産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第81号 2009.2.26発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成21年2月度(第81号) 目次
産懇宅配便
【代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会】 1月27日(火) 17時30分〜18時30分
【21年2月度産業懇談会(木曜G)模様】 2月12日(木) 12時00分〜14時00分
【3月度産業懇談会開催日程】
【4月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1 『花ちゃんからの健康だより』
コラム2 『理念経営物語』
コラム3 『「ほん」のひとこと』
コラム4 『苗字随想』

【代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会】

テーマ『 広告の明日を考える〜変化する時代への対応〜 』

日  時:21年1月27日(火) 17時30分〜18時30分
場  所:ウェスティンナゴヤキャッスル 2階 金の間
参加者:68名

スピーカー:
川村 悌弍(かわむら ていじ)氏
中部経済同友会 代表幹事
株式会社三晃社 取締役会長

川村 悌弍氏

1.メディアの動向と将来
 一昨年(2007年)の日本の総広告費は約7兆円で、マスコミ4媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)が総広告費の半分強を占める。しかし、中でも特徴的なのはインターネット広告で、2007年の同広告費は前年比24.4%増の約6,000億円であり、既にラジオ広告費を大幅に上回って、2006年に上回ったばかりの雑誌広告費も1年で大きく引き離している。今後もこの勢いは衰えず、数年後には新聞広告さえも脅かす存在になろうかとしている。
 これ程までにインターネットが急激に普及するようになったのは、1)グローバル性、2)双方向性、3)時間的、空間的制約がないというこれまでのメディアにはないインターネット特有の大きな特徴があったからである。また、こうした特徴と共に爆発的に普及したインターネットであるが、その進化は今も尚、続いており、更に、テレビやラジオ等の従来メディアも様々な技術革新で大きく変わろうとしている。例えば、テレビとパソコンを例に挙げると、テレビは元々、アナログ、動画、一方向、フローといった特性があり、これに対してパソコンは、デジタル、静止画、双方向、蓄積という特性を有していた。これが技術の進歩により、テレビにおいては地上波デジタルへの移行、インターネットへの接続、ハードディスク内蔵テレビの登場、またパソコンにおいてはブロードバンドの普及が進み、これらによってそれぞれの特性もデジタル、動画、双方向、蓄積のように同一特性に近づきつつある。こうしたメディアとネットの融合の流れは2011年にテレビが地上波デジタル放送へ完全移行することが一大契機となり、飛躍的に進むと考えられる。これによって、これまで以上に我々の生活が便利になる様な技術革新がここから次々と生まれていくことになるだろう。
 ITがこれほどまでに進化を遂げ、時代はマスコミュニケーションからパーソナルコミュニケーションの時代へと変わってきた。こうしたパーソナルコミュニケーションの進展は、確かに人との触れ合いや協調性の欠如といった弊害を生んでいるのも事実である。しかし、これらを技術の進歩の責任にするのは本末転倒である。我々は今、これらの技術革新による恩恵を受け、豊かな暮らしを獲得したのであって、これから考えていかなくてはならないのは、いかにこうした高度な技術と便利な生活の中で、これまでのように人との触れ合いも大切にする社会を築き上げるかではないだろうか。そしてまた、そのことに今、最大の知恵が求められているともいえるだろう。

2.日本を取り巻く環境の変化
 広告は変化するメディアに対応しているだけでは決して十分ではない。広告は社会の鏡であり、変化するメディアと同時に、我々生活者を取り巻く環境の変化にも敏感でなくてはならない。
 昨今、日本を取り巻く環境は極めて厳しい局面を迎えている。人口減少・少子高齢化、食料問題、資源・エネルギー問題、環境問題、教育問題といった様々な問題が山積しており、将来に対する大きな不安に包まれている。どれも一刻の猶予もない問題ばかりではあるが、更に今、世界が直面している経済危機の問題がこれに輪を掛けている。しかし、考えてみると確かに今の未曾有の金融危機は何とかしなくてはいけない問題ではあるが、行き過ぎた動きに対して調整が入ったこと自体は決して悪いとは言えない。恐らくは遅かれ早かれ、この事態は避けられなかったものと思う。日本経済は1990年代のバブル崩壊により、既に相当の抵抗力を備えていることをもう一度、思い出すべきである。これと同じことを、時間をかけてでも世界が学べば良いのである。
  20世紀型のただひたすら発展成長の道を突き進むやり方は大きな痛みを伴い、これでは有限な地球がいつまでも許容できるはずはない。21世紀は、互いに助け合い、共に発展を目指すという共存共栄の考え方に転換していかなければならない。つまり、急激に膨張するこれまでの発展から、地道ではあるが着実に持続的発展するという理想の姿にシフトすべきである。
  では、日本はこのために何をすべきかといえば、日本を取り巻く諸課題に今一度立ち戻ればいいと思う。これらの課題は、実は皆、日本だけが抱えている課題ではなく、世界共通の課題といえる。従って、これらの課題を解決する新たな技術やサービスの開発に今から取り組み、日本が世界に先駆けて実現できれば、来るべき新しい時代に、日本は世界のフロントランナーとして立っていられるはずである。

3.名古屋の実力と課題
 日本を取り巻く大きな環境変化と同時に、地域というもう少し身近な領域にも目を向けなければいけない。名古屋という街、地域の特筆すべき点は、ものづくりの強さである。東海4県下における経済指標はその殆どが全国の約1割を占めるが、ものづくりを表す指標に限ってはこれを大きく超えている。こうした当地域のものづくりのルーツを辿ると、いずれも江戸時代まで遡り、数百年の時間を掛けて脈々と受け継がれた技術が今の時代に合った形へと変化を遂げ、大きな産業へと発展していった事実に行き着く。ここにきて名古屋経済にも、先行きの不透明感が鮮明になってきているが、当地域を支えるものづくりは、一朝一夕で成し得たものではなく、こうして築いてきたものづくりの力は簡単には失われることはない。確かに輸出を中心とした産業構造は、円高や世界経済の動向に一時的には大きな影響を受けることになるかもしれないが、その力の本質を考えれば、必ずやこれまでのような力強さを取り戻すはずである。
 一方で、当地域に足りないものも確かに存在する。その筆頭に挙げられるのは、世界から見た情報発信力、ブランド力だろう。地域のブランド力を示す各データからも、当地域は住環境も良く、日本の中では徐々に実力も認められつつあるものの、世界的にはまだその存在すら知られていないと言えるのではないだろうか。これから先、高齢化社会を迎える日本にとって、若い世代が今まで以上に重要な存在になってくるのは間違いない。従って、国内外から若者が集まってくるような魅力ある街でなければ、街の活力を今後も維持していくことは難しいだろう。そのためにはやはり、世界から注目を集めるような名古屋の魅力をこれまで以上に力強く発信していかなくてはいけない。

4.広告の明日を考える
 「環境変化に強い企業のみが生き残ることができる。」これは、我々広告業界にも当てはまることである。このためには、広告自体が能動的に自ら意思を持って変化していくことが必要不可欠だろう。
 弊社では数年前から、「広告代理業から繁盛支援業へ」を合言葉に事業を展開してきた。ここで言う広告代理業では、広告を出したい顧客に代わってテレビ局や新聞社などと折衝し、クライアントの要望に応じて実際に広告を制作してきた。これに対して繁盛支援業とは、広告会社の社員もクライアントの広報部や宣伝部の一員であるという意識を持ち、商売繁盛を全力で支援する。そのためには、クライアントが「気がつかないこと」、「思いつかないこと」、場合によっては、「耳の痛いこと」までも敢えて進言していかなくてはいけない。
 加えて重要なのは、我々広告会社はクライアントと生活者、消費者を繋ぐ懸け橋の役割を担っていることである。つまり、クライアントの商売繁盛と同時に、常に生活者、消費者の目線に立った広告を創ることを心掛け、広告の送り手にも受け手にも双方にとって幸せなWIN-WINの関係を構築すること、その手助けをすることこそが我々広告会社の役割と考えている。こうした関係を築くことによって、クライアントの商売繁盛のみならず、ひいては地域全体の繁盛、活性化に繋がっていくことになるだろう。

 引き続き、川村、古川、水野代表幹事を交えて、恒例の合同新年会が開催された。年のはじめにグループを超えて親睦を深める良い機会となり、盛会のうちに終了した。

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【21年2月度産業懇談会(木曜G)模様】


テーマ『 どこへ行く、金融危機下の日本経済 』

日  時:21年2月12日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:25名

スピーカー:
向 博(むかい ひろし)氏
株式会社三豊ビル 取締役会長
経済クラブ三豊会 会長

向 博氏

○サブプライムローン問題
 アメリカでは'90年代後半から低信用者層向けの住宅ローンが始まった。そして、住宅の価格が約5年間で50%値上りをした。担保価値が増えると更にその価値を担保に新たに不動産を買うという繰り返しが発生した。ローン支払いも当初5年間は元本据置き利払いのみ。頭金の無い人には不動産取得費用を融資するといった、手持ち資金ゼロで家が買えるという時代がバブルを助成し、サブプライムローン問題を形成した。景気好調、世界中の金がアメリカに集まり景気が上向いた。日本の景気も良くなった。このブームに疑問を抱いた人は当時皆無である。しかし、これがいつまでも続くとは思われておらず、いつかは不良債権化する可能性があると認識されていたので住宅ローンの証券化商品が考え出された。それを販売すると新しいローンを組む余裕ができて新たに手数料収入があがり、更には自らの貸し倒れリスクが消える。これがサブプライムローン問題の仕組みである。同時に、英、オーストラリア、スペイン等々に住宅ブームが起きた。しかし、 08年9月15日リーマン・ブラザースが総額65兆円の負債を抱えてアメリカ史上最大の倒産をし、世界経済の流れを変え世界金融危機を生んだ。リーマンショックによる投資家のパニック売りで世界の株価は暴落した。アイスランドでは通貨が対ユーロ30%暴落し全金融機関を国有化した。日経平均はそれに驚いて史上ワーストスリーの952円58銭安を記録し為替は100円を割った。JPモルガン−チェースがベアースターンズを、バンクオブアメリカはメリルリンチを吸収合併、公的資金はAIGとフレディーマック、ファニー・メイを抱えて集約したが各社の負担は非常に重い。一方で住宅ローンの証券化商品による損失額は未だ解明されておらず、金融機関の最終的な損失額は不明である。アメリカの金融プロフェッショナルたちは現在の状況、その泥沼の深さが分かっていない。潰してはならないものを潰し、その損害の大きさにあわてふためいている。これが世界金融危機である。今後の金融政策は非常に難しく、金融危機のトンネルは長い。

○自動車産業の見通し
 世界の自動車在庫調整には早くて09年一杯まで掛かる。そして、金融危機が終われば今後人口の増加する国々ではまだまだ自動車が売れる。一方、日本の人口は伸びず今後自動車が飛ぶように売れることは難しいだろう。アメリカの自動車も失業率が高まる状況では売れる余裕がない。今年1月の失業率は7.6%であったがビッグ3に何かがあれば失業者は100万人近く増えてしまう。また、アメリカが一番頭を悩ましていることは今後自動車が欲しくてもローンを付けられない人が大変多くなることである。アメリカは人口増加の国で自動車販売増の期待はあるが、昨年12月のGM、今年1月のクライスラーへの繋ぎ融資だけではこの2社は生きていけず、今年の3月前には追加援助が必要である。これがアメリカ自動車産業の見通しの難しいところである。フランスのサルコジ大統領が自動車産業保護の声明をしたがヨーロッパ自動車産業は大丈夫だと思う。一方日本の自動車産業ではビッグ3と提携しているメーカの今後が不透明である。あるメーカーが3割減産している地方では工場の周りのコンビニが3店、スーパーが1店潰れたという。50%減産になるとデパートが1、2店潰れるのではないか。減産から抜け出すには各政府が知恵を絞って今までの車は全廃して、皆が必要としている新しい車を作らなければならない。日本はハイブリッド車、電気自動車、ロボット技術では世界最高技術を誇っており、大いに期待したい。車体の軽量化の為にアルミ、樹脂、炭素繊維を利用するのも重要である。自動車メーカーと素材・部品メーカーが一緒になって研究開発を行い早急に開発して欲しい。

○今後の世界と日本経済の見通し
 2009年の世界経済調整局面は避けられない。主要国すべてでGDPはマイナス成長の見込みである。企業の雇用調整にも少なくとも今年一杯は掛かるであろう。雇用調整が本格化すれば家計も収入減となり消費購買力は伸びず不況が長引く。各国は景気対策を実行していくが景気の見通しは凍り付いている。日本の景気動向を先見するには工作機械受注を見るのが一番良いが'08年7〜9月が△1.4%、10〜12月は△16.7%で過去最大の落ち込みであった。日本の08年の経常黒字は162,803億円、前年度比△34.2%でこれも過去最大の落ち込みである。海外現地法人の収益も悪化し、円高の影響もあって海外からの受取配当も減っている。昨年の国際収支は17,973億円の黒字だが前年比△81.7%である。貿易黒字は△67.3%となり国際収支に響いた。所得収支は158,324億円の黒字で△3%と健全だったが、これからは証券投資の収益悪化が起こるのではないかというのが09年度の見通しである。金融危機のトンネルは世界中で長い。自動車産業のトンネルはもっと長い。今後の鍵はG20が自国本位から大協調に向かえるかと言うことである。協調せず自国のみで生きていくことができない時代となった。100年に1度の金融危機を脱するには世界各国が協力し、新たな世界金融システムを作り出すことが必要である。

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【3月度産業懇談会開催日程】
場所は、3月5日以外は名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
3月3日(火)
12:00〜14:00
※今回は第1火曜日の開催となりますのでご注意ください。
(株)中村土木建設 代表取締役
中村 陽公氏
「我社が手がける非開削技術」

18階
伊吹の間

水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
3月18日(水)
12:00〜14:00

(株)メイアン 
取締役社長 橋本 昭一氏
取締役教育部長 宮本 理氏
「警備業における人材育成と人間関係」

18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
内藤由治
3月4日(水)
12:00〜14:00
※今回は第1水曜日の開催となりますのでご注意ください。
東洋建設(株) 名古屋支店 執行役員支店長
長尾 正平氏のご紹介
(株)オリエント・エコロジー 代表取締役
藪下 貴弘氏
「いちごとトイレ〜ベンチャーへの取組事例」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

3月5日(木)
11:15〜15:45
(予定)

新日本製鐵(株) 名古屋製鐵所 見学会 東海市

【4月度産業懇談会開催日程】
場所は、名古屋観光ホテルです。
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
4月14日(火)
12:00〜14:00
※今回は第2火曜日の開催となりますのでご注意ください。
(株)モリシマ 取締役会長
深田 正雄氏
「名古屋開府400年、栄ミナミ音楽祭を契機とした街づくり」・・・住吉の語り部となりたい!・・・

18階
伊吹の間

水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
4月15日(水)
12:00〜14:00

(株)成田製作所 取締役社長
成田 秀一氏
「理想の繋ぎを追い求めて70年」

18階
オリオンの間
水曜第2グループ 片桐清志
内藤由治
4月8日(水)
12:00〜14:00
(株)キャッスル・ファミリー・コンシェルジェ名古屋
代表取締役
植田 貴世子氏
「経済大国から生活大国への大転換が始まります。
〜三英傑を支えた女性達の知恵を活かして家事サービス〜」
18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

4月2日(木)
12:00〜14:00

豊田通商(株) 顧問 佐原 伸彦氏のご紹介
豊田通商(株) 常務取締役
兵頭 誠氏
「世界の食糧事情」
18階
伊吹の間

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【お知らせ】

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メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.59

株式会社 スズケン
保健師 佐藤 花子

『 防ごう!!脳卒中 』の話

 梅の咲く季節、寒さもまだ続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。インフルエンザ予防対策もまだまだ必要ですね。
  先日、退職前の方のライフプランセミナーで、私は健康についての講話をしました。そのときに、「現在、日本の死亡原因の第1位はがんで、第2位は心疾患、第3位は脳血管疾患です。そしてこの3つの疾患で全死因の60%を占めています。ところで、自分が、もしあの世へいく場合この3つの疾患の中でどの疾患がいいですか?」と尋ねてみますと、心疾患を選ぶ人がほとんどで、脳血管疾患は後遺症が残ると大変だからいやとのこと。歩くのが不自由になったり、寝たきりになったりして介護されたくない気持ちは誰しも同じですね。

  鳥取大医学部・看護学部の研究によると、40歳から50歳代の働き盛りの人において、脳卒中がもっとも起こりやすいのは月曜日。日曜日に比べると約1.5倍になることがわかりました。60歳以上になると月曜日に加えて、疲れの出る木曜日も発症頻度が高くなります。季節別では、60歳以上の人は春、59歳以下は冬の発作が多く、最も少なかったのは全年齢ともに夏でした。
 また、大阪医大と東京女子医大のチームが、「月曜日の朝は普段に比べ、血圧が高くなりやすい」というデータを発表。寝ているときと、起きてからの血圧の差が約20もあり、血圧の急上昇が起きやすい結果も出ました。
 月曜日の発症リスクを少なくするためには、土日のレジャー疲れを月曜日に残さないように、日曜日は早く寝て、月曜日の仕事はゆっくり始動するよう心がけましょう。月曜日の午前中の重要な会議はあまりお勧めできません。また、60歳以上になったら、春という季節もかなり用心する必要があります。

【脳卒中予防10か条】

  1. 手始めに 高血圧から 治しましょう
  2. 糖尿病 放っておいたら 悔い残る
  3. 不整脈 見つかり次第 すぐ受診
  4. 予防には タバコを止める 意志を持て
  5. アルコール 控えめは薬 過ぎれば毒
  6. 高すぎる コレステロールも 見逃すな
  7. お食事の 塩分・脂肪 控えめに
  8. 体力に 合った運動 続けよう
  9. 万病の 引き金になる 太りすぎ
  10. 脳卒中 起きたらすぐに 病院へ

 毎日、年度末にあたりご多忙中のことと思います。特に、血管に自信のない方は、用心してどうかご無理のないようにお過ごしください。

生活習慣病予防月間(二月)本年のスローガン「自分流 楽しく続ける 健康づくり」

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コラム【理念経営物語】
株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

理念経営成功例:No.9

戻る場所

 企業経営にとって最も重要なことは「安定成長」です。では、この安定成長を生み出すためにはなにが必要でしょうか?企業とは人の集まりです。つまり、そこに存在する人達が安定成長することが企業の安定成長を生み出すということです。そして、人の安定成長を生み出すために最も必要なことは、「精神的安定感を持つこと」です。精神的安定感のない人の経営や仕事では、なかなか良い成果は出ません。つまり「安定成長」は難しいでしょう。確かに、人も企業も不安を感じたり危機に陥ったりすることで頑張れたり、やる氣を起こすということがありますが、そういう状況でも、いざという時に精神的安定感を持てる場所=「戻る場所」があってこそ頑張れるものです。この場所とは、組織や仲間、そしてなによりも根本的考え方のことを言います。つまり、企業においては企業理念であり、人にとっては人生理念ということです。
 ある企業に大変輝かしい実績を持つA部長と、A部長には実績面で適わないけど、部下からの信頼を集めるB部長がいました。両部長は同期入社で部長昇格も同時でしたが、実績面で優るA部長にとっては、この同時昇格は納得がいかないようでした。しかし、その後の二人の部長としての実績は意外なほど大きな差がついたのです。A部長の部門に比べ、B部長の部門ばかりが大きな成果を生み出し続けて行ったのです。なぜなのか?ある日A部長の部下とB部長の部下が会話をしました。その会話の中に答えがありました。A部長は、部下が成果を出せそうにないと、すぐに自ら動き、自ら成果を出すということを繰り返し、結果的に部下たちのモチベーションを低下させ、A部長が成果を出しても、部門としての目標達成には至らないことが続きました。それに対して、B部長は、部下に仕事を任せ、いざという時にだけ相談に乗ったり、手助けをするという方法を取り、常に目標達成を続けました。B部長の部下は言いました。「B部長は父親のような存在。いざという時に戻れる場所のような安心感を与えてくれる大きな存在だ」と。ちなみに、親という字の語源は「木の上に立って見る(漢字を分解するとそういう字になる)ということです。B部長は言うまでもなく、理念を持った部長ということです。

解説

日々そこに戻るとは、つまり日々ゼロに戻るということであり、ゼロとは理念であるということです。このゼロに戻る時間が短ければ短いほど、理念経営が実践されていると言えます。

理念経営論

理念経営論とは、
根本にある理念に基づき、ビジョンに向かい、
木(企業組織)は成長していく。それが理念経営論です。
根をしっかりと伸ばすことで、木は成長します。
理念経営論は、
(1)本質的経営=理念創造・実現経営
(2)夢実現経営=ビジョン創造・実現経営
(3)実践的経営=全社員自立・実行経営

以上、3つの柱から出来ています。

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コラム【「ほん」のひとこと】
 〔「ほん」のひとこと〕No.5

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『免疫革命』安保徹著・講談社インターナショナル刊

 現代医学におけるガンの治療は、(1)摘出、(2)抗ガン剤投与、(3)放射線照射によって行われています。できてしまったガン細胞に働きかける方法ですが、これらはすべて、免疫力を低下させる作用をしてしまうそうですし、ガンになった原因には目を向けていません。
 生物は、生まれつき自己治癒力・免疫力を備えているそうです。たとえば、健康な人でも1日5〜10万個発生しているガン細胞も、免疫力が正常ならば白血球の中のリンパ球が退治してくれているとのこと。免疫力を高めれば、体は自分で病気を治してくれるわけです。
 家庭も会社も同じだなと気がつきました。問題が起こらないようにする毎日の行動が大切であり、事が起こったときは原因に対策を打ち、再発を防止する体質を築いておく。家庭・職場の免疫力を高めようと思います。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No.81

片桐清志

「綿」と「絹」

  織物の天然素材の代表格に綿と絹がある。どちらも古くから親しまれ、苗字にも結構愛用されている。
  「綿」は一字姓もあって、読み方もそのままワタさんで良い。「綿」で始まる苗字は約100種ある。綿貫(ワタヌキ)や綿引(ワタヒキ)はランキングでも2000番内に登場する。ユニークな苗字では綿屋(ワタヤ)、綿巻(ワタマキ)、綿帽子(ワタボウシ)、綿木(ワタキ)、綿石(ワタイシ)、綿脱(ワタヌキ)、綿鍋(ワタナベ)、綿鳥(ワタトリ)などが見つかった。
  「絹」には残念ながら一字姓は見つからなかった。「絹」で始まる苗字は26種で、やはり綿よりも貴重だ。ユニークな苗字では絹屋(キヌヤ)、絹巻(キヌマキ)、絹張(キヌバリ)、絹掛(キヌカケ)、絹傘(キヌガサ)、絹笠(キヌカサ)などが見つかった。
 絹織物の薄いものを「紗」と呼ぶ。「紗」の一字姓はないが、紗抜(サヌキ)が見つかった。
また、赤いねり絹を「緋」と呼ぶが、苗字にも登場する。こちらは一字姓の「緋」さんもいてアタケとお呼びするようだ。緋染(ヒソメ)、緋牡丹(ヒボタン)、緋笠(ヒガサ)などが見つかった。
 当地区で時々お見かけする難読姓の纐纈(コウケツ)は絞り染めの織物の呼び名が苗字になったものだ。

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【平成21年2月号編集後記】

 恒例の中部財界セミナーが2月5〜6日犬山で開催された。未曾有の経済危機の中で、「次代を拓く変革〜新たな価値創造に向けて〜」のテーマのもとで基調講演・分科会・座談会が展開された。参加者数は約180名と昨年を下回ったが、危機突破の熱い議論が交わされた。
 中でも、シャープの町田会長の「これからの強い企業づくり」では新たな視点でのものづくりの将来ビジョンを中長期構想としてご披露いただいた。「環境」をキーワードにピンチをチャンスに変えようとの呼びかけは混乱する現状に翻弄される私たちに力強いアドバイスと勇気を与えてくれた。さらに氏は中部と関西が連携してエコタウンをつくろうとの提言もご披露してくれた。
 シャープは液晶TVに代表されるように、これまでも独創性を大切にした技術開発、製品開発で新たな産業を生み出してきた。今も太陽電池やLED照明などの新分野に研究開発のリソースを集中している。グローバルな視点での壮大な構想を見習いたい。

 「産懇宅配便」の今月号は恒例となった代表幹事の新年特別講話といつもの例会模様を紹介できた。川村代表幹事には変化の真っただ中にある広告業界の明日を最新の動向と時代背景を交えてわかりやすく解説いただいた。「広告代理業から繁盛支援業へ」のメッセージが印象的だった。2月例会では木曜グループの向氏のスピーチを掲載できた。現在の金融危機の根幹と今後の経済見通しをコメントいただいた。両者からは危機の中にチャンスを探せとの励ましが伝わってくる。こういう時代だからこそ「産業懇談会」の存在価値がある。世話人としても踏ん張りどころだ。

(片桐)