産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】 第210号 2019.11.29発行

メールマガジン■産懇宅配便■

令和元年11月度(第210号) 目次
【元年9月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】 9月25日(水) 12時00分〜14時00分
【元年10月度 4グループ合同懇親会模様】 10月30日(水) 17時30分〜20時00分
【元年11月度 産業懇談会(火曜G)模様】 11月6日(水) 12時00分〜14時30分
【元年11月度 産業懇談会(木曜G)模様】 11月7日(木) 12時00分〜14時00分
【新会員自己紹介】
斉藤 克弥

株式会社名古屋東急ホテル 執行役員総支配人

【12月度産業懇談会のご案内】
【産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」開催日程】
【コラム】
コラム1 【さっかの散歩道】 No.17
コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.133
【お知らせ】
【元年9月度 産業懇談会(水曜第1G)模様】

テーマ: 『 The Next Wa-fu〜新たな和風感性の発信〜 』


日  時:令和元年9月25日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 伊吹の間
参加者:25名

スピーカー:
渡辺 敬文(わたなべ のりふみ)
株式会社ワーロン
取締役社長

写真:渡辺 敬文氏


■自社紹介
 当社は創業1922年(大正11年)で現在97周年、間もなく大台に乗る。社是は「和」で、今やっている商売からするとなるほどと思われがちだが、長年の試行錯誤の中で「和」に集約してきたものだ。経営基本方針は次なる和風は何かということで、「The Next Wa-fu」、お客様に望まれる伝統的な和風空間の趣をWa-fu感性に進化させ世界中に発信すること、としている。漢字の和風から、カタカナのワフウ、そしてローマ字のWa-fuへと、世界に向けて和風をどう伝えるべきか常に考えている。
 当社はもともと、セルロイド玩具製造業として創業し、大ヒットしたダブルメリーゴーランド、ミルク飲み人形や、眠り人形などを製造していた。しかし、セルロイド可燃性問題を発端に、業界がセルロイド代替樹脂として硬質塩化ビニールの開発に着手する中で、当社も共同事業として分業加工に着手し、プレス機を導入して艶付け工程を担当していた。その後、プレス機の用途転換を図る中で、書家であり、紙に造詣が深かった先代が、水洗いの出来る障子紙として、和紙を両面から樹脂で挟みこんだ「ワーロンシート」という商品を開発した。和紙というものは、樹脂に熱をかけて張り合わせると、樹脂が染みて紙の風合いが全く損なわれてしまうことから、材料や合わせ方を工夫し特許を取得、昭和38年には松下電器産業(株)の和風照明に採用され、その後、ほぼ全ての照明器具メーカーに採用されていった。昭和41年には、当時わずか20名足らずの小さな町工場であったにも関わらず、皇居新宮殿の御用材としてワーロンシート、ワーロン板ガラスの採用が決定、その後も続けてご使用を頂いている。

■和風とは何か
 和風とは何かの前に、「和」とは何だろうか。辞書で調べれば、日本そのもの、我が国在来の風習、日本人の普遍の感性などと言われる。では「和」ではなく、「和風」とは何か。これも辞書には音楽、美術、建築などの芸術や、衣食住などの文化において、「日本的」特色や味わいを形容する言葉とされている。平たく言えば、やすらぎ、癒し、くつろぎといった「和」を感じるもの全てなのではないだろうか。また大陸からの影響である唐風、唐様や、西洋からの影響である南蛮、洋風との対比や反省・消化の中でも和風という言葉が使われる。
 また和風を語る上では、伝承と伝統も重要となる。「伝承」とは形を変えずに伝えて行く事で、「伝統」は形を変えてイノベーションで刷新されたモノ・コトのなかでも長く引き継がれるものだと考える。
 外国のお客様に日本を伝える際に説明する歴史や、食文化等に対してCool Japanというものがある。外国人がクール(素敵・かっこいい)と捉える日本の魅力、日本独自の文化が海外で評価を受けている現象、またはその日本文化を指す言葉で、政府がCool Japan戦略を打ち出し、日本ファンを増やし、日本のソフトパワーを強化しようとしている。Cool Japanの中には、映画、音楽、漫画、アニメーション、ゲーム等が含まれるが、こういったものも100年、200年続くうちに伝統になっていくのではないだろうか。Old Japanで言えば、有松絞りは日本の工芸として世界に誇る技術だが、色々と模索をされている。(株)スズサンの事例を挙げると、単なる有松絞りではなく、海外のニーズに沿ってカシミアに有松絞りの技法を使ったデザインで爆発的に売れている。ここまでくると和風ではない。和風をベースに世界に進出するという時に、Cool JapanとOld Japanの考え方を頭の中で整理する必要がある。

■衣食住から感じる和風
 衣食住には、和風を感じるものが多い。衣で言えば、和服には共通して一目で和が感じられる。和服業界も着物・浴衣が古臭いと言われ、ワフウとカタカナで表現することで考案されたミニスカート風にアレンジされたユカタ等が一時流行ったが、本物の着物や浴衣とは何かという和風への原点回帰が起き、今では着物・袴は成人式や卒業式、浴衣は花火大会・夜祭の定番で、TPOに応じた住み分けが出来ている。
 皆さんが、一番敏感に和を感じるのは食ではないだろうか。和食は2013年にユネスコ無形文化遺産に登録されたが、おせち、赤飯などの特定された有形の料理が登録された訳ではない。多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重、自然の美しさや季節の移ろいの表現、正月などの年中行事との密接なかかわり等の文化的要素が登録されている。和風を形容するものに一番近いのが和食なのではないだろうか。
 私どもの仕事の分野である住の分野では、和室=和風なのかと考えると、和風であることは間違いない。しかし、戦前には和室という言葉はない。洋室との対比の中で、初めてできたもので、洋風との対比の中での生まれた和風の典型だと言える。
 和風と洋風の建築の違いとして、和風建築は内部が障子や襖で区分され、外すことで開放空間ができ、直線で構成されているのに対し、洋風建築は内部と外部が壁、ドアで区分され、面(壁)と点(窓)で構成されている。日本建築は歴史の代表的な建築様式として、寝殿造、書院造、数寄屋造が挙げられる。寝殿造の代表が平等院で、この頃から和様という言葉が出てきている。書院造は鎌倉時代から室町時代に向けて生まれ、障子などが出てきた。障子は元々、襖障子という言葉で襖を指していたが、平安時代に戸を閉めたままでも採光が可能という事で明障子として生まれ、鎌倉期の書院造は障子を発達させたと言われており、今現在、障子は明りを取る面であると言われている。障子の役目は遮光と透過光の拡散、和紙特有のやすらぎ感など、色々とあるが通気性と吸湿性があることも特徴の一つだ。

■和紙について
 和紙は靭皮繊維を主原料として作られた紙で、基本的に繊維であれば何でも紙になる。主に楮・三椏・雁皮で作られ、紙幣の原料も同じだと言われているが、偽造防止のために成分は明らかにされていない。和紙もユネスコ無形文化遺産に登録されているが、本美濃紙(美濃和紙産)、石州半紙(石州和紙産)、細川紙(小川和紙産)の楮を使用した伝統的紙漉き技法が認定されたもので、和紙産地が認定された訳ではない。和風なものを世界に向けて発信していく中で、世界遺産、無形文化遺産の制約について記憶にとどめて頂きたい。

■ワーロンの経営戦略
 市場背景としては、住宅着工件数、和室が減少する中で、障子も減少しており、厳しい環境にあるが障子には張り替え需要があることで助けられている。一方、インバウンドの増加により、国内宿泊施設が不足し、ホテルでの需要は旺盛だ。最近ではマリオット、フォーシーズン、アマン等に納めさせて頂いているが、日本に来る外国人旅行者は、日本文化を楽しみたい方が多いということで、各ホテルもその方向にシフトしている。癒し、やすらぎの空間を私どもの材料でいかにお届けするか。和紙の破れる、汚れる、燃える、水に弱いという弱点を解消する商品として、用途に適した機能を付加した商品展開や、和紙の風合いを追求し、銀鼠などの自然な日本の色展開、工芸和紙の展開もしている。また、光を拡散する特性を生かしてLEDの良さを引き出す使用方法の提案、特殊繊維で漉いた破れにくい障子紙、燃えにくい障子紙なども展開している。

■最後に
 和風から、ワフウ、そしてWa-fuと至る中、その原点には松尾芭蕉のいう「不易流行―永遠にかわらないものとその時代においてかわっていく新しいもの」という考え方がある。和風は普遍的な日本人の観点であり、世界に向けて発信していく中ではCool Japanという考え方が必要になるが、国内においてはOld Japanを大切にしていくことが必要だ。和紙の秘める和風感性を世界に発信していくために、100年後に残る伝統商品を目指していきたい。残すものは残し、変えるものは変えながら、これからも和風文化というものを育てていきたいと考えている。


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【元年10月度 4グループ合同懇親会模様】

日  時:令和元年10月30日(水) 17時30分〜20時00分
場  所:ホテルナゴヤキャッスル 2階 天守の間
参加者:91名

出演者:マジックバー手品師 龍之介様 ・ ゆみ様 ・ メテオ様 ・ HIROSHI様 ・ L(エル)様


 今年度の産業懇談会 4グループ合同懇親会は、火曜グループの企画で、マジックバー「手品師」から、海外コンテストで受賞経験もあるオーナーの龍之介氏をはじめとする多彩な技をもつマジシャンの方々をお招きし、マジックショーを開催した。ご自身もマジックを特技とされる富田世話人からの出演者ご紹介の後、公演がスタートした。
 ステージショーでは、龍之介氏による人体切断などの大迫力マジックから始まり、会場は大盛り上がり。メテオ氏によるチャイナリングやロープマジックの披露では、その幻想的な手業に参加者一同目を奪われた。ステージ終了後は嶋尾代表幹事からの花束贈呈の後、合同懇親会へとうつった。
 懇親会中には、目の前でのテーブルマジック披露もあり、会場各所から歓声が上がっていた。和やかな雰囲気で会員同士の交流が深められ、最後は広井世話人による中締めの挨拶で会を終了した。

4グループ合同懇親会1 4グループ合同懇親会2
4グループ合同懇親会3 4グループ合同懇親会4

 マジシャンの皆様は名古屋市栄にある「マジックバー手品師」のショーに出演中。ぜひ足をお運びください!
 マジックバー手品師HP http://www.tejinashi.net/


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【元年11月度 産業懇談会(火曜G)模様】

テーマ: 『 新生御園座 新劇場のご紹介 』


日  時:令和元年11月6日(水) 12時00分〜14時30分
場  所:名古屋観光ホテル 2階 曙の間・御園座
参加者:36名

 火曜グループの11月度例会は、開場から一年半を迎えた御園座の講演会および見学会を実施した。御園座 小笠原剛会長より「新生御園座 新劇場のご紹介」と題したご講話の後、見学会では奈落や楽屋など、まさに劇場の舞台裏を見学させていただく大変貴重な機会となった。

<小笠原剛氏 ご講話>
「新生御園座 新劇場のご紹介」
(株)御園座 代表取締役会長
小笠原 剛 氏

写真:小笠原 剛氏

■御園座の歴史
 平成25年3月に旧御園座を閉館し、5年間の工事の末、昨年4月1日、新劇場をオープンすることができました。中部経済同友会会員企業の皆様にも多大なご支援を頂き感謝申し上げたいと思います。新生・御園座となり1年目は黒字達成することができました。2年目は厳しい状況が続いていますが、ここが正念場だと考えています。
 御園座は明治29 年創業、今年で123 年になります。創業以来、一貫して当地域における文化芸能の旗頭として劇場運営を続けて参りました。昭和20年の名古屋大空襲によって御園座の建屋が全焼しましたが、驚くべきことに昭和22年10月には再度開業しています。劇場の復活に奔走されたのが、創設者・長谷川太兵衛氏の孫である長谷川栄一氏でした。戦後の混乱のなか、名古屋には絶対に芝居小屋が必要だ、その周りには商店街、映画館をつくり、にぎやかな町を築きたいという強い熱意によって名古屋市の計画変更を成し遂げ、御園座の敷地を守り、さらに短期間での再建を成し遂げたのです。こうした先人たちの偉業により、この伏見の地で、創業以来今日まで名古屋の代表的な劇場として親しまれて参りました。明治39年に英国のコンノート殿下が来日した際の筆頭随行員、外交官ミットフォードが名古屋に立ち寄った際の印象を妻に当てた手紙に記しています。名古屋城と劇場(御園座)は素晴らしいものだったとし、観劇をされていた名古屋の方々の芸に対する考え方のレベルの高さについても触れられています。

■御園座の状況
 閉館までの間、御園座は厳しい経営状況にさらされていました。その間に名鉄ホールは貸しホールとなり、中日劇場も耐震面で取り壊しの予定であることが分かっていました。御園座が無くなってしまえば、名古屋の文化芸能を支える常設劇場が皆無になってしまうのではという事実を見過ごすことはできませんでした。何とかできないか、再建をめざして幹部と夜中まで議論を交わし、どのようなスキームであれば実現できるのか、色々な方々からご提案を頂いて検討したことが御園座支援の始まりだったと思います。そして地元の金融機関をはじめ多くの企業にご理解をいただくことで、御園座は生まれ変わることができました。
 御園座が上演している大歌舞伎は名古屋地区で120年の歴史を有し、特に毎年秋に開催される「吉例顔見世」は、東京(歌舞伎座)、京都(南座)、名古屋(御園座)でのみ開催される歌舞伎界でも非常に貴重なイベントです。名古屋地区で長年引き継がれてきた歌舞伎の継承は、御園座の存在意義として重要な要素を形成しており、今後もこの興行を継続し、当地の皆様に劇場文化に親しんで頂く機会を提供することが、御園座の社会的使命であると思っています。以前の正装して訪問するような敷居の高い御園座から変わってしまったというご意見をアンケートで頂くこともあります。しかしながら中日劇場さん、名鉄ホールさん、御園座が一緒になり、季節に合わせて歌舞伎も、お笑いも、ミュージカルも、子ども向けの演目も上演できる総合劇場として楽しんで頂きたいと考えています。

■新生・御園座のコンセプト
 新生・御園座のコンセプトは、「人集い、街とつながる、オンリーワン創造劇場〜御園座」としています。設計は、歌舞伎座や新国立競技場を手がけた建築家・隈研吾先生。旧御園座のイメージを踏襲した「なまこ壁」の意匠を前面に出し、「御園座レッド」と呼ばれる朱色の床は劇場の中から溢れ出し周囲の道路まで続く。お客様がレッドカーペットを歩いているかのように御園座に入場できるよう隈先生が考えた演出です。
 新劇場は、客席数1,302席と以前より少なくなりましたが、座席と舞台が近くなり、2階席は舞台を包むようにせり出して設計され、客席と舞台の一体感が醸成されています。取り外し可能なオーケストラピットも備え、歌舞伎の他にミュージカルやオペラなど多様な公演もできるようになりました。ジャニーズの公演では若い人たちが御園座に訪れてくれるようになり、街の雰囲気が本当に変わったと感じています。
 今やネットやゲームなどバーチャルな時代です。そういう時代だからこそ、一期一会の舞台の世界、ライブの魅力は老若男女を問わず永遠に続いていくであろうし、今また見直されているのではないでしょうか。「人集い、街とつながる、オンリーワン創造劇場〜 御園座」をスローガンに、応援してくださる皆様のため、地域文化発展のため、今後も誠心誠意努力して参りますので、引き続きのご支援をお願い申し上げます。本日は、このあと劇場の見学をされると聞いております。今は、11月の公演に向けての舞台設営中です。今しか見られない劇場の裏側をご覧いただき、ぜひ本番にも足を運んで頂ければ幸いです。

<御園座 見学会>
 講演後、御園座に移動し劇場の見学をさせていただいた。
 公演中の照明の切り替えや、回転舞台の裏側、奈落とよばれる舞台床下のスペースなどにも立ち入らせていただいた。また、俳優たちの楽屋(もちろん当日は無人)も覗かせていただき、普段は立ち入ることのできない裏側を惜しみなくご案内いただき参加者一同満足した様子であった。

産業懇談会 火曜1

御園座大階段の前で集合写真

産業懇談会 火曜2

舞台を望む一同

産業懇談会 火曜3

初舞台に挑む皆さん

産業懇談会 火曜4

ご案内いただいた御園座の皆様
ありがとうございました!!

 御園座では12月3日〜12月8日は「よしもと爆笑公演」、12月15日〜12月21日はミュージカル「ダンス オブ ヴァンパイア」など、様々な講演が予定されております。ぜひ足をお運びください!
 公演ご案内ラインアップはこちら https://www.misonoza.co.jp/lineup/


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【元年11月度 産業懇談会(木曜G)模様】

テーマ: 『 リース業界の現状と今後について 』


日  時:令和元年11月7日(木) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者:30名

スピーカー:
三井 博史(みい ひろし)
三菱UFJリース株式会社
常務執行役員

写真:三井 博史氏


■リース産業の変遷
 リース事業は1960年代後半から1970年代前半の経済成長期に新しい金融手法として日本に導入された。当時は知名度が低く、第一次オイルショックの影響等もあり長く足踏み状態が続いた。黎明期の地道な努力が報われ花開いたのが1980年代。コンピューター時代の到来で一気に国内取扱高が増加し、バブル経済によりその勢いは加速、ピークを迎えた1991年には9兆円に迫った。しかしバブル崩壊、リーマンショックと二大ネガティブイベントが続き、現在は5兆円程度で推移している。リース事業協会に所属する企業はピーク時300社だったのが現在は236社である。これらのデータをみると、リース業界は斜陽産業ではないかと思われるかもしれないが、決してそうではない。時代の変化に合わせて新しい事業に果敢に挑戦している。本日は当社が進めている新しい取り組みをご紹介するとともに、リース会社の活用方法等も知っていただければと思う。

■三菱UFJリース(株)の事業概要
 当社は、2010年度から低金利環境下においても順調に利益を拡大し、2019年3月期の当期純利益は2010年3月期比で3倍以上の687億円となった。M&Aを含め積極的な海外展開を行っており、2019年度の連結営業資産に占める海外営業資産比率は37.9%である。
 2017年度から中期経営計画の全体方針として「Breakthrough for the Next Decade〜今を超え、新たなる10年へ〜」を掲げ、(1)金融と事業の融合、(2)トップライン経営と効率経営の両立を目指してきた。当社の事業は、通常のリース業である国内外カスタマービジネスを基盤に、航空、不動産、ロジスティクス、環境・エネルギー、ヘルスケア、インフラ・企業投資の6つの事業部門で構成されている。これら6つの事業部門はすべてアセットを介したビジネスであり、本業であるリースから発展して生まれたものだ。同じ金融業でも銀行と異なるのは、リース会社はアセットを通じてビジネスモデルの領域を拡大していけるところにある。当社は、クレジットリスクからアセットリスク、そして事業リスクまで、幅広いリスクテイクを行う金融プレイヤーに進化していきたい。リスクテイク力と重点分野の専門性を掛け合わせ、お客様が新規事業の創出に挑む際に、ともにリスクを担えるパートナーとして選んでいただけるよう、新たな価値の提供をさせていただく。

■代表的な事業案件のご紹介
 <国内外カスタマー部門 中古機械売買>
 グループ会社のひとつとして、名古屋市に本社を置く「U-MACHINE」という中古工作機械・産業機械の専門商社がある。年間5,000台以上の機器を取り扱い、2012年にはタイ現法を設立、今年の9月には中国現法も営業開始した。「コンサルティング機能を持つ総合中古機械商社」として不要な設備の売却や工場の解体、設備の搬出・輸送・設置、さらに新たな機械を導入する際の相談、動産評価など、ワンストップでサポートできるのが強み。いまや国内トップクラスの中古機械売買会社に育ち、当グループがもつキラーコンテンツになっている。

 <国内外カスタマー部門 茶葉栽培>
 当グループ会社の首都圏リース(株)は元々、旧埼玉銀行系の総合リース会社であった。「地域密着」の強みを生かして、埼玉の特産品である狭山茶の生産・販売を行う子会社「首都圏アグリファーム株式会社」を設立、2015年に営業を開始した。現在の農耕面積は東京ドーム11個分にも及ぶ。深刻な後継者不足により、狭山茶ブランドの存続を危惧した埼玉県が農家から農地を借り上げ、サブリースで当社が転借、茶葉の栽培に当たっている。
 最高品質の一番茶は自社販売しており、桐箱入り3千円/100gの高級茶だが本当に美味しい。生産量が限られており流通に限界があるが、ぜひ皆様にもご賞味いただきたいと思う。

 <不動産事業部門 金シャチ横丁・COLLECT MARK名駅3丁目>
 昨年3月にオープンした名古屋城横の「金シャチ横丁」は、名古屋市から土地を借り、当社グループ会社のMULプロパティ(株)と日本プロパティマネジメント(株)等がコンソーシアムを組み営業している。名古屋城の雰囲気に合わせた特徴的な建物が並び、新たな観光スポットとして注目されている。事業用定期借地権を利用し、借地上にテナント仕様の建物を建築してリースする形態は近年特にホテルや飲食店で増えており、当社も幅広い実績をもっている。一方、大名古屋ビルヂングの北側に昨年「COLLECT MARK名駅3丁目」をオープンさせた。これも同じくMULプロパティ(株)が手掛けた事業だが、通常の不動産リースとは異なり、まず土地を当社が確保し、建物を竣工させたうえでテナントを誘致する当社グループオリジナルの複合商業ビルブランドである。これまでの実績で培った土地活用のスキームを活かし、ポテンシャルの高い立地の確保、地域の特性に合わせた不動産づくりを行い、街づくりや地域の活性化に貢献する取り組みだ。

 当社グループが手掛ける事例を紹介してきたが、リース会社の役割はますます進化している。街に面白い建物をつくりたい、または新しいビジネスを始めたい、といったときにぜひお声がけいただきたい。当社グループの強みを最大限活用したご提案をさせていただくことを約束する。


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【新会員自己紹介】

写真:斉藤 克弥氏
木曜グループ

斉藤 克弥(さいとう かつや)
株式会社名古屋東急ホテル
執行役員総支配人

【株式会社名古屋東急ホテル】
〒460-0008 名古屋市中区栄四丁目6番8号
URL:https://www.tokyuhotels.co.jp/nagoya-h

 このたび産業懇談会に入会をお許しいただきました名古屋東急ホテル総支配人の斉藤克弥です。どうぞ宜しくお願いいたします。

 私は1962年岐阜県飛騨市に生まれました。学生時代は東京で過ごしましたが、1987年名古屋東急ホテル開業とともにホテリエの道を歩み始め、主に料飲サービスの現場で経験を積んでまいりました。以降、沼津、金沢の総支配人を経験し、東急ホテルズ本社で全国のホテルの運営面を担当したのちに、本年4月1日付けで半生を過ごした名古屋東急ホテルに総支配人として着任いたしました。

 6年ぶりに戻ってきた名古屋ですが、ホテルの進出ラッシュによる競争の激化など、市場環境はますます厳しさを増しておりました。こうした環境の中、「食の東急」を目指す全社方針のもと、名古屋東急ホテルがそのけん引役となるべく努力していきたいと考えています。

 また、東急ホテルズの「マザー店舗」にも指定されていることから未来を託せる人材の育成やサスティナビリティ(持続可能性)を意識した環境対策の取り組みにつきましても努力をしてまいります。

 弊ホテルは一昨年開業30周年を迎えました。これからもこの街で地域の皆さまにご支援ご愛顧いただけるホテル運営を進めてまいりますので、ご支援のほど宜しくお願い申し上げます。

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12月度産業懇談会のご案内
グループ名 世話人 開催日時 会場
火曜グループ

富田 茂
広井幹康
深田正雄

12月3日(火)
18:00〜20:00
料亭蔦茂
電話:052-241-3666
名古屋市中区栄3-12-32
(ゲスト:女流講談師 旭堂鱗林氏)
水曜第1グループ

淺井博司
足立 誠
落合 肇

12月18日(水)
18:00〜20:00

the kawabun Nagoya
電話:052-222-0020
名古屋市中区丸の内二丁目12-30

水曜第2グループ

片桐清志
大倉偉作
見祐次

12月11日(水)
18:00〜20:00
おか富士
電話:050-7300-2037
名古屋市中区栄1丁目6番15号
御園座タワー1階
木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助
田憲三

12月5日(木)
18:00〜20:00
札幌かに本家 栄中央店
電話:052-263-1161
名古屋市中区栄3-8-28
(プリンセス大通り・丸栄南)

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【産業懇談会「代表幹事講話」ならびに「新年合同懇親会」開催日程】
日時 令和2年1月30日(木)17:30〜20:00
17:30〜18:30 嶋尾 正 筆頭代表幹事 講話
18:45〜20:00 新年合同懇親会(着席ビュッフェ)
場所 ホテルナゴヤキャッスル 
講演:2階 青雲(東)の間
懇親会:2階 青雲(西)の間
ご講話演題 「特殊鋼が果たした役割、これからの使命」
本状ご案内先 代表幹事および産業懇談会会員の皆様
令和元年度に中部経済同友会にご入会された新入会員の皆様

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【コラム】

コラム1 【さっかの散歩道】 No.17
コラム【さっかの散歩道】

長瀬電気工業株式会社
代表取締役 屬 ゆみ子

『 芸術の秋 』

 天災続きの10月が終わり、恒例の多治見ワインフェスタも無事終了し、やっと秋めいてきたと思ったら、いきなりダウンジャケットの出番がやって来そうだ。この頃は季節の移り変わりも極端で、ワインをお供に秋の夜長を楽しむどころか、体に堪える寒暖差のせいで、例年に比べて飲酒量が減っているような気がする…のだが、それはそれでかなり助かった。というのもこの秋は、頼まれていたミニコンサートがあり、しかも歌うのは8割方初めての楽曲な上、日本語とドイツ語。楽譜を見ながらとは言え、結構大変だった。

 「秋の歌」と聞いて、皆さんはどんな曲を思い浮かべるだろう。おそらく殆どの人が「小さい秋見つけた」とか山口百恵さんの「秋桜」とか歌謡曲に寄ってゆくのではないだろうか。オペラに目を向けてみると、やはり劇場型なので設定やアリアには季節感がないものが多く、カタラーニの「ラ ワリー」位だろうか、最後に主人公が雪山で雪崩にあって死ぬので、最終幕の設定が冬になっている(ちなみにこの曲は某自動車メーカーのSUVのCMに使われていた)。そんな中で秋の歌を探そうと試みたものの途中で諦め、「人生の秋」のようなイメージで、と趣向を変えてみた。会場に集まってこられる方はほぼ私より大先輩、そのお姉さま方が暑かった夏を終え、ふっと荷物を降ろして一休みできるような、そんな癒し系の曲をいくつかピックアップしてみることにした。

 オペラの発声法で日本語の歌を歌うのは結構難しい、とか言ってる段階で素人丸出しなのだが、この「ベルカント」と言われる声の出し方は、喉にストレスを掛けずに横隔膜で発声するという、体の小さなイタリア人でも豊かな声量を保つことができるようにと開発された発声法なので、基本的にイタリア語の歌にはもってこいだ。しかし、この発声法で日本語の歌を歌うとき、日本語発音をするとまず、「息が漏れる」「声が飛ばない」。これは多分日本語自体、口蓋の前方で息を吐きながら発音する上、常に母音を伴う言語なので、変な話、日本語の歌詞をすべてローマ字に置き換えて、異国の歌と錯覚しながら歌っている。のだが、最近は老眼も進み、まさかドレス着て老眼鏡で歌うわけにもいかず、譜面台に乗る最大限の拡大コピーを余儀なくさせられている(どなたか拡大鏡の付いた譜面台を作ってくれませんか!!)。
 そんな中で、唯一秋の歌として披露させていただいたのは『落葉松』。作家の野上卓さんの詩に、友人だった小林秀雄さんが曲をつけたいと申し出るも、その一週間後に野上さんが急逝し、この曲の完成を聞くことはなかったという、そのエピソードもあって歌うたびに様々な思いが巡る。

 落葉松の 秋の雨に
 わたしの  手が濡れる
 落葉松の 夜の雨に
 わたしの  こころが濡れる

『落葉松』より抜粋、作詞 野上卓

 秋は実りも食欲もあるけれど、心も豊かにしてくれる、そんな楽曲を歌うことができ、とても心に残ったコンサートになった。いろいろなオペラ歌手が歌っているので、ご存じの方は勿論、興味のある方は一度お耳にして頂けたらと思う。

 そしてもう一つの芸術「アート」は、カラヴァッジョ展に行ってきた。10月に某所で「誕生日だったのよ!!」と訴えたら、プレゼント代わりに招待券をくださったので、白川公園に移設して以来初めて名古屋市美術館に足を運んだ。美術館から足が遠のいた一つの原因はやはりフランスに居たせいだろうか。ルーブルの衝撃、オルセーの感嘆、オランジュリーの心酔、これを払しょくする展覧会は名古屋では中々お目にかかれない。なのでカラヴァッジョもそんなに期待せず、とはいえお誕生日プレゼントに感謝しつつ足を運んだ。

 作品は自作に加え、当時の仲間、或いは同じ技法を用いた画家のものを、テーマごとに展示してあり、解説には、漫画家による似顔絵に一人称のコメントが添えられ、案外工夫された構成になっていた。バロック時代の宗教画は、同じタイトルでも画家によって表現の仕方が変わってくる。テクニカルでない部分の表現の中に、カラヴァッジョはある種の狂気をはらんでいたりもする。それもそのはず、彼の生涯を紐解くに、「なんてひでぇ奴」の教科書に則った破壊的生き方なのだ。喧嘩っ早いは、女ったらしだわ、仕舞には殺人罪で逃亡?未亡人に匿ってもらう?恩赦の一筆をもらいに行く途中で倒れて死ぬ?…これって、オペラの題材になりそうなエピソードじゃないの。そう考えると、今あるオペラもあながちフィクションで無いのかもしれないなんて思ってしまう。後世に残る芸術作品は、時代を超えるごとに、作者の破天荒な人間性をもその作品の中に塗り込めてゆくものなのかもしれないな…なんてふと思った。そんなこんなで結構楽しく鑑賞できたのだが、ただ同時に名古屋人は、アートもワインも音楽も、全てにおいて「蘊蓄がお好き」ということを再認識する機会にもなった。

 余談だが、展覧会にまつわるこんな話をご存じだろうか?
 東京では「名古屋の展覧会は “穴場”」と、俄かに囁かれているという。東京の美術館で人気の企画ものは、入場するのに2時間並ぶなんてことは良くある話なのだが、それに比べて名古屋はわりと空いているので、並ぶ時間を新幹線移動に置き換えて、ついでにひつまぶしでも食べて帰れば、結構楽しい遠足になるんだとか。なんとも名古屋人にとっては痛し痒しな話。
 ちなみに右の写真の作品、美術館の地下の、常設展横に一応!?飾ってあるのだが、どうも壊れているらしく、結構長い期間そのまま放置されているのか、埃をかぶっていた。掃除するのも難儀なことかもしれないが、一応美術品なのだからその辺は上手に税金を使うなり、芸大生にボランティアで埃払いさせるなり一考願いたいと思う。でもってこの空間、音響もよさそうなので無料のサロンコンサートなどがあっても楽しいかも。

 月末には、長野県に新しくオープンしたメルシャンの「椀子(まりこ)ヴィンヤード」のシャトーを訪問することになっている。ワインもまた芸術作品の域に達していると言われて久しいが、今回は食欲ならぬワインラバー欲(飲酒欲)を、雪が降る前の「芸術の一環」として楽しんでくるつもりだ。


地下の巨大オブジェ

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コラム2 【「ほん」のひとこと】 No.133
コラム【「ほん」のひとこと】

株式会社 正文館書店 取締役会長
谷口正明

『 不便益のススメ 』
川上浩司著・岩波ジュニア新書

 「不便益」とは、不・便益ではなく、不便・益すなわち不便から得られる益のことです。便利さに無上の価値を置く現代人に、便利ってそんなに大切なことなの?と問いかけます。興味深い話題満載の本です。その中から、「不便から得られる8つの益」を書き出してご紹介します。

 ○主体性が持てる
 ○工夫できる
 ○発見できる
 ○対象が理解できる
 ○安心・信頼できる
 ○上達できる(飽和しない習熟)
 ○私だけ感
 ○能力低下を防ぐ

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