産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第179号 2017.4.26 発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成29年4月度(第179号) 目次
【29年3月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 3月22日(水) 12時00分〜14時00分
【29年4月度 産業懇談会(木曜G)模様】 4月6日(木) 12時00分〜16時40分
【29年4月度 産業懇談会(火曜G)模様】 4月11日(火) 12時00分〜14時00分
【29年4月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 4月12日(水) 12時00分〜14時00分
【名古屋いちばん物語】 No.96
【新会員自己紹介】
横尾 憲二氏

三菱ケミカル株式会社 中部支社長

【5月度産業懇談会のご案内】
【6月度産業懇談会のご案内】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 【保健師からの健康だより】 No.157
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.102
コラム3 【苗字随想】 No.179
【29年3月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 オリックスの紹介とコンセッション事業の現状 』

日  時:平成29年3月22日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間
参加者:28名

スピーカー:
藤井 茂(ふじい しげる)
オリックス株式会社 
東海ブロック長

スピーカー:
藤井 克典(ふじい かつのり)
オリックス株式会社 
コンセッション事業推進部 担当部長

水曜第2グループ 写真1 水曜第2グループ 写真2

 最初に、東海ブロック長の藤井 茂氏より、オリックスグループについてご説明いただいた。

■オリックスグループの沿革
 1964年4月、日本でのリース産業の将来性に着目した日綿実業と三和銀行が、日商、岩井産業の2商社と、東洋信託銀行、日本勧業銀行、神戸銀行、日本興業銀行の4銀行の参加を得て、3商社、5銀行により、オリエント・リース(株)(現 オリックス(株))を設立した。設立時の社員は13名で、米国のU.S.リーシング社からリースビジネスを学び、米国から帰国したばかりの宮内義彦氏(現 シニア・チェアマン)もそのうちの1名であった。
 1960年代後半から1970年代前半の経済成長期に新しい金融手法であったリースをパイオニアとして日本に導入することで、石油ショックなどの荒波を乗り越えながら企業基盤を確立していった。
 1980年代になると新規事業が相次ぎ、競争が激化。時代の流れに即応していくためには、これまで以上に部門間・グループ会社間の情報伝達・協力体制が強固でなくてはならないとの考えのもと、「グループ経営の強化」を経営方針として掲げ、今日でもオリックスの基本戦略のひとつとなっている。

■オリックスグループの事業内容
 オリックスグループは、法人金融サービス事業、メンテナンスリース事業、不動産事業、事業投資事業、リテール事業、海外事業の6つのセグメントで構成されている。
 法人金融サービス事業ではファイナンス機能や生損保・年金などの金融商品の販売を行う。生保は国内最大の代理店である。メンテナンスリース事業では自動車リース・レンタカーなどを行い、国内有数の規模だ。不動産事業ではゴルフ場・水族館の運営を行う。水族館のオペレーターとしては日本最大である。
 当地・名古屋においてはこの4月に新しく開業するグローバルゲートを共同で展開したり、春日井のロジスティクスセンターや、ゴルフ場の事業などを行う。杉乃井ホテルのリ・ブランドオープンなども手がけている。

 続いて、コンセッションビジネスの現状について、コンセッション事業推進部 担当部長 藤井克典氏よりご説明いただいた。

■コンセッションについて
 コンセッション方式とは、高速道路、空港、上下水道などの料金徴収を伴う公共施設などについて、施設の所有権を発注者(公的機関)に残したまま、運営を特別目的会社として設立される民間事業者が行う方式だ。民間事業者は、利用料金を直接受け取り、運営に係る費用を回収し独立採算型で事業を行う。公的施設の運営に民間のノウハウが入り、公共性と効率性を追求することができる。
 海外と日本のコンセッションは、費用に対する考え方が異なる。海外では、ほぼコストで発注先が決まることに対し、日本では選定に占める価格の配点は10〜30%程度だ。例えばアジアなら民間資本によるインフラ整備、欧州なら公的債務削減という視点でコンセッションが活用されるが、日本は遅れている印象だ。

■主なコンセッション案件と今後の方向性
 大阪国際・関西国際空港の案件はオリックスの連合チームが実施契約を締結した。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催や、増えるインバウンド需要に応えるため、空港の利便性・サービス向上を目的として大規模改修や拡張を行う予定である。空港のほかにも、高速道路・上下水道・文教施設などが有力な候補とされる市場である。
 コンセッションなどの官民連携事業は、政府の財政一体改革のための重要政策の1つという位置づけだ。オリックスグループはコンセッション事業に、今後も一層積極的に取り組んでいく所存である。


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【29年4月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 東レ(株)名古屋事業場 オートモーティブセンター視察会 』

日  時:平成29年4月6日(木) 12時00分〜16時40分
場  所:愛知県名古屋市港区大江町9-1
参加者:27名
紹介者:木曜グループ 東レ(株) 名古屋支店長 遠藤正人氏

 今回は「東レ(株)オートモーティブセンター」の視察会を実施した。
 初めに、東レ(株)名古屋事業場 事業場長の沖田茂氏がご挨拶された後、オートモーティブセンター主幹の尾関雄治氏より名古屋事業場の概要説明などが行われた。要旨は以下のとおり。

1. 東レ(株) 名古屋事業場の概要
 当社は国内に13の工場を保有しているが、この内5工場が中京地区に立地している。その一つであるこの名古屋事業場は、1951年(昭和26年)に操業を開始した。従業員は、関係会社の方も合わせ、約1100人である。主な製品は、ナイロン66樹脂を始めとする樹脂製品で、東レにおける樹脂材料のマザー工場となっている。
木曜グループ 写真1
【沖田 茂 事業場長】

 当社は現在、グリーンイノベーション事業の拡大に取り組んでいる。これは、当社が保有している「有機合成化学」、「高分子化学」、「バイオケミストリー」、「ナノテクノロジー」の4つのコア技術をベースに、繊維、樹脂、フィルムなどの基幹事業や炭素繊維、電子情報材料、ファインケミカル、水処理や医薬などの事業領分野で、先端技術・先端材料開発を進め、これを地球温暖化防止、環境負荷低減の観点で事業拡大を進めていくというものである。その中でも特に、自動車や航空機の軽量化に関する開発が重要な位置付けにあると考えている。
 このグリーンイノベーションを実現するための開発エンジンとして、2008年にオートモーティブセンターを、翌年2009年にアドバンストコンポジットセンターを設立、これに1989年に設立した樹脂応用開発センターを合わせた自動車・航空機開発拠点A&Aセンター(Automotive & Aircraft Center)を名古屋事業場に設立した。
 現在、航空機関係では、BOEING787やMRJ(Mitsubishi Regional Jet)に使用する部品を開発しており、自動車関係では、将来CO2の排出基準が厳しくなることから、炭素繊維複合材料を中心に自動車各社との共同開発を積極的に推進している。

2. オートモーティブセンターの概要
 オートモーティブセンターはこれら自動車関連メーカーとの共同開発プロジェクトの技術マネージメントを主体に行う部署で、東レの持つ各種先端材料を活用し、これに必要な成形、評価・分析、解析など周辺要素技術を開発し、材料と組み合わせてソリューション提案していく部署との位置付けである。従って共同開発にあたってはお客様の初期設計や構想段階から参画し、開発目標を共有化していく方式を取っている。この方式は、自動車メーカーや部品メーカーから大きく支持されており、オートモーティブセンター開所以来、30数社との共同開発を実行中である。

3. 重点課題
 オートモーティブセンターにおける現在の重点課題は、次の5つである。

  1. 車体軽量化対応:構造部品に炭素繊維複合材料を適用して車体の大幅な軽量化を図る
  2. 次世代パワートレイン対応:電動化に対応するフィルム、樹脂材料を開発し提供する
  3. フィルム加飾:塗装レスや新しい意匠性を付与できるフィルム素材を開発し提供する
  4. 非石油系素材:内外装品の植物由来材料への置き換える
  5. カーエレクトロニクス:センサー等に樹脂や電子材料を開発し提案する

4. これまでの成果
 A&Aセンターではグリーンイノベーション製品と位置付ける環境配慮型先端材料や技術を駆使した次世代コンセプトEV(電気自動車)“TEEWAVE@AR1”を製作した。また、自動車向けハイサイクル成形化したCFRPや高機能エンプラの量産車両への適用実績も上がっている。今後も車体の軽量化による省エネや地球環境の改善、車の利用者に対する高い安全性の提供等、自動車産業はもちろん、日本として新しくチャレンジしていく航空機産業に対しても、新しいコンセプトを提案していきたいと考えている。

 概要説明後、2グループに分かれて事業場見学が行われ、ロビーギャラリーと実験棟を見学した。

 ロビーギャラリーには、先に説明のあった次世代コンセプトEV(電気自動車)“TEEWAVE@AR1”をはじめ、東レグループの新素材・新技術を用いて実用化された部品、部材や、あるいは、今後の新しい課題に対する提案品などが展示されていた。“TEEWAVE@AR1”には実際の車に乗り込み新素材でできた景色の見え具合やシートの座り心地を確かめている会員の方もいた。さらに、展示品に触れることや持ち上げることもでき、これまで鉄材の使用が常識と考えていたものがCFRPや樹脂材料に置き換わることで、「こんなに軽くなるのだ」と、驚きと共に体感することができた。
 また、実験棟は、歩行者保護試験機、フィルム加飾用TOM成形機ほか、自動車向け先端高分子材料の評価や解析が行える設備が整っており、お客様の課題を共同で解決するためのオープンラボが可能な状態になっていた。これらの評価装置で新しく開発された材料を、世の中に出して良いか、品質、信頼性の評価・解析がしっかり行われていることが見て取れた。

 また、実験棟/ロビーギャラリー見学後には会議室へ戻って質疑応答があり、参加者からはリサイクル性や製造工程における環境負荷など活発な質疑応答が行われた。今回の視察会では、炭素繊維複合材料に代表される東レの先端技術が、中部を代表する航空・自動車産業のイノベーションを支えていることを学ぶことができた。

木曜グループ 写真2


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【29年4月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 名古屋ボストン美術館 「歌川広重 東海道五拾三次展」 見学会 』

日  時:平成29年4月11日(火) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋ボストン美術館
参加者:24名
紹介者:火曜グループ世話人 広井幹康氏

 4月度の産業懇談会 火曜グループでは、名古屋ボストン美術館「歌川広重 東海道 五拾三次展」見学会を実施した。
 当日は生憎の雨であったが、集合場所のANAグランコート名古屋に全員集合し、昼食をとった。当会合をご企画いただいた広井世話人よりご挨拶をいただいたのち、名古屋ボストン美術館に移動した。

 名古屋ボストン美術館レクチャールームにて、三菱東京UFJ銀行貨幣資料館の北岡泰秀館長、名古屋ボストン美術館の馬場駿吉館長のご両名からご講話をいただいた。

■三菱東京UFJ銀行貨幣資料館のご紹介 (北岡泰秀館長)
 貨幣資料館は名古屋市東区赤塚町、名古屋近代化の歴史を伝える建造物が残る「文化のみち」に所在。昭和36年に開館し、今年で56年目を迎えた。貨幣1万点と浮世絵約1400点を所蔵しており、ご来場者は年間約3万人(累計83万人)で、地元の小中学生の社会見学などにも活用いただき、地域への貢献をはかっている。
 当館には、(1)民間最大の貨幣コレクション(国内4大貨幣博物館の1つ)、(2)浮世絵との両輪展示(歌川広重の東海道絵を中心)、(3)身近な展示(近い距離、体験、再現)という3つの特色があり、主な所蔵品には、天正沢瀉(おもだか)大判、国立銀行券、保永堂版東海道五十三次などがある。
火曜グループ 写真1
【三菱東京UFJ銀行貨幣資料館 
館長 北岡泰秀氏】

■名古屋ボストン美術館のご紹介 (馬場駿吉館長)
 当館は米国ボストン美術館の姉妹館で、今回は三菱東京UFJ銀行ご協力のもと、貨幣資料館所蔵の「歌川広重 東海道五拾三次展」を開催。
 歌川広重は、多くの浮世絵師が活躍した江戸時代末期に、歌川豊広の弟子として修行を積み、「豊国にかほ、国芳むしや、広重めいしょ」という歌で読まれるほど人気を博し、江戸時代の庶民の姿がユーモア一杯に描かれている東海道をテーマとした錦絵が大ベストセラーとなった。
 今回は、保永堂版東海道五十三次、全55作品を一挙公開、行書東海道、隷書東海道、堅絵東海道の20図と合わせて総計75点が今回展示された。比較的初期に摺られ、保存状態が良い優品なので、じっくり鑑賞していただきたい。

火曜グループ 写真2
【名古屋ボストン美術館 館長 馬場 駿吉氏】
火曜グループ 写真3
【ご挨拶される広井世話人】

 ご講話のあと、「歌川広重 東海道五拾三次展」の紹介VTRを上映いただいた。しっかりと事前知識をレクチャーいただいたうえで、いよいよ館内で作品を鑑賞した。長きに亘り大切に保管されてきたコレクションを目の当たりにし、その鮮やかさ、繊細な描写に参加者からは感嘆の声があがっていた。


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【29年4月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ: 『 レモン大学 』

日  時:平成29年4月12日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:23名

スピーカー:
加藤 淳(かとう あつし)
ポッカサッポロ フード&ビバレッジ(株)
取締役常務執行役員 営業本部 本部長

スピーカー:
福 政彦(ふく まさひこ)
ポッカサッポロ フード&ビバレッジ(株)
名古屋戦略部 マネージャー

4月度水曜第グループ 写真1 4月度水曜第グループ 写真2

 はじめに、ポッカサッポロ フード&ビバレッジ(株) 取締役常務執行役員 営業本部 本部長の加藤 淳氏より、会社及び自己紹介をいただいた。

■会社と自己紹介
 当社の前身であるポッカコーポレーションは、ちょうど60年前の1957年にレモン飲料の製造販売を目的として「ニッカレモン株式会社」として創業した。もともと、創業者の谷田利景氏は「ニューナゴヤ」というニッカバーを営んでいた。当時のレモンは、今で言うメロンのような高級品で、簡単に手に入れられるものではなかった。谷田氏のアイデアで、風味のある合成レモン液を活用した格安ジンフィズを売り出したところ、大成功。「これは商売になる」と確信した谷田氏は、ニッカレモン(株)を創業しレモン液の販売に乗り出したのが、商売のきっかけだ。その後、ホットの自動販売機缶コーヒーを他社に先駆けて発売するなどして急成長し、現在の業容となっている。
 私は、営業ひと筋30年以上、当社に勤めている。地元愛知の出身で名古屋勤務・大阪勤務などを経て、現在は東京に勤務している。本年は当社創業60周年にあたり、記念イベントを開催した。全国より1100名もの社員が集まり、大きな盛り上がりとなった。

 加藤氏のスピーチの後、同社名古屋戦略部マネージャーの福 政彦氏より講演をいただいた。

■ポッカサッポロと日本の食文化
 当社は缶コーヒーやレモン果汁などを軸に、地元名古屋の会社として全国・世界へ食品を販売している。地元名古屋で、より認知度をあげるミッションを「ふるさと ナゴヤとともに。」というキャッチフレーズを使いながら、名古屋戦略部が担っている。
 「食育」というと、比較的新しい言葉と思いがちだが、実は明治29年頃から使われるほど古くからの考え方である。当時は「小児には徳育よりも、智育よりも、体育よりも、食育が先。」という考え方もあったほどだ。
 日本には、四季折々のおいしい食材がたくさんある。「旬」という言葉に代表されるが、食材には季節によって食べるに相応しい時期がある。食材の出始めが「はしり」で未熟な状態だが、いわゆる初物へのワクワク感や季節感がある。「さかり」は食材が一番美味しく、安く、たくさん出回る時期だ。「なごり」は名残惜しい終盤である。このように、季節と食材は切っても切れない関係にある。

■レモンについて
 レモンの起源は紀元前3000年頃の中国南部・ネパールあたりとされる。徐々にヨーロッパ・アフリカ方面へ広まり、イタリアのポンペイ遺跡にはレモンの壁画が描かれている。その後、大航海時代にアメリカへ伝わり、日本へは1873年に伝わった。世界一の産地はアルゼンチンで、日本の中では広島県が生産高No.1である。ただ、欧米と比較すると日本のレモン消費量は非常に少ない。一方で、地中海沿岸のイタリアやフランス、スペイン、ギリシャなどの国々では多く消費されており、その食べ方も大変バリエーション豊かである。

 レモンには多くの効能がある。最初にレモンに含まれるクエン酸による「キレート作用」について説明したい。骨粗しょう症対策として、カルシウムと同時にクエン酸を摂ることが挙げられる。実は、カルシウムは吸収率が余り高くなく、体外へ排出されてしまうことが多い。クエン酸は、カルシウムの水への溶解を助けるキレート作用を起こす。これにより、カルシウムが多く摂取できるようになるという効果がある。是非、ミネラルの豊富な魚介類とレモンを同時に摂ることで、効率的な摂取をしていただきたい。 4月度水曜第グループ 写真3
【キレート作用の実験】

■たくさんある、レモンの効用
 ほかにも、レモンにはたくさんの効用がある。大航海時代には、壊血病予防となる貴重なビタミンC源として活用されていた。また、刺激的な酸味により気分と体をリフレッシュさせる効果、クエン酸による元気を出す効果、香りづけ作用による減塩効果、魚介類の臭み消し、食材の色合い向上などさまざまだ。
 色々な活用方法があるレモンを、料理やドリンクへのひと工夫として活用していただくために、当社としても多様な提案を続けていきたい。


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【名古屋いちばん物語】 No.96


テーマ: 『 「住吉の語り部となりたい」 シリーズ第73回 』

料亭つたも主人
深田正雄(栄ミナミ地域活性化協議会)

栄ミナミまちづくり構想と社会実験

 栄ミナミ音楽祭・・・栄周辺が「一つのライブステージ」になり、あふれるミュージックのもと街全体が一体になる地域イベント、今年は第11回になります。
 5月13-14日開催。大須、久屋、名駅、金山にも広がり42会場、450組以上アーティスト参加するイベントに成長してまいりました。
http://sakaeminami.jp/event/ongakusai/index.html
 矢場公園のメインは13日(土)夕刻・矢井田瞳、佐藤竹善、14日(日)夕刻 嘉門達夫、奥華子、バンバンバザール、馬場俊英のメインアーティストも登場して30万人以上の人出でにぎわいそうです。
住吉 写真1
栄ミナミ音楽祭2017パンフ

 地域活性化のために、イベントを毎年継続開催し、「街づくり催事」として定着させることをきっかけに、昨年11月14日にわが国では初めての民間全額出資の「栄ミナミまちづくり株式会社(藤井一彦代表取締役)」が設立され、「栄ミナミエリアマネジメント委員会」の監督のもと、事業の取り組み方針を決定し、2018年度には都市再生推進法人として本格事業展開を検討し、特例の計画提案から、道路占用許可や公園占用許可を得てオープンカフェなどの常設も可能となってまいります。
 今年3月24日開催されたエリアマネジメント委員会での資料に基づき、まちづくり将来像や社会実験の検証を報告させていただきます。
 第2次大戦で街の殆どすべてが焼失した栄2-3丁目は、世界に例を見ない大胆な区画整理を実施して100m道路建設、緑の公園設置、そして、最近は地域開発に伴う公開空地が増え、何と地域の50%以上が「まちづくりに活用できる資源」となっています。

住吉 写真2
栄中心エリアでの「まちづくりに活用できる資源」の位置

 この10年の間、地域の団体による多様なイベントや街づくり活動が、全国でも話題となり、情報発信「栄ミナミWEB」を通じまちのPRを展開しています。
http://sakaeminami.jp/
 栄ミナミ音楽祭からスタートして、食のNago-1グランプリ、南大津通歩行者天国、日本ど真ん中祭り、多彩な防犯・防災活動、全域にわたる防犯カメラの設置、マスコミ各社の久屋大通イベント、テーマ街路灯、早咲き桜植樹、車道上アーチ企業広告・・・など、日本で初めてのトライアルといえる事業を含め、枚挙にいとまがないほどの活動を展開しています。この活動が栄のコミュニティを作り上げ、商店・住民・企業・官庁が一体化して楽しみながら組織作りが進んでいます。

住吉 写真3
栄ミナミイベント:栄ミナミ音楽祭、Nago1グランプリ、南大津通歩行者天国

 栄ミナミ地区において、名古屋初となる都市再生特別措置法を活用したエリアマネジメントの導入をめざし、栄ミナミエリアマネジメント委員会が地元主体で3つの社会実験を昨年4月より実施いたしました。

住吉 写真4
栄ミナミ・実施中の3つの社会実験

 第一は、「日本初!地上の歩道部へのタッチパネル式デジタルサイネージPRと広告」
 昨年4月より(株)表示灯に依頼し、7ケ所に設置、運営。歩行者の中で実際に触った人は全体の1%程度、広告販売も月単位では厳しく、週単位に変更し改善中であるものの、採算ベースには程遠い状況となっています。地域情報発信効果は高く利用者は満足するも、イベントなど情報の更新が必要との見解。アップデート可能な情報システム、栄ミナミWEBとの連動、各店舗のHPへのリンクなど課題も明確になってまいりました。

 第二は、「有料路上駐輪場 7月よりラシック南、三蔵通り99台分設置」
 一日平均有料利用は43台、放置自転車の減少、有料化による「安心感」の効果、がアンケートにも表れていますが、今後、商店などのサービス券提供など地域サポートが必要。
 今後は、周辺の駐輪禁止地区設定などで改善されるが、有料化にはもっと広域の面整備が重要と考えられます。今後は放置自転車対策の要として位置付けてまいりたく思います。

 第三は、「シェアサイクル事業 10月より「でらチャリ」として3ケ所にて蔦井(株)さんに運営委託で供用開始」
 2月までの登録者数は785名、利用回数2月は93件と冬季は激減、名駅、伏見、錦、名城各地区との相互連携が必要ですが、これから暖かくなる季節の利用が楽しみです。
 皆さんも登録していつでも気軽にご利用いただければ嬉しく思います。
http://www.tsutai.co.jp/derachari.html
 街の新たな移動手段の提供、安心な歩行空間の確保に向けて他地区にも働きかけていく必要があります。

 ドンドン仲間たちとチャレンジしている社会事業は、名古屋工業大学伊藤孝紀准教授のアドバイスと研究室の学生たちのアンケート調査フォロー、アイデアによるものです。栄ミナミの社会実験の中で、わが国で初めての産学官連携活動が下記の4つとなりました。

  • 全国初、道路(車道上・プリンセス大通アーケード)に広告を掲出
  • 全国初、道路(歩道上)のタッチパネル式デジタルサイネージ
  • 全国初、駐輪禁止地区の指定無し、有料駐輪システムの導入
  • 東海初、シェアサイクルの導入。交通系ICカードによる個人認証と決済が可能

 このようの短期的な取り組みをスタートとして、中長期的なビション実行への組織として栄ミナミまちづくり(株)の今後にご期待ください。
 そして、栄ミナミ社会実験の成果が各地の町づくりのモデルケースとなり、周辺地区との連携のきっかけになれば幸いです。

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【新会員自己紹介】

横尾憲二氏
火曜グループ

横尾 憲二(よこお けんじ)
三菱ケミカル株式会社
中部支社長

【三菱ケミカル(株)中部支社】
〒450-6419 名古屋市中村区名駅3-28-12 大名古屋ビルヂング19F
TEL:052-565-3500
URL:https://www.m-chemical.co.jp/index.html

 今年4月1日付で三菱化学・三菱レイヨン・三菱樹脂の三社を統合し三菱ケミカル(株)が発足しました。この機会に火曜グループに参加させていただくことになりました。弊社は素材から機能商品まで幅広いフィールドで、社会・環境課題の解決に向けて多彩なソリューションを提供しKAITEKIの実現を目指しています。皆様方には様々な分野で御世話になっていることと存じます。この場を借りて御礼申し上げます。
 私自身は86年入社後三重県四日市市で会社生活をスタートさせて以来、中部圏での勤務は今回で3回目、昨年4月より着任しております。本会での活動を通じてより幅広い方々と公私を問わず交流させていただければと思っております。ご指導のほど何卒よろしくお願いいたします。

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5月度産業懇談会のご案内
名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

5月9日(火)
12:00〜14:00
山眞産業(株)・花びら舎
代表取締役 平出 眞氏
『桜もち誕生300年、桜文化を語る』(仮)
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

淺井博司
飯田芳宏
落合 肇

5月24日(水)
12:00〜14:00
応用地質株式会社
執行役員中部支社長 井出 修氏
『災害を抱える国土の深層〜真相は地下にあり〜』
3階
桂の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

5月10日(水)
12:00〜14:00
三井不動産株式会社中部支店
支店長 河津 弘幸氏
三井不動産株式会社 S&E研究所
佐々木 誠氏
『活気ある都市センターを創る』(仮)
2階
曙の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

5月11日(木)
12:00〜14:00
フリーアナウンサー
パーソナルプロデューサー 生田 サリー氏
『世界から見た日本』
3階
桂の間

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6月度産業懇談会のご案内
水曜第1グループ以外は、名古屋観光ホテルでの開催です。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

6月13日(火)
12:00〜14:00
アセス株式会社
資産対策研究所 所長 多湖 利信 氏
『ゴルフと、相続対策に効果的な「家族信託」と
              どこが似ているのか?』
18階
伊吹の間
水曜第1グループ

淺井博司
飯田芳宏
落合 肇

6月28日(水)
12:00〜14:00
東海東京調査センター チーフエコノミスト
武藤 弘明 氏
『トランプ政権下の内外経済展望』
東海東京証券
オルクドールホール
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

6月14日(水)
12:00〜14:00
住友商事株式会社
理事 中部支社長 沖廣 克也 氏
海外工業団地部  福田 繁夫 氏
『住友商事のアジアにおける工業団地事業』
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

6月1日(木)
12:00〜14:00
フィリップ モリス ジャパン合同会社
事業開発特別顧問 筒井 和彦 氏
リデュースド リスク プロダクツ セグメント ディベロップメント
事業開発本部長 渡邊 光一 氏
『煙のない社会をめざして・・・
            紙巻たばこ撤退の背景』
18階
伊吹の間

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【お知らせ】

産業懇談会メールマガジン配信について

○メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

メールマガジンの配信を ○希望しない

○2016年6月24日より、本メールマガジンの運用ルールを明確にさせていただき、本会をご退会された方は自動的に配信を停止させていただくことといたしました。誠に勝手ながら、ご了承くださいますようお願いいたします。
なお本メールマガジンは、中部経済同友会ホームページ「産懇宅配便ポータルサイト」からすべてのバックナンバーをご覧いただけます。ご退会後はウェブ上で引き続き閲覧いただければ幸甚に存じます。

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【コラム】

コラム1 【保健師からの健康だより】 No.157
保健師からの健康だより

株式会社 スズケン
保健師 稲垣 静香

『 健康診断前のいろは 』

 2017年度が始まりました。今年度の健康診断をそろそろ受ける方もいるのではないのでしょうか。自分の健康を知ることができるせっかくの機会です。意味のあるものにするため、健康診断前は何に気を付けなければならないのかの基本をご紹介します。

 まず、案内が届いたら必ず内容を確認してください。「前日の夕食は21時までに済ませてください」とか「朝食を抜いてください」といったことが書かれています。実施する検査によって違うので、各健診機関の案内に従ってください。

 ではもし、案内通りにできなかったらどうなるのでしょうか。悪い結果が出やすくなり、再検査の対象になることがあります。例えば食事を摂ってしまうと、血糖や中性脂肪が高めに出ることがあります。前日にたくさん飲酒をすると、肝機能や尿酸も高めに出ることがあります。消化管検査をする場合、消化管に残った物が多いとそれに隠れて、きちんと観察ができなくなってしまします。
 食事はダメだけど「お茶・お水は可」と記載されているからといってノンシュガーやゼロカロリーの飲料を選んでしまうと、実は砂糖や甘味料が含まれているので、血液検査に影響が出てしまいます。カフェインが多い飲み物も控えたほうが良さそうです。

 健康診断当日、バタバタしていて血圧が高く出てしまった!なんてことはありませんか。身体を動かすと血圧が変動しやすいので、なるべく時間にゆとりを持ってできると良いですね。かといって、「まだ時間があるから、いっぷく」とたばこを吸っていては意味がありません。ニコチンは血管を収縮させるため、血圧が高く出てしまいます。

 普段からお薬などを内服している場合は、内服していいもの、いけないものがあり判断が難しいため、各健診機関にお問い合わせください。

 「健康診断前に、筋トレをすごく頑張ったんだ!」とお話しされていた方の結果があまり良くなかったことがありました。筋トレは、筋肉に傷をつけて修復することで筋肉を増大させます。傷ついた筋肉の成分が血液に流れるため結果に影響が出ていました。ちなみに、血液は腎臓で濾過されて尿になるため、尿にも影響が出ます。
 良かれと思ってやったことで、悪い結果が出てしまうことがあります。普段通りの生活での健康状態を把握するためのものですので、あまり特別なことはしないで臨めるといいですね。
 健康は1日にしてならず。生活改善は日頃から継続することが大切です。

健康への第一歩は 自分の健康状態を 正しく理解することから。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.102
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

「平穏死」を受け入れるレッスン
石飛幸三著・誠文堂新光社刊

 「平穏死」とは、「その人自身の持っている生命力に寄り添いながら自然なかたちで迎える死」のことです。「自然の摂理にまかせたら、人は苦しまず、安らかに息を引き取ることができます。」「ところが、その穏やかな最期を迎えることを阻むものがあります。意外なことに、これが家族の“情”なのです。」そして、日ごろ介護をしていない親戚ほど「何かしなければならない」と口を挟みます。
 この本の副題は、「自分はしてほしくないのに、なぜ親に延命治療をするのですか?」です。これから死を迎える私にとっても、それまでに親を見送る可能性のある私にとっても、有益な一冊でした。この本を家族で共有しようと考えています。

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コラム3 【苗字随想】 No.179
コラム【苗字随想】

片桐清志

「しこ名」あれこれ(3)

 先月、先々月と横綱のしこ名と本名(苗字)の関係に着目している。先月は明治の歴代横綱と本名(苗字)の関係を追ってみた。今月は大正から昭和(戦前)編だ。
 大正になって初めて誕生した横綱は第23代目の大木戸(オオキド)で、本名は内田(ウチダ)だ。続いて24代横綱鳳(オオトリ)の本名は瀧田(タキタ)だ。しこ名の鳳は、初土俵時は大鳥(オオトリ)だったが途中から鳳に変えている。25代横綱は西ノ海(2代目)だが、前回紹介したように本名は牧瀬(マキセ)だ。26代横綱の大錦(オオニシキ)の本名は細川(ホソカワ)だ。しこ名の大錦の由来は「故郷の大阪に錦を飾れ」との思いで付けている。大錦のしこ名の横綱は28代にもいる。こちらの本名は鳥井(トリイ)で、旧姓は山田(ヤマダ)だ。出身は愛知県鍋田村(現在の弥冨市)だ。
 27代横綱の栃木山(トチギヤマ)の本名は中田(ナカタ)だ。出身はしこ名が示すように栃木県で、故郷に身重の妻を残して自ら志願して入門している。なお結婚前の旧姓は横田(ヨコタ)だ。29代横綱の宮城山(ミヤギヤマ)の本名は佐藤(サトウ)で岩手県出身だ。岩手県出身で宮城山とはちょっと紛らわしいが、出身地が現在の一関市山目町が仙台藩の領地だったからと言われている。初土俵時のしこ名は岩手川で、ちょっとしたトラブルから部屋を代わって再出発する時のしこ名(当初は宮木山)だ。31代横綱の常ノ花(ツネノハナ)の本名は山野辺(ヤマノベ)だ。
 昭和になって初めて誕生した横綱は32代目の玉錦(タマニシキ)で、本名は西ノ内(ニシノウチ)だ。33代横綱の武蔵山(ムサシヤマ)の本名は横山(ヨコヤマ)だ。34代横綱の男女ノ川(ミナノガワ)の本名は坂田(サカタ)だ。しこ名に「女」の字が用いられるのは珍しいが、出身地の茨城県筑波郡(現在のつくば市)を詠んだ百人一首の「つくはねのみねよりおつるみなのかわ・・・」から決めたという。
 35代横綱の双葉山(フタバヤマ)の本名は穐山(アキヤマ)だ。昭和の角聖、相撲の神様双葉山の活躍はご存知の通りだ。36代横綱の羽黒山(ハグロヤマ)の本名は小林(コバヤシ)で、しこ名は出身地(新潟県)の字が羽黒だったことに因んでおり、初土俵からずっと使っている。
 37代横綱の安藝ノ海(アキノウミ)の本名は永田(ナガタ)で、出身地はしこ名が示すように広島県だ。双葉山の連勝記録を69で止めたのは安藝ノ海だ。38代横綱の照国(テルクニ)の本名は菅(スガ)、後に大野(オオノ)を名乗っている。
 3回にわたって歴代横綱の本名調べを行った。本名もさることながら、しこ名に対する思いも出身地にあやかるものや願望など様々で興味深い。

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【平成29年4月号編集後記】

 「IPPO IPPO NIPPON」の熊本地震支援活動の一端を、先月この欄でご紹介した。その熊本地震から1年を迎えるのを機に通信関係の有志で熊本を訪問した。約500戸を擁する熊本地区最大規模の「益城町テクノ仮設住宅団地」を訪問し、Wi―Fiやパソコンの通信環境の整備状況とボランティアの方々の活動を見学し、お話しを伺った。ここはもともと工業団地として整備されたもので、工場拡張用の空き地だった場所を活用して仮設住宅が建設されていて、簡単な商業施設やコミュニティセンターも備わっている。
 ボランティアの方々の活動拠点は主にコミュニティセンターだ。50戸に1か所の割合で小規模のコミュニティハウスが用意されていて、それぞれのコミュニティハウスを担当するボランティアの方が各自の持ち味を出しており、活動内容は区々だ。我々が訪問した時には手芸教室やお花の講習会が開催されていた。参加しているメンバーはお年寄りが多かったが、どの顔も輝いていた。子供たちも自由に出入りし、お年寄りと交流している様子も見て取れた。周囲には木製のフラワーポットがたくさん置かれ、子供たちが人気キャラクターを書き込んでいるのが微笑ましい。壁には全国からのメッセージに加えて入居者たちの作品が壁面いっぱいに並んでいた。オープン時間も区々で、中には夜もオープンしているところもあり、夜遅く帰って来た際にコミュニティハウスの灯りを見るとホッとするという声も聞かれた。悩みや困難を一人で抱え込まないために、気楽に集まれるコミュニティハウスが被災者の交流拠点として重要な役針を果たしていることを再認識した。
 中央のコミュニティセンターではダンス教室が終わったところだった。インストラクターは体育系の勉強をしている大学生だという。その横の広場では子供たちがサッカーを楽しんでいた。この広場も学生たちの手作りだという。コミュニティセンターで利用する机や椅子などのツールのいくつかは入居者の希望を聞いた建築系の学生の作品だという。学生たちにとっては、大学の教室では平時の生活を前提に勉強しているが、仮設住宅団地での活動は非常時の生活に何が必要かを研究する良い機会なので研究室全体で取り組んでいるという。ボランティアという言葉はお手伝い、支援というニュアンスが強いが、大学生や企業から見ると非常時のニーズと対応策の研究活動の場にもなることを教えられた。
 短時間の訪問では深層の問題は見出せなかったが、被災者の前向きな姿と、スピーディな生活支援体制を見ることができた。とりわけ災害弱者と言われるお年寄りや子供たちの元気な姿は私たちを大いに勇気づけてくれた。東南海沖地震が予想される当地にとって地震被害は「明日は我が身」だろう。まだまだ十分な支援ではないが、困ったときはお互いさまの気持ちを忘れないよう支援を続けたいとの思いを強くした訪問だった。

(片桐)