産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第68号 2008.1.29発行

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平成20年1月度(第68号) 目次

産懇宅配便
「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」 1月22日(火) 17時30分〜20時00分
【新会員自己紹介】
杉本 美晴氏 アット・ワンス株式会社 代表取締役
永目 賢助氏 株式会社トヨタケーラム 取締役社長
【2月度産業懇談会開催日程】
【3月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』
 

「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」


テーマ『 多文化共生−和を以って貴しとなす− 』



日  時:20年1月22日(火) 17時30分〜18時30分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙(西)の間
参加者:55名

 

スピーカー:
中部経済同友会 代表幹事 岩崎 骼

代表幹事 岩崎 骼

 ノリタケは、1904年(明治37年)に森村市左衛門によって日本陶器合名会社として設立されたのが始まりである。更にその起源は、ペリー来航で鎖国が解かれたばかりの日本へ遡る。当時は、欧米から様々な文明が流れ込んでくる中、国家財政を支える金(きん)が闇雲に流出していた。これは、当時の世界相場と比べて日本が金安銀高であることが原因であったのだが、こうした海外との不平等な取引のあり方に疑問を抱いたのが若き日の森村市左衛門だった。こうして市左衛門は、福沢諭吉の勧めもあって海外貿易を決意する。外国人と海外貿易をするには外国語を学ばねばならず、丁稚奉公に行っていた弟の豊(当時13歳)を呼び寄せ協力を求めた。豊は外国人から英語を学び、慶応義塾で学問を学んだ。森村兄弟は1876年、東京銀座に貿易会社の森村組を設立し、豊はアメリカに出発した。仲間とニューヨークで小売商を開業した豊は、東京の兄・市左衛門が送り出してくる日本の骨董品の販売を始めた。幕末における貿易の多くは、日本に来た外国人が長崎の出島や横浜の外国人居留地で行っていたものであり、日本人が外国に渡り、西洋との本格的な貿易をしたことはなかった。また、当時の政府による輸出奨励でアメリカに渡って貿易を始めた会社も何社かあったが、一時隆盛を極めたものの、長続きはしなかった。政府の援助に頼らない森村組はノリタケとなった今日まで続いている。私ども、ノリタケを始めとしたTOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業が、森村グループと言われる所以である。
 ノリタケは1876年にアメリカに登録した日本企業の第一号である。それから130年が経つが、思えば日本の近代化が始まったのはまさにその頃であった。当時、アメリカへ渡った日本人はその殆どが20代の若者達であり、こうした若者達が日米通商を拓いていった。日本がこれだけ栄えてこられたのは、このように外国が外資である我々を受け入れてくれたからであり、これからは我々が外資を迎える番ではないだろうか。

 私は今から47年前にノリタケに入社したが、この内、31年間を外国で過ごした。最初に日本を出たのは東京オリンピックの翌年のことである。ノリタケはアメリカに洋食器を売ることを目的に作られた会社で、出ていけばなんでも売れる時代でもあった。それで、当時の役員に「世界中にまだたくさん国はある。他の国にも売ってこい。」と言われ、行ったのがオーストラリアだった。当時のオーストラリアは白豪主義が罷り通り、白人でなければ人間扱いされないという世界で、事実、私も激しい差別や排斥に遭った。ところが、どんなときも必ず「待て」という人がいて私を守ってくれた。育児や日々の生活などでもたくさんの人々の助けを受けた。すると次第に、「地球には色んな人がいるが個のベースでは何も変わらないな。」という温かい気持ちが芽生えてきて、次第に偏見というものが自分の中から薄れていった。そんな私を見ていると向こうも次第に偏見がなくなり、段々と心を開いてくれるようになる。恐らく本音でぶつかっている間にお互いがなに人かなど忘れ始めるのだと思う。このときの経験が私にとって最も大きな転換点だったと思う。

 オーストラリアの次はニューギニアで、その後、南アフリカに行った。南アも当時はアパルトヘイトの最もひどい時期で、白人以外は何もかも酷い待遇だった。これは大変だと思って領事館に行くと、「日本人は名誉白人だから、パスポートを見せれば白人並みに扱われる」と言われたが、それがトラウマとなっている。人種差別がいけないことは分かっている。しかし、白人の扱いをしてやると言われると、パスポートを見せてしまう。この「名誉白人」というようなものが日本人のどこかに今も巣食っているのではないかと思うのである。考えてみると、侍は外国へ行っても刀を差し、まげを結って威風堂々としていた。日本語しか話さなかったが、凛としたすごいやつらだという尊敬の目で見られていた。ところが欧米文化を追及し始めた頃から日本人は、中途半端になってきたのではないか。最近、日本はアジアの時代だといって中国や韓国に目を向けている。しかし、その国の人達が思いもかけない態度を示すことがあるのは、我々日本人が「名誉白人」の顔をどこか持っているのではないか。

 最後にニューヨークに15年間いたが、日本で我々が聞いていたアメリカとの落差に驚いた。メディアは、世界中は嫌米と厭米で満ちていると伝えるが、毎年世界中から故国を離れ、移民が集まってくる事実がある。アメリカにはそれだけの魅力があり、人生を掛けようと思う人々がたくさんいるのだ。また、アメリカ人のイメージは大声で市場主義で弱肉強食だが、殆どの人は含羞を持った静かな人達だった。アメリカで国連を冷ややかに見ているのもそれはアメリカそのものが国連のようなもので、理想ではなく毎日現実問題として対処しているからだ。さて、アメリカで3億人もの多様な人種から成る人たちが暮らしていけるのは、絶えず多文化共生の心を持っているからであり、同時に、「私はアメリカ人だけどイタリア人だ。」というように自分のルーツ、スタンスをはっきり持っているからである。従って、日本を捨てるという発想を持ったら大間違いで、多文化共生の心を持つと同時に日本人であることを示すことが世界から実は尊敬されることだと私は信じて疑わない。

 65億キロ先から地球を見ると、米粒よりも小さい地球が宇宙の暗黒の中にぽつんとある。この小さな中で我々はしのぎを削っているに過ぎないのかと思うと、宗教や人種も大切だが、もっと違う価値観が生まれてくるのではないか。これからの子供たちはこうしたことを益々はっきり意識するようになるだろう。そこでは、日本人の最も得意とする「和」の心が大切になってくるはずだ。いろんな人を受け入れ、自分たちのスタンスをはっきりと伝えて手を差し伸べて生きていく。そうすれば、必ずや世界の発展や平和のために貢献できるはずだ。そのためには、我々自身がまず多文化共生を受け入れようではないか。特に、古い先入観を持たない日本の凛としたグローカルな若者たちが、多文化共生の新しい日本を創ってくれる事を願っている。

◆「新年合同懇親会」風景 
4グループ合同新年懇親会 模様 4グループ合同新年懇親会 模様

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【新会員自己紹介】

杉本 美晴氏
火曜グループ

杉本 美晴(すぎもと みはる)
アット・ワンス株式会社 代表取締役

【アット・ワンス株式会社】
〒460-0002 名古屋市中区丸の内2-14-29 ザ・スクエア6階
TEL:052-218-6327 FAX:052-218-6328
URL:http://www.at-once.co.jp/

はじめまして。アット・ワンス株式会社の杉本美晴と申します。
産業懇談会 火曜グループに参加させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。

昨年の10月の幹事会主催の女性活躍の時代〜のパネラーとして参加させていだだき今回の入会のお話をいただきましたこと感謝申し上げます。
名古屋を中心に社員教育を企画・運営する会社を7年前に作りました。
私自身も講師として全国でお話させていただいております。
私も社会復帰組みの女性ですが、女性が社会にでるきっかけ作りや活躍のお手伝いをさせていただいています。今後ますます女性が活躍する時代が来ると思います。多くの素敵な女性のバックアップができる会社に成長していきたいと思っています。

社会にでるきっかけを作るお手伝いをすることで女性をはじめ多くの人々が輝き、明るい笑顔でみちた社会になることを期待しています。ワークライフバランスやダイバーシティを多くの方々に知っていただき、皆が自分や家族も大切にしながら仕事も頑張れる社会があたりまえになること・・・夢を持ち、夢に向かってすすむことが楽しいと思える社会のお手伝いをしていきたいと考えています。また高校3年生と中学2年生の息子を持つ母として、これから社会にでる子ども達が強くやさしい人になり、日本の経済を支えていける力強さをもってもらいたいといつも思っています。自分の子どもだけでなく多くの子どもたちが夢をもち、その夢を実現できるという期待の持てる社会であるように今私に何ができるか?といつも自問自答しながら、アット・ワンスの理念でもあり、私のミッションでもある「元気でわくわく、あったかい」場所作りを今後とも仲間達と一緒に力を合わせて頑張る所存でございます。勉強させていただくことばかりで、これから自分に何ができるか?をこのグループの中でも見つけていければと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

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永目 賢助氏
水曜第2グループ

永目 賢助(ながめ けんすけ)
株式会社トヨタケーラム 取締役社長

【株式会社トヨタケーラム】
〒460-0008 名古屋市中区栄2-12-12 白川第二ビル別館
TEL:052-223-3802 FAX:052-223-3809
URL:http://www.caelum.co.jp/

 株式会社トヨタケーラムの永目と申します。
  この度、前任の新木の後を受け、水曜第2グループに参加させていただくことになりました。宜しくお願い申し上げます。
  熊本生まれですが、1969年にトヨタ自動車に入社以来、人生の大半をここ中部の地で送って参りました。
  最近は、心身のリフレッシュに余暇を充てることが多く、ゴルフ、スポーツジム通い、落語(頭の凝り?をほぐします)が趣味となっております。
  当社はトヨタ自動車株式会社の関係先企業の設計システム導入支援のために立ち上げた、ケーラム事業部を母体としております。その後1993年10月に自動車業界以外もターゲットに含めた新規事業として分社設立以来、製造業を中心としたお客様に貢献するために日本発のソリューションを提供して参りました。
  今後もお客様のプロセス変革を支援し、高度化・多様化するお客様のニーズに的確かつスピーディにお応えしていきたいと存じます。
  産業懇談会の皆様との交流の中で、さらに視野を広げられればと期待しております。
  皆様のご指導、ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

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【2月度産業懇談会開催日程】
(場所は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
2月12日(火)
12:00〜14:00

三菱重工業株式会社
中部支社 支社長 小笹 源水氏
「風車の話」

18階
オリオンの間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
2月20日(水)
12:00〜14:00
株式会社アクティオ
名古屋支店 支店長 水谷 文和氏
「苗字からみえてくるもの
〜先祖の功績を知り、郷土愛を深める〜」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
2月13日(水)
12:00〜14:00

太陽工業株式会社
名古屋支店長 細川 光雄氏
「テントの魅力」

18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
2月7日(木)
12:00〜14:00

東レ株式会社 名古屋支店
支店長 濱口 裕氏のご紹介
東レ株式会社 取締役 トレカ事業部門長
大西 盛行氏
「東レの炭素繊維複合材料事業の現況
と今後の展望について」

18階
伊吹の間

【3月度産業懇談会開催日程】
(場所は3月6日以外は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
3月11日(火)
12:00〜14:00

株式会社名古屋証券取引所 
取締役副社長 西川 聰氏
「ライブドア事件の本質、その他」

18階
オリオンの間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
3月19日(水)
12:00〜14:00
名菱電子株式会社
取締役社長 岡野 勝氏
「社会インフラを支える情報通信システムについて ― from the Front Line −」
18階
オリオンの間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
3月12日(水)
12:00〜14:00

三菱UFJ信託銀行株式会社
常務執行役員 寺岡 俊介氏のご紹介
三菱UFJ信託銀行株式会社
不動産コンサルティング部長
野田 誠氏
「不動産マーケット 調整後を読む」

18階
オリオンの間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

3月6日(木)
11:00〜16:30
(予定)

井村屋製菓株式会社
本社工場 見学会
※ご参加の方には後日、詳細案内をお送りします。
※後日、実費を精算させていただきます。
三重県津市

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【お知らせ】

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.46

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

『 翼 』の話

 とても遅いご挨拶ですが、「明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。」今年の初夢はいかがでしたか?私の夢は、を手に入れて自由に羽ばたく夢でした。すうーっと天高く舞い上がり、地上を見ると青い海や緑の山々、小さな町並みが自分の手の中にあるような気がしました。「爽快」の一言。申年のせいか、高いところがとても好きな私です。
 人間の好きなものには「自由」があり、反対に嫌いなものに「束縛」があります。とはいえ、束縛があるから自由の楽しみもあるわけですし、現実として束縛のない世界はありません。趣味でも、○○クラブに所属すれば、ルールがあり自由奔放とはいきませんし、仕事ならなおさらのこと。また、好きな人ができると、デートの約束が生まれ、仕事の調整をしてでも付き合うようになります。それも束縛の1つ。夫婦であればもっともっと束縛が・・・。
 人間にとって鳥のような翼は願っても叶わないものですが、飛行機やヘリコプターなどで空を飛び、世界の国々に行けるようになり、たとえばナスカの地上絵をみることも簡単になってきました。形こそ違うけれど、今日の優れた翼のひとつに「携帯電話」があります。携帯電話が近くにないと不安で仕事にならないほど、その影響はすごいものです。連絡や気持ちを音声やメールで伝えることが自由にできるし、世の中の情報をさっと手に入れることも可能です。要するに神様(?)は人間に翼を与えてはくれませんでしたが、頭脳の中に翼を与えてくれたのに違いありません。交通、通信をはじめ文明の発達は、長生きの大きな楽しみではないでしょうか。
 また、神様(?)は心にも翼を与えてくれています。運命という気流の乗り方さえも、自分の心の翼次第とか。その翼の傾き1つで、上昇したり、下降したりするのでしょう。私はこの一年を心のの傾きに気をつけて、のびのび自分流の生き方をしていきたいと思います。皆様も素敵な翼で豊かなよい一年をお過ごしくださいますよう、ご健勝とご多幸をこころからお祈り申し上げます。

夢実現 不言実行 有限実行 あなたはどちら(夢追い人間)

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コラム【プログレスシリーズ】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:No.34』

【 部下に厳しく、その前に自らに厳しく 】

 人は楽しさを求め厳しさを嫌うものですが、人は厳しさがあるからこそ楽しさを知るものです。企業経営における厳しさも、楽しさを生み出す厳しさでなければなりません。大きな厳しさの後には大きな楽しさが待っています。経営者が社員に対して厳しく接することは大切なことです。では、楽しさを生み出す厳しさとはどのような厳しさなのでしょうか?その厳しさには「愛情」が必要であり、今の楽しさよりも「将来の大きな楽しさ」を引き出す厳しさでなければなりません。「将来の大きな楽しさを引き出す」厳しさとは、社員が自立し、自らの可能性を引き出すことが出来るような厳しさです。そして、その厳しさを与える経営者や管理職は、第一に自らに厳しくなければなりません。部下は、どんなに厳しい上司であっても、その上司自身が自分に厳しくない上司であれば、本来の厳しさは感じないものです。自らに厳しくすることこそ、部下を育て、企業経営に大きな楽しさ(成果)を生み出すものです。

・・・・ <事例研究>  歴史人物シリーズ−17 「 徳川家斉 」 ・・・・

 11代将軍家斉は10代将軍家治の子供ではなく、家治の父である9代将軍家重の弟一橋治済(宗尹)の孫であり、幼少期から異様な性癖があったと伝えられています。蟹や鶏を相手にして踏み潰したり殴り殺したという残虐な逸話があります。しかし、安永8年に家治の世子家基が急死したため、父と田沼意次の裏工作、並びに10代将軍家治に他に男子がいなかったため、家治の養子になり、15歳で将軍職に就任しました。そして、治世の初期、田沼意次を廃して白川藩で名君の誉れ高かった松平家信を老中に登用して8代将軍吉宗の政治に倣い寛政の改革を推進、綱紀の粛正を図りました。しかし、その後家信が、彼の緊縮政策を嫌う水野忠成らによって老中を辞任させられてしまい、綱紀は紊乱してしまいました。歓楽を極め、大奥も乱れ、家斉自身も好色将軍と言われ、側室は40人もいたそうです

事例へのコメント

 11代将軍家斉は、幕府に厳しさを求めましたが、自分自身に対する厳しさに欠け、その結果として幕政を崩壊させるような政治を行ってしまいました。本来であれば将軍と言う立場に立つことが出来ない立場にいたにも関わらず、父と田沼意次の裏工作により将軍となった家斉は、その立場に溺れ、好き勝手な行動をしたのでしょう。そんな家斉に「謙虚さ」や「感謝の氣持ち」があり、そういう氣持ちの基に幕政を行っていれば良かったのでしょうが、結果的にそういう氣持ちになれず、将軍という立場に溺れ、欲望のなすがままに行動してしまう最低のリーダーとなってしまったのです。現代の経営者には、このような最低なリーダーはいないでしょうが、常に謙虚に、感謝の氣持ちを持って、自分に厳しく経営をすることが大切でしょう。

現場を預かる管理職には責任感と理念に基づいた権限の行使が求められる

●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No 68

片桐清志

「信」と「用」と「頼」


 昨年は「偽」が一年を代表する漢字に選ばれるほど様々の偽装事件が多発した。永年にわたって築いてきた信用、信頼を失った企業の再生は厳しい。今年の漢字は「信」であってほしいものだ。その願いを込めて今月は「信」と「用」と「頼」に関する苗字に注目してみた。
 「信」は昔から重視されたようで、「信」で始まる苗字は約100種見つかった。「信」の字の意味は、言葉と心とが一致する「まこと」の意だ。一字姓の「信」もあり、シン・ノブ・シノ・シギリの読み方がある。
 「信」姓には苗字ではなく名前ではないかと間違えそうなものも多い。一例を挙げると信久(ノブヒサ)、信元(ノブモト)、信友(ノブトモ)、信吉(ノブヨシ)、信太(ノブタ・シダ・シノダ)、信夫(シノブ)、信常(ノブツネ)、信実(ノブザネ)、信広(ノブヒロ)、信明(シンメイ)、信次(ノブツグ)、信正(ノブマサ)、信長(ノブナガ)、信治(シンジ)、信行(シギョウ)、信重(ノブシゲ)、信高(ノブタカ)などだ。以上は男性の名前でも見かける苗字だが、女性の名前と間違えそうな苗字も数は少ないがある。信乃(シノ・シナノ)、信枝(ノブエ・ノブエダ)、信江(ノブエ)が見つかった。
 ユニークな苗字では信乗坊(シンジョウボウ)、信力(シンリキ)、信国(ノブクニ)、信土山(マツチヤマ)、信多(シダ・シノダ・ノブタ)、信宗(ノブムネ)、信徳(シントク)、信有(シヌ)、信開(シンカイ)、信楽(シガラキ・シンラク他)、信濃(シナノ)、信濃小路(シナノコウジ)、信組(ノブクミ)、信貴(シギ・ノブキ他)などがある。信氏(ノブウジ)氏はさぞ信義に厚いことだろう。
 「用」も意外と多く27種見つかった。こちらも一字姓の「用」があり、タカラとお呼びする。ユニークな苗字としては用作(ヨウジャク)、用免(ヨウド)、用具(ヨウグ)、用吉(モチヨシ)、用賀(ヨウガ)、用害(ヨウガイ)、用慈(モチジ)、用宗(モチムネ)、用正(モチマサ)、用土(ヨウド・モチツチ)、用水口(ヨウスイグチ)、用石(ヨウセキ)、用稲(モチイネ・ヨウイネ)、用草(モチグサ)、用豆秋(ヨズアキ)といったところだ。
 「頼」も31種見つかった。一字姓もありヨリ、ライとお読みする。ユニークな苗字では頼金(ヨリカネ)、頼富(ヨリトミ)、頼尊(ヨリタカ・ライソン)、頼成(ライセイ・ライジョウ)、頼国(ヨリクニ)、頼実(ヨリザネ・ヨリミ)、頼房(ヨリフサ)、頼定(ヨリサダ)、頼末(ヨリスエ)、頼張(ライバリ)、頼近(ヨリチカ)、頼母木(タノモギ)ある。
 頼信(ヨリノブ)さんは見つかったが、信頼さんも信用さんも見つからなかった。信用、信頼を大切にするには「信」さんと「用」さんと「頼」さんの三人お集まりいただくしかなさそうだ。

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【平成20年1月号編集後記】

 ガソリン価格の急騰もあって「道路特定財源」をめぐる動きが活発だ。道路が重要な社会インフラであり、その整備には長期ビジョンが必用なことは理解できる。しかし暫定税率と言いながら今後10年間を「暫定」というのもやや強引だ。
 先日名古屋で増田総務大臣を迎えて開催された「道州制を考えるシンポジウム」の席上、パネリストの堺屋太一氏が提唱した「ニア・イズ・ベター」の考え方が思い起こされる。「ニア・イズ・ベター」が注目しているのは「人間は、自分のお金をつかうときは、他人のお金を使うときよりも利口だ」という原則だ。誰でも自分が汗を流して稼いだお金で自分の物を買うときは真剣に考えて使う。グループの会費を使うときはメンバーのコンセンサス作りが必要だがそれでも自分たちのお金という意識があり、無駄を省こうとする。しかし国の予算は自分たちが納めた税金だが、自分の手元のお金に比べると使われ方に対する関心はどうしても薄くなる。したがって税金を生きた使い方に変えるには住民に近いところで予算の大部分を決定する道州制が必要だ、というお話だった。「官主主義」から「民主主義」への転換には道州制が有効な手段に思えてくる。
 さて2008年最初の「産懇宅配便」では4グループ合同で実施した筆頭代表幹事の講話模様を紹介した。47年の職歴中31年間海外で勤務した経験をお持ちの岩崎代表幹事ならではの「今後の日本の進路」のアドバイスをたっぷり伺う事ができた。穏やかでゆったりとした語り方の中に、氏が歩んでこられた経験からにじみ出る熱き思いが参加者の胸に迫る。氏はグローバルにとどまらず、更に宇宙的視点で新たな価値観を持とうと呼びかけている。日本人が古来培ってきた「和」の心こそ「多文化共生の心」だとの言葉が印象的だ。
 今月号では新年早々新会員2名の紹介ができた。今年もたくさんの新会員をお迎えし、たくさんの新しい出会いを楽しみたい。

(片桐)