産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】第65号 2007.10.25発行

 メールマガジン■産懇宅配便■

平成19年10月度(第65号) 目次

産懇宅配便
【19年9月度産業懇談会(水曜2G)模様】 9月12日(水) 12時00分〜14時00分
【19年9月度産業懇談会(水曜1G)模様】 9月19日(水) 11時00分〜16時00分
【新会員自己紹介】
安藤 延壽氏 株式会社浅羽製作所 名古屋支社 支社長
坪内 精次郎氏 エヌ・ティ・ティ東海電話帳株式会社 代表取締役
【11月度産業懇談会開催日程】
【12月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』
 

【19年9月度産業懇談会(水2G)模様】


テーマ『 ICタグの活用について 』

日  時:19年9月12日(水) 12時00分〜14時00分
場  所:名古屋観光ホテル 3階 桂の間
参加者:35名

スピーカー:株式会社日立製作所
       セキュリティ・トレーサビリティ事業部 本部長 川口 俊孝(かわぐち としたか)氏
       流通情報システム営業部 部長代理 大久保 誠一(おおくぼ せいいち)氏

川口 俊孝氏

1.市場動向・RFIDの特長
 近年、商品ライフサイクルにわたるモノの管理に対して様々なニーズが求められてきている。個人のニーズとしては簡単・便利、安全・安心、低価格、社会のニーズとしては快適な街づくり、再利用率向上、不法投棄の根絶、環境負荷の低減、また企業のニーズとしては生産性向上、在庫最適化、品質確保、リードタイム短縮、ブランド価値向上などが挙げられる。例えば、リコールで膨大な製品の個別特定や回収が発生する場合、製品が市場に出た後の情報が必要になるが、これまでこうした情報は殆ど管理されていなかった。そこでこれらの課題を解消するトレーサビリティ技術が大変注目されており、そのひとつの方法が、本日ご紹介するICタグを利用して人やモノを識別、管理、情報化する技術=RFID(Radio Frequency Identification)である。
 RFID市場は、2005年時点で国内約400億円、世界では約2,100億円の市場であったが、2010年には国内では約4,000億円、世界では約2兆円の市場になると予測されている。現在、国や業界を挙げて様々な実証実験が行われており、ここに来て更に法制化の動きも出始めている。各省庁においても、経済産業省では電子タグ実証実験事業(2005年〜)や響プロジェクト(2004〜06年)、総務省では電子タグの高度利活用技術に関する研究開発(2004〜07年)やUHF帯電子タグへの周波数割当(2006年)、農林水産省では食の安全・安心システム開発事業(2005年)などを手掛けている。このような動きに対して日立も、2004年頃から家電、アパレル、食品、金融、防衛など幅広い業界の実証実験に取り組んでおり、ようやくこうした技術のノウハウも蓄積されてきた。
 RFIDには小型で安価、非接触、大容量、書き換え可能、透過性がある、複数同時に識別可能、環境・耐久性が高い、高セキュリティといった特徴がある。また、様々な物品に取り付けられるように大きさや厚み、形状も様々なバリエーションを取り揃えている。

2.日立RFID製品のご紹介
 当社では現在、世界最小クラスの小型ICタグ「μ-Chip」と国際標準ISO/IEC18000-6TypeC(EPC C1G2)に準拠した「μ-Chip Hibiki」の2種類の製品をご提供させていただいている。ターゲット分野はそれぞれ異なり、μ-Chipは薄型・超小型の特性を活かして紙や金融商品などの薄い媒体に埋め込んで真性識別/認証や製造管理に活用されている。一方、μ-Chip Hibikiは、企業間の製造・流通・物流のサプライチェーンなどへの活用が進められている。また、当社では事前にRFID技術の導入可否をご検討いただけるようなサンプルキットなどもご用意している。

3.トレーサビリティ・RFIDソリューション展開
 RFIDの活用が期待される応用分野は非常に幅広く、トレーサビリティ分野では食の安全(食肉、野菜、鮮魚等)、環境リサイクル(家電、自動車等)、追跡管理(宅配、コンテナ、郵便)、物品管理の分野では卸・小売(商品、在庫)、オフィス(文書、什器)、文化施設(図書、デジタルコンテンツ、文化財、展示物)、防犯・セキュリティ分野では金融・ブランド品(偽造防止)、都市(災害情報収集)、ITマンション(入退出、遠隔管理)、情報家電(遠隔・自動操作)、人流把握の分野ではエンタテインメント(入場者管理、情報提供)、交通(パスポート)、高齢者・障害者等の移動支援(誘導・ガイダンス)など応用できない分野はないといってもいい程である。
 現状の導入課題としては、経営面では投資対効果の定量化、コスト削減、法令順守など、業界動向という点においては取引先対応、将来性、標準化、グローバル対応など、現場ではオペレーションの変更、対象業務の選択、導入期間など、技術面ではICタグ読取性能、大量データの管理、既存システム連携などが挙げられる。これらの課題に対して日立の培ってきた技術とノウハウによって迅速に課題解決に当たっていきたい。
 当社のRFID技術はセミナーなどのイベントや博物館などの入場チケット、オフィスや工場、マンションなどの入退室管理システム(アクセスコントロール)、住宅火災報知器などの住宅部品のメンテナンス履歴管理、在庫管理、製造管理、重要書類管理などで既に実用化されている。また、2005年に開催された愛・地球博では入場券にμ-Chipが採用され、偽造券の防止、スムーズな入退場、パビリオン予約、リアルタイム集計などで効果が確認された。特に期間中延べ2,200万人の入場に対し、不具合が見つかったのは約380件(0.002%)と極めて高い信頼性が確認された。この万博での成果に対する反響が大変大きく、その後、国内においても十数箇所の博物館等で入場券に導入された。この他にもμ-Chipとリーダ装置を装着した携帯電話と組み合わせて、鉄道のレール敷設/保線管理システムや運送業のドライバー搬送支援システムなどの遠隔システムなどにも活用されている。
 日立では、ソリューションも含め今後もお客様の様々なニーズにお応えしていきたいと考えている。

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【19年9月度産業懇談会(水1G)模様】


テーマ『 えびせんべいの里 見学 』

日  時:19年9月19日(水) 11時00分〜16時00分
場  所:株式会社えびせんべいの里 美浜本店
参加者:23名


 今回は、株式会社えびせんべいの里の白藤嘉康社長のご案内で、えびせんべいの里(美浜本店)を見学させていただいた。一行は、昼食会場へ直接行かれる参加者を除き、バスで午前11時に商工会議所ビルを出発。途中、昼食会場にて参加者全員が合流して、午後1時半に見学会場に到着した。まず、えびせんべいの里に併設された「花の里 ハーツガーデン」にて白藤社長よりご挨拶をいただき、その後、3班に分かれてせんべいの手焼き体験と工場見学をさせていただいた。

●えびせんべいの里の概要
 
えびせんべいの里では、白藤社長自ら国内外の新鮮なえびの買い付けに出向き、そうして仕入れた厳選されたえびのみを使用してえびせんべいの製造、販売を行っている。
  伊勢湾、三河湾に囲まれた知多半島の美浜に拠点を置くのは、知多で獲れた新鮮なえびをふんだんに使用し、「えびせんべい」本来のおいしさをもった品質の高いせんべいを少しでも多くの方に味わっていただきたいという思いからである。また、1gでも多くのえびを使用したえびせんべいを袋に入れて、少しでもお値打ちに提供したいという思いから産地直売という販売形態を採っている。
  えびせんべいの里では、単にえびせんべいといっても様々な種類のえびせんべいを取り揃えており、販売コーナーでは足を運んでいただいたお客様に納得してご購入いただくため、殆どの商品で試食ができるようになっている。また、えびせんべいの里を訪れた一般客もガラス越しに製造工程を見学することができ、まさに、見て、体験して、試食をして、気に入ったえびせんべいを購入することができるという、一日中居ても、また何度足を運んでも楽しめる場所となっている。
  えびせんべいの里で製造されたえびせんべいは、「えびせんべいの里 美浜本店」以外にも、「えびせんべいの里 魚ひろば店」、「刈谷オアシス店」、「中部国際空港店」、そして通信販売でも購入することができる。

●工場見学
 
工場では、食品を扱うということもあって、全員が専用の入室着、帽子、マスクを着用し、工場内入室時には入念にエアシャワーで衣服に付着した埃を払い落とすという徹底した衛生管理がされていた。一行もそれに習って工場内に入り、えびせんべいの各製造工程(えびの異物除去〜生地の配合〜プレス〜焼き上げ〜乾燥〜梱包)を間近でご見学させていただいた。
  工場内は機械化が進み、様々な種類のえびせんべいが絶え間なく各設備を通って袋詰めされていく様子を見て取ることが出来た。しかし、大切な工程は機械化が進んでも尚、人の手によって行われており、機械化による高い効率性と手作業によるまごころを込めた丁寧な作業、それぞれの良さ上手く活かしながら美味しいえびせんべいが出来上がるのだと、一同感心した様子で熱心にご見学をされていた。

●せんべいの手焼き体験
 せんべいの手焼き体験コーナーでは、参加者全員が手順のご説明を受けた後、専用の機械を使って思い思いに手焼き体験を楽しんだ。
  せんべいの生地を熱せられたプレートの上に流し込み、上蓋でしっかりとプレスすると、僅か約3分で直径30cm程の綺麗な円を描くせんべいが出来上がる。プレス直後は生地に含まれる水分によってしっとりとした状態だが、数分もすると次第に水分が抜け切ってあのパリパリとしたせんべいとなる。
  そのせんべいの表面に筆を使って着色された醤油でそれぞれお好きな絵を描き、袋詰めをすると世界にたった一枚しかないせんべいの出来上がりである。
  約2時間にわたって工場の見学、せんべいの手焼き体験をさせていただいた後、質疑応答のお時間と売店コーナーにてお土産購入のために自由時間をいただき、午後3時半に見学会を終えて、一行はえびせんべいの里を後にした。

えびせんべいの里 えびせんべいの里 えびせんべいの里

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【新会員自己紹介】

安藤 延壽氏
水曜第2グループ

安藤 延壽(あんどう のぶとし)
株式会社浅羽製作所 名古屋支社 支社長

【株式会社浅羽製作所 名古屋支社】
〒460-0008 名古屋市中区栄4-15-32 日建住生ビル7F
TEL:052-241-8787  FAX:052-241-8788
URL:http://www.asaba-ss.co.jp

浅羽製作所の安藤でございます。
このたび産業懇談会水曜第2グループに参加させていただくことになりました。何とぞ宜しくお願い申し上げます。

 現在の会社には今年の1月に入社いたしましたので、まだ9ヶ月足らずの若輩者でございます。それまでは、NTT西日本グループに勤務しておりました。
  生まれは愛知県一宮市で、大学を卒業するまで愛知県から出ることはなかったのですが、日本電信電話公社に入社した後は、東京の高円寺電話局から始まって東海・北陸エリア以東の各地域を転々として25年経過した頃に名古屋市内での勤務となり、その後現在まで10年近く名古屋での勤務となっております。
  このため、暫く遠のいていた名古屋弁での会話も最近はわりとスムーズにできるようになったのではないかな(?)と感じている今日この頃でございます。
  当社は、1934年に東京で創業して以来、鉄道・情報通信・エネルギー・道路・橋梁などの分野における架線関連製品の開発・製造・販売をしている会社です。
  中部地域は日本の中で最も元気よく発展している地域と言われておりますが、その元気のよい中部地域を先導されている中部経済同友会に参加できる機会を得ましたことは、有難く感謝申し上げる次第です。
  多くの会員の皆様と業種を超えた交流を通じて自分自身の視野を広げ成長の糧といたしたいと考えております。先輩諸氏の会員の皆様には、どうか宜しくご指導ご鞭撻を賜ります様お願い申し上げます。


坪内 精次郎氏
火曜グループ

坪内 精次郎(つぼうち せいじろう)
エヌ・ティ・ティ東海電話帳株式会社 代表取締役

【エヌ・ティ・ティ東海電話帳株式会社】
〒450-0003 名古屋市中村区名駅南4−4−19
TEL:052−589−6133 FAX:052−589−6193
URL:http://www.ntt-tktd.co.jp/

 産業懇談会火曜グループに参加させていただくことになりました、NTT東海電話帳の坪内です。
 当社は、1970年(昭和45年)に設立されたNTT電話帳(タウンページ・ハローページ)の広告販売・編集会社であり、東海4県(愛知・岐阜・三重・静岡)をエリアとしています。
 また2006年(平成18年)からは、NTTグループの100%出資会社となっています。
 最近では紙のタウンページに加えインターネットタウンページにも力を入れており、今後は総合的な番号情報の提供に努力していきたいと考えています。
  私自身、東海地方は平成12年のNTT岐阜支店長以来の勤務であり、名古屋となりますと昭和58年以来24年ぶりの懐かしい地であります。
 以下、雑感となりますが折角の機会ですので「名古屋の七不思議」について触れてみたいと思います。

  1. 地下鉄の車両の入口は混雑しているのに、中は結構すいている。
  2. 高級レストランでもないのに、外から中の様子が見えない造りになっている。(特に池下近辺)
  3. 郊外のロードサイドのレストランの看板が異常に大きい。
  4. タッチ式のICカード方式のスイカとパスモがなく、プレミアムのあるユリカしかない。
  5. 名古屋ドームのビール販売はタンク式ではなく、未だに缶ビールそのものをコップに移しかえて売っている。
  6. 大都会であるにも拘らず、名古屋人は自分の事を田舎者だと言う。
  7. 日本三大不美人地域の1つと言われるが、実際は美人が多い。

以上が七不思議であり、それぞれ理由なり原因があると思いますが、私なりに次のように推察しています。

  1. 名古屋人はせっかちで、地下鉄駅間も短く、すぐに降りることが多いせいで入口付近に立止まるのではないか。
  2. 入口が狭く閉ざされており、店の中の様子が伺えず、しかも料金表が出ていない、小ジャレタ店が多い。思い切って中に入って見ると、予想外に家庭的な雰囲気で、しかも値段がリーズナブルな店が多い。チョットした隠れ家的ムードを演出したり、或いは中が見えないことで余計に興味をそそる事がねらいなのかもしれない。
    逆にコースが1万円を超えるような店が玄関に値段表を出しているのが実に奇妙。
  3. 郊外を車で走っていると馬鹿デカイ飲食店の看板が林立している。特にチェーン店の物が多い。名古屋近辺は車社会であり、且つかなりスピードを出しているドライバーが多い為に、見やすいように大きく色も派手にしているものと思う。
  4. 金利意識の高さを示すものであろう。スイカもパスモもクレジットカード機能も付き、色々な場所で買い物もできるが、便利なだけでプレミアムや割引がなければ名古屋では使ってくれない。
  5. "ビールの缶"という現物を見ないと納得しない、実物主義の表れか。
  6. "3代続いた江戸っ子"というのは数少ないが、名古屋に住む人のうち名古屋生まれの名古屋育ちの人が占める比率は、それに比べてかなり高いのではないか。(全国各地出身の人が集まってこそ都会意識が芽生える。)
  7. 主観の問題(決して美容整形技術や化粧法が発達したから等と思ってはいけない)

以上が七不思議の所以(ゆえん)らしきものですが、あくまでも推測です。いずれにしてもこのような名古屋人気質を踏まえ、少しでも当地のお役に立てるよう努力する所存ですので、宜しくお願い致します。

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【11月度産業懇談会開催日程】
(場所は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
11月13日(火)
12:00〜14:00

大日本インキ化学工業株式会社
名古屋支店長 住田 和海氏
「色彩の話あれこれ ―化学で彩りと快適を提案する―」

3階 楠の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
11月21日(水)
12:00〜14:00
マスプロ電工株式会社
取締役社長 瀬尾 英重氏
「 地上デジタル放送について 」
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
11月7日(水)
12:00〜14:00

株式会社トヨタケーラム
代表取締役社長 新木 廣海氏
「日本コトづくり経営
〜IT化で何をめざすか?ホワイトカラーの意識変革を!〜」

18階
伊吹の間
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
11月1日(木)
12:00〜14:00

有限会社コンベンションネットワーク
代表取締役 加藤 都氏
「元気な名古屋でゲンキいっぱい!―こんな事もやっています。―」
(ゲストスピーカー)
株式会社エー・シー・エス
取締役社長 杉本 直樹氏

18階
伊吹の間

【12月度産業懇談会開催日程】

グループ名 世話人 開催日時 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
12月11日(火)
18:00〜20:00

料亭 蔦茂
名古屋市中区栄3-9-27
電話:052-241-3666

水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇
12月19日(水)
18:00〜20:00
料亭 蔦茂
名古屋市中区栄3-9-27
電話:052-241-3666
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
12月12日(水)
18:00〜20:00

Ristorante Il Nodo (リストランテ・イル・ノド)
名古屋市中区栄4-2-29 
名古屋広小路プレイス1F
電話: 052−263−1600

木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助
12月6日(木)
18:00〜20:00

札幌かに本家 栄中央店
名古屋市中区栄3-8-28
電話:052−261−1161

4グループ共通事項

 会  費 実費精算の上、後日ご請求いたします。
 出欠のご連絡 ◆ご出席の場合は、ご案内状に同封の返信用紙にご記入の上、FAXでご連絡ください。(代理出席はできませんのでご留意ください。)
◆それぞれ開催日の稼働日2日前までにお取り消しなくご欠席の場合は、 会費を申し受けますので、悪しからずご了承ください。
 事務局連絡先 電話:052−221−8901 (担当:内田・藤原)
 そ の 他 「中部経済同友会」で予約をしております。
それぞれの会場の地図がご入用の場合は、事務局までご連絡ください。


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【お知らせ】

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【コラム】

花ちゃんからの健康だより
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.43

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

『  心のスタンス  』の話

 静けさをしんみり味わえる秋の夜長、読書にふさわしい季節になりました。皆様は何を読み、何を想いますか?
 ある有名な先生が、何もかも恵まれた施設にいる高齢者に講演したときと、島で自分の食べる魚を捕って生活している高齢者に講演したときを比べてみると、恵まれた施設の中の人は生き生きしていない。年老いても島で自活している人のほうが生き生きと元気そうだったという感想をある雑誌に書いていました。その差について私の主観的な分析は、島の高齢者は、主体的に生きる環境・生活条件があるからだとは思いますが、それだけではなく、この島にえらい先生が来てくれた、みんなでお迎えして有意義な講演会にしようと取り組んだ真剣な心のスタンスにもあったのではないかと思うのです。この一度」という真剣さが元気度をさらに上げるのではないでしょうか。
 ところで、小さな子に「人は何のために生まれてきたの」と聞かれたら、皆様はどのように答えますか?自己中心の人には耳の痛い回答ですが、絵本作家のやなせたかし氏は「人を喜ばせるために生まれてきた」と言います。人を喜ばせたいという心は本来小さいときから誰でも持っている気高い心です。ところが、そのことを親が忘れた場合、子供の心がゆがみ悲鳴をあげ、最悪では親に殺意を持ち理性を失い痛ましい事件が起きています。また、夫の妻に対する暴力の問題(DV)もあとを立ちません。何のために生まれて、行動しているのか見失わないように心のスタンスをしっかりさせておくことが人としてはとくに大切です。
  私たちは生まれて今まで、いろいろな考えや感情を持って、いろいろな行いをして生きてきました。心のスタンスがこれからも人生の展開に強い影響を与えることは確かなようです。時々雑念を取り除く作業も忘れずに、風通しの良い心で、日々精進しましょう。

米寿を祝う会にて 「いつの間にか 年を取ったけど まだ小学生のつもり」

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コラム【プログレスシリーズ】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:No.31』

【 改革は強い意志と自らの行動から 】

 改革という言葉を聴くと違和感を感じます。改革とは「現状を変化させること」「より良い方向に変化させること」だと思いますが、企業組織というものは、常に変化を続けることが必要なのに、改革が必要であるということは、常に変化し続けていないからではないでしょうか?その理由は、組織の中には変化を嫌う人が多く「現状のまま」を好み、その「現状のまま=衰退」であることに氣づかないのです。だから、定期的な改革が必要となるのではないでしょうか?本来「昨日と同じ今日も、今日と同じ明日」もありません。毎日毎日が変化の連続であるはずです。毎日毎日変化を起こしたり、変化に対応していかなければ、机の上の書類のように、いつのまにか書類の山が出来、本来の机の色や形さえ分からなくなってしまいます(そこまで書類整理が出来ない人はいないでしょうが---。)つまり、「より良い方向に変化させること=改革」であれば、毎日毎日改革するという強い意志と行動力が必要です。そして、変化を嫌う部下達を動かすためにも、リーダー自身が自ら行動することが重要ではないでしょうか?

・・・・ <事例研究>  歴史人物シリーズ−14 「 徳川吉宗 」 ・・・・

 徳川幕府中興の祖と言われ、徳川幕府を改革した8代将軍徳川吉宗は、徳川御三家の紀伊家から出た初めての将軍であり庶民派の将軍と言われたこともあり、時代劇などでも人氣のあるお馴染みの将軍です。しかし実際の人物像は、ドラマのイメージとは違って顔は色黒でその上あばたのある大男だったと言われていて、将軍になるためにライバルを暗殺したなどの噂もあったようです。吉宗の改革は「享保の改革」と言われ、武士や町人の贅沢を禁じ、倹約の政策を実行し、自ら一日三食を一日二食に減らし、一汁三菜と決めて実行したり、大奥女中を減らす(美女ばかり?を減らしたそうです)などの改革を進め、人事面では大岡忠相の抜擢や庶民のことを考えた目安箱の設置なども行いました。そんな倹約政策に対して、反旗をひるがえしたのが尾張の宗春でしたが、結果的に宗春を藩主の座から降ろすといった強引さもあったようです。

事例へのコメント

 吉宗の享保の改革は、破綻しかけていた幕府財政を再建するための改革であり、幕府がこのような情況に陥った原因が「贅沢」であり「平和ボケ」などから来ていると感じたからでしょう。人は楽を求めます。サボりたがる人も沢山います。そういった情況が続き、蔓延すると、なかなか組織を改革することは難しくなります。そういう状況下におけるリーダーの役割は、強い意志を持ち、自ら正し自ら実行する以外ないのかもしれません。逆の言い方をすれば、部下にとって楽な上司とは、意志が弱く言ったことをやらない上司だと思います。言ったことをやらない上司から指示されたことに対して、部下がどれだけ真剣に仕事に取り組めるかは疑問です。

人は楽をしたがります。

●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No 65

片桐清志

『  長と永  』

 紛らわしいい苗字シリーズの今月は「長」と「永」を取り上げてみたい。どちらも縁起の良い字なので苗字の種類も多い。見た目はまったく異なるので見間違うことはなさそうだが、意味合いが似ている上に両者とも「ナガ」という読み方の同音異字苗字が多数存在する。
 種類の多さでは「長」だろう。「長」で始まる苗字400種強に対し、「永」で始まる苗字はその半分ほどの220種だ。同姓の人数の多さを調べた佐久間英氏のランキング表の上位1000姓に注目してみても「長」は長谷川、長島、長沢、長田、長野、長尾、長岡、長井、長谷、長崎、長瀬、長谷部の12種に対し、「永」は永井、永田、永野、永島、永山の5種だ。ただし、これは頭文字に着目した場合で、下に付く苗字では「長」は上位1000姓に出てこないが、「永」は松永、富永、徳永、福永、吉永、須永、森永の7種が見つかる。「永」は上にも下にも強い。
 一字姓の「長」も「永」も共にあり、読み方は前者には「オサ・チョウ・ナガ」、後者には「エイ・ナガ」がある。
 読み方がまったく同じの同音異字苗字はナガで始まる苗字だけでも110種以上ある。つまり「永」で始まる苗字の半分は「長」と同音異字の苗字ということになる。先ほどの1000姓以内の「ナガ姓」はすべて同音異字姓がある。佐久間ランキング表には4000番まであるので1000番以降の「ナガ姓」の同音異字姓を紹介すると、長石(永石)、長江(永江)、長川(永川)、長木(永木)、長久保(永久保)、長倉(永倉)、長坂(永坂)、長塚(永塚)、長妻(永妻)、長門(永門)、長友(永友)、長富(永富)、長沼(永沼)、長橋(永橋)、長浜(永浜)、長原(永原)、長堀(永堀)、長松(永松)、長見(永見)、長峰(永峰)、長嶺(永嶺)、長村(永村)、長森(永森)、長屋(永屋)、長山(永山)、長吉(永吉)の26種が見つかる。
 ユニークな苗字では「長」には長久(チョウキュウ)、長刀(ナギナタ)、長命(チョウメイ)、長寿(チョウジュ)、長者(チョウジャ)が、「永」には永久(ナガヒサ)、永代(エイダイほか)、永住(ナガスミ)、永楽(エイラク)などがある。いずれも縁起の良さそうな苗字だ。なんと「長」と「永」を組み合わせた長永(ナガエイ)や永長(エイナガ)まで見つかった。

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【平成19年10月号編集後記】

 今月17日に当会の教育問題委員会の会合に参加した。以前同友会で講演いただいた県立鶴城高校の鈴木校長、県立豊川工業高校の佐藤校長、県立三谷水産高校の伊藤校長の3氏をお招きし教育現場の課題について伺った。会員との意見交換も活発に行われ、教育問題に対する会員の意識の高さを改めて認識させられた。3校とも実業高校なので元々産業界との交流は強いが、産業界も教育現場に諸問題を押し付けるだけで無く、もっともっと交流を深める必要を強く感じた。教育問題委員会の先進的な取組みを今後も楽しみにしたい。
  今月の産業懇談会では「朗読と歌でつづる金子みすヾの世界」を楽しんだ。総合劇集団俳優館所属の田中裕子氏の朗読と一人芝居、作曲家向川原眞一氏が金子みすヾの詩をもとに作曲した作品をソプラノ歌手の内田公仁子氏、テノール歌手の田中良夫氏が早瀬洋子氏のピアノ演奏で歌うという趣向だ。52名の会員が秋の夕べを楽しんだ。今回の企画を担当してくれた水曜第一グループの落合世話人、飯田世話人にこの場を借りて感謝したい。来年は水曜第二グループが担当させていただく予定だ。会員の皆さんのご希望やご紹介をお聞かせいただければありがたい。
  さて、産懇宅配便の今月号は9月に実施した2グループの例会模様を紹介できた。水曜第2Gは「愛・地球博」でも活躍したICタグの最新事情を、日立製作所の古市会員のご好意でこの分野の第一人者からお話を伺うことができた。水曜第1Gは白藤会員のお骨折りで「えびせんべいの里」美浜本店を訪問し、製造工程の見学と手作り体験の様子を紹介していただいた。世話人の一員として今後も皆さんに楽しんでいただける多彩な企画を心がけたい。
  今月も新会員を2名紹介できた。坪内氏には早速「名古屋の7不思議」を分析していただいた。続編をまた本誌に投稿していただけるのを楽しみにしたい。

 (片桐)