シマンテックの会長John W Thompson氏は、「部下が良いパフォーマンスを出してくれるから、自分がいる」「やらされ仕事は80%、やる気があれば120%、その差は1.5倍」と言い、部下を大切にし、自発性を引き出すリーダーシップの重要性を学んだ。また、三井物産出身でシマンテックジャパンの立ち上げに尽力いただいた島田精一氏からは、「Noは思考停止を生む。返事はいつでもYes,but」「真剣になると知恵が出る。中途半端にやると愚痴が出る。やる気がないと言い訳が出る」という言葉を頂き、常に思考を続け、積極的に取り組む姿勢を学んだ
トレンドマイクロでは、大胆なマーケティング戦略でウィルス対策ソフトの認知度を高めた創業者Steve Chang氏より、「とにかく人の力に頼る!」という教えを受け、周囲の力を借りる重要性を学んだ。また、ソフトバンク・インベストメントの社長であったSBIホールディングス社長の北尾吉孝氏からは、「運を呼び寄せるものは、『努力』『誠実さ』『粘り』の3つが重要」という言葉を頂き、粘り強さの重要性を学んだ。
シスコシステムズ株式会社では、著名なCEOであるJohn Chambers氏より、「規模の大きい企業が小さな企業を負かすことはなく、スピードが速い企業こそが遅いところを負かす」という言葉を頂き、変化の速いICT業界においてスピード感を持つことの大切さを学んだ。
ヨコタエンタープライズへの転職
ヨコタエンタープライズは、「事業を通じて、社会の『もっと!』に貢献します」「お客様の『もっと!』を誠心誠意で解決します」「全社員の『もっと!』を実現します」という企業理念を掲げ、物流事業、製造アウトソーシング事業(製造業への人材派遣)、エンジニアリング事業を展開している。現在、1千人を超える正社員を雇用する企業に成長している。
当社はトラックドライバーの派遣事業からスタートし、現在約200台のトラックを保有し全国に拠点を展開している。さらに製造業派遣でも離職率の低さから好評をいただき成長してきた。社員の年齢構成は、30代以下が70%を占め、志ある人材を「ヨコタアカデミー」で教育し、エンジニアへのジョブチェンジを推進している。それに加えて、シニアなエンジニアも年間3億円以上の採用費をかけて採用活動をし、微経験者からベテランまで幅広いエンジニアが所属している。
エンジニアリング事業では、建設、機械・電気、ICTエンジニアを育成し事業展開している。ICTエンジニアリング事業では情報セキュリティに関する教育に注力しており、今月立ち上げた「ヨコタサイバーセキュリティ研究所」では、エンジニア向けのトレーニングや、IPA情報処理安全確保支援士などの取得を進め、情報セキュリティに関するバックアップ体制を強化し、派遣先の顧客に貢献できるよう努めている。
ICTエンジニアリング事業では受託開発をはじめ、取引先での常駐型ソフトウェア開発、インフラ構築、システム運用の請負・委任・派遣や、PC・デジタル端末のキッティングから廃棄まで、LCM(Life Cycle Management)を一貫してサポートしている。また、機電エンジニアリング事業では、機械設計、電気電子、生産技術まで対応し、さらに全社としては製造、物流も対応することで日本のモノづくりをワンストップでサポートしていく。
中部産業界に対する決意
ICTセキュリティ人材の需要は年々高まる中で、人手不足が深刻化している。ICTセキュリティ人材育成に関する課題として、適切なキャリアパスの不足や教育に必要な時間・予算の確保の難しさ、求められるスキル要件の不明確さなどが挙げられる為、ICTセキュリティ人材のアウトソーシングは非常に高い必要性がある。業界団体のセキュリティガイドラインに対し各社がセルフチェックを行い、重点課題に対応していくためにもICTセキュリティ人材の育成は急務である。
「三方よし」の精神に基づき、ヨコタエンタープライズの社員の給与・キャリアアップを実現し、中部産業界の人手不足解消と企業のコアビジネスへの集中を支援する。そして。ヨコタエンタープライズ自身の成長にも繋がるという、Win-Win-Winの関係を築きたいと考えている。
また、中部経済同友会「教育を考えて行動する委員会」の副委員長としても、若者の可能性を育む社会の実現に向けた活動に積極的に取り組んでおり、中学校・高校への出前授業の特任講師も募集している。
社長の横田とともにこれまでの経験と人脈を活かし、社員のスキルアップ、キャリアチェンジを支援し新たなビジネスチャンスを創出することで、中部産業界の活性化に貢献していく。
【7年3月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】
テーマ: 『 インフラの課題解決とペロブスカイト太陽電池 』
- 日 時:令和7年3月12日(水) 12時00分~14時00分
- 場 所:名古屋観光ホテル 2階 曙西の間
- 参加者:21名
田野岡 篤(たのおか あつし)氏
積水化学工業株式会社
環境・ライフラインカンパニー中部営業部
顧問

会社紹介・自己紹介
私は、和歌山市生まれで大学卒業後、積水化学工業株式会社へ入社。営業として、住宅・樹脂配管材料・下水道工事などに携わり、名古屋、福岡、滋賀、そして再び名古屋で勤務している。名古屋での勤務は通算で30年となり、第二の故郷である。
積水化学グループは野口遵氏が設立した日本窒素肥料を祖とし、その当時、夢の新素材であったプラスチックの総合的事業化を目指す7人の若手によって1947年に設立された。社名の「積水」は、中国最古の兵法書「孫子の兵法」に由来している。また、社是である「3S精神」は、Service(サービス)・Speed(スピード)・Superiority(スペリオリティ)を表している。
現在、当社は住宅、高機能プラスチック、環境・ライフライン、メディカルの4つの主要事業を展開しており、売上高は約1兆2500億円に達する。なお、積水樹脂、積水化成品工業、積水ハウスは積水化学から独立し上場している。
当社はスポーツ活動にも力を入れており、女子陸上部「セキスイフェアリーズ」を持つほか、アメリカンフットボールチーム「セキスイチャレンジャーズ」、卓球の早田ひな選手などを支援している。
事業概況について
- 住宅カンパニー
当社は、プレハブ住宅初の「ユニット工法」を採用し、工場で80%以上を作る「高工業化住宅」を展開している。これにより、高品質・高強度の住宅を短工期での建設が可能になっている。また、大容量ソーラー・スマートハイムナビ・蓄電システムを活用し、地球と住む人への「やさしい」を追求しており、在宅非難の家として、災害時に自宅が避難所となるよう蓄電や水の貯留が出来るシステムを備えた住宅を開発している。 - 高機能プラスチックカンパニー
当社は、独自技術を活かし、様々な産業向けに高機能樹脂材料を提供している。エレクトロニクス分野では、スマホや液晶、半導体向け部材を提供しており、この分野で培った技術をペロブスカイト太陽電池に活用している。モビリティ分野では、自動車向け合わせガラス用中間膜や航空機内装向けプラスティックシート、インダストリアル分野では、各産業向けのテープ・コンテナ・成型品等を提供している。 - メディカル
グループ会社の積水メディカルを通じて医療分野の製品・サービスを提供しており、真空採血管などを扱う検査事業や原薬を受託製造し、製薬会社へ提供する医薬事業、各種評価試験を研究機関から受託する創薬支援事業、酵素原料を世界の製薬企業へ提供する酵素事業を展開している。 - 環境・ライフラインカンパニー
当社は、ライフライン向けの樹脂製品を展開し、管材・配管システム、バルブなど約8割が水関連の製品であり、「エスロン」というブランド名で展開している。
樹脂製品による社会インフラの課題解決
インフラの現場では、激甚災害の増加、労働力不足・技術者不足、老朽化、コストダウン、環境対応など多くの課題を抱えており、樹脂製品の新技術を活用し解決を図っている。
下水道の老朽化対策として、道路を掘らずに下水を修理する「SPR工法」や、形状記憶塩ビ管を活用した「オメガライナ-工法」を開発し展開している。地震対策としては、柔軟かつ軽量な高密度ポリエチレンを使用することで上水道管や工場配管の耐震化を図っている。また、家庭の3日分の飲み水を床下に備蓄できる飲料水貯留槽や、衛生的に利用できる避難所の仮設トイレも開発し、レジリエンス機能強化に貢献している。ゲリラ豪雨対策としては、地下に一時的に雨水を貯めることができる製品や、高排水能力の雨樋などを提供している。労働力不足対策については、建築設備配管や、鉄道マクラギに軽量で高寿命の樹脂製品を開発することで、省力化や現場の人手不足対応に寄与している。環境対応としては、地中熱や下水熱を再生可能エネルギーとして空調や給湯に活用するシステムを提供している。
ペロブスカイト太陽電池について
太陽電池の世界生産量は大幅に伸長しており、現在では原料から製品まで全プロセスにおいて中国のシェアが圧倒的である。日本は、平地における太陽光発電導入量が主要国で最大であり、斜面への設置による土砂崩れ誘発リスクや自然破壊・景観破壊、さらには今後の太陽光パネルの大量廃棄など地域共生上の多くの課題を抱えている。こうした状況の中、当社は次世代型太陽電池の開発・普及を通じての社会貢献を目指す。
ペロブスカイト太陽電池は、2009年に桐蔭横浜大学の宮坂教授らにより開発された。ペロブスカイト結晶を用いた薄くて軽い次世代の太陽電池であり、軽量で曲げられるため設置できる箇所が拡大するほか、製造工程が少なく大量生産による低コスト化の可能性が高く、主要原料であるヨウ素は日本が世界シェア2位であり、経済安全保障面でもメリットがある。フィルム型、ガラス型、タンデム型の3種類があり、当社はフィルム型で世界トップレベルである。封止・成膜・プロセス・材料技術など当社の独自技術で薄さ1ミリのフィルムに液体や気体が入りこまない技術により屋外耐久性を高める。変換効率や耐久性、生産技術の確立など技術的課題はあるが、再エネ比率が主要国に比べて低い日本においては、特に需要拡大が見込まれ、2040年には国内市場が3兆6,000億円規模になるとの予測もある。
当社では、東京都と連携し、学校のプールを活用した実証実験などを実施しているほか、当社の本社建屋や大阪・関西万博会場のバスターミナル屋根などさまざまな場所で設置・検証を進めている。
事業化に向け、2025年1月にペロブスカイト太陽電池の設計・製造・販売を手掛ける「積水ソーラーフィルム株式会社」を設立。堺市のシャープ工場跡地の一部に約3,100億円を投じ、新工場を建設中である。現行設備を活用し、2025年度中に事業開始を予定しており、2030年までに全3ラインの構築と売上高1,500億円~2,000億円を目指す。
積水化学グループは、今後も高い技術力を活かした独自性の高い製品を提供し、世界の人々の暮らしと地球環境の向上に貢献していく。
【7年3月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】
テーマ: 『 Return to ZERO~ゼロに還すプロフェッショナル~ 』
- 日 時:令和7年3月19日(水) 12時00分~14時00分
- 場 所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
- 参加者:21名
近藤 大輔(こんどう だいすけ)氏
株式会社豊成
取締役社長

自己紹介・会社紹介
名古屋生まれで大学卒業後、日本国土開発へ入社。中部国際空港や愛知万博など様々なプロジェクトに携わり、父が社長を務める株式会社豊成へ入社し、役員を経て現職。
キリスト教系の名古屋学院高校在学中は、聖書を読み讃美歌を歌い、生徒会長として校則改正(カバンと靴の自由化)にも尽力。高校の文化祭に芸能人を招致するなど学校行事を盛り上げてきた。大学時代にはCBC(中部日本放送)でアルバイトし、中日クラウンズなどのイベントにも携わった。
株式会社豊成は、名古屋市に本社を構え、東京、大阪にも拠点を置く創業45年の会社であり主力の解体工事に加え、アスベスト対策(除去・調査・分析)、土壌汚染対策など幅広く行っている。北海道から九州まで全国で工事を手掛けており、年間数百件の工事実績がある。
創業者である父は、岐阜県大垣市(旧安八郡墨俣町)の出身で500年以上続くお寺の生まれである。若い頃にはファッションモデルの経験があり、「ぎふ信長まつり」では、以前、俳優の木村拓哉氏が務めた織田信長役の初代でもある。トヨタ自販(現トヨタ自動車)では、営業成績で日本一となるなど卓越した営業手腕を発揮した。人との繋がりを大切にする性格であり、社会に貢献したいという思いから会社を創業した。
これまでの施工実績
当社では、高層ビル・工場等のプラント施設・倉庫・学校・病院・運輸施設、愛知万博のパビリオンなど多くの解体実績がある。その中でも、姉歯問題(耐震強度偽装)で注目された半田市のビジネスホテル「センターワンホテル半田」を請け負ったのも当社である。
現在、進行中の大きな工事であるが、1つ目は、三重県四日市市にある老舗ホテル四日市シティホテルである。駅に近い繁華街に位置するホテルの解体工事にあたり、振動・騒音対策を行っている。2つ目は、兵庫県淡路島のショッピングセンター(ららウォーク)である。2階建て約9,200平方メートルの大規模な商業施設であるが、周辺の住宅も多く粉塵対策を徹底している。3つ目は、大阪府泉佐野市の大型物流センターである。阪急阪神グループの施設で2階建てと3階建ての建物があり、合計約3万5,000平方メートルの大規模な施設である。周辺には食品工場や住宅もあり、住民や企業へ配慮して進めている。
解体工事は、建物を壊すだけでなく分別解体による資源の再利用や騒音・振動・粉塵対策による周辺環境への配慮、徹底した安全管理など多岐に亘る専門知識と技術が必要である。
アスベスト問題への対応
アスベスト(石綿)は、安価で耐久性があり、防音、強度に優れた魔法の材料として多くの建物に使用されてきたが、発がん性のある有害物質として2005年に「石綿障害予防規制」が制定され、全面的に使用禁止となったが、それ以前の建物には使用されている可能性がある。法規制により、解体工事を行う際には、事前にアスベストの調査・分析を行い、その結果を自治体に報告することが義務付けられている。外壁の塗料にアスベストが含まれる場合もあり、その場合は、塗料を全て剥ぎ取って調査しなければならない。当社では、アスベストの調査、分析、除去まで一貫して行っており、安全に対応している。
解体業界の今後の課題と展望
業界における法整備は進んできているものの、500万円未満の解体工事は、建設業許可の必要はなく、依然として不法投棄や無許可で営業する悪質業者が後を絶たない。また、人手不足による外国人労働者の増加もあり、言葉の壁や安全教育などの課題もある。
今後、空き家の増加やインフラの老朽化、南海トラフ地震への備えなど建物の解体需要は高まると考えており、当社では、法令順守を徹底し、安全第一で近隣住民への配慮を欠かすことなく、新たな街づくりに貢献していきたい。
解体業のイメージアップにも努めており、当時新人俳優であった松坂桃李さんのイメージキャラクター起用や、元TBSアナウンサーの国山ハセンさんに社外アドバイザーに就任してもらうなどの取組みを行っている。これからも「安全第一」に地域社会に貢献すべく「ゼロに還すプロフェッショナル」として邁進していく。
【新会員自己紹介】

橋佐古 敬次(はしさこ けいじ)氏
西松建設株式会社 中部支社
執行役員支社長
【西松建設株式会社 中部支社】
〒461-8558 名古屋市東区泉2-27-24
URL: https://www.nishimatsu.co.jp/
4月1日に中部支社長として着任いたしました。
出身地は大分県です。入社後は関西で32年、東京で6年勤務し、この度名古屋に赴任いたしました。
弊社は今年度より、中部支店から中部支社へと格上げとなり、重責を担うことになりましたが、皆様のご指導を仰ぎながら、会社の発展と共に中部経済の発展に微力ながら貢献させていただきたく存じます。
どうぞよろしくお願いいたします。

田中 健太郎(たなか けんたろう)氏
第一生命保険株式会社
執行役員 中部営業本部長
【第一生命保険株式会社】
〒460-0003 名古屋市中区錦3-4-6桜通大津第一生命ビル
URL: https://www.dai-ichi-life.co.jp/
みなさま、はじめまして。第一生命の田中健太郎と申します。
出身は四国の香川県なのですが、大学時代に4年間名古屋で暮らしました。その後も名古屋で働く機会があり、計9年年住んだ名古屋は私にとって第二の故郷で本当に好きな街です。縁あって17年ぶりにこの地に戻ってくることができ大変嬉しく思います。
3男1女と妻の6人家族で初めての単身赴任となります。みなさまとの新たなご縁を大切にしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

木村 みゆき(きむら みゆき)氏
全日本空輸株式会社
名古屋支店長
【全日本空輸株式会社】
〒450-6211 名古屋市中村区名駅4-7-1 ミッドランドスクエア11階
URL:http://www.ana.co.jp/
ANAの木村みゆきと申します。
このたび前任の江島の後を受け、産業懇談会に参加させていただくことになり、とてもわくわくしておりますし、このご縁に心より感謝申し上げます。
今年度におきましては、セントレアから季節運航を含め国内17路線のネットワークをベースに地域の皆様の利便性向上に取り組んでおります。またANAグループは機内食や機内エンターテイメント、ラウンジにくわえてSNSなどを活用し、全国各地域の伝統や文化、観光資源を国内外に広く発信しております。
将来の展望としましては、旺盛なインバウンド需要などの将来的な航空需要の拡大を見据えて、航空機の追加発注を決定しております。2030年にはグループ全体の保有機は約320機、ボーイング787シリーズは約120機となり、低燃費機材の構成比は91%まで向上し環境対策にも貢献してまいります。
名古屋への赴任は2度目でございますが、従前以上に街中が活気に満ち溢れておりますことにくわえて、魅力ある歴史や文化を肌で感じている次第でございます。皆様との交流を通じて、幅広く多くのことを吸収したいと存じます。
末筆ではございますが、本会の活動では様々な業界の方々の貴重なご意見を拝聴出来ることを楽しみにしております。産業懇談会の皆様におかれましては、何卒よろしくご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。

鳥居 明(とりい あきら)氏
東邦ガス不動産開発株式会社
取締役社長
【東邦ガス不動産開発株式会社】
〒456-0004 名古屋市熱田区桜田町19番18号
URL:http://www.toho-fudosan.jp/
当社は、東邦ガスグループの不動産関連機能を担う関係会社で設立約70年を迎えます。私自身は、長年エネルギー事業へ携わり、2年前より、不動産事業の担当となりました。
趣味は、熊野古道や高野山などの古道歩き(トレッキング)。最終的には、スペイン・サンティアゴ巡礼道800キロ踏破を目指しています。実現に向け、体力含めた準備をそろそろと思っており、経験者の方のアドバイス、宜しくお願いします。

中村 圭吾(なかむら けいご)氏
三菱HCキャピタル株式会社
常務執行役員 エリア営業本部長
【三菱HCキャピタル株式会社】
〒460-8407 名古屋市中区丸の内3-22-24 名古屋桜通ビル
URL:https://www.mitsubishi-hc-capital.com/
三菱HCキャピタルの中村でございます。
この度、前任の鈴木の後を引き継いで産業懇談会木曜グループに参加させて頂くことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
三菱HCキャピタルグループは、“未踏の未来へ、ともに挑むイノベーター”を「10年後のありたい姿」に掲げ、その実現に向けて、祖業のリースはもとより、有形無形のアセットの潜在価値を最大限に活用したサービスや事業経営などに取り組んでいます。
私は大阪生まれ大阪育ちですが、大阪勤務は一度もなく、名古屋勤務は2度目と当地にご縁を感じており、少しでも中部地区の発展に貢献できればと思います。
産業懇談会では皆様と交流させて頂くことを大変楽しみにしております。
何卒、御指導ご鞭撻の程、よろしくお願い申し上げます。
【5月度産業懇談会のご案内】
日頃は産業懇談会活動につき多大なるご支援をいただき誠にありがとうございます。
5月度例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。各グループ興味深いお話が伺えるものと存じますので、ぜひともご出席くださいますようお願い申し上げます。
グループ名 | 世話人 | 開催日時 | テーマ・スピーカー | 集合場所 |
---|---|---|---|---|
火曜グループ |
屬ゆみ子 |
5月13日(火) |
長瀬電気工業株式会社 |
名古屋観光 |
水曜第1グループ |
淺井博司 |
5月21日(水) |
『日本のエネルギー事情と脱炭素社会に向けて(仮)』 |
若宮の杜 |
水曜第2グループ |
香川裕子 |
5月14日(水) |
視察会「ノリタケの森」 |
ノリタケの森 |
木曜グループ |
河村嘉男 |
5月19日(月) |
視察会「IGアリーナ」 |
IGアリーナ |
【6月度産業懇談会のご案内】
日頃は産業懇談会活動につき多大なるご支援をいただき誠にありがとうございます。
6月度例会を下記の通り開催いたしますので、ご案内申し上げます。各グループ興味深いお話が伺えるものと存じますので、ぜひともご出席くださいますようお願い申し上げます。
グループ名 | 世話人 | 開催日時 | テーマ・スピーカー | 集合場所 |
---|---|---|---|---|
火曜グループ |
屬ゆみ子 |
6月10日(火) |
『オーナー系中小企業だから出来る協業と新事業』 |
名古屋観光 |
水曜第1グループ |
淺井博司 |
6月18日(水) |
『M&A業界の現状と未来・国の施策の方向性について』 |
若宮の杜 |
水曜第2グループ |
香川裕子 |
6月11日(水) |
『個性別「部下の“やる気”を引き出す方法」 |
名古屋観光 |
木曜グループ |
河村嘉男 |
6月5日(木) |
『格差拡大・インフレ加速に立ち向かう「ボルテックスが描く富の再分配戦略と人材成長への挑戦」』 |
名古屋観光 |
【コラム】
コラム1 【さっかの散歩道】 No.82
長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子
『 シェアカレー 伊勢志摩研修の旅復路編 』

花曇りの朝、昨日のような風は止み、湾は凪。
早く目覚めたので、支度をしてホテルの庭園散歩に出かける。ホテルの建物3つの間に、手入れの行き届いた庭が広がる。ここには社員として、庭師、左官、大工仕事のプロがいて、それぞれの管理に精を出しているという。「お客様の大概のご要望にはお答えしますよ」とのエピソードでは、お庭で結婚式を挙げたいとのリクエストに、一晩で小さなチャペルを建てたこともあったとか。
昨日案内していただいた、ザ・クラブの裏に回る。到着後レセプション説明の時、レストランの樋口シェフが、籠を抱えて庭を横切ってゆくのが見えたので、そこに何かあるのかと足を延ばしてみると、かわいらしい温室が2つ。花というよりハーブガーデンのようで、鍵はかかっていなかったものの、早春の寒風を朝から運び込むのも気が引けて、そのまま外からのぞき込む。そして、温室から森の方に足を延ばす。静寂~聞こえるのは鳥たちが木々を揺らしながら羽ばたく音。北海道なら冬眠明けのヒグマ注意なのだが、森の中にあったのは「マムシ注意」の看板。やはり自然豊かなところでは、人間はよそ者だ。足元に気を付けながら、正面に見える階段を上がってゆくと、そこに鎮座していたのは金比羅宮。海の守り神がここにおられるということは、この島もまた鳥羽の海賊「九鬼水軍」の要所でもあったのだろう。言わずもがなだが、香川の金比羅総本宮は、瀬戸内最強の村上水軍下の、塩飽水軍の本拠地を守っている。

「おはようございます」
金比羅さんで、同じく早朝散歩に来ていた梅村さんと岡野さんに遭遇。お宮に手を合わせて、しばしの散歩をご一緒する。昨日の強風でNGになり、今日出発前に改めて集合写真の撮影することになったベイスイートの屋上庭園に、下見がてら上ってみることにした。
湾の西側に見えるのは、人気リゾートの地中海村、そして彼方にかすむのは、雪を冠した大台ケ原か?振り返り湾を背に、私たちが宿泊していたザ・クラシックに目をやる。実はサミットの時、このザ・クラシック屋上に大統領付きのスナイパーが、10人近く息をひそめていたそうだ。サミット時はホテルの人も全く知らなかったそうで、後で「機密だけど」と聞かされた時には(園内で挙動不審な動きをしなくてよかった(;^_^A)と胸をなでおろしたそうだ。屋上だけでなくきっと至る所、林の中や海岸沿いに何人ものスナイパーがいたに違いない。彼らは数日間飲まず食わずの警備だったのだろうか?ご苦労様でした。
朝食後、バスで「真珠の里」へ向かう。真珠と言えばミキモト!と思ってアクセサリーは小ぶりのミキモトでまとめていったのだが、今回お邪魔するのはそのミキモトにも真珠を卸している生産者。ここで真珠取り出し体験をするという。現着するとまず筏の上に浮かぶ小屋で代表の滝本さんから真珠養殖のあれこれ、また真珠の品質について詳しく伺う。一頃のブームが去って、滝本さんの筏がある湾でも、何軒かが廃業をされたそうだ。好奇心旺盛な富田さんがそこに食いつく。「真珠ビジネスって、ぶっちゃけ儲かるんですか?」そこからマーケットの話、経費の話、職人の話など、一気に経営者目線の話になる。


滝本さん、「よかったら、家の向かいのあそこの真珠小屋と筏、空いてますよ」それを聞いた瞬間、メンバー全員、同じことを思った。―次回来たら湾の向こうに「パール富田」の看板があるに違いない。
真珠の里を後にバスに乗り込むと、藤原団長の粋なアナウンス「いない人いませんか?富田さんは現地に残りましたか?乗ってますか?」
それぞれ戦利品の真珠をお土産に、旅の最終目的地、夕焼けパール街道沿い、あづり浜にある海女小屋施設「さとうみ庵」に到着する。海女小屋でのランチを前に、「志摩まちづくり(株)」の皆さんから、この豊かな地域の観光プロジェクトについてお話を伺ったあと、お待ちかね海鮮尽くしだ。海女小屋にワインはないので、実は昨日お出かけ前に家から一本白ワインをキャリーケースに忍ばせ(ソムリエナイフも忘れず)持ってきていた。さあ、マイボトルも準備OK!の乾杯!写真を撮るのも忘れて、豪快に海の幸を食す(ほかにもアワビだのかますだの、御馳走はたくさんあった)。


海女さんは焼き入れをするたびに、貝の汁や伊勢エビの焼き汁を囲炉裏の端のポットに流し込んでいたので、「その汁どうするんですか?」と聞くと「捨てます」~あ゛~もったいない!その汁でパエリア作ったら絶品のハズ!
食事を終えて、女子メンバーは海女のコスプレを楽しんで賢島駅に戻る。帰りも勿論しまかぜだ。藤原団長から、混む前にカフェカーに行きましょうとのお声がけで移動。せっかくなら昨日話題に上がったシェアカレーなど食べながら「愛」について語ろうじゃないのと、注文するとスタッフから「シェアしますか?」との声掛け。

シェアカレー!
隣に座った川瀬さんと仲良く分けることにする。「ところで愛って?」と桑野さんに問いかけるも、もうすっかりご機嫌に出来上がっていて、「楽しいからいいんだ!」とか何とか誤魔化された(笑)。そんなことすら土産話になる今回の旅は、実に密度の濃い時間を過ごすことができ、大満足だった。
名古屋駅に着くころにはすっかり日も傾く。
さて、来年はどんな旅になるやら!と、作りたての思い出と供に一人締めのシャンパーニュに向かった。
コラム2 【師、曰く】 No.47
蒲郡観光交流おもてなしコンシェルジュ 妹尾 鷹幸(ペンネーム)
(株式会社構造計画研究所 名古屋支社長 妹尾(せのお) 義之)
ペンネームは、恩師、田坂広志先生の多重人格マネジメント、作家人格の名。心に鳴り響く言葉を今回も一筆。
『 砂時計 』
今年の桜は、少し遅咲きで少し長く咲いた。このコラムを執筆している今日の春の嵐で、明日からは美しい花吹雪になるだろう。ほんの僅かの時を、満開に咲き誇り散ってゆく桜の美しさを、しみじみ味わえる日本人で良かったなあと思う。私は桜に人生を重ね、惚れ惚れと感傷的になる日本人の一人だ。名古屋に来てから、毎年、恒例行事のように名古屋城の桜を見に行っているが、思い出深い2018年の名古屋城の桜から、今年で8回目の桜になる。毎年、それぞれの美しい桜だが、今年の名古屋城の桜は蒼天の下に満開で美しく、感慨深い思いで眺めた記憶に残る桜だった。数日前には、昨年のNHK朝ドラ「虎に翼」の舞台にもなった鶴舞公園にも足を運んだ。コロナ前に行った美しい夜桜以来、久しぶりの鶴舞公園の夜桜だったが、幻想的で美しい桜で感慨深く心に刻まれた。咲くときがあれば、散りゆくときがくる。出逢いがあれば、別れるときがくる。美しく満開に咲き誇り、惚れ惚れと散ってゆく桜のように、この人生を生き切ることができれば、ありがたいと思っている。
望むと望まざるとにかかわらず、人生には数々の逆境がやってくる。苦労や困難、失敗や敗北、挫折や喪失、病気や事故。このコラムは田坂広志先生から受けた教えの反芻ゆえに、人生において道を開花させる為の絶対条件である、死生観のテーマがどうしても多くなってしまう。それはこの人生をより輝かせるため、今を生き切るための前を向いた思いで、悲壮的な思いで書いているのではない。逆境から幾度も這い上がってきたからこその、人間として成長した今がある。「過去もない、未来もない、あるのは永遠につづく今だけだ。今を生きよ、今を生き切れ。」桜を感慨深く見上げながら、田坂先生の声が甦る。
師、曰く『我々の横には、目に見えない「砂時計」がある。さらさらと砂が落ち続ける「砂時計」です。そして、この「砂時計」の砂が落ち切ると、我々の命は終わる。けれど、その砂の残量は、誰にも見えない。分からない。しかし、その砂が落ち続ける音は、聞こえてくる。その「砂時計」の音に耳を傾けることです。』
桜を見ながら、かけがえのない「人生の時間」を生きる、その「覚悟」が改めて生まれてくるのを感じた。時間は平等に与えられるというが、そうではない。時間は不平等に与えられる。同じ時間を与えられても、ただ流されるままに時間を浪費する人と、密度の濃い時間を生きる人では、時間の価値に雲泥の差が生まれる。8回目の名古屋城の桜を、様々な思いをもって眺めた。今でも初めて見た名古屋城の桜を思い出す。数々の感慨深い思い出とともに、今を生き切るという覚悟をもって、私の最も愛する名古屋城の美しい桜を後にした。修行は続くよ、どこまでも。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

コラム3 【げんき通信】 No.20
学校法人佑愛学園
愛知医療学院短期大学
リハビリテーション学科 理学療法学専攻
准教授 松村 仁実
『 バランス能力のはなし 』
立った姿勢でバランスが良いというのは「安定しているけれども、何かが起きた時にすぐに反応できる。
また、自分がしたい動きにスムーズに移れる状態」と言えます。逆にバランスが悪いと転倒の危険性が高まります。
バランス能力は、大きく3つ「静的バランス能力(その場で姿勢を保つ能力)」、「動的バランス能力(歩く・振り返るなど動きながら姿勢を保つ能力)」、「外乱応答バランス能力(つまずいたりした時などに立ち直る能力)」に分けることができます。
バランス能力と転倒リスク
年齢を重ねると、体の状態を把握する感覚・筋力・視力などの低下や姿勢が変化し、バランス能力が衰えていきます。さらに骨量の減少も加わるため、バランスを崩して転んでしまうと骨折するといった大きなケガにつながるおそれがあります。
転倒の実態調査の報告から、午前10~11時、午後2~5時頃に集中し、場所は歩道や階段、自宅内が多いようです。慣れた場所、明るいからといって、油断は禁物です。
転ばぬ先の、、、運動しましょう!
バランス能力が高い方が転びにくく、運動により動的バランス能力を改善すると報告されています。
バランス能力を少しでも高め、維持することはとても大事です。
- 足の指をほぐし、足の裏もしっかり触ります。床に置いたタオルを足指を使ってたぐります。
- 片足で立つ、柔らかな座布団などの上で立ちます(静的、動的バランスを鍛えます)。
- スクワットや階段の昇り降りなど、足の筋力をつけます。
- 良い姿勢(胸をはり、腕を振り、踵から大きく一歩踏み出す)で歩きます。
バランス能力を維持するために、これだけやればというものはありません。日頃から運動を取り入れていくことも大事ですし、自宅内で転倒しやすい場面・場所がないか、一度チェックをしてみることも大切といえます。何事も無理せず、バランスよく取り組むことがよさそうです。
