【4年7月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 人材派遣業界の現状と課題 』

  • 日  時:令和4年7月7日(木) 12時30分~14時30分
  • 場  所:名古屋観光ホテル 桂の間
  • 参加者:27名
スピーカー:
丸山 恭一(まるやま きょういち)
株式会社サンスタッフ
代表取締役社長
写真:丸山 恭一氏

自己紹介

 1982年に豊田自動織機に入社し、1993年から7年間アメリカの連結子会社に出向し、米国人のブルーカラーの採用が、初めての人材派遣会社との出会いであった。帰任後はグローバル人事室長、法務部長、調達部長として様々な国籍の人々とプロジェクトに参画し、ダイバーシティを体感した。また、豊田自動織機ラグビー部の創設に関わり、その経験をもとにチームワークを大切にする組織・風土の構築を目指して仕事に取り組んできた。2017年6月から株式会社サンスタッフ 代表取締役社長、2020年6月より(一社)人材派遣協会・中部地域協議会 会長に就任。

会社紹介

 当社は1990年に設立された豊田自動織機100%出資の会社。設立の経緯は、当時は60歳で定年退職を迎える中で再就職の受け皿となり、また女性活躍として結婚や出産を機に退職した方の再就職の支援をするために設立された。業務内容は、総合人材サービス(人材派遣、業務受託、人材紹介等)や人材育成(トヨタグループの新入社員研修等の階層別教育や専門教育)、現場改善、IP(知的財産、特許などの調査・出願)、グリーンサービス事業(工場緑化、芝生管理、花苗栽培等)を行う。次の10年に向けて、2030年ビジョンとして「多彩なライフサイクルに応じた最適な働き方の実現と社会の持続的な発展への貢献」を掲げて取り組む。

人材派遣業界の現状

 人材派遣とは、派遣会社とお客様である派遣先企業、派遣社員が三角形の関係で、派遣先企業から人材派遣の依頼があり、派遣会社に登録されている登録スタッフを派遣する仕組み。派遣社員は派遣先企業で働くため、派遣先企業から直接指揮命令できる。一方で、請負は、業務委託の関係であり、発注主(会社)が請負人(会社)と雇用関係のある労働者に対して指揮命令をすることは、違法である。
 役員除く雇用者の無期・有期別の労働者数の推移を見ると、2020年では有期雇用の労働者数は2,153万人で雇用者全体の38%まで増加した。その内訳は、パートやアルバイトは1,524万人、契約社員や嘱託他は486万人、一方、派遣社員数は143万人で雇用者全体の2.5%に留まる。派遣業界の年間売上高は、2008年に7兆円を超える規模であったが、リーマンショックをきっかけに減少した。その後回復傾向にあり2019年には再度7兆円を超える規模となったが、新型コロナウイルス感染症拡大とその後の経済の落ち込みによって再び減少することが予想される。
 労働者派遣法は、1986年に戦後の産業の多様化、経済のグローバル化、技術革新が進む中、より多様な人材活用のニーズに応えるために制定された。当初は制限が厳しく13業務で9か月間しか派遣受け入れができなかったが、法律が施行されたことは大きな一歩となった。その後、逐次改正により、業種や受け入れ期間も拡大していくことになった。
 2015年や2020年の法改正では、これまでの派遣先の会社の社員を守る法律から派遣社員を保護する法律にシフトする動きとなった。2015年の改正のポイントは、派遣会社に派遣社員のキャリア形成支援が義務化され、また、派遣先企業が派遣社員に対して違法派遣を行った場合、直接雇用を申し込んだとみなされる「労働契約申込みみなし制度」が開始された。
 2020年派遣法改正の目的は、「同一労働同一賃金」の実現で、正規社員と非正規社員の不合理な待遇差の解消を目指した。待遇の公平性を図る2つの基準は、待遇を同じにする「均等待遇」と待遇をバランスのとれたものにする「均衡待遇」がある。派遣社員の待遇は、派遣社員と派遣先の労働者の賃金・待遇の情報提供を行い均等・均衡させる「派遣先均等・均衡方式」か、派遣元企業と派遣社員が労使協定を結ぶ「派遣元労使協定方式」のいずれかによって確保することが義務づけられた。「派遣先均等・均衡方式」の課題は、派遣先企業が待遇・賃金等の情報を正しく提供してもらうことと、派遣社員が派遣先の会社へ異動の都度、賃金が変動する不安定さがある。「派遣元労使協定方式」は、派遣元会社の規模の大きさによる賃金の変動を防ぐために、地域の職種別賃金データに基づいて賃金を算出する基準値を毎年決めている。「派遣元労使協定方式」を採用している派遣事業者の割合は、90%以上を占める。

派遣社員への意識(アンケート結果)

 派遣社員へ2021年に意識調査(実施・公表:(一社)日本人材派遣協会)した結果は次の通り。勤務形態は1日7.5~8時間の週5日勤務が主流で、約6割が残業なし。賃金は、大都市圏の平均で1,500~1,750円未満が約半数を占める。労働契約の種類は8割弱が有期労働契約で、無期は2割弱。期間は3か月が6割弱で最も多い。派遣で働く理由は、「働く時間や時間帯を選べるため」が約42%、「働く時期や期間を選べるため」が約38%となった。派遣形態で働いている約半数は、「派遣」という働き方を気に入っているとのことで、日本人材派遣協会 中部地域協議会としても、その魅力をもっとPRしていきたい。

人材派遣業界の課題

 課題は大きく3つあり、まず派遣社員の自己実現をするために、将来への展望を描く事を支援するキャリアコンサルティング等を推進していくこと。次に、産業構造の転換として、ITなどの成長産業への労働移行を促す「リスキリング」をはじめとしたキャリア形成支援を行うこと。最後に、変わりゆく働き方への支援として、多様な働き方と就業機会の提供を通じて、いきいきと幸せを感じながら働ける環境の構築が求められる。こうした課題に対し、日本人材派遣協会は派遣元企業へ「コンプライアンス支援」と「派遣社員へのキャリア形成支援のサポート」を中心に派遣事業の健全な発展を目的に会員の適正な事業運営を支援している。また地域協議会として、日本人材派遣協会そして地域の行政と連携し、業界の適正化を図るよう努めている。
 また、一定の基準を満たした派遣事業者を「優良派遣事業者」として認定する優良派遣事業者認定制度がある。狙いは、派遣会社は優良な事業者として認定され、派遣社員や派遣先企業は信頼性のある派遣会社を選択できるメリットがある。今後、派遣会社を選ぶ基準としてこの制度を覚えて欲しい。全国で認定事業者数は151社。今後、業界の発展を目指し、こうした認定される事業者の数を増やしていかなければならない。

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【4年7月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 SDGsと食文化の考察 』

  • 日  時:令和4年7月12日(火) 12時30分~14時30分
  • 場  所:名古屋観光ホテル 桂の間
  • 参加者:29名

スピーカー:

写真:富田 茂氏
富田 茂(とみた しげる)
キャリオ技研株式会社
代表取締役
写真:屬 ゆみ子氏
屬 ゆみ子(さっか ゆみこ)
長瀬電気工業株式会社
代表取締役

コメンテーター(Web):

写真:曾根 輝雄氏
曾根 輝雄(そね てるお)
国立大学法人北海道大学大学院農学研究
教授

 7月はいつもと趣向を変えてワインセミナーを開催した。ワインといえば富田世話人、そして、北海道でワイナリーを計画中の屬氏。そのワイナリーで屬氏に協力している北海道大学の曾根教授より「北海道のワインの現状と北海道大学の取り組み」についてご紹介頂いた。富田世話人と屬氏から提供して頂いた北海道産の7種類のワインを試飲し、味の違いを堪能して、盛大に開催された。

北海道のワインの現状(曾根教授)

 現在の北海道のワイナリーは53ヶ所ある。1963年の北海道池田町の十勝ワインが最初で、2000年においてもまだ10ヶ所以下であった。しかし、三笠市の山崎ワイナリーでピノ・ノワールのワインが造れるようになったことがきっかけで注目を浴び、急増した。特にこの10年で約3倍増えた。
 北海道にあるワイナリーは、池田町やウイスキーで有名な余市町が多い。北見市にもできるようになり徐々に北海道全体に拡大している。その要因は北海道の気温が関連し、温暖化によって北海道でワインブドウが栽培できる適地が増えたからである。その中でも、地域によって様々な温度帯があるため、多用な品種のワインブドウを栽培し、地域毎に特性のあるワインが製造できるようになった。
 ワインの品種の構成は、白ワインはケルナーやシャルドネが多く、赤ワインは、ツバイゲルトやピノ・ノワール、山幸が多い。山幸は、ワイン醸造用ブドウ品種に山ブドウを掛け合わせたハイブリッドの品種で、耐寒性に優れEUでも認められ輸出している。
 北海道のワイン造りで難しい点は、積雪と寒さ。積雪は約2メートルにのぼるため、積雪中は何も作業ができない。雪の中の方が外気より寒くないため、ブドウの幹を雪に埋めることで寿命を延ばす対策を行っている。また、雪が少ない池田町では、寒さを防ぐために、清見という品種では幹を土に埋めて寒さを凌いでいる。

北海道大学の取り組み(曾根教授)

 北海道大学では、ブドウの栽培からワインの販売まで多岐にわたる課題を解決するために、2021年4月に道内企業やワイナリーからの寄附により、ヌーヴェルヴァーグ研究室を設置し、寄附講座を開設した。寄附講座では、教育の観点から北海道ワインを認知してもらうために、大学院での講義や学生をワイナリーに連れて行き、きっかけ作りを行っている。また、微生物を網羅的に解析するための研究や、シンポジウムの開催、博物館での展示等の交流を実施している。
 2022年4月には、当大学内に北海道ワイン教育研究センターを立ち上げて組織的に推進する体制を整えた。このセンターが入る予定の建物は、当大学の古い建物を改修して活用し、その中にラボやワインの販売、カフェ等に改築する計画である。北海道のワイン生産者は小規模であるため売店を持っておらず、このセンターに集約し、ワインの販売や集会を開いて交流できるような場にしていきたい。改修費は約3億円が必要であるため皆様の寄附のお力添えを頂きたい。20万円寄附頂くと返礼品(北大に関連があるハムやソーセージ、シードル)がある。興味があればHPを見て欲しい。

屬氏の北海道ワイン造り

 私がワイン造りを進めようとしている場所は、十勝岳の麓にある空知郡中富良野町ベベルイ。ベベルイはアイヌ語で水が集まるところを意味しており、ワイン造りに適しているのではないかと思っている。中富良野にある「ドメーヌレゾン」のワインを飲み、美味しさに驚き自分で造りたいと思ったことが、ワイン造りのきっかけ。お借りした(農地は農業免許がないと購入不可)約5haの土地はまだ手つかずの原野であったため、曾根教授や地質学の教授らと共に地質調査を行い、土をショベルで掘りながらワイン造りに適切な場所を探した。この土地は火山灰を含む良い土壌だと判明し、今後大変なこともあると思うがワイン造りを楽しみにしている。来年、ブドウの植樹(ケルナー300本、シャルドネ100本)をしていきたい。天候不順が原因でブドウの苗が育たず、争奪戦になっており調達が難しいのが気がかり。(「ひつじの丘」から見える芦別岳を眺望し、昼食でミルクラム肉を食べることが私のルーティーン)
 また、上富良野町にある多田農園のピノ・ノワールを飲み、エレガントな赤ワインが造れることに感動したため、自分もチャレンジしてみたい。実はフランスで最も有名な女性醸造家であるマダム・ルロワ氏にお手紙を書いた所、お返事を頂くことができた。手紙の内容は「北海道は期待のできる地域。良い場所と良い仕事を手に入れたわね。」と。来年直接会いに行ければと思っている。今回持ってきたワインを試飲して頂ければわかると思うが、北海道ワインの品質や味のレベルも上がってきているので、これからを楽しみにして頂きたい。

北海道池田町のワイン(富田氏)

 自社の関連会社が北海道の大樹町にあり、近隣の池田町でワインを造っている所があると聞いたのがきっかけで、十勝ワインに出会った。「いけだワイン城」は訪れて欲しいスポット。池田町のワインの品種は山ブドウがメインで、池田町を救ったワインと言われている。数量限定でなかなか販売していないが、山幸の山ブドウを使った「ジュエル オブ トカチ」が非常に美味しく、皆さんに是非一度味わって頂きたいと思い、本日の会を企画した。

写真:ワイン
提供いただいた北海道産のワイン
写真:参加者の様子
試飲しながら聴講する参加者
(感染防止対策を講じて開催)

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【4年7月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 「失望」と「感動」の海外駐在生活 』

  • 日  時:令和4年7月13日(水) 12時30分~14時30分
  • 場  所:名古屋観光ホテル 桂の間
  • 参加者:22名
スピーカー:
安藤 仁志(あんどう ひとし)
安藤株式会社
取締役社長
写真:安藤 仁志氏

会社紹介

 当社は1937年に機械工具商の安藤商店として祖父が創業を開始し、今年で創業85周年を迎えた。祖父からの言葉、「商売をするには信用が如何に大切であるか。信用こそ無形の財産である」を大事にしている。1952年に法人として改め安藤工具株式会社を設立し、そして現在は機械・切削・測定工具の総合商社として事業を行う。
 創業2年後の1939年にタップやダイスといった工具の製作を開始し、満州向けに販売して好調であった。しかし、1940年に七七禁止令が発令され、満州への輸出が全面禁止となってしまった。また、1943年にだいこく航機製作所を設立し、零戦用の切削工具を製造した。しかし、名古屋大空襲で工場全焼により一宮へ疎開し、終戦と同時にだいこく航機製作所を解散して安藤工具製作所を設立するなど、不死鳥のように何度も立ち直ってきた歴史を持つ。

中国赴任の体験談

 2005年から2015年の間、中国とインドネシアで会社設立に携わった。この間は自分の無力さを感じる10年であり、一方で仕事の面白さを実感する期間でもあった。私は2003年に安藤株式会社に入社し、経理の仕事を経験後、社内に中国準備室が立ち上げられ異動することになった。中国進出のきっかけは、国内にある顧客からの要望があり進出することを決めた。現地会社の登記が完了し、経営や営業の経験がないまま赴任することになった。本社からのミッションは会社の立上げで、立上げるまでが期限であった。資本金14万ドルがなくなったら終了と言われた中で、初めての海外赴任がスタートした。当時の中国は、GDPランキングで日本より下の第5位に位置しており、発展途上の国であった。赴任当時はスーツを着ており、よくホテルマンに間違えられたことを今でも覚えている。
 中国の事務所は、社員5名が7坪の広さで仕事を行い、かなり手狭な状態であった。中国人の給料も日本とは異なり、給与の決定に社員との交渉が必要で苦労したが、その時採用した社員が中国の会社の礎になってくれた。当時私は海外駐在員がはまりやすい罠を知らずに仕事をしていた。例えば、残業をしない社員を働かない社員と決めつけたり、依頼した仕事が実行されていないことが多々あった。仕事の頼み方やコミュニケーションの取り方が日本と大きく違うことに悩み、会社が上手く進んでいるとは思っていなかったが、なぜか業績は好調だった。その理由は、当時中国へ新規進出する日系企業が多く、日本語で細かい対応ができる企業が少なく非常に喜ばれた。また、日本製の工具自体に需要があり、引き合いが多かったことが功を奏した。
 しかし責任者の不正が発覚し、自分自身が総経理を担うことになった。これまで営業メインで仕事を行ってきたが、他の会社の駐在員から駐在員の仕事は経営だと教えて頂いた。以後、本をたくさん読みながら経営について勉強するようになった。その時参考にしていたのが、稲盛和夫氏の本だった。経営とは、売上の最大化と経費の最小化をすることだと書かれており、未熟者だった自分には心にしみ込むような言葉だった。また、松下幸之助氏の本からは、全ての悪因は自身にあると書かれており納得させられた。コミュニケーションの成立は受け手ではなく、送り手に責任があることを学び、言葉遣いや文脈に気をつけて仕事を行った。そこからリスタートし、社員と仲良くなることができ中国人からも数多くの事を教えてもらうなど好循環が生まれた。また、社員の規律を守るために初めて経営理念を作り手応えを感じることができた。
 2008年に北京オリンピックを迎え好調を維持していたが、直後に起こったリーマンショックが原因で、受注が約1/3、売上が約半分になった。中国人の社員にありのままの財務状況を伝えると、給与を下げることや所長を辞めると自ら発言があり、これほどまでに会社の事を考えてくれているのかと感動した。中国人と一緒に仕事をしてきた中で、中国人の心に火をつけるキラーワードは、「一起発展」。一緒に発展しようという意味で、これを実現できるとビジネスが上手くいきやすくなるだろう。

CHINA+1(インドネシア)での体験談

 中国リスクに対応するため、インドネシアを新たな海外進出先として決めた。インドネシアは人口2億4000万人、1人当たりのGDPが2500ドルを超えた。この2500ドルは、モータリゼーションが始まる境と言われ、バイク所有から自動車所有に変わる転換点である。さらに日系自動車占有率は90%を超え、若年層の人口も多く、市場としての魅力は十分にあった。
 海外に行ける人材は限られているため、私が行くことになった。中国の自信と失敗を糧に、インドネシアに乗り込んだが、開業の手続き中にコンサルティング会社から輸入ライセンスが取れないことを知らされ、いきなり洗礼を浴びることになった。インドネシアは、世界一渋滞がある国で、ビジネスインフラも整備されていなかった。特に治安が悪く、首都のメインストリートを歩くことも危険で、空き巣にも入られた経験がある。
 このような厳しい環境であるが、中国と同じようにインドネシア人の心に火を付けることができれば上手くいくと思った。少しずつ社員は成長を遂げたが、自動車販売台数はここ数年大きく伸びていないこともあり、業績はなかなか向上しなかった。しかし急遽中国で緊急事態が起こり中国に戻ることになったが、残った社員が一丸となったことで黒字化を達成した。中国の問題にも対処し日本に帰任することになった。これが私の海外赴任の体験談である。

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【4年7月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 パイプのおはなし 』

  • 日  時:令和4年7月20日(水) 12時30分~14時30分
  • 場  所:若宮の杜 迎賓館
  • 参加者:22名
スピーカー:
岡島 威彦(おかじま たけひこ)
株式会社岡島パイプ製作所
取締役社長
写真:岡島 威彦氏

会社紹介

 1940年に祖父が創業を開始した。当時どのようにパイプを製造していたかは、戦争や伊勢湾台風で資料の多くがなくなってしまいわからない部分も多いが、わずかに残った資料を見ると、パイプ(電縫管溶接)の製造方法はアセチレンガス溶接→高周波電気溶接→TIG溶接→レーザー溶接へ大きく変化している。現在当社では、高周波誘導抵抗溶接、TIG溶接、レーザー溶接の3つの方法によって「機械構造用鋼管」の専門メーカーとして活動している。
 2020年に80周年を迎え、顧客への日頃の感謝を込めて特別な記念品をお渡しすることにした。ものづくりの会社としてプライドを結集し、自社で製造できるものを1から作ってプレゼントしようと思い、約2年間の歳月をかけて、大きさの異なる3種類のチタン製のストローを製造した。本日の産業懇談会にご参加頂いた皆様にお配りしたストローはこの時の1つである。もし良ければ使用して欲しい。
 本社は愛知県東海市、工場は東浦町にある。日本国内の生産拠点は1か所のみで、ここから日本全国に出荷している。海外子会社は、タイとインドネシアに製造拠点を持つ。創業当時は、アセチレン溶接による自転車用溶接鋼管を製造していた。

当社が扱うパイプとは

 鋼管には用途に合わせて様々な種類があり、直径が大きく分厚い石油パイプラインに使用されるものから、直径が小さい注射器の針まで多様である。その中で、当社が扱う製品は、極めて肉厚薄くて、極めて細いものにダーゲットに絞り製造している。一番細いものは直径4mmら扱う。
 創業時は自転車のブレーキやペダルなどの自転車部品から製造を開始し、徐々に自転車部品の範囲を広げている。自転車部品以外では、自動車用としてシートスレイドレバーやサンバイザー、ヘッドレスト等に使用されている。ヘッドレストは、鋼材使用量削減や軽量化して燃費を向上させるために、薄肉パイプに変化した。
 当社で最先端の新しい用途として、アンモニアを使い海水を吸い込んで冷却する熱交換器の部品に、今年度からチタン管を使用して頂くことになった。これまでのステンレス製の配管では、長期間使用すると腐食し劣化してしまっていたが、チタン管を使用することで防ぐことができる。脱炭素社会においてアンモニアは大きな役割を果たすため、それを支えるためにもチタン管は有効ではないかと思う。チタン管は、まだまだ未開発な部分が多く、今後様々な用途で利用できないか期待している。その他に、スタッキングチェアや給湯機、ガスコンロ、日本製のトンカチやバールに当社のパイプが使用されている。
 当社は、1年間で約110,000kmのパイプを製造する。これは地球約3周分の長さを1年間に製造していることになる。そして、売上は2000年から2021年にかけて約1.5倍に増加した。さらに近年では、ステンレスや特殊鋼の需要が増えており、この20年間で商品の構成は大きく変化した。

パイプの製造や溶接方法

 パイプを製造する造管機の全長は約120mあり、平らな鉄板を投入して両端から曲げていき、包み込むような形で管状にしてパイプを製造する。一番のキーポイントは、両端を溶かして溶接する部分。溶接方法は年々変化しており、高周波の発信器から溶接部分に電流を流して溶接する非接触型の高周波誘導抵抗溶接がある。非接触型の溶接方法は傷がつきにくく、パイプの品質を高める特徴がある。高周波発信器は、家庭用電子レンジ約500台分の出力をかけて溶接をしている。
 また、チタンやステンレスを溶接するTIG溶接やレーザー溶接は、ゆっくり、じっくり加熱しながらパイプを製造していく。TIG溶接はタングステン電極から接合部分に雷を落とすような形で電流を流して溶接し、レーザー溶接はレーザーを接合部分に当てて溶接する。TIGやレーザー溶接の特徴は、合金であるため非常に酸素と結びつきやすい点がある。酸化を防ぐためにアルゴンガス等を注入して酸素と結びつかないようにすることで、安定した溶接が可能となる。当社は他社と異なり、全量受注生産で製造していることも特徴の1つ。

今後の取り組み

 「We are everywhere」当社のパイプは、様々な部分に使用されている。お客様が抱える問題の解決に役立つパイプを提供することを常に考えて事業を行う。「小径、薄肉、精密鋼管」の専門メーカーとしてこだわりを持ち、小径、薄肉鋼管のNo.1目指す。一方で変わらなければいけないことは、成功体験からの脱却やカーボンニュートラル時代への備え、DXによる人間中心の業務改革、SDGsに向けた取り組みや商品の提供を、今後も取り組んでいきたい。
 CO2排出量を削減するために、生産設備の合理化(エネルギー使用量の削減)や社有車をEV車等に変更(化石燃料の使用量の削減)、太陽光パネルの設置(再生可能エネルギーの活用)を行う。2013年のCO2排出量を基準として100とした場合、2030年には半分にしたい。2020年までに18%の削減ができた。太陽光パネル(2022年秋に稼働予定)を設置すれば25%削減できる。今後も積極的にCO2削減に向けて取り組んでいきたい。

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【新会員自己紹介】

写真:磯野 正幸氏
火曜グループ
磯野 正幸(いその まさゆき)
いその株式会社
代表取締役

【いその株式会社】
〒461-8630 名古屋市東区相生町55番地
URL:http://isono21.co.jp/

 いその株式会社の磯野正幸と申します。この度入会のご承認を頂き、産業懇談会火曜グループに参加させて頂くことになりました。
 アカデミックなこの会で、多くの人々と交流し、自分の知らない世界に触れていきたく思っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 弊社は、「今こそ地球に恩返し」を合言葉に高品質なマテリアルリサイクル樹脂を提供しております。廃プラスチックの高度リサイクルを通じてCO2削減に努め、気候変動をはじめとする地球環境の改善に取り組んでいます。廃車からリサイクル可能なプラスチック部品を回収し、マテリアルリサイクルによって新たに原材料素材として命を与えるCARTOCARのクローズドリサイクルの仕組みを日本で初めて構築しました。弊社はこれからも国内循環リサイクルを担う再生樹脂メーカーとして、2050年のカーボンニュートラルに貢献して参ります。どうぞよろしくお願いします。

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写真:魚住 吉博氏
水曜第1グループ
魚住 吉博(うおずみ よしひろ)
フタバ産業株式会社
代表取締役社長

【フタバ産業株式会社】
〒444-8558 愛知県岡崎市橋目町字御茶屋1番地
URL:https://www.futabasangyo.com/

  • 当社は創業1945年、自動車用のボデー骨格部品、排気系部品などの開発、生産、販売をしている会社です。
  • 自動車部品以外では、温室暖房で発生するCO2を農産物に施用するシステム(商品名:agleaf)の開発、販売や、農建機エンジン用の排気浄化装置(DPF)の開発、生産、販売も行っています。
  • 私は2022年6月株主総会にて代表取締役社長に就任しました。
  • 2021年、トヨタ自動車からフタバ産業に転籍しました。
  • トヨタでは主に生産管理や製造分野を経験してまいりました。
  • 趣味は登山、旅行、映画・音楽鑑賞やスポーツ観戦ですが、どの場面でもお酒と会話があります。
  • 皆様のお仲間に入れていただいて、コミュニケーションができることを楽しみにしています。

宜しくお願いいたします。

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写真:小坂 信之氏
水曜第1グループ
小坂 信之(こさか のぶゆき)
一般社団法人中部産業連盟 専務理事
環境パートナーシップ・CLOB(EPOC) 総合事務局長

【一般社団法人中部産業連盟】
〒461-8580 名古屋市東区白壁3-12-13
URL:https://www.chusanren.or.jp

 中部産業連盟(略称・中産連)の小坂信之と申します。この度、入会のご承認を頂き、産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。
■中産連の紹介
 中部産業連盟は1948年、経済産業省(旧商工省)所管の公益法人として設立され、その前身である新産業連盟が掲げた産業界の復興・発展という大志を受け継ぎ、会員の皆様に支えられ、主として中部圏における経営に関する調査、研究、人材育成、診断指導及びその普及等を行うことにより、経営の合理化・近代化を図り、もってわが国経済の発展に寄与することを使命として活動しております。
■自己紹介
 私、中産連に入職して33年になりますが、東京事業部に30年間在籍し、2年前に東京から異動してきました。右も左も錦三もわからない、かつパンデミックで世の中が右往左往する中で専務理事に就任しましたが、中部経済同友会の会員は前専務理事の小川勝美が継続し本年7月に交替しました。還暦過ぎての単身赴任は、厳しい反面、気兼ねなく、料理に挑戦・苦闘しております。趣味はゴルフですが、うまくならないから続いています。打数制限がなければ、ゆくゆくは合同懇親ゴルフにも申し込みしたいと思っていますが、まずは産業懇談会などへ出席してからと考えています。
 経営環境は急速に劇的に変化している中、企業の未来を形づくる要素として、地球環境負荷の増加、デジタルを中心としたテクノロジーの進展、国内生産年齢人口の減少にどのように対応しながら、大変革期を生き抜くのか、その舵取りと人づくりのためにこれから中部経済同友会で学び、交流させて頂ければと思います。
 何卒よろしくお願いします。

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写真:海老 祐輔氏
水曜第2グループ
海老 祐輔(えび ゆうすけ)
NTT西日本アセット・プランニング
取締役 東海支店長

【NTT西日本アセット・プランニング東海支店】
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄二丁目8番25号 NTT広小路ビル
URL:https://www.ntt-ap.co.jp/

 NTT西日本アセット・プランニング東海支店の海老と申します。
 当社は、NTTグループが所有する不動産の有効利活用を行い、お客様のニーズにあった物件の提供や、不動産物件の仲介などを中心に事業を展開しています。
 また、最近ではNTTグループが所有する不動産だけに関わらず、企業様の保有する不動産の有効利活用についても事業を拡大しており、東海エリアのまちづくりの発展に貢献できるよう取り組んでおります。
 私の趣味は知らない街を開拓することで、週末になると大型バイクや自転車(ロードバイク)に乗りながら、地域の歴史や文化、美味しい食べ物を探し、出歩いています。
 皆さま、どうぞよろしくお願い致します。

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写真:佐藤 順一氏
水曜第2グループ
佐藤 順一(さとう じゅんいち)
東急建設株式会社 名古屋支店
執行役員支店長

【東急建設株式会社 名古屋支店】
〒460-0002 名古屋市中区丸の内3-22-24 名古屋桜通ビル8階
URL:https://www.tokyu-cnst.co.jp/

 皆さま、こんにちは。東急建設株式会社の佐藤順一と申します。1965年の巳年生まれです。
 本年7月に首都圏より赴任して参りまして、中部地区初めての勤務となります。
 首都圏では建築の法人営業を担当しておりました。

 当社は、東急グループの建設会社として1959年に設立し、今年で63年目を迎えました。
 ゼネコンの中では比較的に社歴が浅い会社で、戦後の首都復興における東京の人口集中という社会課題の解決が当社の起源であり、これまで国内外の様々な地域において、様々な社会課題の解決に取り組んできました。
 一昨年、当社は新たな企業ビジョン「VISION2030」を策定しました。あらためて会社設立時の起源に遡り、「ゼロへ挑み、ゼロから挑み、環境と感動を未来へ建て続ける」を掲げ、気候変動やSDGsへなどの社会課題解決に向け、建設事業をさらに深化させるとともに、新たな事業領域において価値創造に向けた探索を実行しています。

 私は、体を動かすのが好きで、30台半ばで一念発起し、極真空手道場に入門して、41歳の時に初段を取得しました。
 また、息子が小学4年生でラグビースクールに入会したのをきっかけに、未経験ながらもミニラグビーのコーチとして、約10年間ラグビーに関わりました。
 営業部への配属となってこの16年は道場からもグラウンドからも足が遠のいてしまい、その頃に蓄えた体幹や基礎体力といった貯金はすっかり底をつき形を変えてしまい、現在はゴルフが主な活動となっています。
 仕事で始めたゴルフですが今では趣味に変わりまして、ゴルフクラブのセッティングやスイング理論などを日々研究し、ゴルフ侍は欠かさず視聴しています。
 グループの活動を通して、皆さまとの交流を深めていければと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

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写真:田畑 智也氏
木曜グループ
田畑 智也(たばた ともや)
株式会社NTTドコモ
東海支社長

【株式会社NTTドコモ】
〒461-8565 名古屋市東区東桜1-1-10 アーバンネット名古屋ビル
URL:https://www.docomo.ne.jp/

 この度は、中部経済同友会 産業懇談会へ入会させていただき、誠にありがとうございます。NTTドコモ東海支社長の田畑智也と申します。高木の後任として着任いたしました。どうぞよろしくお願いいたします。
 私は入社以来、通信料金戦略の策定や省庁対応といった専門的な業務を長く担当してまいりました関係から東京での勤務が長く、名古屋での生活は初めてでございます。
 微力ながら名古屋のさらなる発展に少しでもお役に立てるよう、事業活動等に努めてまいります。歴史あるこの名古屋の地でいろいろな方々と知り合い、文化や自然などに触れながら、新たな生活を楽しみたいと考えております。
 趣味は旅行やテニスです。旅行は愛犬と一緒に車で各所を巡っております。テニスは健康のため続けております。
 今後、様々な機会を通してご指導ご鞭撻を賜りたいと存じます。また、名古屋のおいしい物等ぜひ教えていただきたいと存じます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

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写真:木下 学氏
木曜グループ
木下 学(きした まなぶ)
株式会社NTTファシリティーズ
東海支店長

【株式会社NTTファシリティーズ 西日本事業本部 東海支店】
〒456-0016 愛知県名古屋市熱田区五本松町7-30熱田メディアウィング5F
URL:https://www.ntt-f.co.jp/

 NTTファシリティーズ東海支店の木下と申します。この度、産業懇談会木曜グループに参加させて頂くことになりました。よろしくお願いします。
 私は、1967年4月に静岡県掛川市で生まれ、1992年4月に株式会社NTTファシリティーズ(当時、NTT建築部)に入社しました。
 入社後は、18年間研究開発部に所属し、主に情報通信ビルやデータセンターなどの室内温度、湿度を適正に維持する空調や気流に関する研究開発を行ってきました。以降は営業、企画、国際などの部署で勤務した後、西日本電信電話株式会社に出向し、4年間建物の整備計画、維持管理計画の策定や建物の有効活用を含めたグランドデザインの策定などを担当していました。2022年6月に、4年ぶりにNTTファシリティーズに戻り、東海支店で勤務することになりました。
 静岡県生まれではありますが、掛川生活は高校生までのため、静岡県さらには東海エリアの情報は多くありません。名古屋は初めての勤務地、住まいでもあるので、これから話を聞き、現地を見るなどして、情報を増やしていきたいと考えています。また、東海エリアには安くてきれいなゴルフ場が多いと聞いています。仕事に加え、ゴルフの腕前も上げられるよう名古屋での生活を楽しみないと考えています。
 これから、よろしくお願いします。

資格等
 博士(工学)
 設備設計一級建築士
 一級建築士
 建築設備士
 CASBEE建築評価員

会社紹介
 当社は、日本の情報通信社会を支え続けてきた実績と施設全般に関わるコンサルティング、企画、設計、維持管理などのエンジニアリングプロセスからなる技術力を駆使することで、社会が抱える様々な課題と真摯に向き合い、お客さまとともに解決しています。
 また、建築、エネルギー、ICTなど、さまざまな分野のスペシャリストが施設の安定化および高品質な運営の実現に向けて、以下の4つの視点から解決策を提案しています。

  • 先進のICT技術とクリーン・エネルギー技術を組み合わせ、環境負荷の低減と快適性を両立させた建物・施設づくりを提案。企業の環境経営を強力にサポートしていきます。
  • 最新の技術を活用したオフィス環境づくりや感染対策など、ニューノーマル時代にフィットしたワークスタイルを推進。企業の働き方改革、知的生産性向上を実現します。
  • 土地や建物など、ファシリティの企画・コンサルから保守・維持管理までをトータルにサポートすることで、運用コストを抑えつつ資産価値を向上させ、健全な企業経営に広く貢献します。
  • 地震や停電、水害など、不測の事態に対しても動きつづける企業システムをコンサル・設計することで、長年にわたって培ったノウハウを活用し、企業の安心・安全を支えます。

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写真:渡邊 広志氏
木曜グループ
渡邊 広志(わたなべ ひろし)
中電クラビス株式会社
代表取締役社長

【中電クラビス株式会社】
〒460-0008 名古屋市中区栄二丁目2番5号 電気文化会館内
URL:https://www.chudenkbs.co.jp

 弊社は昭和28年に中部電力の関係会社として創業し、電柱広告・野立広告をはじめとする広告の販売、企業向けのメディア活用やブランディングなどの広告代理業、「でんきの科学館」をはじめとするPR館の運営受託、また保険代理業など、様々な商品やサービスを取り扱う「総合サービス企業」として発展してまいりました。
 近年、新型コロナウイルスの影響やデジタル化の加速等により私たちを取り巻く事業環境は急速かつ大幅に変化しています。そのような中にあって私たち「中電クラビス」は「人をつなぐ。まちをつなぐ。未来をつなぐ。」企業として、スピード感をもってお客さまの期待にお応えするとともに、時代の変化を的確に捉えた新たな事業領域にもチャレンジすることにより、SDGs11番目の目標である「住み続けられるまちづくり」を目指し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。これからも変わらぬご愛顧を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
 最後に、私は天体観望が趣味で、休日などは光害の少ない郊外へ出かけ、友人たちとキャンプをしながら天体観望(主に星雲星団の写真撮影)を行っております。また所属するNPO団体では、子供向け天体教室なども行っております。
 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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【9月度産業懇談会のご案内】

 9月度産業懇談会は、下記のとおり開催いたします。
 定員は引き続き、先着30名を目安に、会場収容人数の50%となるよう運営します。
 何卒、ご理解・ご協力賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 会合にご参加いただける際は、マスクのご着用・手洗い、積極的なアルコール消毒の励行にご協力ください。発熱の症状がみられるなど体調不良の方は、ご参加をお控えいただきますようお願いいたします。

グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

9月13日(火)
12:30~14:30

『ハイブリッドワーク化における情報共有の新たな考え方』
サイボウズ株式会社 取締役
中部営業グループ 名古屋オフィス 所長
吉原 克志 氏

名古屋観光
ホテル
3階 桂の間

水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

9月21日(水)
12:30~14:30

『「これからのコロナウイルス感染症対応」と「こども政策の推進」』
衆議院議員 橋本 岳 氏

名古屋観光
ホテル
3階 桂の間

水曜第2グループ

大倉偉作
香川裕子
高見祐次

9月14日(水)
12:30~14:30

『ミッドランドスクエア シネマ 見学会』

蔵人厨 ねのひ
名古屋駅前店

木曜グループ

河村嘉男
中林直子
吉田憲三

9月1日(木)
12:30~14:30

『まさかの時代を乗り越える組織創り
~システミック・コーチングTMによる組織改革~』
学校法人佑愛学園 愛知医療学院短期大学
ゆうあいリハビリクリニック 理事長 丹羽 司一 氏
学校法人佑愛学園 愛知医療学院短期大学
ゆうあいクリニック・デイケアセンター
ゆうあいこども園 学長 石川 清 氏

名古屋観光
ホテル
3階 桂の間

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【産業懇談会4グループ合同懇親ゴルフ会
のご案内】

 平素は中部経済同友会・産業懇談会の活動にご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 恒例となっております4グループ合同の懇親ゴルフ会を下記のとおり開催いたします。

日時
令和4年10月1日(土) 9:00スタート
場所
明智ゴルフ倶楽部かしおゴルフ場
対象者
代表幹事、直前代表幹事、産業懇談会会員
(参加者は会員限りとし、代理出席はお断りさせていただきます)
備考
定員に到達次第、募集を締め切りさせていただきます。
ご参加される方には、別途詳細のご案内を送付いたします。

※定員に到達したため、申込みを締め切りいたしました※

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【産業懇談会4グループ合同懇親会】

 平素は中部経済同友会・産業懇談会の活動にご支援を賜り、誠にありがとうございます。
 恒例の4グループ合同懇親会について下記の通りご案内申し上げます。
 今回は火曜グループの企画により、「即席寄席」を開催いたします。
 落語家の笑福亭鶴笑氏、江戸曲独楽回しの柳家三亀司氏、講談師の旭堂鱗林氏をお招きし、日本の伝統芸能を披露していただきます。
 笑福亭鶴笑氏は、人形を駆使したパペット落語を発明し世界各国で公演を続ける国際派落語家として活躍しておられます。柳家三亀司氏は、江戸曲独楽・獅子舞・漫談・腹話術・司会など多彩な芸で大須演芸場を中心に活動しておられ、旭堂鱗林氏は、藤井聡太五冠を題材にした講談「藤井聡太物語」を各地で口演しておられます。
 “笑い”の芸能・落語は戦乱の時代に生まれ、ストレスの多い時代に発展してきたといわれます。コロナ禍でストレスフルな環境にありますが、こんな時代だからこそ、寄席に親しんでみてはいかがでしょうか。ぜひともご出席くださいますようお願い申し上げます。
 新型コロナウイルス感染防止のため、定員を設け、産業懇談会会員本人のみご案内しております。なお、緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の適用等により、開催方法が変更になりましたら、改めてご案内いたします。

日時
令和4年10月4日(火) 17:30~20:00
場所
名古屋マリオットアソシアホテル16階 アイリス
定員
産業懇談会会員 先着65名
(本会方針および会場の収容人数から定員を設けさせていただきます。)
会費
お一人 12,000円(後日請求させていただきます)
スケジュール
17:30~18:30 ご公演
  • 落語家 笑福亭鶴笑しょうふくていかくしょう
  • 江戸曲独楽回し 柳家三亀司やなぎやみきじ
  • 講談師 旭堂鱗林きょくどうりんりん
18:40~20:00 懇親会(着席コース料理の予定)
その他
  • お申し込みは会員専用ページから9月16日(金)までにお申込願います。
  • お申込後のキャンセルは、9月30日(金)午前中までにお願いいたします。
    それ以降のお取り消しは会費を申し受けますのでご了承願います。
お問い合わせ先
担当:鶴田・菱川 Tel:052-221-8901 FAX:052-221-8925

本会会合にご参加いただける際は、マスクのご着用・手洗い、積極的なアルコール消毒の励行にご協力ください。発熱の症状がみられるなど体調不良の方は、ご参加をお控えいただきますようお願いいたします。

<公演者ご紹介>

笑福亭鶴笑(しょうふくてい かくしょう)氏/落語家

写真:笑福亭鶴笑氏

 落語家。兵庫県出身。六代目笑福亭松鶴に入門。髪型落語協会所属。1998年今までの落語をより楽しめるよう、手作り人形を使った”パペット落語”を発明。2000年シンガポールへ移住。パペット落語を中心に英語をはじめとして現地の言葉で落語を演じ、海外での落語・日本文化の普及に努める。2004年イギリスに文化交流市使として渡り、ロンドンを活動拠点とする。2008年活動拠点を日本に戻し、繁昌亭大賞爆笑賞を受賞。2015年パペット落語で厚労省/児童福祉文化特別推進賞受賞。ほか国内外で多数受賞。
 日本人として初めて世界三大コメディーフェスティバルを制覇したほか、芸術選奨文 文部科学大臣新人賞(2002年)をはじめ海外での大きな賞も多数。

柳家三亀司(やなぎや みきじ)氏/江戸曲独楽回し

写真:柳家三亀司氏

 1978年(昭和53年)、柳家小三亀松に入門し、江戸曲独楽をはじめとした芸を習得して大須演芸場を中心に活動。1986年(昭和61年)には日本ボクシングコミッション中部事務局に所属してリングアナウンサーとなった。1994年(平成6年)には当時WBCバンダム級世界王者の座に在った薬師寺保栄と暫定世界王者・辰吉丈一郎との統一戦でリングアナを務めている。2010年(平成22年)には落語家の雷門獅篭、雷門幸福、雷門福三、講談師の古池鱗林(いずれも芸名は当時)と共に「東海地方に演芸を広げ隊」(通称:海演隊)を結成。2012年(平成24年)には大須大道町人祭に初参加した。2014年(平成26年)から、橋の下世界音楽祭(愛知県豊田市)にも参加、幅広く活動している。

旭堂鱗林(きょくどう りんりん)氏/講談師

写真:旭堂鱗林氏

 愛知県内の短期大学を卒業後、幼稚園教諭に。その後ブライダルコーディネーターを経験。1999年東海ラジオレポート・ドライバーとしてタレント活動をスタート。東海地方を中心にテレビ・ラジオ出演、司会業等を務める。2006年上方講談師 旭堂南鱗(きょくどうなんりん)の講談道場に通い、2009年には鱗の一字が与えられ古池鱗林としてタレント・講談師としての活動を始める。現在は瀬戸市出身の棋士、藤井聡太さんの生い立ちについて語る「藤井聡太物語」を各地で口演している。関西演芸協会所属。現在大須演芸場などに出演。愛西市観光大使・熱田区おしゃべり大使(広報大使)・白鳥庭園広報大使・名古屋観光文化交流特命大使・瀬戸広報大使。

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【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.50

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 長靴をはいたオバハン 』

 7月の末に、山形の苗畑に出かけた。ワイン醸造家では有名な「接木師」で、果樹種苗管理士という資格を有しているオーナーの畑だ。うちの農園にもぜひここから取り寄せをしたくてお願いをしている。全くの素人が始める畑なので、オーナーからぜひとも育生のアドバイスをと考えていたのだがタイミングが合わず、それでも苗を見たいと飛行機に飛び乗った。
 山形便は県営名古屋空港から、それこそバスにでも乗る感覚でお出かけできるのが楽…なのだが、チェックインしようとした瞬間、不気味なアナウンス
「ただいま山形は天候不順の為、着陸できない場合は名古屋空港に引き返す恐れがあります」
 んー、このところ集中豪雨だの線状降水帯だの北陸東北は大変なことになってるからなあ、と気象庁のナウキャストとにらめっこ。山形は、名古屋の快晴からは想像しがたい落雷祭り、2時間後の着陸時間予測を確認すると、何とか雲は逸れるか…こればっかりは賭け、とばかりに機内へ。
 いざ、雲を抜け山形上空まで到着するも、雲の上で大きく3度旋回する。きっと下界は大変なことになっているのだろう、引き返しもやむなしか…と思ったとき、4度目の旋回をしながら高度が下がり始めた。窓の外の雲間にほんの少しの切れ目、空港が見える!積乱雲の間隙を縫って、しかもほとんど揺れもせず、10分遅れで見事なランディング。久々パイロットの凄腕に感動!!機長の名前は聞きそびれたが、心の中で大拍手。

写真:葡萄の苗
すくすく育つ葡萄の苗

 雨上がりの山形は輝く緑色。青空と彼方の雲とのコントラストが夏のドライブを盛り上げてくれる。空港から南下すること1時間。長井市の小高い丘にある苗畑には、これまた元気に育つかわいい苗たち。来年私の畑にお引越しして来るのはどの子だろうと想像しつつ、悪天に負けないように祈りを込めて畑を後にした。
 その翌週、長井市で洪水が発生したとのニュース。オーナーは大丈夫かとメールすると、丘の方は大事ないとの事。難儀な気候だけれど、オーナー、畑とも無事に過ごされることを願うばかり。

写真:山形ヤリス 写真:北海道ヤリス
山形ヤリスと北海道ヤリス 旅の相棒

 そして8月、早めの休暇を取って北海道の畑の草刈りに出かけた。圃場整地をお願いすれば、草刈りなど含めて全部業者がやってくれるのだろうが、こればかりは私のこだわりで、最初のひと汗は自分でかきたかった。それが畑に対するオマージュだし、何より「草刈りも出来ない小娘に農業が出来るか!」なんて嫌味を言われないために、畑近くのホームセンターでエンジン付き草刈り機を購入し、説明書を見ながら悪戦苦闘すること30分、やっとエンジンが回転し(なんと筆頭代表幹事のスパークプラグがここにも使われていた)草刈りにかかる。ちなみにこのマシーン、草刈り機だけに「まさお」と命名。
 3か月も人の手が入らないと、これまたとんでもない雑草の成長ぶりで、空調服に作業ズボン、ヘルメット、ゴーグル、長靴のフル装備の私は、まさおを肩から担いで、10分もしないうちにプールから上がったかのように汗でずぶ濡れ。燃料満タンで90分連続使用ができるので、とにかく刈りまくろうと、ゴーグルに溜まる汗を落としながら刈り進む。これがかなりの没入感。刈ってるうちに脳の中にドーパミンが分泌されるのが分かるほど、コツをつかむと楽しいのだ。

写真:草刈り前の畑
before 刈る前
図形:矢印
写真:草刈り後の畑
After 3日で約11a
(約33m×33m)

ちなみにゴルフ、テニス、野球をされる方、きっとお上手だと思います。しかも刃の回転数は刈りこむ瞬間少し前、右手グリップでコントロール。大きなお庭をお持ちの方はぜひお試しください。
 農道すら草に埋もれ、車を止めるスペースもなくなっている畑。天候不順で毎日午後から雨模様だったので、午前中だけ刈り込みをして、作業着、長靴のまま、近くの温泉に汗を流しに行っていた。初日、温泉入り口の自動ドアに映る自分の姿を見て爆笑。頭からタオルをかけて、化粧は落ちて、汗だくカットソーに長靴。右手にはコンビニのビニール袋に入れた着替え…どこからどう見ても日雇い土方作業員にしか見えない。これは面白い!こんな私は今まで見たこともないぞ(笑)とウケすぎて、自撮りすることすら忘れていた(次回撮れたら公開します)。仕事帰りの温泉は程よく疲れを癒し、湯上りに北海道の美味しい牛乳を一気飲み。なんて健全な毎日、このまま1週間もいたら、この数年で付きまくった脂肪もさっさと落ちるだろう、GYMの年会費が浮くし…。と畑通いも板についてきたころ、我なりに良く刈ったとちょっぴり達成感に浸っていたが、「こっちじゃ家庭菜園レベルだなあ」と苦々しい一言が聞こえてくる。心配ご無用、まだ葡萄が収穫できるかどうかもわからないのに初期投資で失敗する気はございません。小さく生んで大きく育てますからね~と独り言ちて、さっそく来月の飛行機の予約を入れる。

 この旅も、いろいろな方に助けていただいた。前回産懇でご紹介したドメーヌレゾン(大阪資本)のスタッフとの有意義な情報交換、夕食難民になっている私を、近くのレストハウスまで連れてってくれたタクシーの運転手さん、また、いつも利用しているB&Bホテルの中国人オーナーは、私の草刈り機をホテルの倉庫で預かると申し出てくれた。広大な土地の中にあって他所からやってきて頑張る皆さんの姿に励まされ、感謝しきり。
 帰名の朝、ホテルのオーナーにまた来ることを告げると、「車の中で食べてね」と焼き立てパンを2個包んでくれた。そのさりげない優しさに手を振って、「よし。空港でパンとワインで一人宴会だ!」と車を走らせしばらくして、忘れものに気が付いた。昨夜飲み残したスパークリングワイン、ペットボトルに移し替え冷蔵庫で冷やしていて、持ってくるつもりだったのに!!すでに空港は目の前…。絶対何かやらかすな~、でもだから旅は楽しい。

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コラム2 【師、曰く】 No.15

妹尾 鷹幸(ペンネーム)
(株式会社構造計画研究所 名古屋支社長 妹尾(せのお) 義之)

ペンネームは、恩師、田坂広志先生の多重人格マネジメントの応用、作家人格の名。心に鳴り響く言葉を今回も一筆

『 一期一会 』

 今月から東京との兼務ではなく、名古屋支社専任となり愛知に居を移した。四年半、行ったり来たりの生活にも慣れてはいたが、晴れて愛知の地に根を張ることができる。親しい方々には、おめでとうと言って頂き、素直に嬉しい。つくづく愛知が好きなのだと感じていた。住処は無意識に決めていたようで即決し、幸いにも望みの物件があった。同時に、20年以上、住み慣れた神奈川の地を離れるのも、一抹の寂しさを感じたのも事実だ。今までの生活がこれからも続くものだと漠然と考えていて、愛知に居を構えることは先月までは想定外だった。未来は今の延長線上ではなく、時に、不連続に向きを変えるものだと、改めて思い出した。母が心配だが、息子らは自らの道を歩んでいる。友人知人など、今まで当たり前に接してきた方たちと、物理的に離れれば、疎遠になる方も多いだろう。そんなことを思うなか、ふと、この言葉を思い出した。一期一会。

 「一期一会」、この言葉なしには田坂講義は語れない。講義、講演に限らず、人とのご縁、あらゆることが「一期一会」であると言われる。考えてみれば、当たり前のこと。今、この瞬間は、同じものとしては二度とやって来ない。連綿と続く「今」この瞬間の繋がりが、人生を創ってゆくのだと、改めて思い出す。大切なことは、そのことを忘れずに「今」を生きているかどうか。田坂講義では、初回の講義で、このことを断言される。毎回、これが最後の講義だという覚悟で臨んでいるのだと。今、この瞬間を、「一期一会の真剣勝負」で「正対」しているのだと。明日、いや、次の瞬間、何があるかなど誰にもわからない。だからこそ、今、この講義に集まる一人一人に正対し、一期一会の真剣勝負をすると断言される。その真剣さは、嘘偽りないものとして、ひしひしと伝わってきたものだ。きっと、若かりし頃、死と向き合った大病の体験から得られた矜持だろう。No.03『人生の三つの真実』に記したが、人はいつ死ぬかわからないのだ。明日があるという保証など、何一つないのだ。だからこそ、今日、今、この瞬間に正対する。今を大切に生きる。人生を大切にする。

 人生を大切にするとは、どういうことか。今、目の前にいる人とのご縁を大切にすることだと言われる。確かにそうだろう。今、目の前にいる人との関係を、心から大事にして生きてきたならば、どれほど有意義で意味深い人間関係を創れただろうか。その人とのご縁は、常に、一期一会。 で、あるならば、そのご縁に正対して大切にすることこそ、悔いを残さない関係を創れるだろう。今からでも遅くはない。改めて気づいた今、目の前にいる人とのご縁を大切に、人生を大切にしてゆこうと思う。今、この瞬間、一期一会の真剣勝負に正対する。修行は続くよ、どこまでも。最後までお読み頂き、ありがとうございました。

写真:大山連峰
(南町田から大山連峰を望む)

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コラム3 【「ほん」のひとこと】 No.166

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

A 『 第二次世界大戦秘史 』 山崎雅弘著・朝日新書
B 『 戦争を始めるのは誰か 』 渡辺惣樹著・文春新書

 8月はどうしても戦争の本に目が行きます。ユニークな視点からの2冊をご紹介します。
 Aは、「今まであまり注目されてこなかった、ヨーロッパの『大国以外』とそこに隣接する中近東地域に目を向け、それぞれの国や地域がどのような形で第二次大戦に関与したのか、各国の政府や国民が何を目指して戦ったのかを、過去の歴史的経緯や地理的条件、民族問題にも目を配りながら、丁寧に解説していきます」。ポーランドからパレスチナまで、20か国を取り上げています。類書がほとんどありません。
 Bの副題には「歴史修正主義の真実」とありますが、ここで言う歴史修正主義とは、「戦前の日独をことさら評価する史観ではな」く、「米英両国の外交に過ちはなかったのか、あったとすれば何が問題だったのか、それを真摯に探ろうとする歴史観」のことです。それによれば、第二次世界大戦は、フランクリン・デラノ・ルーズベルト(米)とウィンストン・チャーチル(英)がその外交を間違えなければ起こらなかった不必要な戦争であった」とのことです。

 C.今月、Aと同じコンセプトで書かれた『太平洋戦争秘史―周辺国・植民地から見た「日本の戦争」』(山崎雅弘著・朝日新書)が発刊されました。

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