産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第213号 2020.2.28発行

メールマガジン■産懇宅配便■

令和2年2月度(第213号) 目次
【2年1月度 「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」】 1月30日(木) 17時30分〜20時00分
【2年2月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】 2月12日(水) 12時00分〜14時00分
【2年2月度 産業懇談会(木曜G)模様】 2月13日(木) 12時00分〜14時00分
【3月度産業懇談会のご案内】
【4月度産業懇談会のご案内】
【コラム】
コラム1 【さっかの散歩道】 No.20
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.136
【お知らせ】
【2年1月度 「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」】

テーマ: 『 経営者とは? 』


日  時:令和2年1月30日(木) 講 話:17時30分〜18時30分
懇親会:18時45分〜20時00分
場  所:ホテルナゴヤキャッスル 2階 青雲の間
参加者:95名
写真:嶋尾 正氏

スピーカー:
嶋尾 正(しまお ただし)
中部経済同友会 代表幹事
大同特殊鋼株式会社 取締役会長


1月度の産業懇談会は4グループ合同で、嶋尾筆頭代表幹事をお招きし、講話をいただいた。
要旨は以下のとおり。

■バスケに明け暮れた少年時代
 故郷は福岡県糟屋郡新宮町。半農半漁の田舎町で生まれ育った。小学6年の時、友達の影響で福岡教育大附属福岡中学を受験したところ私だけが合格。新宮町でおそらく初めての合格者であっただろう。その後進学した修猷館高校は黒田藩校が前身の進学校で、学業面では一気に埋没。部活動のバスケットに明け暮れる高校時代となった。背は高くなかったがプレイヤーとしては優秀であったと自負している。今とは似ても似つかないが当時は「カモシカの嶋尾」と呼ばれていた。

■鬼コーチから学んだこと
 バスケット部の鬼コーチから言われた今でも心に残る言葉がある。「お前はまだ、餓鬼になっとらん」。自分で限界をつくり本当の限界を超えていないという意味であるが、自分の可能性を否定されたようでショックであった。しかし、限界を超えた負荷を我慢し続けることで一段のステップアップができ、その繰り返しで人は成長することを学んだ。

■会社の看板を背負う苦しさ
 大学の友達に誘われ、何となく前身の大同製鋼の就職面接を受け入社。入社するまで愛知県が本社だと知らなかった。当時、新入社員は工場配属がセオリーであったが、何故か情報システム部に配属された。お陰でシステムエンジニア程度の能力は身についた。その後、生産管理部へ異動、この時代はまさに「餓鬼の如く」仕事をした期間であった。今思えば、大同の義務教育であり、ルーチンワークを体で覚え、その意味を理解できた貴重な時間であった。家内と出会ったことも人生における大きな出来事であった。
 その後、営業に異動となり初めて外の世界を知ることになるが、ステークホルダーの思惑が絡み合う営業の複雑さに戸惑った。自分では制御できない変数の嵐の中、自動車メーカーとの直接営業で会社の看板を背負う苦しさを知った。初めての海外駐在でシカゴにも赴任。入社して15年ほどが一番面白く、ビジネスマンとして成長できた時期であったと思う。逆に管理職になってからの思い出は何故か少ない。役割を淡々とこなしてきたからだろう。

■私が思う8つの経営者像
 47年を会社で過ごし、図らずも売上5千億、従業員1万人を超える会社のトップを務めさせて頂いた。その経験から学んだ「こうありたいと思う8つ」の経営者像がある。

1.顧客第一
 顧客の心の底に沈殿する真の欲求が読み取れているか。真の欲求を聞き出すには話し上手より聞き上手でなければならない。

2.敵を知り、己を知れば、百戦殆うからず
 気にすべき敵は誰か。競争者と、市場の定時定点観測が必要だ。自己評価は正しく。自社技術への思い入れから、SWOT分析は甘くなりがちになるが製造ラインの練度は見極めること。

3.己の内なる声を信じ切る
 人間は研ぎ澄まされた時間・環境に身を置くことで、自分自身も研ぎ澄まされる。数多くの判断、幾つかの失敗を通じて、内なる声を信用する自信が生まれる。

4.後釜(後継者)をつくる
 後継者を決めるには「人を育てる眼」「育てる力」が必要。そして『運が良い奴』というのは意外とトップに大事な要素だ。

5.人事は経営のメッセージ
 人事は社内以上に社外が見ている。社長の評価は人事で決まる。あのポジションに誰をつけるのか、細心の注意と大胆さが重要だ。

6.未来志向
 意思なき所に道はない。実行ベースでは泥臭く、試行錯誤と軌道修正の数々があるだろうが、実現したい未来を見据えていれば、辿りつく道はある。

7.布石を打つ
 方向性と将来構想なければ布石は打てない。「遊び心」も大事だ。

8.継続は力なり
 お客様が変わろうとしている時は仕事のチャンスだ。通い続けなければ設備投資の兆しを察知したりできない。お客様に通い続ける、会話を続けること。

 講演会終了後は、恒例の4グループ新年合同懇親会を開催。今年度、中部経済同友会に入会した新入会員にもビジターとしてご参加いただき、産懇の雰囲気を体感していただくとともに、会員同士の懇親を深める有意義な場となった。


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【2年2月度 産業懇談会(水曜第2G)模様】

テーマ:
第1部 『 下水道教室「うんちくんのだいぼうけん」プロジェクトについて 』
第2部 『 女子プロはなぜ飛ぶのか? 』


日  時:令和2年2月12日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:59名
講師: 中林 直子(なかばやし なおこ) 有限会社東海維持管理興業 専務取締役
細内 巌(ほそうち いわお)     株式会社プロギア サイエンスフィットグループリーダー
岡本 勝哉(おかもと かつや)   株式会社プロギア サイエンスフィットグループ名古屋店長

<第1部> 『 下水道教室「うんちくんのだいぼうけん」プロジェクトについて 』

 創業15周年を迎えた2014年に、地域貢献・女性活躍プロジェクトを立ち上げた。つい先日これまでの取組みが報われ、名古屋市から女性活躍推進企業として最優秀賞をいただくことができた。中小企業としては初の受賞となったが、ここまで至るには多くの紆余曲折があった。建設業はやはり男性社会。弊社には10名の女性社員がいるが、彼女たちの職域拡大、地位向上を目指して試行錯誤した。作業服の改善等から始めたが、おおよそ目標にはつながらない。今回最優秀賞を頂くことができたのには、2つの評価ポイントがあった。 写真:水曜第2G写真1

 一つ目は「SDGs」、二つ目は「幼児向けの下水道教室」だ。この2つは、中部経済同友会での活動を通じて取り込むことができたものである。昨年の全国経済同友会セミナーで盛田代表幹事が議長を務められた分科会でSDGsを学び、その後SDGs経営委員会に所属。委員会で勉強したことを弊社の取り組みに活用した。また、下水道教室は教育を考え行動する委員会の出前授業からヒントを得て始めたものである。同友会で得た学びを仕事に活かすことができ感謝している。

 「下水道教室」は県内の幼稚園等で下水道の役割をわかりやすくパネルシアターで伝えるもの。今日パネルシアターを披露する二人は、普段は現場作業に従じ、さらに事務作業もこなす優秀なスタッフだ。普段は幼児向けに行っているので今とても緊張しているが、皆さんも5歳児になったつもりでご覧いただきたい。

写真:水曜第2G写真2 ストーリーからキャラクターの絵まですべて社員の手作りによるパネルシアター。
うんちくんが下水道を通り、きれいな水になるまでを楽しく演じてくれました。

 パネルシアターのあとは、中林氏もレッスン、解析を受けているというプロギアさんより、同社が導入している科学に基づいたスイング解析システムについてお話いただきました。

<第2部> 『 女子プロはなぜ飛ぶのか? 』

■プロギアのサイエンス・フィットとは?
 もともとクラブの販売メインだったが、将来的展望に立った新ビジネスの必要性を感じ、10年ほど前からサイエンスを武器にしたクラブのフィッティング、レッスンを始めた。  当社のサイエンス・フィットとは、様々な測定器に囲まれたスタジオで打っていただき、スイングを分析する、病院でいうMRIのようなものだ。5球ほど打っていただければ、スイングを可視化し、なぜ曲がるのか、なぜ飛ばないのか、すべて分析することができる。開発当初から、男女プロ、トップアマをはじめ10,000人以上のゴルファーのデータを収集、解析してきた。それに基づいて適切なクラブ選びや、スイング改善を提供している。

■女子プロはなぜ飛ぶのか?

 グリップの後方線上に専用カメラをセットし、スイング軌道を撮影する。
 写真のように二本の線でVラインをいれる。すると、アマチュアゴルファーは70%の方が上側を通り、右に曲がる傾向だ。Vゾーンの真ん中に合わせられる方は10%。下側、左に曲がる傾向の方が20%である。ちなみに男子プロは真ん中を通る。
 では女子プロはどうか?実は女子プロのデータを解析すると70%が下側(フックライン)を通る。 なぜ男女でスイング軌道がちがうのか?多くのゴルファーがインパクトでフェースを合わせようとすることに着目した。ゴルフクラブは工夫しなければまっすぐフェースを当てることができない(開いてしまう)構造になっている。
写真:水曜第2G写真3

 スライスする方は、まっすぐフェースを当てるために、開かないように上からスイングしている場合が多い。逆にフックの方は、開かないようクラブを操れているのだが、操りすぎてフックになっていると言えるだろう。インパクト時に開いてしまう方は、バックスイングの腰の位置で既に開いてしまっていることが多い。一方、女子プロはみんな腰の位置のときには下を向いている。一見するとシャットフェースに見えるが、実はこれがスクエアだ。
 データを解析すると意外なことがわかる。やはり映像を撮ってみないと自身のスイングの本当のところはわからないので、ぜひスタジオで体験していただきたい。

■スイングマップの法則
 バックスイングは修正できたがあまり結果がでない、といった方には「インパクト解析」をお薦めしたい。スイング時にアウトサイドで入っているが、実はインパクト時はインサイドになっていたという方が時々いらっしゃる。当社では「誤診」と呼んでいるが、無駄な練習をする羽目にならないよう、インパクト解析をすることは有効な手段だ。
 当社の解析は、インパクト時のヘッドの上下、左右の新入角を測定することができる。インパクトとスイング軌道のデータを、10,000人以上のデータからつくられたスイングマップと照合する。すると多くのアマチュアが「アウトサイドイン・アッパーブロー」に分布されることがわかっている。ちなみにプロや上級者の多くは「インサイドアウト・アッパーブロー」に分布する。できるだけこのゾーンに近づけていくのが上達への道だ。アウトサイドイン軌道の方はどうしても右回転がかかり距離を伸ばすには非効率だ。クラブをインサイド側からいれるように工夫するだけで飛距離も自ずと伸びていくだろう。

■新システム「Swing Scan」
 より上昇志向の方、いろんな練習をしたが上達に結びつかない方向けに、当社が独自に開発したモーションキャプチャー・スイング解析を紹介したい。測定スーツを着用していただき、ゴルフスイングの身体の動きを詳細に数値化、改善ポイントやその方法がその場で割り出される。アドレス(構え)は従来曖昧な指導がされがちだったが、このシステムを使うと、画面の数値を見ながらグリップ、アドレスをライブで確認、修正できる。
 名古屋は丸の内に直営スタジオがあり、昨年このシステムを導入した。
 皆さんにはぜひこれからもゴルフを愛し、楽しんでいただきたい。皆さんの上達に少しでもお役に立てることができればと思う。

水曜第2G写真4 水曜第2G写真5

サイエンスフィットグループリーダー 細内氏

サイエンスフィットグループ名古屋店長 岡本氏

 プロギアさんでは、ゴルファーのレベル別に、科学に基づいたレッスンメソッドも確立されています。ぜひご興味のある方は、名古屋スタジオへ足をお運びください!
<プロギア名古屋店HP https://www.prgr-school.com/place/nagoya.html


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【2年2月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 ANAの挑戦〜人づくり・組織づくり〜 』


日  時:令和2年2月13日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間
参加者:44名

スピーカー:
矢澤 潤子(やざわ じゅんこ)
全日本空輸株式会社 執行役員中部支社長

写真:矢澤 潤子氏


■はじめに
 客室乗務員として入社。国際線・国内線乗務に従事したのち、2012年からANAグループの客室乗務員すべての教育、訓練責任者である訓練部長を4年務めた。その後、ANAビジネスソリューション(株)の代表取締役社長に就任。同社は、ANAの顧客サービス、ヒューマンエラー対策のノウハウを研修という形で提供している。そして昨年4月から名古屋に赴任した。
 航空会社における顧客価値創造は難しい。なぜなら、航空機はボーイングやエアバスなど世界中が同じプロダクトで勝負しており、差別化を図るにはソフト面でブランド力を強化していくしかないからだ。独自の価値創造をしなければ生き残ることはできない。
 先日政府からの要請を受けて武漢へのチャーター機を出したが、そのオペレーションは大変であったと聞いている。そのような任務を果たした仲間を誇りに思うと同時に、弊社のCSRに対する信念をご理解いただけるのではないかと思う。

■ANAグループの概要
 ANAの原点は「日本ヘリコプター輸送」というベンチャー企業だ。1952年日本の民間航空事業の再興を誓った創業者が2機のヘリコプターでスタートした。当時の社長の言葉「現在窮乏 将来有望」と書かれた額はいまも本社の役員室に掲げられている。当時の業績は乏しく社員の給与すら払えないこともあったという。しかし決して腐らず奮闘した結果、現在がある。ANAと名古屋の関係は実は深い。名鉄は初めてANAの総代理店として中部エリア5県でANAの業務を受託してくれた。ANAの発展は名鉄によるものが大きい。
 創業時の経営理念、「一、高潔な企業 二、権威に屈することのない、主体性を持つ企業 三、独立独歩できる企業」。航空会社にとって最も大切なものは利益ではなく「公共性」であるとうたったこの理念は今日のANAを支える精神的基盤だ。
 創業から5年後、今のANA(全日本空輸株式会社)に社名変更。国の政策により、ANAは国内線、JALは国際線と仕分けられていた。念願の国際線就航を始めたのは1986年だ。しかし国際線は18年間赤字続きで、社内では撤退論まで出ていた。転機となったのは1999年のスターアライアンス加盟である。スターアライアンスに加盟しているほかのメガキャリアからノウハウを学べたことが大きかった。最近ではボーイング787のローンチカスタマーとなったことや、LCC事業の立ち上げが新たな挑戦といえる。

■航空業界の現状
 ANAは現在、世界43都市に就航している。アメリカや欧州では淘汰の歴史が繰り返され、それぞれ3強の航空会社が存在する。しかしアジアには中規模キャリアが乱立しており、これから淘汰の時代に入っていくといえる。見逃せないのはLCCの存在で、特に最大旅客数を誇るサウスウエスト航空は大手キャリアを侵食している。
 こうしたなか、当社は生き残りをかけて2013年に他社に先駆け日本で初めてのLCC「Peach」を設立した。ピンクの機体と桃のイメージによる「かわいい飛行機」というブランディング戦略が功を奏し、若い女性に大変受けた。日本の美容室に毎月通う台湾や韓国の女の子など、これまでアプローチできなかった層を取り込むことに成功した。肝心なのは、コストをどのようにミニマイズするか。「お客様がお金を払いたくないものに力をいれない」という方針で、例えばチェックインカウンターの素材は段ボール素材にするなどの工夫をしている。

■客室乗務員の人財育成
 客室乗務員の業務には、保安要員、サービス要員、マーケティング要員としての役割がある。サービス要員としてのイメージが強いかもしれないが、訓練概要をみると7割が保安訓練であり、保安要員としての業務が最重要任務だ。急病人の手当て、火災、安全阻害行為、ハイジャック、海面への緊急着陸などあらゆる事態に対処できるようカリキュラムが組まれている。「訓練は実践のように、実践は訓練のように」を合言葉に、厳しい訓練を重ねている。
 過去の機体全損事故を調査したところ、その80%がヒューマンエラーによるものであった。最近の飛行機は性能が優れており、事故や重大インシデントは人間同士や管制塔とのコミュニケーションミス等に起因するもの。これを防ぐには、「人間特性」を十分に理解した訓練が不可欠だ。どんなに意識の高い人でも集中の途切れることがあったり、新しい事態に直面したときに従来の経験や考えに固執してしまったり、そうした人間特性を理解し、人づくり・組織づくりに落とし込む必要がある。

■ANAが大切にしていること
 人は些細なことで幸せを感じることができる。自分の名前を覚えていてくれた、関心を持って話を聞いてくれた、そんなことで人は感動する。お客様の満足度にはレベルがある。主語はいつでもお客様で、お客様自身が自分の基準で満足したかどうかがポイントだ。
 私たちはどんなサービスをすれば満足していただけるか、常に仮説を立てながら提供し続けていくしかない。束の間の時間だからこそ「小さいことほど丁寧に、当たり前のことほど真剣に」。これは客室乗務員のスローガンであり、一緒に物語をつくるような気持ちでお客様の心に寄り添っていきたい。
 ベンチャー企業から始まったANAは努力と挑戦を続けて、ここまできた。3機種のローンチカスタマーにもなったが、その陰では数々の失敗もしている。いよいよ東京オリンピック・パラリンピックが迫っている。ANAは万全の体制で全世界からのお客様をお迎えする所存だ。創業の精神を忘れず、これからも新しいことに挑戦し続けていきたい。


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3月度産業懇談会のご案内

3月度産業懇談会は、下記日程すべて延期とさせていただきます。
延期日等は改めてご案内します。

グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

3月3日(火)
12:00〜14:00
『低い目・高い目 〜令和に挑戦〜』
名新パイピング株式会社
常務 永井 研吾 氏 
名古屋観光
ホテル
3階
桂の間
水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

3月11日(水)
12:00〜14:00

『高齢社会を迎えた日本が選択する道
        −社会保障改革の観点から−』
厚生労働副大臣 橋本 岳 氏

名古屋観光
マリオットアソシアホテル
51階
シリウス
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

3月4日(水)
12:00〜14:00
『今、経営者に求められるセルフプロデュースとは』
ディーフェイムス合同会社 代表
名古屋工業大学 学長特命アドバイザー
袴田 和子 氏
名古屋観光
ホテル
18階
伊吹の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

3月5日(木)
12:00〜14:00
『シリア紛争被災者支援とその課題』
元 国連開発計画シリア事務所
副所長 須崎 彰子 氏
名古屋観光
ホテル
18階
伊吹の間

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4月度産業懇談会のご案内
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 集合場所
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

4月14日(火)
12:00〜14:00
『歴史と文化を継承する魅力的な街づくり』
NTT都市開発株式会社
代表取締役副社長 楠本 正幸 氏
東海支店長 田中 敏晶 氏
名古屋観光
ホテル
3階
桂の間
水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

4月15日(水)
12:00〜14:00
『名古屋少年少女発明クラブの活動紹介』
名古屋市 市民経済局 参事
名古屋少年少女発明クラブ 幹事長
 秋田 重人 氏
名古屋市 市民経済局 産業部 主幹
名古屋少年少女発明クラブ 事務局長
 飯田 浩史 氏
名古屋少年少女発明クラブ 統括プロデューサー
愛知工業大学 客員教授
 佐伯 平二 氏
名古屋観光
ホテル
2階
曙の間
水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

4月8日(水)
12:00〜14:00
『日本最初の生命保険相互会社と株式会社化への道』
第一生命保険株式会社
常務執行役員中部営業本部長 渡辺 克久 氏
中部法人営業部部長 関川 正博 氏
名古屋観光
ホテル
2階
曙の間
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

4月9日(木)
12:00〜14:00
『ワインのあれこれ(テイスティングもします)』
株式会社ヤガミ 名誉会長 八神 基 氏
「モリス」オーナーソムリエ 森 千夏 氏
*試飲を行いますのでご自身の運転でのご来場はお控えください。
*参加費(ワイン・チーズ代等2,000円程度)を当日頂戴します。ご参加者には別途ご連絡します。
名古屋観光
ホテル
3階
桂の間

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【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.20
コラム【さっかの散歩道】

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 花待ち 』

 「普通コウモリ食べるか?」で始まった新型コロナウイルス。この地方にもちらほら罹患者が出始めている。弊社のような小さな会社は比較的管理もしやすいのだが、会友の皆さんの会社は、結構大変だというお話しも聞いた。中国工場の減産、現地社員の福利厚生等々、ただでさえ慌ただしい年度末だというのにお骨折りの事だろう。某社に至っては、入社式の延期も視野に入れているという。何とかGWまでには終息することを祈るばかりである。

 などと言いつつ、先日こっそりツイートしてみた。「今こそ京都!」節分が明け、伏見稲荷にお札を返しに行った。つい数年前までは初詣も兼ねて正月三が日に参じていたのだが、このところのオーバーツーリズムで、稲荷駅から正殿まで、5分もあれば行けるところが30分以上かかり、千本鳥居に至っては、真夏のレジャープール並みで、動くことすらできなくなっていた。節分明けとはいっても人出は多く、昨年はお山に登るのは断念し、下にあるお社の分院に手を合わせるというご無礼ぶり。ところが今年、<新コロナさん>のお陰でなんとガラガラ。
伏見稲荷四つ辻から京都市内

勢い千本鳥居を抜け、薬力社まで息を切らしながら登った。途中三ツ辻近くの茶屋で休憩し、お店番のおかあさんと話し込む。「今日はよろしいおすやろ。ゆっくりお山に登れて。あと30分も行かはったら一の峰、おはようお帰り」と背中を押されるのも心地よく、何とか御膳谷奉拝所まで辿り着くも、すでに“小太り症候群”の体を支える足が上がらず、眼力社で蝋燭を立て、ありったけの小銭を賽銭箱に入れてお参りし下山した。午後からの京都入りだったとはいえ、気がつけばすでに4時。本来ならこの後妙心寺に足を延ばす予定だったが、足がもう無理!で、友人のワインバーでお疲れシャンパーニュをして宿に戻った。今日一日そこかしこから聞こえた「京都はこれくらいが丁度よろしいのや」。公共交通機関も程よく空いていて、10年前にタイムスリップしたかのよう。タクシーの運転手に言わせれば売上は3割減なのだそうだが、とはいえ「今日は錦市場に日本人のお客さん3組お連れしましたわ、いつ行くの?今でしょ!」と嬉しそうに話していたのが印象深い。

 翌日朝から下賀茂神社に散歩に行く。いつもだと駐車場に大型バスが溢れているのだが、なんと長閑な境内。正殿脇から鴨長明でも出てくるんじゃないかというくらい、まるで時の流れが止まったかの様な静まり方だ。しかし、人がいないと何かが物足りないなと、ふっと気づくことがある。それは「色」の無さ。雪でも降っていればそれもまた景色なのだが、2月は梅が咲き始めるまでほとんど花がない。春がやってくるまでそっと息をひそめているかの様な佇まいは、それはそれで趣があるのだが、「目」が遊べない。


人影まばらな下賀茂神社


マンサク、数輪が咲き始め


庭の脇に見つけたしだれ梅

少しばかり退屈な気分で、妙心寺に向かってみる。妙心寺は、大昔、花畑があった所に離宮(花園宮)を建て、そこがお寺に改修されたのが始まりという。花ごよみもあるようなのでなにか春の色が見つかることを期待してみる。また、1月の懇談会で御講話頂いた松山副住職の、禅に関するお話しは大変興味深く、臨済宗と同じく禅宗の一派、曹洞宗の檀家としてはとても親しみを覚えた。どんなお寺なのだろうと思いを馳せ、山門をくぐって驚く。妙心寺の境内には46ものお寺があるのだ。松山副住職のお寺はその中の1つ、三門を右手に退蔵院に向かう。入ってすぐ庭前の、本堂の縁側にいくつかの座布団が敷かれ、ここで禅を組み、こころを鎮められるようになっていて、国宝の瓢鮎図もじっくり見ることができる。余香苑に行くと、さすがに名物のしだれ桜はまだ芽吹き始めたところだったが、園内でひかえめに咲く、マンサクの花、しだれ梅を見つけ、心がほころんだ。花は心を映すのだそうだ。例えば自宅に花を飾ると、それだけで気持が華やいだり、穏やかになったりするのだが、その花がどれだけ持つのか、どんな咲き方をするのかで、住んでいる人の心持や気の流れがわかるのだという。そう言われれば思い当たることも一つ二つではない。以前家がゴタゴタしているとき、何故か花がすぐ萎れてしまうことがあった。手入れも日当たりもちゃんと気遣っていたのに…と思っていたらそれから間もなく入院する羽目になったり、逆に日持ちも花つきもよかった時期が続いたころ、ブルゴーニュのシュバリエ叙任の推薦を頂いたりした。そこに何の因果があるのかなど、野暮なことは考えず、やはり花は目を楽しませ、心を癒す。特に女性は部屋に花を欠かさないのが良いのだそうだ。そして長持ちさせればさせるほど運気が上がるのだとか。

 名古屋駅に戻ると京都とは逆に、人で、特に女性で溢れかえっていた。そうか、高島屋の催事場でバレンタインのチョコレート売ってるんだった。巷じゃコロナだ何だと騒いでいるのに、そこだけは別世界なのだろうか、売り上げも落ちるのではなんて勘繰りは大外れで、今年は過去最高の売り上げらしい。と言われても、密閉空間の満員のエレベーターに乗って、ごった返す売り場には足が向かず、そのまま帰路についた。東京ではドラッグストアでマスクを買うのに人だかりができるのに、名古屋はチョコレートか…訳が分からない。

 ともあれ、せめて桜が咲くころには、街にマスクではなく笑顔の花が咲いてほしいものだ。

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.136
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 噺のまくら 』
三遊亭圓生・小学館文庫

 八代目桂文楽・五代目古今亭志ん生と共に昭和の三名人として讃えられる六代目三遊亭圓生は、「まくら」の名手でもありました。落語の本題に入る前の短い話「まくら」は、噺への導入や噺の解説の役割を担っていますが、ときには「まくら」を聞き逃すと最後の「落ち(下げ)」の意味が分からないことも。

 圓生の「まくら」では、江戸から昭和までの文化・歴史・風俗・しきたりなどがたっぷり語られ、貴重な資料にもなっています。遺された名高座から六十五篇の「まくら」を選りすぐった本です。

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【お知らせ】

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