産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第212号 2020.1.31発行

メールマガジン■産懇宅配便■

令和2年1月度(第212号) 目次
【代表幹事年頭所感】
【元年11月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 11月27日(水) 12時00分〜14時00分
【2月度産業懇談会のご案内】
【3月度産業懇談会のご案内】
【コラム】
コラム1 【さっかの散歩道】 No.19
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.135
【お知らせ】
【代表幹事年頭所感】

 新春を迎えて

 年始にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 会員の皆様には、穏やかに新年をお迎えになられたことと存じ、心よりお慶び申し上げます。旧年中は、同友会活動に多大のご尽力とご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。

 さて、この1年を振り返りますと、なんといっても令和への改元が印象深い出来事でありました。改元は日本ならではの文化であり、時代を区切ることで人々が意識を切り替え、心機一転諸課題に取り組む大きなきっかけとすることができます。世界では、分断/対立構造の定着や格差の拡大、激甚化する自然災害、国内も経済社会構造の歪みが顕在化するなど、諸課題はますます複雑に絡み合っておりますが、国も我々経済人も改元をきっかけに真正面から向き合わねばなりません。幸い、本年の東京オリ・パラリンピックの他、その後も関西万博、愛知・名古屋アジア競技大会、リニア開通と、日本特に中部には要所要所にベンチマークとなるイベントが控えております。これらを原動力にギアを一段上げられるか、令和時代が最後のチャンスと覚悟を決め行動せねばなりません。

代表幹事 嶋尾 正氏
代表幹事 嶋尾 正

 こうした中、令和元年度の同友会活動は、「構想力と共創力で拓く中部の未来」をテーマに掲げ、当地を取り巻く諸課題を捉えなおし、未来社会への道筋をいかに描き取り組んでいくべきか検討を重ねてきました。いずれも解決への道のりは困難な構造的課題ばかりではありますが、皆様とともに研鑽に励み、自由闊達な議論を一層深め、今後とも会員の皆様にとって意義ある企画・運営になるよう努力してまいりたいと存じますので、引き続き多大なるご支援をよろしくお願い申し上げます。

 最後に、令和2年が平和で実り多い一年となりますよう、また会員の皆様のご健勝とご多幸を祈念して、年頭のご挨拶とさせていただきます。


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【元年11月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 海外進出企業と相手国との紛争の実態
               −投資仲裁事例を題材に− 』


日  時:令和元年11月27日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:34名

スピーカー:
石川 知子(いしかわ ともこ)
名古屋大学大学院 国際開発研究科 准教授
国際投資紛争解決センター 調停人(※)
(※)2017年に同センターの理事会議長を兼務する世界銀行総裁が指名した10名の調停人の一人

写真:奥村 学氏


■はじめに:投資仲裁とは
 本日は国際投資紛争の代表的な解決手段として25年ほど前から広く利用されるようになった「国際投資仲裁制度」を中心にお話させて頂く。国際投資仲裁とは外国投資家と投資受入国(被申し立て国・相手国)との間の投資に関する紛争を解決するための手段だ。投資仲裁が広く利用されるようになった理由には、相手国の国内裁判所で行われる国内裁判との比較で、(1)政治的中立性、(2)専門性といった国内裁判とは異なるメリットが存在することが挙げられる。
 まず国を相手にした案件において、相手国の国内裁判所が政治的中立を保てるかには大きな疑問が存在する。また一部の例外となる国を除き、国内裁判所の裁判官が国際法に高い知見を持つことは稀だ。対して投資仲裁は、基本的に紛争当事者である投資家と相手国、当事者の合意により選ばれる3人の仲裁人により行われるため、政治的中立性が確保される。つまり、紛争当事者が自分達で選んだ専門家に紛争解決を委ねられることが大きなメリットだ。
 一方で、国内裁判とは異なる点として、仲裁を開始するには相手方の仲裁への同意が必要となる。相手方の同意がなければ仲裁を開始することができない。投資受入国からすれば国内裁判所を選びたいと考えるのが普通だが、(1)投資を積極的に受け入れたい国が紛争時に投資仲裁を採用することを国内法で規定する、(2)投資家と投資受入国の間の契約で仲裁条項を規定する、(3)投資協定(条約)で仲裁を規定するといった手段でギャップが埋められている。最も多く利用されている仲裁機関は、ワシントンにある投資紛争解決国際センター(ICSID)だが、当事者の合意に基づき、ロンドン、パリ、ストックホルム等、様々な仲裁機関で仲裁が行われる。

■投資家保護のための国際法−投資協定
 投資協定とは互いに外国投資の促進・保護を行うことを主な目的として、国同士で結ぶ国際条約で、経済連携協定(EPA)における投資章や、二国間・多国間投資協定で定められる。この2つを合わせて世界で3000を超える投資協定が存在している。その中身として、(1)投資保護のための実体的義務、(2)投資家対国の紛争解決手続きという2つの柱が存在する。(1)投資保護のための実体的義務としては、差別禁止(内国民待遇・最恵国待遇)、公正衡平待遇等が挙げられる。様々な義務は投資受入国の主権を制約することにもつながるが、投資受入国は外資による投資の呼び込み、投資家輩出国は投資家保護による海外投資促進の利益が上回るという判断の下、投資協定が締結されてきた。(2)投資家対国の紛争解決手続きが、先ほどから申し上げている投資仲裁の手続きとなる。全ての投資協定が投資仲裁を既定しているわけではないが、これまで日本が締結してきた投資協定では、一部の例外を除いて投資仲裁が規定されている。投資協定には自由化型、保護型の二種類が存在し、自由化型投資協定では国防や技術上の忌避分野での留保はあるが、原則として参入にあたっても内国民待遇を要求できる。一方で、自国産業を保護しなくてはならない途上国では保護型が結ばれる。保護型では投資参入に際し規制を行う権限を投資受入国は有するが、その場合でも参入後は内国民待遇を保証することとなる。
 最近の世界的なトレンドは保護主義への回帰であり、米中貿易戦争でWTOに基づく自由貿易協定の根幹が揺るがされていることはご存知の通りだ。投資においても先進国諸国が対内直接投資の規制の強化にかかっているが、この流れは今のところ先進国にとどまっている。日本も外為法の規制強化に動いているが、他方で、経済連携協定の締結では積極的な姿勢を取り続けている。近年はTPPや日EU経済連携協定などの大規模EPAに力を注いでいる。また投資協定ではアフリカ及び中東各国との交渉に日本政府は力を入れている。

■投資仲裁の舞台裏
 投資仲裁における主役は投資家(原告)と投資受入国(被告)だが、物語の行く末を決める準主役として投資仲裁の仲裁人が存在する。仲裁人は投資家・投資受入国がそれぞれ一人を選定、そして双方が合意により三人目の議長仲裁人が選定されて仲裁裁判所が設立される。脇役として法廷闘争を繰り広げる投資家と投資受入国双方の仲裁代理人も大きな役割を果たす。投資家の母国、投資受入国の企業や国民、NGO等の団体も仲裁裁判所への意見提出なども頻繁に行われ、紛争当事者以外の役割も見逃せない。また仲裁が終わった後、投資家が投資受入国から賠償請求権を勝ち取った場合に、投資家が満足を得られるか、仲裁判断が履行されるかどうかの最後のカギは、仲裁判断の執行を求められる国の裁判所が握ることになる。
 投資仲裁に訴えれば勝てるのかというと、投資家勝訴の比率は47%と実は投資家が負けるケースがやや多い。また投資家が勝訴した場合の請求額に対して認められる額の割合は約15%となっている。一般の訴訟と同様に請求額はかなり盛った金額となるため、ぼろ負けという訳ではないと考えられるが、投資仲裁に訴えれば勝てるというものではない。勝つことができるのか、吟味に吟味を重ね、筋を見極めて、専門家の助けを借りて訴えることが必要だ。また投資仲裁にかかる費用は、仲裁人と仲裁機関に支払う費用だけで平均約93万ドル。ただし、ここには弁護士費用や賠償額算定の会計士を始めとする専門家証人費用が含まれておらず、実際にはこの何倍もの費用が必要となる。

■投資仲裁判断の執行
 投資仲裁で勝訴して損害賠償権を勝ち取った後、投資受入国が自主的に仲裁判断を履行するのであれば問題ない。しかし、自主的に履行しない場合には、投資受入国の財産が所在する国の裁判所に対して仲裁判断の執行を求めることができる。ICSIDでの仲裁に関しては、ICSID条約(加盟国154)の規定により、加盟国は自国の最終審判決と同様に仲裁判断の執行をすることになっており、執行力が非常に強い。また非ICSID仲裁であってもニューヨーク条約(加盟国161)に基づいて執行されるため、国内裁判との比較で執行面では投資仲裁が有利だと言われている。
 一方で、投資仲裁においては商事仲裁とは異なり、執行を求める相手が国となることから、主権免除(主権国家は他国の裁判権から免除されるという国際慣習法上の原則)に注意することが必要だ。多くの国では、国による商業行為などは主権免除の対象とならないという制限免除主義の原則を採用しているが、その場合でも執行の対象となる財産の性質が外交目的・軍事目的・文化的歴史的価値のある資産等の場合は主権免除の対象となる。また中国では香港を含めて絶対免除主義が採用されているので、いかなる理由でも執行ができないので注意が必要だ。

■外国投資のリスクへの対処
 ではリスク軽減のためになにができるのか。まずは保険が挙げられる。世界銀行グループの多数国間投資保証機関(MIGA)では、途上国への対外直接投資を促進するために政治的リスクや非商業的リスクから生じた損失に投資保証を提供しており、執行不能のリスクもカバーしている。日本では政府保有の特殊会社である株式会社日本貿易保険(NEXI)が、カントリーリスクを含むリスクに対し貿易保険を提供している。最近では民間保険会社も海外投資保険を提供しているが、補償対象外項目の記載方法によっては保険の意味がなくなる可能性があるので、十分に注意することが必要だ。また投資受入国政府や下部機関との契約締結の際に、可能であるならば主権免除放棄の特約を規定することでも、執行不能のリスクは軽減されることになる。


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2月度産業懇談会のご案内
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

2月18日(火)
12:00〜14:00
『日本を取り巻く危機管理の傾向と対策』
綜合警備保障株式会社
執行役員 熊崎 善夫 氏 
名古屋観光
ホテル
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

2月19日(水)
12:00〜14:00

『今後の世界の経済・投資・経営環境について
〜2020年は2019年のデジャヴュ(既視感)〜』
株式会社りそな銀行
名古屋営業本部長兼名古屋支店長 木村 修二 氏
信託財産運用部 アドバイザー 黒瀬 浩一 氏

名古屋観光
ホテル
18階
伊吹の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

2月12日(水)
12:00〜14:00
『下水道教室「うんちくんのだいぼうけん」プロジェクトについて』
有限会社東海維持管理興業 専務取締役 中林 直子 氏
『女子プロはなぜ飛ぶのか?』
株式会社プロギア 
サイエンスフィットグループリーダー 細内 巌 氏
サイエンスフィットグループ名古屋店長 岡本 勝哉 氏
名古屋観光
ホテル
3階
桂の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

2月13日(木)
12:00〜14:00
『ANAブランド戦略』
全日本空輸株式会社
執行役員中部支社長 矢澤 潤子 氏
名古屋観光
ホテル
2階
曙の間

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3月度産業懇談会のご案内
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

3月3日(火)
12:00〜14:00
『低い目・高い目 〜令和に挑戦〜』
名新パイピング株式会社
常務 永井 研吾 氏 
名古屋観光
ホテル
3階
桂の間
水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

3月11日(水)
12:00〜14:00

『高齢社会を迎えた日本が選択する道
        −社会保障改革の観点から−』
厚生労働副大臣 橋本 岳 氏
<国会情勢等により橋本様ご本人のご登壇が適わなくなった場合、同省の代理の方にご講演いただく予定です>

名古屋観光
マリオットアソシアホテル
51階
シリウス
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

3月4日(水)
12:00〜14:00
『今、経営者に求められるセルフプロデュースとは』
ディーフェイムス合同会社 代表
名古屋工業大学 学長特命アドバイザー
袴田 和子 氏
名古屋観光
ホテル
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

3月5日(木)
12:00〜14:00
『シリア紛争被災者支援とその課題』
元 国連開発計画シリア事務所
副所長 須崎 彰子 氏
名古屋観光
ホテル
18階
伊吹の間

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【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.19
コラム【さっかの散歩道】

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 年越して 』

 新年を迎えて早や一か月近く経ちますが、皆さま、明けましておめでとうございます。 この長かった年越し休暇を、どのようにお過ごしになりましたか?

 きっとこういう時こそ、国内外をゆっくり旅するのが普通なのだろうが、毎度忙しい旅が当たり前になっている私は「ゆっくりするなら寝正月」と決め込んだ。本当はフランスでの年越しを計画していたのだが、12月に入って、現地で長期のストライキが始まり、さっさと断念。フランス人はグレーブ(フランス語でストライキをgréveという)することこそが市民の権利と思っていて、1か月以上、公共交通機関も郵便局も、学校の先生も、平気で休む。こうなると、日本に居ようがフランスに居ようが生活に大差ないので、お一人様おせちでも楽しもうと、年末久しぶりに京都の錦市場に買い出しに出た。
 このところ、京都では観光公害が叫ばれているが、錦市場も例外ではない。休日の原宿よろしくぶらぶら歩きの外国人で埋め尽くされている。とにかくスリにだけは要注意、コートの下にポシェットをかけ、大きめの保冷バックを手に提げて、お目当ての店に向かう。子供の頃から母のお供で買い物に来ていたので、馴染みの店も何軒かある。地元の人曰く「錦市場もすっかり観光名所で、お店も随分変わってしもたんや」。暖簾はそのままだがインバウンドに対応すべく業態を変えている所も多いのだとか。そんな今どきの錦市場の中でも、懐かしい店はまだ健在、若干味が変わったくらい?あと、同世代の娘さんがお店を継いでいたりするのだが、なーんとあのやんちゃ娘がビックリするくらいのネイティブ英語で接客する姿を見て、「やっぱり京都は凄いところだ」と感心してしまった。

 大晦日、おせちの準備も整い、夕食に鴨そばなどすすって、テレビを見ながら年越しモードに入る。紅白は東京でマスコミの仕事を始めたころから殆ど見なくなっている。しかも最近流行りの歌手は全く知らないので、やはりここは吉本頼み、「笑ってはいけない」で「大笑い」して年を越そうと、シャンパングラス片手に炬燵に座り込んだ、までは良かったのだが、途中で寝落ち。気が付くとすっかり年は明け、日の出前の早朝5時。ほーらやっぱり寝正月、二度寝するかな…と思うと同時に、昨日夕方の帰省渋滞ニュースがフラッシュバック。「元日の高速道路は、上下線とも目立った混雑がないでしょう」そうだ、スキーに行こう!!クローゼットの奥からスキーウェアを引っ張り出し、スキーブーツやらゴーグルやらを準備し、さっさと着替えて車に乗る。この分だと日の出の時間は高速道路上になるだろう。自宅から目と鼻の先にあるインターから高速に乗り、北に向かってアクセルを踏む。目立った渋滞はおろか、車一台も見当たらない。なんて快適なクルージング、岐阜のスキー場まで2時間で到着予定だったが、これは1時間半かからずに行けるかも。そうこうしているうち、東の空が白み始める。雲一つない空に赤みが差してきたので、どこかで車を止めて写真を、とサービスエリアをチェックするのだが、下り線だとどうしても障害物や高さの関係で良いポイントがない、心の中で(自動運転だったらなー)とつぶやきながらとりあえず車内から片手運転で適当に携帯のシャッターを押してみる、ちょびっとわき見でごめんなさい。


これが限界!!

暖冬、コース以外に雪は無し

 8時のリフト運行開始前に、10年ぶりに乗るレンタルスキーを借り出し、帰りの運転も考えて3時間リフト券を購入。ゲレンデは人工雪でしつらえたコースが1本のみ滑走可能。山頂は-6度と、フランスに比べればかなり温かい。私のウェアは向こうで購入しているので、これくらいの気温だと中はヒートテック一枚で問題なし。

と、ハードは完璧なのだが、如何せん10年ぶりの日本の雪。感触を確かめる1本目、フォームを思い出す2本目…これで息が上がった。折角来たから滑りまくって帰りたいのに、一人だし、怪我でもしようもんなら車のクラッチ踏めなくなるし(30年前に無理して左膝靭帯部分断裂で、往生した過去を思い出す)、とりあえずゲストハウスで休憩。喉も乾いて、ノンアルコールビールをひと缶。30分ほど休んでゲレンデに戻ると、バスで大量のアジア人がやって来ていた。普通のコートにスニーカーという出で立ち。どうやら彼らはスキーをしに来たのではなく、スキー場を初めて見に来たらしく、キャッキャとはしゃぎながら、写真を撮りまくっている。そっか、スキー場も南国の人にしてみれば立派な観光名所か。気を取り直して3本目、ちょっといい感じ。でも、素人ボーダーが増えてきて、ただでさえ狭いコース上で座り込む。4本目、ボーダーに囲まれ、避けて滑るのに必死。5本目、腿がパンパン!ああ、もう無理できない。

 3時間を待たずに引き上げることにした。スキー場併設の温泉に入ってゆっくり帰ろうと思ったら、営業は12時からになっている。あと1時間、待ってる間に帰れるし。ウェアのまま帰ろう、途中に温泉くらいあるだろうと帰路につくも、結局自宅近くのスーパー銭湯に、正午過ぎにたどり着く。元日から営業しているのも驚き(この日ばかりは有り難い)だが、入ってみると結構な混雑、老若男女問わずお風呂にやって来ている。元旦の昼から銭湯ですか…。まあ、連休の後半にお出かけする人もあるだろうし、近場で済ますなら、初売りのショッピングモールとスーパー銭湯のハシゴが相場なのだろう。いろいろな年の越し方があるのだなと、しみじみ思いながらひとっ風呂

 自宅に帰り、蛤の出汁で雑煮を作り、シャンパン片手に一人「明けましておめでとう」。恒例の年越し旅行に出た家族たち、とりわけお年玉を当てにしていた甥たちは、きっとどうやって私から集金しようかとあれこれ手段を考えていることだろう。あと4日、携帯電話の電源切っておこうかなどと意地悪いことを考えつつ、夕暮れ前、氏神様に初詣。今年も恙なく暮らせますよう。

 本年もよろしくお願い致します。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.135
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 小説集 明智光秀 』
作品社刊

 今年の大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公・明智光秀を描いた12の短編のアンソロジーです。菊池寛・八切止夫・新田次郎・岡本綺堂・滝口康彦・篠田達明・南条範夫・柴田錬三郎・小林恭二・正宗白鳥・山田風太郎・山岡荘八と、錚々たる作家の作品を集めてあります。どの作家の小説がお気に召すでしょうか。

 この本は昨年9月の刊行ですから大河ドラマを睨んでのものでしょうが、作品社はこの他にも『竹中半兵衛』『黒田官兵衛』『真田幸村』などの小説集を出版しています。

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【お知らせ】

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