産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第62号 2007.7.25発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成19年7月度(第62号) 目次

産懇宅配便
【19年6月度産業懇談会(木曜G)模様】 6月7日(木) 12時00分〜14時00分
【19年6月度産業懇談会(火曜G)模様】 6月12日(火) 12時00分〜14時00分
【19年6月度産業懇談会(水曜2G)模様】 6月13日(水) 12時00分〜13時40分
【19年6月度産業懇談会(水曜1G)模様】 6月20日(水) 12時00分〜14時00分
【新会員自己紹介】
井手 光敏氏 イデア工業株式会社 取締役社長
太田 実氏 農林中央金庫名古屋支店 支店長

岡野 勝氏

名菱電子株式会社 代表取締役社長

各務 正博氏 中部電力株式会社 取締役副社長執行役員
【9月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【会員からの投稿】
「偉大なる田舎」 加藤 敏
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』
 

【19年6月度産業懇談会(木G)模様】


テーマ『 証券業界の現状と今後の課題−CHIQ革命− 』

日  時:19年6月7日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:30名

 

スピーカー:
石田 建昭(いしだ たてあき)氏
東海東京証券株式会社
代表取締役社長 最高経営責任者

石田 建昭氏

 今、証券界には、大きな構造変化が起きている。例えば、投資信託販売業者別の残高推移を見ると、5年程前には殆ど投資信託を販売していなかった銀行や郵便局が、今や5割のシェアを占めるようになっている。投信マーケット自体が相当な規模で拡大しているので、販売額としてはそれ程大きな変化はないが、証券会社のシェアは下がってきている。次に、証券会社のランキングに着目すると、この10年間で相当変化したことがわかる。平成18年度のランキングでは、当社は前年より2ポイントアップして10位に位置しているが、野村ホールディングスと当社を除くと、上位10社の内、殆どを銀行系証券会社が独占している。また、最近5年間でネット証券が急速に業績を上げているのも大きな特徴である。
 もうひとつの大きな変化は、証券業界に押し寄せている国際化の波である。例えば、以前は、株を保有するのは金融機関と事業法人、個人が殆どであったが、最近では外国人の保有比率が最も高い。また、更に特徴的なのは投資信託で、国内の株式や債券などのシェアは約25%にまで落ちて、今や殆どが国際型である。また世界的にも、この5〜10年の間で金融市場の様相は相当変化している。例えばバブルの頃は、ニューヨーク証券取引所よりも東京証券取引所の時価総額の方が大きかったが、今はニューヨーク証券取引所の時価総額1,800兆円に対して東京は600兆円と大きな差をつけられている。またアジアの台頭も著しく、上海や香港の証券取引所の時価総額を合計すると東京証券取引所と殆ど変わらないくらいまで成長してきた。

 今、証券業界にはCHIQ革命の波が押し寄せてきている。このCHIQ革命というのは実は私がつくった造語であるが、頭文字のCHはCheap革命を意味する。近年、証券業界では、手数料率が急速に下がっており、米国などではノーロードと呼ばれる販売手数料が無料の投資信託も増えつつある。従って、こうした状況に証券会社がどう対応していくかが大きな課題である。
 CHIQ革命のIはIT革命を指す。これも相当な勢いで証券業界にも押し寄せている。例えば、決済制度もDVP(Delivery Versus Payment)の導入やT+1(翌日決済)への移行が進んでいるし、株券などのペーパーレス化も近い将来実現するだろう。その他にも経営の細部にわたって様々なシステム対応が求められており、こうしたシステム導入のために膨大な投資が必要となってきている。
 CHIQ革命の最後に挙げられるのが、Quality革命である。日本でも近年、コーポレートガバナンスが盛んに叫ばれており、証券会社としてもこれを避けては通れなくなってきている。また、コンプライアンスの面だけでなく、商品、サービスの質の向上も図る必要がある。最近では、多種多様の商品が次々と世に出ており、サービスの面においても従来のように株や投資信託に直接関係する営業を行うだけではなかなかお客様を惹きつけることができないようになってきた。
 このような状況を踏まえると、今、証券会社が克服すべき課題は、経営や収益の安定化で、そのためには相当高いレベルを目指した成長戦略を打つ必要があると考えている。今の時代、他社と同じことをやっていても絶対に大手には敵わない。当社も経営3ヵ年計画の中に、6大証券の一角を占めることを掲げているが、この実現のためにも他社との差別化を図っていくことが必要不可欠と考えている。

 平成19年3月期の当社の営業収益、経常利益、純利益はいずれも前年同期に比べダウンしたが、前年はマーケットが異常に活況を呈した歴史的な年だったため、こうした状況から判断すればまずまずの結果だったと判断している。また、ROE10.2%、配当性向44.1%、配当利回り2.5%は、いずれも証券業界の中では高水準といえるだろう。
 当社は、株券から上がる収入が全体の約50%を占めるが、受益証券や投資信託から得られる収益が急速に伸びており、以前と比べると株券からの収入シェアは低くなっている。当社では投資信託についても様々な商品を取り揃えて販売しており、今後も株式や投資信託、債券などをバランス良く構成した営業体制にしたいと考えている。
 次に当社の顧客構成を見ると、1億円以上の預かり資産がある顧客層(ハイ・ウェルス)は、口座数では全体の0.7%に過ぎないが、この層の預かり資産は全体の19%、手数料は14%とそれぞれ高いシェアを占める。また、3,000万円以上1億円未満の預かり資産がある顧客(ウェルズ)は、口座シェアでは5.2%ながら、預かり資産及び手数料は共に全体の約30%を占める。従って、これらの富裕層をどう開拓していくかが今後、大きな鍵を握るといえるだろう。

 当社では、昨年より「コーポレートガバナンス/コーポレートカルチャーの改革」、「ビジネスポートフォリオ/ビジネスモデルの改革」、「ネットワークの改革」、「商品・サービスの改革」、「社員の役割及び生産性の改革」の5つの改革を柱とする経営3ヵ年計画「Innovation Jump up 5」を策定し実行に移している。具体的には、商品・サービスの改革として、情報発信の大幅な増大をめざす「セミナーの渦」、社員の役割・生産性の改革として、教育・研修体制の充実をはかるための「資格マイレージ」(ファイナンシャルプランナーの資格取得を昇格の条件とするなど)、「わくわくギネス」(仕事以外で社員がそれぞれ目標を設定し自ら記録を目指す)、また、ネットワークの改革として、銀行、信託、不動産、カード、ローンなど各種金融機関との提携ネットワークの構築に取り組み、多様化・高度化する顧客のニーズへの対応をはかるなど、その他さまざまな施策に取り組んでいる。

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【19年6月度産業懇談会(火G)模様】


テーマ『 クレジットカード市場とJCBの取組みについて 』

日  時:19年6月12日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:24名

 

スピーカー:
大郷 治(だいごう おさむ)氏
ジェーシービー 執行役員東海支社長

大郷 治氏


 JCBは、米国でクレジットカードが誕生してから10年後の1961年に設立された。会員、加盟店、インフラなどゼロから切り拓き、日本におけるクレジットカード発展の歴史の当初から日本最大のカード会社としての地位を築いてきた。従業員は2,600名、売上高は7兆900億円で、会員は5,900万人に及ぶ。また、加盟店は1,400万店で、この内、810万店が海外にあり、世界で190の国と地域に展開している。
 70年代の高度経済成長と共に、海外渡航者数が増加の一途を辿る中、81年にJCBは国際ブランドとして独自の海外展開を開始した。また、90年にはJCB会員向けに海外で高品質なサービスを提供するための窓口としてJCBプラザを開設(現在、世界45都市)。05年には中国でのカード発行を開始し、また国内では、非接触IC決済サービスも開始した。

 クレジットカードには、VISA、マスターカード、JCB、アメリカンエキスプレス、ダイナーズの5つの国際ブランドがあり、JCB以外は全て米国発のブランドである。カード会社は、各ブランドからの許諾を得てカード発行しており、例えばクレディセゾンは、VISA、マスター、JCB、アメリカンエキスプレスの4つのカードを発行している。JCBが他と異なるのは、国際ブランドであると同時にJCB自身がカード発行会社でもあることで、他のブランドは、全て提携するカード会社がカードを発行している。
 現在、クレジットカードは年率10%の伸びを示す成長産業で、トヨタ、NTTドコモ、イトーヨーカ堂、JRなど、交通、通信、流通といった異業種からの新規参入も相次いでいる。その結果、日本のカード発行枚数は2億6,000万枚を超え、現在も増加傾向は続いている。また最近では、銀行本体がカード事業に乗り出す動きも活発化している。
 日本におけるクレジットカードの利用シーンも、日常の消費生活、公共料金、ETC、オンラインショッピングなどここ数年で新しい分野が開拓されてきた。しかし、海外と比較すると全体の普及は遅れており、現状では、日本の個人消費285兆円の内、カード決済は僅か29兆円に留まっている。日本では、小額決済、公金、医療など未だ手付かずの領域が残っており、例えば、単価3,000円以下の小額決済の市場規模は約60兆円に及ぶが、支払い時のサインの煩雑さなどが課題で未開拓の市場となっていた。この小額決済市場を開拓するために、JCBでは非接触ICを活用した新しいスキム、QUICPay(クイックペイ)の本格展開を05年より開始。このサービスを消費者に浸透させるためには、カード業界全体の取り組みが必要で、そのためJCBでは、05年10月に非接触決済推進協議会を国内企業77社と合同で立ち上げ、また、利便性の向上のため、クイックペイ以外の電子マネースキムも使用可能な加盟店端末の共同化にも取り組んできた。当地域では、脚光を浴びる名駅周辺でインフラ整備が進んでおり、デパート、地下街を始め、ミッドランドスクエア、ルーセントタワーなどの商業施設の大半でクイックペイがご利用できるようになっている。またこの夏からは、全国のコンビニでもクイックペイの取扱いが始まる予定である。
 また小額決済と同様、公共料金の分野でもJCBでは様々な推進活動を進めている。現在、公金は、銀行での振込や口座からの自動振替で決済を行うのが殆どである。これまで日本の公金市場においてカード決済が進捗していなかったのは、法制度上の問題と民間と異なる契約が必要な点の二つがネックとなっていた。そこで当社では、決済マーケットについての理解を深めて貰うなど行政に対しても様々な活動を行ってきた。また、当社が事務局となって公金クレジットカード決済協議会を設立し、カード業界の意見の取りまとめ、具体的な課題の解決に取り組んでいる。その結果、昨年春の通常国会で地方自治体法の改正が成立して、地方税や水道料金を手始めに、公金市場が今後数年においてカード決済可能となる見通しが立ってきた。一部の自治体では、法改正の動きに敏感に反応して、既に今年の春からカード決済に踏み切った自治体もある。

 JCBは世界のマーケットに対しても、アジアでのカード発行の拡大、欧州、米国における加盟店ネットワークの拡充という二つの戦略で臨んでいる。現在、世界の労働人口の過半数は、成長著しいアジアに集中しているが、当地域のカード決済シェアは極めて低い。つまり、今後拡大の余地が十分に存在するということでもあり、JCBでは、海外発行会員の更なる規模拡大を目指している。また、当社ではJCBカードの汎用性の飛躍的向上を狙い、米国の大手カード会社であるディスカバー社と昨年8月に提携した。これは当社にとって、カード先進国である米国での加盟店拡充を一挙に実現できる大変意義のある提携と考えている。また今後は、米国のみならず欧州においてもネットワークの拡充を図るため活動していきたいと考えている。

 JCBは、クレジットカードの国際ブランドとして成長してきたが、今後は「決済」というより広いフィールドで高品質なサービスを提供し、他のブランドにはない独自の強みを活かし、様々な場面でパートナーの皆様を支える存在でありたいと思っている。

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【19年6月度産業懇談会(水2G)模様】


テーマ『 産業インフラとしての商品先物取引とリスクマネジメント 』

日  時:19年6月13日(水) 12時00分〜13時40分
場  所:ウェスティンナゴヤキャッスル 3階 尚古の間
参加者:17名

スピーカー:中部大阪商品取引所
        理事長 木村 文彦(きむら ふみひこ)氏
        企画部部長 安藤 和弘(あんどう かずひろ)氏

木村 文彦氏安藤 和弘氏


●木村 文彦氏
 中部大阪商品取引所は、平成8年に豊橋乾繭取引所、名古屋繊維取引所、名古屋穀物砂糖取引所の3取引所が合併して中部商品取引所が発足し、平成19年1月に中部商品取引所と大阪商品取引所が合併して現在に至る。中部大阪商品取引所は、世界初の鉄スクラップ市場(鉄スクラップ)、世界唯一の鶏卵市場(鶏卵)、世界最大の標準受渡枚数を誇る石油市場(ガソリン、灯油、軽油)、世界唯一のゴム総合マーケットである天然ゴム指数市場(天然ゴム指数)とゴム市場(RSS3号、TSR20)、国内唯一のニッケル市場(ニッケル)、地域経済に密着するアルミニウム市場(アルミニウム)、以上の7つの市場に10の上場商品を扱う商品取引所である(括弧内が取扱商品)。また、エネルギー分野では世界主要取引所出来高順位で世界第5位、商品のみ出来高では世界第15位の規模を誇る(いずれも2006年)。近年は、中国の台頭や、金融サービス法による勧誘規制の影響、また商品業界とライバル関係にある証券業界の業績向上などによって苦戦を強いられているが、新たなビジネスモデルの構築に取り組むなど、様々な努力によって巻き返しを図りたいと考えている。
 なお、現在四大プロジェクトと称して、【1】大阪との合併の実質化、【2】ネットオンライン等に対応した将来性に富んだオープンシステムでの新システム(アドバンスド板寄せ)の導入、【3】東海東南海地震等の巨大地震への対応を主とした新社屋の建設、【4】意思決定の迅速化、コンプライアンス等の強化のための株式会社化を鋭意進めている。
 先物はリスキーと言われるが、世界では先物を始めとする「リスク管理なき経営はリスキー」といわれている。また、米国では、農業に対する補助金を大幅に削減する際に農務省が先物を奨励し、その教育を積極的に行った。あるいは、農家に対する融資基準として、先物でリスクをヘッジしていないと大幅に減点されるとの紹介があった。

●安藤 和弘氏
 商品取引所法では、「先物取引とは、当事者が将来の一定の時期において商品及びその対価の授受を約する売買取引であって、当該売買の目的物となっている商品の転売又は買戻しをしたときは差金の授受によって決済することが出来る取引」と定義されている。つまり、納会日(契約期限の日)まで売玉(売ったまま)或いは買玉(買ったまま)の状態で現物の受渡ができ、同時に、納会日までの間に「売玉は買戻」を「買玉は転売」を行い、差金の授受をして決済することも可能となっている。
 先物取引の発祥は日本で、1620年頃、大阪堂島で豪商淀屋が「淀屋米市」を開設したのが原型といわれている。その後、1730年には幕府公認の帳合米市場「堂島米市場」が開設され、これを模倣する形で、1800年代に米国のシカゴで商品市場が誕生した。
 先物取引には、先行価格の指標を提供するという価格発見機能がある。これによって、公正、公平な価格が形成されると共に、価格変動の予見が可能となり、経営計画立案にあたっての一助となる。またこの他にも価格リスクヘッジ機能や現物取得、換金機能、在庫機能、資産運用機能なども有する。
 商品取引所で扱う単位は、原型である米市場で扱われていた米小切手を「1枚、2枚・・・」と数えたことから「枚」が使用されるようになったといわれている。1枚は、呼値(値段を決める数量単位)×取引単位(取引の最低単位)で、ガソリンの場合、呼値は1kl(ガソリン税除く)、取引単位は10kl。従って、相場が58,550円(ガソリン税を除く)とすると、1枚は、58,550円×10kl=585,500円となる。
 先物取引の最大の特徴は証拠金取引であることで、株式取引では買付または売付代金の全額を受払いするが、先物取引では代金の5〜10%の「取引本証拠金」を預託し、売買する。
 また売買仕法には、「板寄せ仕法」と「ザラバ仕法」という2通りの方法がある。板寄せ仕法とは、注文を集中させて需給を完全合致させる手法である。具体的には、1日に決められた回数、時刻に商品、限月毎に売買注文を受けて、その数量差により値段を上下させ、売り注文と買い注文が一致したところで、値段を決めて売買を成立させる。また、ザラバ仕法は、個々の売買を次々に成立させる「連続立会い」で、取引時間内であれば、いつでも、どの限月でも売買注文を出して売買を成立させることができ、価格優先、時間優先の原則を基に刻々と複数の約定値段が形成されるのが特徴である。
 値動きのある商品は、多くの損失機会(リスク)に晒されている。それを先物取引によって回避する方法が保険つなぎ(ヘッジ)である。例えば、輸出業者が輸出契約締結後に鉄スクラップを調達する場合、鉄スクラップ価格が上昇すると困るため、先物市場で仮に5月の時点で10月限(10月に受渡しのもの)を3万円で買っておけば、10月に3万5千円になったとしても先物で買った3万円のままで買うことができる。これに対し、先物を利用しなかった場合は、現物値上がり損が5千円発生することになる。
 先物を用いてヘッジを行った場合には、行わない場合と比較して、利益は増えることもあるし、逆に減ることもある。先物取引の狙いとは、価格変動によるリスクをヘッジすることであって、それ自体で儲けることが主目的ではない。しかし、多くの場合、絶対的な利益追求の手段として捉えられており、ヘッジへの理解や認識が進んでいないのが現状である。既に欧米では、ヘッジがなされていなければ銀行の融資も受けられないという程に進んでおり、こうした日本の状況は遅れていると言わざるを得ない。今日のような国際競争を勝ち抜くためには、リスクヘッジの正しい認識が重要で、これこそが今後の経営の安定化、企業の発展の鍵となるだろう。

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【19年6月度産業懇談会(水1G)模様】


テーマ『 建物の長寿命化と、改修工事の環境対応化 』

日  時:19年6月20日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 オリオンの間
参加者:25名

スピーカー:東亞合成株式会社
       工学博士 谷川 伸氏
       名古屋支店 簗瀬 武裕氏

谷川 伸氏簗瀬 武裕氏

● 谷川 伸氏
 当社のアクリルゴム系外壁防水材アロンウオールの累積施工実績は、1973年以来、約10万物件(約1億m2)を数える。アロンウオールは、吹き付けやローラー施工によりアクリルゴムの厚膜を外壁全体に形成させる防水材である。地球温暖化の世界的な動きに対し、日本建築学会はCOP3京都会議で二酸化炭素の排出削減のために、「建物の寿命を現状の3倍にする」と宣言している。建物の長寿命化は地球温暖化防止に直結し、建物を防水することにより建物の長寿命化を達成できる。外壁防水材は地球温暖化防止に直結した材料といえる。東亜合成では当初、屋根用塗膜防水を手掛けていたが、30年程前からコンクリート外壁からの雨漏りが問題になり始めたのを受けて、この技術を応用して外壁用塗膜防水へと発展させ、外壁防水のパイオニアとなった。防水というのは、一箇所でも雨漏りする箇所があれば0点といわれる分野であるが、この点で目地のシーリングによる線防水では十分な防水対策とはいえない。これに対しアロンウオールのような面防水は完全防水が容易なため、優れた防水対策といえる。
 建築業協会のデータによると、建物の漏水で最も多いのは外壁からの漏水(45%)で、屋根からの漏水(21%)よりも遥かに多い。R.E.Lacyの式によれば、風速5m(弱風)で屋根と同雨量、風速15m(強風)で3倍の雨量が外壁に当たる計算となる。また、外壁は風に晒されるため、風圧によっても漏水が起きやすい。
 鉄筋コンクリートの建屋に発生するひび割れには、乾燥収縮ひび割れや熱応力ひび割れ、打継ぎ部のコールドジョイント、アルカリ骨材反応による亀甲状ひび割れ、中性化、塩害による主筋に沿ったひび割れなどがある。これらのひび割れは、冬や夜、気温が低下したときに開く。例えば、幅0.2mmのひび割れの場合、夜間には0.6mm程に、また冬季には0.9mm程度にまで拡大すると報告されている。従って、防水材の塗膜がそのひび割れの変動に追随する必要があり、更には、日夜変動や季節変動によって繰り返し疲労を受けるため、何十年とこの変動に耐える耐久性が必要とされる。
 鉄筋コンクリートの構造劣化には、中性化(空気中の炭酸ガスの影響でコンクリートのアルカリがなくなる現象)や塩害、アル骨、凍害といった現象があるが、これらの劣化には全て水が絡んでいる。従って、外壁防水によって水の浸入さえ防いでやれば、建物の長寿命化が図れる。
 アロンウオールのイニシャルコストは安価ではないが、長寿命化が図れる分、ライフサイクルコストで眺めれば、他の防水材と比べても優位性は明らかである。また、長期間、建物を劣化させずに維持できるため、環境にも配慮した良い材料と自負している。また、昨今は施工時のVOC(揮発性有機化合物)の使用によるシックハウスが問題になっているが、アロンウオールは、オール水系仕様でこの点の環境配慮も十分であるし、また下地を剥がさずに塗り重ねていけばよいので廃棄物の削減や長寿命化による省資源化にも直結している。

● 簗瀬 武裕氏
 当社のアロンウオールは既に30年程の実績があり、学校、ホテル、公共施設、マンション、住宅、店舗、工場など様々な場所でお使いいただいている。長年の実績で既に高い耐久性が確認されているが、最近では、こうした機能的な面ばかりでなく、テクスチャー(意匠性)の改良も進んで、漆喰調仕上やMS工法(石模様仕上)、ER工法ジュラクなどもご提案させていただいている。
 また外壁改修においては、下地処理が大事であることから、当社ではアロンウオール改修システム「アロンACC工法」をご提案させていただいている。従来のひび割れ処理の場合、騒音や粉塵飛散、また工期やコストの面で問題を抱えていたが、「アロンACC工法」によれば、ひび割れに沿って緩衝材アロンウオールSHを刷毛で塗布するだけであるため、こうした問題を解消することができる。
 屋根防水で一般的なのは、成形シートを接着剤等で張るタイプのアスファルト防水やシート防水である。これに対し当社の「アロンコートSQ」は、液状の材料を吹き付け、ローラー施工により、シームレス(継ぎ目なし)な防水層を形成させる塗膜防水工法をご提案させていただいている。アスファルト防水やシート防水では、接着剤等が劣化していくとシートの素材が良くても継ぎ目で問題が出てくることがあるが、塗膜防水工法ではこのような問題が起きることはない。
 雑誌「防水ジャーナル」のアンケート結果によると、屋根防水に求められるのは、耐久性(17%)、臭気(15%)、無溶剤(VOC対策)(15%)、騒音(14%)、廃棄物(13%)、火気を使用しない(12%)といった点であるが、これに対して「アロンコートSQ」は、耐久性が良い、臭気、煙を出さない、有機溶剤を使用しない、機械固定用アンカーが不要で低騒音、低振動である、かぶせ工法(非撤去/ハイコストパフォーマンス)が適用でき、既設防水材を撤去しなくても施工ができる(廃棄物の低減)、火気不要といった特長がある。またこの他にも当社では、金属屋根用の防錆・防水・遮熱「アロンQD防錆コート」(名古屋テレビ塔屋根等、実績多数)なども取り揃えており、今後も様々なニーズにお応えしていきたいと考えている。

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【新会員自己紹介】

井手 光敏氏
木曜グループ

井手 光敏(いで みつとし)
イデア工業株式会社 取締役社長

【イデア工業株式会社】
〒501-3922 岐阜県関市大杉831 
TEL:0575-22-9951 FAX:0575-22-9966

イデア工業株式会社の井手でございます。
このたび産業懇談会木曜グループに参加させていただくことになりました。
当社は岐阜県関市で、樹脂押し出し品を中心に自動車用内装部品の製造販売をしています。
どうぞよろしくお願い申し上げます。


太田 実氏
木曜グループ

太田 実(おおた みのる)
農林中央金庫名古屋支店 支店長

【農林中央金庫 名古屋支店】
〒460-0008 名古屋市中区栄2−3−6 
TEL:052-201-6111 FAX:052-201-7041
URL:http://www.nochubank.or.jp

 農林中央金庫の太田でございます。
 産業懇談会木曜グループに参加させていただくことになりました。前任の五十嵐同様,よろしくお願い申し上げます。
 当金庫は,大正12年に「産業組合中央金庫」として設立され,昭和18年に現在の名称に改められました。全国の農漁協の貯金を主な原資とした総資産約70兆円をもとに,貸出に加え国内外の有価証券運用を行う機関投資家の側面も合わせもっています。その中で,名古屋支店は愛知,岐阜,三重,静岡の4県を管轄しております。
 当地での生活は初めてですが,今回着任してみて,改めて中部圏の勢いを肌で感じているところです。農林水産業と皆様方の架け橋になれるよう,精力的に活動していきたいと考えておりますので,会員の諸先輩方のご指導・ご鞭撻を賜りますよう,よろしくお願い申し上げます。


岡野 勝氏
水曜第1グループ

岡野 勝(おかの まさる)
名菱電子株式会社 代表取締役社長

【名菱電子株式会社】
〒470-0124 愛知県日進市浅田町東前田38-23
TEL:052-809-1511 FAX:052-809-1522
URL:http://www.meiryo.co.jp

 名菱電子の岡野でございます。
 このたび産業懇談会水曜第一グループに参加させて頂くことになりました。
 大阪生まれで、32年間三菱電機神戸に勤務し、一貫して情報通信関係の仕事に携わり、昨年名菱電子に赴任してまいりました。住まいは昭和区御器所で、現在名古屋の歴史と文化を勉強中です。どうぞ宜しくお願い申し上げます。
 弊社は三菱電機の東海地区電子機器サービスデポとして1968年名古屋で創業し、情報通信システムの発展と共に、公共・電力・交通等、社会インフラに係わる情報通信システムの開発、設計・施工、及び保守・運用を行う総合システムエンジニアリング会社として、エンドユーザーに直結する体制で事業を行ってきました。現在は本社を日進市に移転し、来年7月に創業40周年を迎えます。岐阜・三重・静岡・長野に営業拠点を設けています。
 本社には、納入システムを24時間365日見守る保守センターを設置し、日夜エンドユーザーをサポートしています。国(国土交通省、農林水産省)、地方自治体、電力会社、ガス会社、鉄道事業者がお客様です。担当システムは、河川・道路情報管理システム、防災情報システム、農業用水管理システム、自治体行政情報システム、電力給電制御システム、電力情報システム、ガス供給監視システム、駅務管理システム、旅客案内情報システム・・・、と多岐に渡っておりますが、情報通信技術を通じて、安心安全で環境に優しい社会の実現に取組んでおります。
 産業懇談会での、異業種の方々との交流のなかで、公私共に新たなヒントを得られることを期待しております。皆様のご指導、ご鞭撻を宜しくお願い致します。


各務 正博氏
水曜第1グループ

各務 正博(かくむ まさひろ)
中部電力株式会社 取締役副社長執行役員

【中部電力株式会社】
〒461-8680 名古屋市東区東新町1
TEL:052-951-8211 FAX:052-973-3183
URL:http://www.chuden.co.jp/

 中部電力の各務です。
 産業懇談会水曜第1グループに参加させていただきます。前任の市原同様、よろしくお願いいたします。
 名前は「かくむ」とそのままに読みます。ルーツがたどれるような素性ではありません。
 旧東海道沿の名古屋市緑区有松の生まれで絞染屋の息子が電力屋になっております。現在は瑞穂区に住んで30年近く、やっとネィティヴナゴヤンらしくなりました。
 仕事は経営企画畑で根がはえつつあります。CSRをベースに事業運営の姿を示していくことが企業の不可欠条件となっていることを実感しています。また、弊社事業は地域の充実・発展なくしては持続しえないものと認識しております。
  皆様におかれましては、どうぞよろしく、ご指導ご鞭撻の程お願い申し上げます。

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【9月度産業懇談会開催日程】
(9月19日以外、場所は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
9月11日(火)
12:00〜14:00

株式会社TENPAKU・R
代表取締役  千葉 スイ子氏
「ストーリーのあるドラマ・・・苦悩からの逆上がりの話」

18階 伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
9月19日(水)
11:00〜16:00
(予定)
株式会社えびせんべいの里
代表取締役 白藤 嘉康氏のご案内
「えびせんべいの里工場見学とせんべいの手焼き体験」
愛知県知多郡
美浜町
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
9月12日(水)
12:00〜14:00
株式会社日立製作所中部支社 理事支社長 古市 栄一氏のご紹介
株式会社日立製作所
セキュリティ・トレーサビリティ事業部
トレーサビリティソリューション本部
本部長 川口 俊孝氏
「ICタグの活用について」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
9月6日(木)
12:00〜14:00
全日本空輸株式会社
執行役員名古屋支店長 柴田 司氏
「ANAフリート戦略と次世代旅客機Boeing787」
18階
伊吹の間

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【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

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【会員からの投稿】

「偉大なる田舎」

 日本は2005年をピークに人口減少時代に突入した。これにより、明治以降に富国強兵や高度成長等の近代化路線で邁進し、人口増大は当然のごとく考えられていた常識も大きく変わってしまった。社会の様々な面で新たな転換が求められるようになってきているのも当然である。
 今から135年ほど前の明治5年(1872)当時の人口は約3,400万人であり、主要都市の人口も明治9年(1876)では、東京が112万人、大阪が36万人、京都が25万人、名古屋が13万人、金沢が10万人程度であった。それが現在では総人口は4倍程度になっている。名古屋が17倍程度になっていることをみてもわかるように、大都市への集積がいかに大きいものであったかは一目瞭然である。
 こうした近代化の中で名古屋の発展を振り返るとき、子供の頃からいつもあちこちで聞かされてきたのは、"偉大なる田舎"という言葉であった。名誉というよりはどことなく軽蔑の意味が込められたようなこの言葉がどうして名古屋の代名詞とされたのか、今は昔のことではあるが少しばかり気になっていた。
 日本が近代都市の建設に向けて本格的に始動したのは、明治20年代に入り商工業の発展や人口の増大等に対応した都市基盤の整備が必要になってからである。明治21年(1888)には市制・町村制が施行され、まず明治22年(1889)に東京市区改正条例により東京市の市区改正事業(都市計画事業)がスタートした。次いで大正7年(1918)には本改正条例の準用により京都市と大阪市もこれに追従した。大正9年(1920)に都市計画法が施行されると、名古屋市においても市区改正事業の本格的な検討が開始された。そして大正10年(1921)に愛知県と名古屋市との協議により近隣16町村の大合併が実現し、大都市の基盤ができあがった。
 この大合併により、名古屋市の人口は44万人から62万人へと増加し、全国第3位へ躍進した。ちなみに、この前年に実施された第1回国勢調査によれば、名古屋市の人口は東京市(217万人)、大阪市(125万人)、京都市(61万人)、神戸市(59万人)に次いで第5位であった。一方、人口の増加に比べると市域の面積は、45km2から195km2へと一挙に4倍強に拡大し、東京市の倍になった(現在は、名古屋市が326km2、東京都区部が617km2である)。しかしながら、広大な市域には見渡す限り畑と田んぼが広がっており、この田園風景をみた東京人が揶揄をこめて"偉大なる田舎"と言ったようである。戦後の東京も"巨大な農村"といわれたことがあるようであり、これらのことを名古屋史の研究に詳しい人から20年ほど前に聞いた記憶がある。
 この"偉大なる田舎"という言葉がその後の名古屋人の心を呪縛し、東京に対するいじけさの象徴になったことは否めない。地方都市の領袖と思えば意気揚々であること必定であるにもかかわらず、江戸時代の「御三家」の郷愁があるせいなのか、現在の「東名阪」というプライド意識のせいなのか、名古屋人は常に東京と比較したがる心情をもち続けてきた。一方では名古屋の都心にも東京らしさが少しばかりあることに快哉を叫びつつ、他方では東京と比較すればするほど落差の大きい地方都市であることに落胆せざるをえない空しさを抱いて、東京コンプレックスの塊と化していたのではないか。これは尾張藩主の義直や宗春や慶勝の江戸に対する怨念の残像なのであろうか、長らく名古屋人の心底にあったように思われてならない。しかしながら、世界デザイン博を契機としてこの呪いのような言葉も自然と消えうせて、2年前の愛・地球博の大成功もあって、今ではすっかり忘れられてしまっているようである。
 日本の市町村は、明治20年代の大合併や昭和20〜30年代の大合併などを経て、平成12年(2000)以降にはいわゆる平成の大合併が行われ、またたくまに"巨大なる田舎"が全国に数多くできあがった。平成19年4月現在でみると、市町村数は約1,800にまで減少し、明治21年の市制・町村制施行当時の約71,300からすると40分の1ほどになっている。
 現時点で、市域の面積が日本一広いのは高山市(2,178km2)であり、名古屋市の7倍近くに達している。高山市は岐阜県北部の山岳部・山間部一帯を統合した市である。また第2位の浜松市(1,511km2)では、この4月に政令指定都市になって7つの区が設置されたが、最も広大な天竜区には南アルプスが含まれているなど、これまでの政令指定都市の"区"のもつ都会というイメージを完全に払拭してしまったことは記憶に新しい。今や都市と田舎の区分は大きく変貌してしまったのである。
 これからの人口減少時代においても、全国の主要大都市には依然として人口が集中すると予測されている。しかしながら、単に人口や面積の大小に一喜一憂するのではなく、あるいは政令指定都市というような名称だけにとらわれることなく、本当は人が住みよい街づくりをしていくことが強く求められてくるのではないであろうか。
 まもなく名古屋においても全国の多くの都市と同じように開府400年を迎えるが、こうした意味からも、何かにつけて東京を基準として判断するものの考え方(例えば、東京の有名店の名古屋初出店等)から少しでも脱却し、名古屋のカラーを強く主張していく時期にきたのではないであろうか。それが実現したとき、本当の意味で名古屋の"偉大なる田舎"という心象風景は歴史の博物館に収まることになるであろう。

〈参考〉大正10年に合併された16町村

  • 愛 知 郡:千種町、東山村、御器所村、呼続町、小碓村、荒子村、八幡村、愛知町、中村、常盤村、笠寺町
  • 西春日井郡:枇杷島町、金城村、清水町、杉村、六郷村

(日比谷総合設備株式会社  加藤 敏)

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.40

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

『 第2の脳 』の話

 暑さに負けず元気にお過ごしでしょうか。暑い時は冷たい飲食が増えますが、やはり腹痛や下痢を起こす人が多くなります。皆様のお腹の調子はいかがでしょうか?
 今、日本は「健康を考えて食べなさい。」といわれる飽食時代。実は脳のほかに一生懸命に健康を考えて頑張っている臓器があり、その代表が腸です。食べ物の消化・吸収だけでなく、有害な細菌や物質が入ってくると良いものか、悪いものかを自ら判断して排除しようと行動します。腸には体内の免疫細胞の半分が集まって要塞を築き敵と戦っているのです。つまり腸は体を守るために即座に機転を利かし、体を守ろうとします。腸が「第2の脳」といわれるゆえんがそこにあります。ちなみに小腸が癌になりにくい臓器であるのも免疫細胞が多いからです。弱点としては、特に心のストレスに腸は敏感に反応します。うれしいときや楽しいときはお腹の調子もいいのに、緊張したときやつらいときは、お腹の調子も悪くなりますね。お腹の調子が悪いときはもとより、なんとなく体調が悪いときも、まず腸の状態を良くすることを考えましょう。消化の良い温かい食事をゆっくりとり、夏定番のシャワーをやめ、お風呂でお腹を温めましょう。また、お腹の調子を整えてくれる食品としては、最近の注目は植物性の味噌・醤油・納豆・糠漬けなどの昔ながらの発酵食品や保健機能食品などです。これらは、善玉の腸内細菌を増やしてくれるものです。
 腸の表面の細胞を平らにするとテニスコート1面分になります。その広い部分が荒れていれば、体全体の調子が悪くなるのも当然です。腸は生きる元である栄養の吸収や病気から身を守る免疫機能の仕事をする重要な場所だからです。腸の元気度が健康の鍵を握るといえます。第2の脳である腸が喜ぶような物を自分で考えて食べることが健康への近道です。まったくの人任せはやめましょう。

カラオケでおもいっきり感情こめてストレス発散腸(超)元気

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コラム【プログレスシリーズ】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:No.28』

【 良いこだわり、悪いこだわり 】

 企業経営は良い意味でこだわりを持つことが必要でしょう。しかし、悪いこだわりを持ったり、こだわり過ぎでは、社員から不満が出てもしかたないことでしょう。そして、社員からの不満だけではなく、顧客や仕入先からの不満に繋がるとしたら、それは大きな問題です。では、良いこだわり悪いこだわりの違いはなんでしょうか?私は、理念に基づいたこだわり=良いこだわり、理念のないこだわり=悪いこだわりと考えます。理念に基づいたこだわりとは、本質的なものから生まれたこだわりであり、社会性があり、尚且つ変化に対応できるこだわりです。それに比べ、理念のないこだわりとは、表面的・自己中心的なこだわりです。問題は、経営者のこだわりが、悪いこだわりであった時に、それに氣づかなかったり、周りでそれに氣づいていても意見を言わない幹部の集団であるなどのケースです。企業とは社会の中の一部であり、社会を創っている存在でもあります。つまり、社会の声を真摯に聴き、その声に応え、社会のためになることがなんであるかを常に考え行動することが、真の企業経営であり、それを実現させるための良いこだわりを持つべきではないでしょうか?

・・・・ <事例研究>  歴史人物シリーズ−11 「 徳川綱吉 」 ・・・・

 3代将軍徳川家光の4男として生まれた5代将軍徳川綱吉。母(桂昌院)は玉の輿という言葉の語源となった京都の八百屋の娘お玉です。綱吉と言えば、「生類憐れみの令」で有名な将軍であり、成人しても乳離れせず、自制のきかない偏執狂的な人物だったと言われています。この生類憐れみの令も、母(桂昌院)が寵愛していた隆光僧正の言を採用して発布したものであるとする説があります。このように綱吉は徳川家歴代将軍の中でも、大変イメージが悪い将軍であったようですが、しかし、逆説もあり、実際にはそういう人物ではなく、生類憐れみの令も悪法ではなく、人を含めた生類全ての命を大切にすることを主眼に置いた法であったという説もあります。一般的には「お犬様」というイメージが強いのですが、真実はどうなのでしょうか?

事例へのコメント

 偏った愛情(悪いこだわりによる愛情)を受けて育つと、人は、自分自身も偏った愛情を持つことがあるようです。実際に綱吉という人物がどうだったのかは分かりませんが、母の偏った愛情を受けた結果が、生類憐れみの令という偏った愛情表現のような法律を作ってしまったように思えます。偏った愛情を受けた人はいつのまにか偏った愛情表現しか出来ないようになる可能性があるのかもしれません。生類憐れみの令は命を尊ぶという正しい考え方から生まれているようにも思えますが、それをどのように考え、運用するかによって、180度の違いが出ます。企業経営においても、同じことが言えるのではないでしょうか?

命を尊ぶというのは本来いいことなのですが・・・

●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No 62

片桐清志

『 川と河 』

 今回の参議院選挙の争点は年金だ。データベースの不備が表面化し、正確な受給が受けられなくなるのではないかという不安が蔓延している。結婚による苗字の変更や転職などもその一因だが、いく通りもある読み方や表記方法の多様性も指摘されている。「坂」と「阪」や「舟」と「船」、「丘」と「岡」など意味が同じで文字が異なる場合はなおさらだ。今回はその中で「川」と「河」に注目してみた。
 どちらも生活に不可欠の水と関係が深いだけに「川」で始まる苗字が300種、「河」で始まる苗字が215種で、種類はどちらも結構多い。一字姓の「川」も「河」もあり、共に「カワ」とお読みすればよい。「川上」「川下」「川中」と対の「河上」「河下」「河中」もある。「川原」「川岸」「川端」「川辺」「川瀬」「川渕」と対の「河原」「河岸」「河端」「河辺」「河瀬」「河渕」もある。方角との組み合わせでは「川東」「川西」「川南」「川北」、「河東」「河西」「河南」「河北」があり、「川」も「河」も東西南北のセットになっている。
 川も河も身近な存在のため、からだの一部で表現される苗字も多い。川では「川頭」「川毛」「川面」「川目」「川口」「川首」「川手」「川脇」「川腰」「川尻」「川尾」「川股」「川筋」が見つかる。河でも「河頭」「河毛」「河面」「河目」「河口」「河手」「河脇」「河尻」「河尾」「河股」などがある。「川」にあって「河」にないのは「首」と「腰」だ。逆に「河」にあって「川」にない苗字は「河顔(カワカオ)」だ。
 「カワマタ」さんの場合は上記の「股」ほかに「又」「俣」の組み合わせや「川亦」「川復」「川跨」「川真田」などがあり、標記方法は合計12種ある。逆に「河面」の読み方はカワモ、カワオモ、カワズラ、カワツラ、コウズラ、コウモ、コウムの7種類が見つかる。表記方法や読み方がいろいろある方は年金の受給資格を確認したほうがよさそうだ。

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【平成19年7月号編集後記】

 7月としては異例の大型台風4号の襲来も当地には大きな被害が無かった。ホッとしたのもつかの間、翌16日には中越沖で震度6強の地震が発生した。新潟県では3年前にも中越地震(M6.8)に見舞われており、度重なる被害がなんとも痛ましい。自動車部品工場の被災で国内の自動車産業にも大きな影響が出た。関係者の応援や懸命な努力で被災した工場も何とか生産再開にこぎつけたとのニュースにホッとしたが、産業構造の複雑さを垣間見た思いだ。災害への備えの重要性を再認識させられる。
  「産懇宅配便」は今月も元気いっぱいだ。4つのグループの例会模様と4人の新会員のご紹介、いつもの連載コラム3篇に加え今月は「加藤敏」会員から投稿を戴いた。メールマガジンの良さは雑誌や新聞とちがって紙面構成の制約が少ないことだ。全体の枠組みもページ数も写真等の挿入も柔軟性がある。「文章はちょっと・・」と敬遠される方には写真投稿を、俳句や川柳が得意な方はその分野での投稿でも結構です。書でも絵画でもかまいません。会員相互の親睦と交流が目的ですのでドシドシ投稿してください。会員の皆さんのフリーな投稿お待ちしています。

(片桐)