産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第73号 2008.6.27発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成20年6月度(第73号) 目次
産懇宅配便
【20年5月度産業懇談会(木曜G)模様】 5月8日(木) 12時00分〜14時00分
【20年5月度産業懇談会(火曜G)模様】 5月13日(火) 12時00分〜14時00分
【20年5月度産業懇談会(水曜1G)模様】 5月21日(水) 12時00分〜14時00分
【新会員自己紹介】
岡本 守氏 宇部興産株式会社名古屋支店 支店長
鈴木 文雄氏 丸美産業株式会社 取締役副会長
鷲見 輝男氏 東邦ガステクノ株式会社 取締役社長
高村 徳康氏

セレンディップ・コンサルティング株式会社 代表取締役

堤 和彦氏 住友生命保険相互会社 執行役員兼中部法人営業部長
寺田 稔氏 株式会社ベネッセコーポレーション 事業所長
長尾 正平氏 東洋建設株式会社名古屋支店 執行役員支店長
飛彈 健一氏 日興コーディアル証券株式会社 名古屋支店長
宮田 充康氏 株式会社日立ハイテクノロジーズ中部支店 支店長
【7月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 『花ちゃんからの健康だより』
コラム2 『理念経営物語』
コラム3 『苗字随想』

【20年5月度産業懇談会(木曜G)模様】


テーマ『 化学が変える未来の車 』

日  時:20年5月8日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:37名

イデア工業株式会社
取締役社長 井手 光敏氏のご紹介

スピーカー:
石井 健(いしい けん)氏
三菱化学株式会社 理事
自動車関連事業推進センター センター長

石井 健氏

1.私たちを取り巻く環境
 原油、食料が高騰し、資源が大変な状況になっているこの不透明な世界に対し、三菱化学も悩んでいるし、皆様も悩んでいらっしゃると思うが、そういう不確実性の社会の中で三菱化学が考えているところをお話し、少しでも皆様のお役に立ちたいと思っている。世界人口は増加しているが、その増加する人口を食わせていくのは大変なことである。今後人口が80億人になっていく中で地球が何人養えるのかは非常に深刻な問題と認識している。食糧に加えて水も深刻な問題である。世界中で水が不足している。中東を含めた砂漠化の問題があるが、実は中国も北京あたりまで水が無くなってきている。アフリカの砂漠もどんどん広がっている。北米の穀倉地帯も水がない。水は穀物を作り牛や豚を育成するのに大切なものであるが、これだけ人口が増えて消費する穀物、肉を生産するには大量の水が必要になってくる。日本は水は豊富なので今後強みになるかとも考えている。化石エネルギーも枯渇が目前に迫ってきた。代替燃料を増やしたいが、まだまだ化石エネルギーが大部分を占めるという状況の中で、人口の増加により、代替燃料の発見より消費の方が増えていて深刻な様相を呈している。地球温暖化問題は、これだけ化石燃料を使用していれば、地球の浄化機能から見て限界を超えてきたのかと思う。CO2の排出量の推移では今後中国を含めた発展途上国の比率が圧倒的に増加して来る。先進国が規制を掛けようとしているが、発展途上国からは先進国のエゴだとのクレームが出ている。このままでは2100年には大気温度が6度上昇するといわれており、海面上昇の問題や、大雨、超強力台風など気候の変化も起こってくる。世界と日本の人口を比較すると、途上国の人口は増えてくるが、残念ながら日本の人口は減少してくる。若者のパワーは経済にとって大事であり、若い労働者が多い国の活力を見て、日本の少子高齢化の状況を振り返ると寂しいものを感じる。経済についてはBRICs中心に発展していくだろう。

2.三菱化学の2025年ありたい姿
 こういう状況の中で、まず三菱化学はどうあるべきか日々悩んでいる。30〜40台前半の社員を集め、三菱化学の社員としてどうありたいかを一年がかりで検討し、2025年のビジョンを作り、今後の中期計画に生かそうとしている。そこで描かれた2025年のありたい姿は、「無限の可能性と広がりを持つ'Good Chemistry'を基盤として世界のリーディングカンパニーでありたい。社会からより信頼される会社でありたい」であり、その中での企業活動の方向性を、Comfort(快適),Health(健康),Sustainability(環境)の三つのキーワードに収束させていくこととした。具体的には、従来のエレクトロニクス、電子関連、医療、医薬、炭素原料、石化原料事業を高機能化して「光と色とクリーンエネルギー」や「シックケアからヘルスケアまで」といった言葉で表す領域に力を入れて行きたいと考えている。基本的に三菱化学は素材メーカーだが、ものによっては材料加工を含めて、一つのデバイスとしてチャレンジしていきたいと考えている。光と色とは何かというと、パネルディスプレイ、有機エネとか蛍光体といったものである。クリーンエネルギーでは燃料電池の材料、HV車用リチウムイオン電池に注力し、クリーンエネルギーの部分とその素材、デバイスに注力したい。最終的には有機太陽電池に行きたいと考えている。それからもう一つの柱である医薬をベースとした「シックケアからヘルスケアまで」では、今後は病院治療薬から、皆様一人一人に合った治療、施薬といった個別化医療対応をやっていかなければならない。

3.MCHCグループの大型育成事業
 中期計画では、自動車用ケミカルコンポーネント、HEV用リチウムイオン電池材料、LED照明、個別化医療、次世代ディスプレイ、有機太陽電池、バイオポリマーという7つ大型育成事業に注力して行くことが決定された。私の担当している自動車用ケミカルコンポーネントでは、CO2対策としてのプラスチック、カーボンファイバー使用による軽量化である。カー・メーカーからは車を植物由来樹脂で出来ないかといった話も出ている。当然リサイクルもして行かなければいけない。光のマネージメント、質のマネージメント、臭わないA/Cといった快適性の要望もある。また、電気自動車用リチウムイオン電池、有機太陽電池、有機ELを使った照明の開発にも注力する。車の台数予測では2050年には世界の保有台数は30億台を超えると言われており、ここまで行ったら本当に大変なことになる。先進国は飽和市場で代替需要のみだが途上国で増えてくると言うことであろう。インドでは今の普及率でも年間10万人が交通事故で死亡しているという。車が増えたらどうなるのだろう。メーカーもぶつからない車、ぶつかっても安全な車を考えている。こういう社会の中で安全に走れる車に寄与出来ると良いと考えながらやっている。

4.未来の車と三菱化学
 当センターでは、健康、快適を考慮した新しい素材を自動車の部材に使用できないかと研究しており、本社には新素材、新技術を織り込んだモデル車を作って展示している。その車はプリウスとほぼ同じ大きさで重量を大幅に削減する為にカーボンファイバーを使い、光マネージメントでプラスチックガラスに色素を塗り電気的な液晶シャッターにして気分によって窓の色を変えられる様にしている。外板をプラスチック化して軽量化し、植物由来樹脂を使って環境負荷を減らし、LEDを使って消費電力を減らすようなこともしている。植物由来樹脂開発の課題としては、触媒は既に出来ているので、コストを如何に引き下げるかである。無機系材料としてはカーボンファイバーの構造部材への採用が今後の課題である。我社は四日市にカーボンファイバーのラボを作って実用化を研究して行く。電池ではモデルを作ってリチウムイオン電池の耐久性、安全性を自動車メーカと共に詰めている。半導体関連では次の基板材料と言われている窒化カリウムの開発を行っている。蛍光体の隠れたトップ企業で白色の天然光を出す技術を自動車にどう適用するか研究している。LEDでは光の3原色技術を持っているので色んな色を調整出来る。現在DVD生産で活用している色素技術を利用した有機太陽電池も期待できる。高放熱アルミも取り扱っているが自動車のエアコン放熱用として使われており、売上げの半分は自動車用である。軽くて放熱性が高い材料が社会にマッチしてきたと考えている。今後とも皆さんと情報交換をさせていただきながら、日本由来の世界に負けない高付加価値技術で新しいものを供給し、2025年にはGood Chemistryと言われる様、社会のお役に立っていきたい。

>>目次へ

【20年5月度産業懇談会(火曜G)模様】


テーマ『 女性でも出来る・・・女性だから出来る 
                  女性のマルチタスクが働き方を変える! 』

日  時:20年5月13日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:23名

スピーカー:
杉本 美晴(すぎもと みはる)氏
アット・ワンス株式会社 代表取締役

杉本 美晴氏

1.アット・ワンスとは
 2001年の8月1日に有限会社として設立し、会社法改正に伴い、2007年3月に株式会社化した。教育関係のコンサルタントなどをしている。色んな立場で母でありたいと思い『at・o・n・c・e = 「母」Mother』という言葉を使用している。経営理念を掲げて仲間を募りたいと思い、『一人ひとりの女性の可能性を引き出します。一人ひとりの女性の生き甲斐を大切にします。女性の力をまとめ、共に頑張り、共に成長します。人生をイキイキと楽しむ女性を増やします。女性の活躍で子供達も元気にします。幅広いネットワークの人たちと力を合わせて社会貢献します。アットワンス・チルドレンをどんどん増やしていきます。』という理念を作った。また、私のトレードマークでもある、元気、わくわくと母のイメージの温かいという言葉を合わせて「元気、わくわく、アッタカイ! 」をキャッチフレーズとしている。

2.女性の能力を使って欲しい
 マルチタスクというのは同時進行といった意味合いである。同時進行で仕事が出来るのは女性脳のお陰と思っている。研究によると男性脳と女性脳の大きな違いは男性脳は一つのことしか考えられず、他のことに繋がるネットワークが少ないが、女性脳はその時に体験することを色々なことに結びつけることが出来るそうである。雨が降りそうだという状況の場合、男性は仕事上で雨がどう関係するのかと考えるそうだが、女性の場合は、仕事、洗濯物、子供の傘といった様に一遍に色々なことを考えることが出来るということである。男性脳の羨ましいところは、真っ白な箱を脳の中に持っているそうで、ぼーっとして時間を過ごすことが出来る、または集中することの出来る脳を持っていることである。女性はぼーっとするといっても他にどうしても考えてしまうので集中することが出来ない。謂わば女性脳はマルチタスク脳で、これからの働き方の上で非常に大切だと思っている。同時進行で色々出来るので時間を効率的に使用出来る。私の場合最初から出来たわけではなく子供が生まれてから出来るようになってきた。子供を同時に面倒見ることで脳が発達してきたのではないかと思う。元々脳の機能として持っているのだが女性の仕事をすることでますます発達するのではないかと思っている。脳の構造で男性脳と女性脳との大きな違いは左脳と右脳の真ん中にある脳梁の太さである。男性より女性の方が脳梁が太い。左脳は言語脳、論理的脳、右脳がイメージ脳、直感的脳と言われているが、コミュニケーションを取る場合、まず言葉が左脳に入るが、女性の場合は脳梁が太いので右脳に非常に早く入り、聞いたことをイメージ化することが早いそうである。男性は聞いた言葉を論理的に左脳で処理するので問題解決能力は高いそうだが、共感力の高い女性と論理的能力の高い男性が話すと、良くある夫婦喧嘩が起こる。例えば、奥さんが今日こんなことがあったとか軽いトラブルの話をすると、ご主人は解決しようと考える。しかし、女性は解決しようと思っていなくて共感して欲しいと思っている。そこでご主人がこうすればいいじゃないかなどと問題解決の提案を言おうものなら、「そういうことじゃないのよ、私の気持ちをなぜ分からないの」と、トラブルになる。女性はイメージすることは出来るので、既に解答を持っていて、反対に聞いて引き出して欲しいので話しかけるのだそうである。そこで、ご主人は、解決方法を言うのではなく、「大変だったな、それでどうしようと思っているの」と、聞いてあげれば、奥さんは解決方法を説明して上手くいく。女性の脳の特質を理解して是非そのように協力してあげて下さい。それが夫婦円満の秘訣である。

3.これからの日本を救うのは・・・「母」的な感性?!
 男女は差別ではなく、区別をして、活かせるところは活かしていって欲しい。マルチタスクで色んなことを解決出来るのが女性の強みなので、ここを活かせば企業の中でも女性の活用が出来ると思う。日本企業の、人材不足、従業員の長時間残業、メンタルヘルス、パラダイムシフト、世代間ギャップ、ワークライフバランス、ダイバーシティといった課題は、女性の投入によってかなり解消出来ると考えている。母的感性という部分が活かされると思う。働きたいという女性は非常に沢山いるが条件が合わないし、中部には、家族を持ちながらでは中々正社員になり難いという地域性がある。しかし、働きたいと思っている女性を使えば人材不足は解消出来る。ただし、女性は、特に家庭を持っている女性は男性のように長時間労働は難しい。長時間労働が非常に多くメンタルヘルスが問題となっているIT関連産業などで、決められた時間で同じ効率で働けないかということを、マルチタスク能力をもつ女性だけのチームを作って試してみたいと思っている。その働き方が上手く行けば、男性たちも同じ働き方で残業しなくても同じ効率を出すことが出来るのではないかと思っている。また、女性はイメージを描く、共感するという力を持っているのでメンタル疾患者のサポート、カウンセリングなどの職業に向いていると思っている。こういった職業は長時間労働は必要無いので、勉強をきちんとした女性なら企業のメンタル疾患者対応や、その予防など十分出来ると考える。今年北京オリンピックが開催されるが、イメージトレーニングが注目されている。これは脳のトレーニングだが、例えば、自分が泳いでいる姿を、飛び込んだ時からタッチをするまで頭の中で何回も何回も思い描きイメージ化する。そうすることによって実際の動きが非常にスムーズになるそうだが、逆に、イメージ以上のパフォーマンスは絶対に出ないとのことなので、出来るだけ大きなイメージをすることが必要である。今では、スポーツだけではなくビジネスにもイメージトレーニングが展開されている。計画をしっかり立てて高いイメージを持つことで、良い結果がビジネスでも得られる。女性はイメージをふくらませ、それを人に上手に伝える能力も高いので、広報などは女性に向いている部署ではないかと考えている。

4.女性が働きやすい社会にする為に・・・これからのアット・ワンスのミッション
 多くの企業の女性活用の為の相談役、アドバイザーになり、女性が長く働くことができるための仕組みづくりのお手伝いが出来ればと思っている。自分自身がこれまで大変な時期に仕事を持って子供を育て家事も行ってきたので、これから働きたいと思っている女性、今働いている女性のロールモデルになれるのではないかと思っている。家事の手の抜き方、子供とのコミュニケーションの取り方などを上手に伝えながら、働く女性の気持ちを少しでも楽にしてあげたい。構想中ではあるが、エグゼクティブウーマン、女性役員、女性役職者に仲間作りの機会を提供し、サポートしたいと思っている。今、色々な所で、女性は非常に元気だが男性は元気が無いと言われる。長期残業によるメンタル疾患者が非常に増えており、女性のマルチタスク能力を大いに活かして、男性を含めた労働時間の問題を解決出来る仕事方法を確立して行きたい。また、女性は人の話を聞いて共感する能力が非常に強く、カウンセリング業務に向いているのでメンタルヘルスのチームを作ることが出来ると思う。子育て、介護をしながらの仕事への関わり方を女性だけではなく男性も一緒に考えられる仕組みづくりを女性側から発信していかなければいけない。こういったことのお手伝いをするというミッションを少しずつでも果たしていけば、中部はもっともっと元気になれる。女性も男性も豊かな気持ちを持てる社会であれば、子供も幸せな気持ちで夢に向かって頑張れるので、そのお手伝いをしたいと思っている。

>>目次へ

【20年5月度産業懇談会(水曜1G)模様】


テーマ『 我社の経営組織 』

日  時:20年5月21日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:18名

スピーカー:
大井 富雄(おおい とみお)氏
大井建興株式会社 取締役社長

大井 富雄氏

1. 背景と狙い
 私は社長になって9年目だが、もがき苦しんで社長業に取り組んでいる。会社の概要としては、自走式立体駐車場建設業で、主にイオンを中心とした大型ショッピングセンターの駐車場を建設している。まだまだ車の少なかった昭和45年に最初の駐車場を建設したパイオニアである。資本金は2億五百万円、売上高は20年3月期で約80億円である。本店・支店は名古屋、東京、大阪、福岡、広島、仙台にあり今までに全国で800カ所以上建設している。私が社長になった1999年頃、日本経済は非常に悪く、お客さんやゼネコンが潰れたり悪い決算となったりと大変な時代であった。但し、我社は無借金経営で内部留保も20数億円あって、赤字を出してもこたえておらず、却って所有している自社株の簿価が良くなって良いんじゃないか程度に感じていた。赤字を出しても社長が全然怒らないため、赤字を出しても環境が悪いから仕方がないといった理由を付けて、各支店長も平気であった。さあ黒字を出して頑張っていこうという時になっても赤字体質から抜け出せず、営業赤字が継続したので、これではいかんと考え直し、株式上場も視野に入れて一生懸命やっていこうと中央集権的にやったが、それでも営業赤字が続いて、これは絶対にいかんということで、支店長に全権限を渡してみようと組織を変更した。

2.支店経営、支店長の権限と責任
 我社の場合、カンパニー制を導入し支店長は全員役員にして全権限を本当に支店長に渡し、本社経費を本社に支払えば何をやっても良い、人事権も、採用権限を含め全て支店長に委譲した。その本社経費とは、固定費で1千万円、暖簾代のようなものとして売上げの1%である。利益が残れば自由に分配して良いとしたが、累積赤字が嵩んだ場合には3千万円を上限に個人財産をはたくという組織に変えた。一定のFC料さえ払えば好きなことをやって良いが、赤字を出した場合には個人財産で支払うということである。負担限度額の3千万円は、無限責任ではかわいそうなのでサラリーマン経営者ではギリギリの線だろうということで設定したもので、そこまでは個人財産で支払えということである。このように責任と権限を明確にした。赤字の場合にはその年の賞与はカットである。管理部門は不動産収入で食っている。管理本部長も経営者意識が出てきて、テナントが減らないように掃除をしたり、資産管理をするようになった。部門長は7人いるが全部自分で稼いで食うようにした。私の給料と経営企画室、品質管理、設計開発の5人は私の有価証券の売却益で食っている。社長の私も自分で稼いで食っているわけである。実は、この組織に変える時に、私はそんなこと出来ませんと、支店長副支店長で5人ほどばたばた辞めたが、皆中途採用の人間でプロパーは辞めなかった。結果として高い給料の人間が辞めて、プロパーの、自ら責任を取ってやる強固な、自己責任の強い人間が残って良かった。部門長は経営者感覚を持てと言うことだが、以前は責任を問われないものだから名ばかりの経営者だった。支店長は全責任を、金銭的な責任を取ると言うことで経営者としての意識が芽生えた。よく経営者がこのプロジェクトの責任を取ると言うが、責任を取るとは何だというと、会社を辞めるという。我社では個人財産をはたいて会社に与えた損害を支払うことが責任を取ることで、会社を辞める程度のことで責任を取るとは言わない。名古屋を中部支店といっているが、このシステムにしてから売上げも利益も回復し、報酬もかなり増えている。しかし、東京では一昨年かなり黒字を出し年間報酬は3千万円を超えたが、昨年は赤字を出したので所得は6百万円程度となった。業績に応じて年収が凄く上下する組織である。会社はその方が楽で、各支店長も自分で志願したので、それでやっている。

3.メリット、デメリット
 このシステムに変えて、ずーっと続いていた営業赤字が黒字になった。まず、経費が大幅に約1割5分減少した。会社の金だと自由に使うが自分の金だと使えないということだろう。メリットとしては支店長のモチベーションがかなり上がった。その代わり、いつも追い詰められているので非常に苦しんでいるのが良く分かる。しかし、それは社長と同じなので社長の分身を各支店に配付したと思っている。東京から福岡まで支店があって社長の目が行き届かない為、支店長が社長の分身となって管理していかなければならないので、社長の分身になって貰って丁度良い。自己完結型、自分で良く考えるようになり、意志決定がスピーディーになった。ただ非常に危ないところに打って出ては困るので与信管理はしっかりやるようにしている。営業段階と受注段階の二回、受注伺書を出して貰って、更に進めて良いかチェックしている。手形については事故が起きると怖いので全部発行している。これらを除けば全権限は支店長にある。デメリットとしては利益最優先になるので経費の掛かる新人の採用は皆嫌がって、長期的な人員計画が立てられなくなったので、新人の採用費用は本社負担とし、更に、新人給与の50%を3年間本社負担として、新人採用が出来るようにした。また、全社最適に向けた動きが取りづらくなった。購買も支店単位で行っているので他の支店のことは知らないという傾向がある。しかし、ずーっと営業赤字だったのが計常利益ベースで2億円ほどの黒字となっているのでこれで良いと思っている。ただ、支店長たちは、良い状況が何時までも続くか不安なので役員定年が来ると直ぐ辞めたがってしまう。後継者の育成が急務で、このシステムの良い点、悪い点を説明して育成している。支店長達には凄いプレッシャーを与えているので、自分自身には役員退職慰労金を廃止した。交際費は使用せず全て自腹で処理し、誰からも後ろ指を指されないようにしている。支店長だけにプレッシャーを与えているのではなく社長自らも率先して一生懸命やっている。

4.今後の課題
 課長以下の一般社員が経営者意識を今後持てるかどうかがこれからの課題である。ただし全従業員といっても70名前後で、各支店あたりでは約10名、アットホームな雰囲気で各支店長のミーティングも末端まで行き届いている。各支店長にはお金は天から降ってこない。お客様から代金を頂いて原価を支払って残ったものが皆さんの報酬で、儲けないとお金はどこにも無いよと言っている。絶対に赤字の仕事は受けてくるなとも言い聞かせているが、各支店長は赤字の仕事を受けると個人財産をはたくことになるので、赤字の仕事は絶対受けなくなった。赤字の時の社員の給与などは支店長の懐から出ることになるのでプレッシャーはかなりきついと思う。しかし、支店長には、協力業者は一杯あって、中小企業の社長さん達は会社作って、資本金を支払って借入の担保をして会社を経営している。下請けの社長さんが出来ることを何故支店長は出来ないのか、もっと黒字を出しても良いくらいだ、と言っている。

>>目次へ

【新会員自己紹介】

岡本 守氏
火曜グループ

岡本 守(おかもと まもる)
宇部興産株式会社名古屋支店 支店長

【宇部興産株式会社名古屋支店】
〒461-0005 名古屋市東区東桜1-1-10 アーバンネット名古屋ビル20階
TEL:052-961-1371 FAX:052-961-1378
URL:http://www.ube-ind.co.jp/

宇部興産の岡本守と申します。
産業懇談会火曜グループに参加させて頂く事になりました。
よろしくお願い申しあげます。
山口県下関市生まれですが、通算25年間名古屋で勤務しております。
入社以来、合成樹脂原料、基礎化学品の営業を担当してまいりました。
当社は、1897年に山口県宇部市での採炭でスタートし、セメント、化学、機械と事業領域を拡大してまいりました。現在は特殊化学会社を目指し、医薬品、電子材料航空宇宙分野まで事業を広げております。
「技術の翼と革新の心。世界にはばたく私達のDNAです。」というキャッチコピーのもとに、今後とも皆様に役立つ様々な製品を提供して参ります。
皆様のお仲間に入れていただきましたことに感謝申しあげますとともに、ご指導ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

鈴木 文雄氏
火曜グループ

鈴木 文雄(すずき ふみお)
丸美産業株式会社 取締役副会長

【丸美産業株式会社】
〒467-8533 名古屋市瑞穂区瑞穂通3-21(7月上旬移転予定)
TEL:052-851-3511 FAX:052-853-4419
URL:http://www.marumi.com

丸美産業株式会社の鈴木と申します。 
どうぞ宜しく御願いします。

鷲見 輝男氏
水曜第1グループ

鷲見 輝男(すみ てるお)
東邦ガステクノ株式会社 取締役社長

【東邦ガステクノ株式会社】
〒460-0022 名古屋市中区金山5-18-37
TEL:052-872-3757 FAX:052-882-2563
URL:http://www.tohogas-techno.co.jp

東邦ガステクノ株式会社の鷲見でございます。
このたび産業懇談会水曜第1グループに参加させていただくことになりました。前任者下枝晴彦同様、よろしくお願い申し上げます。
弊社は、ガス工事、ガス冷暖房設備工事、舗装工事、改良土などの事業を行っており、当地区の皆様にはたいへんお世話になっています。昨年40周年を迎えましたが、今後も地域の発展のために努力する会社でありたいと思っています。
私は、名古屋生まれの名古屋育ちですが、野球はなぜか横浜ベイスターズファンです。今年も早々と戦線離脱し、今では中日ドラゴンズの援護射撃に期待しています。
ほぼ毎年正倉院展にいっていますが、いまだに未知なるものと遭遇していて楽しんでいます。銀閣寺は月を楽しむ庭園であるようですが、夜には入れませんので、本当のすばらしさは未体験であります。
業種を超えた交流をさせて頂けることを心より感謝申し上げます。皆様のご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い申し上げます。

高村 徳康氏
水曜第2グループ

高村 徳康(たかむら のりやす)
セレンディップ・コンサルティング株式会社 代表取締役

【セレンディップ・コンサルティング株式会社】
〒460-0008 名古屋市中区栄2-5-17 白川ビル東館8階
TEL:052-222-5306 FAX:052-222-5306
URL:http://www.serendip-c.com/

 初めまして、地元ベンチャー起業家支援を行っているセレンディップ・コンサルティング株式会社の代表高村徳康と申します。この度、水曜第2グループに参加させて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 東海地区は経済好調の反面、ベンチャー不毛の地、と言われております。しかし、10%経済と呼ばれる地区に見合うだけのベンチャー起業家が多数存在します。他の大都市と異なり、情報発信が苦手で、世間の目につかないだけなのではないでしょうか。
 若手起業家の多くが「東海地区では財界人や中堅・大手企業のオーナーとなかなか会えない」と言います。一方で、ベテラン経営者の方々からは「この地区には若手経営者はおらんのか」という言葉も聞かれます。
そこで、前職数年間の1,000社に及ぶベンチャー支援の経験を活かして、弊社はベテラン経営者と若手起業家の有機的な出会いの場を創り出し、双方に新しい発展と成長の連鎖を促し、ビジネス・チャンスの拡大を後押ししたいと思っております。
 また、弊社は財務の脆弱な中小・ベンチャー経営者の方に資金を提供するとともに、経営、財務、金融、情報、技術、マーケティングなど、さまざまな領域のプロフェッショナルを組織化し、最適なチームを編成して中小・ベンチャー経営者の課題解決に必要なサポートを行って参ります。
 東海地区から世界に通用する起業家が輩出される一役を担えればと思っております。まだまだ若輩者ですが、皆様のご指導・ご鞭撻の程、どうぞ宜しくお願い致します。

堤 和彦氏
水曜第2グループ

堤 和彦(つつみ かずひこ)
住友生命保険相互会社 執行役員兼中部法人営業部長

【住友生命保険相互会社】
〒461-0004 名古屋市東区葵3-15-31 住友生命千種ニュータワービル5階
TEL:052-936-1501 FAX:052-936-1502
URL:http://www.sumitomolife.co.jp

住友生命の堤でございます。
前任の須アの後任として3月17日付けで中部法人営業部を担当することとなりました。
入社31年目15回目の転勤となりますが名古屋の勤務は初めてでございます。
前任地は大阪本社 出身は長崎 単身赴任です。
前任者同様引き続き水曜第2グループに参加させて頂くことになりました。どうぞよろしくお願いします。
名古屋ではゴミの分別 道路の広さに驚き、美味しい水と食べ物 ゴルフ場の近さ 都会と田舎が同居し大変住みやすい街だなと思いました。休日には地下鉄東山線を中心にタウンウォッチングしています。
さて当社も昨年創業100周年を迎え新年度から101年目新世紀がスタートしました。
「介護と医療のスミセイ」として地域の皆様方のお役に立てるように生命保険損害保険の進化した内容で温もりをそえた提案と地域に貢献できる企画 イベント等の活動も積極的に推進していきます。
また数多くの企業の皆様には福利厚生制度 人事制度面で企業保険や各種セミナーや異業種交流等のビジネスマッチングでお役に立ちたいと思います。
着任後2ヶ月あまりで不勉強な所もたくさんございますが 皆様方からのご指導、ご鞭撻、ご教示いただきますようどうぞよろしくお願い申し上げます。

寺田 稔氏
水曜第1グループ

寺田 稔(てらだ みのる)
株式会社ベネッセコーポレーション 事業所長

【株式会社ベネッセコーポレーション】
〒460-0084 名古屋市中区栄4-2-29 名古屋広小路プレイス10階
TEL:052-238-1362 FAX:052-238-3723
URL:http://www.benesse.co.jp/

株式会社ベネッセコーポレーションの寺田と申します。
宜しくお願い致します。

私はかなり変わった経歴の持ち主かもしれません。
高校までは静岡県掛川市に住み、
早稲田大学でボクシングを行い就職時には子ども2人あり。
当然、就職をしましたがプロボクサーのライセンスを取得できるギリギリの30歳でプロデビュー。サラリーマンボクサーとして3度後楽園ホールのリングに立ち、1勝1負1分の平凡な戦績。
その後、金沢に2年、沖縄に3年住み名古屋にはこの4月に着任。
東京に家族を残し単身生活は累計で6年目になります。
名古屋に住むのは初めてですが勢いのある地域なので楽しみです。

ベネッセコーポレーションは妊娠・出産子育て・教育領域において強みを持つ企業です。
(たまごクラブ・ひよこクラブやしまじろうのこどもちゃれんじ・進研ゼミをご存知でしょうか?)
自治体や病院・施設など数々の団体とも協働し子育て支援をしています。
東京一極集中ではなく"地域で何が出来るのか"?をいつも考えています。

何卒宜しくお願い致します。

長尾 正平氏
水曜第2グループ

長尾 正平(ながお しょうへい)
東洋建設株式会社名古屋支店 執行役員支店長

【東洋建設株式会社名古屋支店】
〒460-0003 名古屋市中区錦1-17-13
TEL:052-221-7301 FAX:052-212-1400
URL:http://www.toyo-const.co.jp/

 東洋建設株式会社名古屋支店の長尾と申します。
 産業懇談会水曜第2グループに参加させていただくことになりました。どうかよろしくお願い申し上げます。
弊社は昭和4年西宮市鳴尾の埋立により工業港を建設することを目的に設立され、以来港湾・浚渫部門を中心とし陸上部門や昭和47年には海外に、昭和51年には建築部門をスタートしました。来年で創立80周年となります。
 公共土木事業に半分ほど依存していますので、2年ほど前から外部環境の大きな変化にさらされ、さらに公共投資の低下も相まって淘汰の荒波に揉まれているところです。建築はマンション、工場、倉庫、商業施設などを手がけています。
 個人的には、入社以来東京12年、大阪8年、名古屋12年になります。名古屋は都市規模的にも大変気に入っております。
 入会をさせていただきいろいろな意味で会員の皆様との交流を通じ啓発されたいと考えています。よろしくお願い申し上げます。

飛彈 健一氏
水曜第2グループ

飛彈 健一(ひだ けんいち)
日興コーディアル証券株式会社 名古屋支店長

【日興コーディアル証券株式会社】
〒460-0008 名古屋市中区栄3-2-3
TEL:052-263-2525 FAX:052-263-2600
URL:http://www.nikko.co.jp/index.html

 日興コーディアル証券鰍フ飛弾と申します。この度、産業懇談会水曜第2グループに参加させていただく事になりました。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 前任地は札幌でした。名古屋は約17年ぶりの勤務となります。当時と比較して、名古屋駅前の開発、高速道路網の整備など大きな発展と変貌を遂げてきた姿に非常に感銘いたしました。また、人々も自信に溢れた発言や表情が多く見受けられます。経済基盤のしっかりとしたこの地で、再び勤務できることに喜びを感じずにはいられません。
 当社は大正7年7月7日に創業し、今年で満90年をおかげさまで、迎えさせていただきます。名古屋では大正12年12月に出張所を開設以来、業務を続けてまいりました。
 また、昨年度より米国シティグループの一員として加わり、今後、一層のスピードで進展するグローバルマーケットへのニーズにお応えできるように、更に体制を強化させていただきました。時代の流れにマッチした最高のサービスを心掛けてまいります。
 お客様の資産運用や資金調達等のお手伝いを通して、地域の発展に貢献できるように頑張りたいと思います。
若輩者ではございますが、どうか、ご指導ご鞭撻の程、宜しくお願い致します。

宮田 充康氏
火曜グループ

宮田 充康(みやた みつやす)
株式会社日立ハイテクノロジーズ中部支店 支店長

【株式会社日立ハイテクノロジーズ中部支店】
〒460-0003 名古屋市中区錦2-13-19 瀧定ビル
TEL:052-219-1310 FAX:052-219-1866
URL:http://www.hitachi-hitec.com/

日立ハイテクノロジーズ 中部支店の宮田でございます。
産業懇親会火曜グループに参加させていただくことになりました。
宜しくお願いします。
茨城県生まれで東京は下町の育ちです。地方への転勤は、10年前の大阪に続き2回目です。
名古屋は、言葉も文化も食事も全く違和感がなく、夏のじとっとした暑さを除けば快適な仕事環境と考えてます。
仕事は、日立ハイテクノロジーズ本社のほとんどすべての仕事があり、ミニ日立ハイテクと言われております。(半導体製造装置、理科学機械、材料、情報、生産システム等)
歴史と文化のあるこの都市で如何にして事業をこれまで以上に発展させていくか、日立ハイテクノロジーズの支店長として、いかにして活動していくかは、これまでのミクロな仕事の進め方とは、又大きく違う所であると考えています。
業界も違う皆様とのお付き合いを通じて、この命題に取り組み、自分を高めていければと考えております。

>>目次へ

【7月度産業懇談会開催日程】
(場所7/3、7/16以外は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
7月8日(火)
12:00〜14:00
株式会社エスケイエム
取締役会長 野口 紘一郎氏
「(株)豊田自動織機の概要と最近の事業展開」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
7月16日(水)
18:00〜20:00
(株)イズミック
本社商品部 次長 横地 邦男氏
「お料理とお酒の楽しみ方」
金しゃちビアレストラン・ランドビアサーカス
水曜第2グループ 片桐清志
内藤由治
7月9日(水)
12:00〜14:00
名古屋鉄道株式会社
取締役副社長 山本 亜土氏
「厳しい名古屋の公共輸送」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

7月3日(木)
11:30〜15:45
(予定)

株式会社ポッカコーポレーション
名古屋工場 見学会
北名古屋市

>>目次へ

【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

メールマガジンの配信を ○希望しない

>>目次へ

【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.51

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 庭づくりと健康づくり 』の話

 梅雨の頃となりましたがいかがお過ごしでしょうか。雨に打たれた草や木は艶やかさを増し、私たちを楽しませてくれます。我が家の庭の木も約20年間でずいぶん成長しました。ガーデニングが趣味ですから、毎年悩みながらも素人剪定や害虫退治、肥料やりを行ってきました。この春、我が家でイベントがあって、昨年の秋から特にずいぶん手をかけたせいか、我が家の庭をよく知る隣人から「いい庭になりましたね。」と言われました。庭をセミプロに見られるというイベントがあったことで、ステップアップしたのだと言えます。しかし、自己流で剪定した庭とプロが剪定した庭とでは明らかに違います。もしプロのアドバイスを受けて剪定すれば我が家の庭はさらに見事になるはずで期待が膨らみます。実はこの庭づくりと健康づくりは似ていることに気づきました。
 毎年、人間ドックや定期健康診断を受けますが、皆様はどのような準備や意識で受けますか?(1)受けなければならないから受けるのと、(2)前回の結果を生かして生活し、自他評価のために受けるのでは大きく違いますね。最近は、(2)の方が増えてきたように感じています。プチ努力タイプこつこつ努力タイプ猛烈努力タイプに分かれますが、前回の結果を反省し、肉体の改造に取り組んだ結果を確認するのが楽しみという人にしばしば出会います
 プチ努力タイプでも、幸か不幸か良い結果が出てきます。健診のちょっと前からお酒をやめてみたり、食事を制限したりしての受診はよくありません。にわか作りの結果より、普段の生活の結果を確認したほうが今後の健康づくりに生かせます。一方、猛烈努力タイプの人で、さらに数値が悪化する人があります。努力の甲斐もなくデータが悪化したときは、がっかり度も大きいでしょう。そんな時こそ、積極的にプロ(医療従事者など)に相談しましょう。そうすれば、もう少し原因を探せるし、過激な運動や粗食が時には災いする数値があることや、数値の変化を見て、むしろ治療と平行して肉体改造を進めたほうが将来の健康状態を良好にすることなどを教えてくれます。皆様の5年後、10年後を想像しアドバイスを惜しまないでしょう。
 やせているのに総コレステロール・中性脂肪の多い人がいました。一日1万歩を一年間心がけても一向に下がりません。あきらめずに継続した結果、標準値になったのは翌年でした。こつこつ努力タイプのその方は、定年後も継続し、出かけた場所や健診結果を絵はがきにして報告してくれます。
 人間は自分に甘いようですから、人に評価されたほうがステップアップすることが多いですね。健診は人に見てもらえるイベントなのです。自分をさらけ出して、他人のアドバイスをもらう方が案外健康への近道かもしれませんが、知識があるだけでは健康になれません。皆様の行動力をぜひ発揮して、健診をもっと健康づくりに生かしましょう。

健康診断の 結果を 生かそう 知識人ほど 他人の助言を 素直に 生かそう

>>目次へ

コラム【理念経営物語】
株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『理念経営成功例:No.1』

【 ゼロに戻る 】

 A社にBという経営者がいました。ある時Bは言いました。「私は、会社を創業して今年で20年になります。お陰様で順調に業績が伸ばして来ましたが、経営にとって一番重要なことは、常に創業の時の精神に戻って経営することだ」と。
 A社は、創業以来、B自身が予想しなかったほどの急成長であったため、周りからの評価は鰻上りで、「天才経営者」「一流経営者」などの賞賛の嵐でしたが、Bは、そういった言葉にはなるべく耳をかさないように、心を奪われないように氣をつけてきました。しかし、時には周りの声に「私は天才だ」「私は一流だ」などと思いそうになることもあったようです。そんな時、経営者は「理念経営論」というものに出会いました。創業から10年後のことでした。業績が伸びるたびに周りの評価は鰻上り、評価=期待というプレッシャーを感じるようになっていた時期でした。理念に出会ったBは氣づきました。周りの評価とはなにか?それはまさに「業績という結果への評価」であった。それに対して、理念からの発想は、結果ではなく、原因創りに思いを集中することであると。私の創業時の精神は、業績を上げるためではなく、「お客様に喜んでいただきたい」「お客様の笑顔が見たい」という純粋な思いという原因があったからこそ、業績という結果が出てきたのであり、この創業の精神こそが理念というものであったと。それに氣づいていなかったら、きっと私の会社は現在存在していなかっただろうと。その後Bは「なにかを覚えることも重要だが、なにかを忘れないことも重要。そのなにかとは当社の理念である。それを常に忘れないで、日々そこに戻ってから職務に取り組んでほしい!」という話を、朝礼や会議のたびに社員に伝えました。そしてBは、社長室に「一番重要なことは、耳にタコが何個も出来るぐらい言い続けるべきだ」という文章を貼ってあるそうです。

解説

 日々そこに戻るとは、つまり日々ゼロに戻るということであり、ゼロとは理念であるということです。このゼロに戻る時間が短ければ短いほど、理念経営が実践されていると言えます。

理念経営論

理念経営論とは、
根本にある理念に基づき、ビジョンに向かい、
木(企業組織)は成長していく。それが理念経営論です。
根をしっかりと伸ばすことで、木は成長します。
理念経営論は、
(1)本質的経営=理念創造・実現経営
(2)夢実現経営=ビジョン創造・実現経営
(3)実践的経営=全社員自立・実行経営

以上、3つの柱から出来ています。

>>目次へ 

コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No.73

片桐清志

「忠」と「恩」と「思」

 今月も心(部首名:したごころ)に着目してみたい。
 人気ランクの3番手は「忠」だ。忠で始まる苗字は35種で、結構多い。儒教や武士道の影響だろう。ただし、あまりポピュラーな苗字はなさそうだ。忠尾(タダオ)や忠野(タダノ)、忠原(タダハラ)、忠岡(タダオカ)、忠村(タダムラ)、忠本(タダモト)などでも上位6000番(佐久間 英ランキング表)に入って来ない。
 一字姓の「忠」もある。呼び方もチュウのほかにタダ・タダシ・アツシがある。ユニークな苗字では忠鉢(チュウハチ・チュウバチ)、忠縄(チュウナワ)、忠目(タダメ)、忠石(タダイシ)、忠海(タダウミ・チュウカイ)などがある。忠宗(タダムネ)、忠正(タダマサ)、忠政(タダマサ)、忠永(タダナガ)、忠見(タダミ)、忠高(タダタカ)、忠広(タダヒロ)などは名前と間違えそうだ。
 「忠」に次いで人気の高いのが「恩」だ。23種あり、いわば忠の兄弟分だ。こちらは恩田(オンダ)が523位、恩地(オンチ)が3861位に見られるように忠よりもポピュラーだ。ただし、恩の一字姓は見つからなかった。ユニークな苗字では恩徳(オントク)、恩慈(オンジ)、恩知(オンチ)、恩智(オンチ・オンジ・オチ)、恩賀(オンガ・オガ)、恩伝(オンデン)、恩納(オンノウ・オンナ)などいかにも恩が感じられる苗字だ。
 気をつけないと「恩」と見間違えそうなのが「思」だ。こちらは一字姓の「思」もあり、オモイ・シノブ・シ・シダとお呼びする。種類は9種と少ないし、あまりポピュラーな苗字は無いが「恩田」と「思田」や「恩澤」と「思澤」は共に実在するので混同しないように注意したい。

>>目次へ




【平成20年6月号編集後記】

 中部経済同友会が以前から活動している中学校への出前授業を先日体験してきた。当懇談会メンバーの今村氏(ボストンコンサルティング)とともに今池中学の2年生を担当した。当日は同友会の事務局をはじめ教育実習中の愛知教育大の学生や教職員も教室の後方で応援(?)見学するという予想外の展開となった。
 今池中学としては総合学習に社会人を起用するのは初めての試みとのことだが、当方も中学校の教壇に立つのは初体験だ。準備の段階で一番悩んだのが現在の中学生の目線の位置だ。中学2年生の頃どんな勉強をしていたか自分自身の経験が思い出せない。自分の子供の相手をしていなかったツケが今頃回ってきた。
 50分間で何を伝えるかいろいろ迷ったが、結局将来の進路の参考になればとの気持ちから「夢と仕事」について自分の経験を話すことにした。夢はともかく仕事の話は難しい。経験のない相手に興味を持ってもらうには一工夫いる。特に我々のように光ファイバーの建設という縁の下的な役割は理解してもらいにくい。そこで光ファイバーのサンプルを持ち込むことにした。狙いどおり興味を示してくれた。最後の質問タイムには「光ファイバーになぜ色がついているの?」という鋭い質問も飛び出した。これも実物ならではの威力だ。
 純粋でイキイキした反応がすっかり当方をいい気持ちにしてくれた。後日、生徒の感想文と一緒に校長からご丁寧な手紙をいただいた。少なくともこちらの思いはどうにか伝わったようだ。生徒の純真な感想文は私にとって何よりの記念品だ。産業人がもっと教育の現場に出かけ、交流を深めるべきだと確信した。いろんな分野からの参加が望まれる。「案ずるより生むが易し」だ。是非一度体験することをお勧めする。
 さて今月号も例会模様3件と新会員の紹介をお届けできた。例年この時期は交替入会も多く、今月も新会員紹介は9名になった。地元の方、名古屋勤務初の方等経歴も業種も様々でこれからの交流が楽しみだ。
 先日、代表幹事と4グループの世話人とで産業懇談会の今後の活動を話し合った。代表幹事からいくつか貴重なアドバイスもいただいた。会員企業見学の機会をもっと増やすなど今後の活動に反映していく所存だ。会員各位からもご提案をお待ちします。

(片桐)