産業懇談会【メールマガジン 産懇宅配便】   第58号 2007.3.30発行

メールマガジン■産懇宅配便■

平成19年3月度(第58号) 目次

産懇宅配便
【19年2月度産業懇談会(水曜1G)模様】 2月21日(水) 12時00分〜14時00分
【19年3月度産業懇談会(木曜G)模様】 3月1日(木) 12時00分〜14時00分
【19年3月度産業懇談会(火曜G)模様】 3月13日(火) 12時00分〜14時00分
【4月度産業懇談会開催日程】
【5月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』
コラム4 『鉄道の歴史と切手の世界シリーズ』

19年2月度産業懇談会(水曜1G)模様


テーマ『 メンタル不全と企業リスク−メンタルヘルス対策の意義と実際の方法』

日  時19年2月21日(水) 12時00分〜14時00分
場  所名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者21名

 

スピーカー
  宮下 研一(みやした けんいち)氏
  ウェルリンク株式会社 代表取締役社長

宮下研一氏

 私事だが、35年にわたってお付き合いをいただいた学生時代の恩師が亡くなられて、調子が悪くなってしまった。自分自身は、今の仕事に携わっていることもあって、自信があったつもりだったが、意外にもろいものだ。誰でも何かの原因で、心の問題が生じる。しかし、心の問題は、目に見えず、傍目に分かり難いし、勝ち組みの方々にとっては、気合が足りないと映ってしまう。
  厚生労働省の統計では、平成9年ごろから、仕事や職業生活に関してストレスや悩みを感じるという会社員が6割を超えてきた。ちょうど、この頃は、山一證券が倒産し、長銀、拓銀も消えていく時代だった。さらに平成14年ごろには、それまでになかった雇用の安定性や、将来性といった問題がストレスを生む強い要因になった。大きな会社に入れば、安定しているということが、この頃から大きく変わってきた。
  以前は、いつもニコニコしていて、肩をポンと叩く。昼ごろに仕事を終え、雑談をしていたと思うと夕方になってどこかに行ってしまうニコポン部長という人がいたが、企業には、そういう「のりしろ」がなくなってしまった。上司や、先輩が一杯誘っては、後輩の不満を聞き、一方で説得したりする機会も減った。今や新入社員は1年で3分の1が辞めてしまうし、職場を見渡すと正社員だけでなく、派遣の人達が増えている。この派遣の人達は有期契約ということもあって、何を言ってもどうせ辞めると責任者が大変なストレスを感じている。

  もともと学校、子ども達、先生のメンタルの問題が非常に大きくなってきて、彼らのために何が出来るかということから取り組み始めたが、平成12年ごろからビジネスになるほど、環境が変わってきた。今、自殺者は交通事故の5倍くらいで、年間3万人をはるかに越しているが、その実体は10万人くらいに上るのではないかというのが関係者の話だ。また、精神障害の労災補償は平成16年で500件に上っている。メンタルと非常に関係のある、脳疾患、心臓疾患もここ数年大幅に上昇している。厚生労働省は、平成12年にメンタルヘルス指針として、労働者自身によるセルフケア、監督者によるラインのケア、産業医等によるケア、専門家のサービスによるケアなどの心の健康づくりの基本的な考え方を打ち出していたが、昨年労働安全衛生法が改正され、月100時間を超える残業をした労働者から申し出があった場合、企業は医師の面接指導を受けさせ、疲労の蓄積があれば休暇をとらせるなどの措置をとらなくてはいけないことになった。

  さて、ストレスには実は強い人と弱い人がある。それぞれの特徴は、強い人が鈍感で無神経、責任感ややる気が無い、自由奔放、楽天家という面を持っている。一方で、弱い人は繊細で気配りが出来る、責任感にあふれて努力する、自分より周囲を大切にする、リスクに敏感で堅実だという面がある。問題は、会社で働くとなるとストレスに強い人達ばかりでは、とても機能しなくなり、弱い人が実に重要だということだ。
また、うつになりやすい性格としては、真面目で、几帳面、堅実で綿密な仕事熱心な人、誠実で、律儀で、凝り性で勤勉という責任感が強い人、優しく、親切で善良な人付き合いの良い、家族思い、良く気を使う、物静かで繊細という人達があげられる。ストレスを受けると自律神経や内分泌系、免疫系に影響があり、交感神経は常に戦う状態を継続してしまいストレス性疾患といわれる胃潰瘍や、円形脱毛症などになる。
うつ病は、誰でもなりうる病気で心が弱いわけではない。むしろ先に挙げた性格を有する人がなる。うつ病になると、朝気持ちが沈むとか、興味を失ったり、仕事に取り掛かれなかったり、根気を失ったり、判断がつかなかったり、人と話すのがおっくうになったりする。体の自覚症状としては早く目が覚めたり、頭が痛かったり、食欲が落ちたりということがあったり、見た目で服装や身だしなみが乱れたり、笑顔がなく暗い表情になったりする。
 うつ病の治療には、なにより休養が第一で医者に通わせる必要がある。薬がかなり効くようになったので、早く医師にかかると直ることも多い。うつ病のサインに気づいたら、傾聴することが大事だ。うつ病の人には「頑張れ」と言ってはいけない。というのは、その人は精一杯やっているからだ。その上で頑張れと言われるときれてしまう。一方で、抑うつ性神経症の人には「頑張れ」と励ますことも必要だ。
 ストレスは、悪いものだと思われているが、ストレスそれ自体に良い悪いは無く、また、生きている上は、ストレスが必ずある。適度なストレスは重要で、やりがいのある、夢のある課題は良いストレスでもあるし、生産性の最大化を目指すことができる。
  当社では、個人も、会社全体の健康度も測る調査が出来るし、新たなCSRの国際規格になるISO26000では、コンプライアンスの問題としてメンタルヘルスが入ってくるので、皆さんの役に立つことができるのではと考える。ねずみを使った動物実験でも、逃げ場を失ったねずみは早く死んでしまう。逃げ場も実は非常に大事だ。
  電話相談などを実施している企業もあるが、抑うつ神経症なら相談してくる。しかし、うつの人は相談してこないので、問題が残る。したがって、当社のようなところを利用してもらうと良いのではないかと思う。

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19年3月度産業懇談会(木曜G)模様


テーマ『 これまでの出会いと学び』

日  時19年3月1日(木) 12時00分〜14時00分
場  所名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者29名

 

スピーカー
  佐藤 澄男(さとう すみお)氏
  名南経営センターグループ 代表

佐藤澄男氏

 (冒頭に佐藤氏の出演したテレビ番組「なんでも鑑定団」の録画をご紹介した・・注:事務局)
  「なんでも鑑定団」に出した水晶球は、当社の顧客が会社の資産を整理するので買わないかと話があって、それではと、簿価の半値で購入した。石の鑑定では最高値という1,000万円をつけたが、誰も買いたいという人が現れず、市場性は低いと思う。
  この水晶も運が重なってテレビに出たが、ビジネスの運には、何か種があってチャンスが出てくると思う。そのチャンスがあった時に、応える力がないと仕事にならない。その仕組みの中に運というものがあるように思う。脳科学者の茂木健一郎氏は、偶然の出来事はコントロールできないが、偶然の出会いを生かすように心がけることは出来る。これをセレンディーピティーと紹介していたが、このことだと思う。
  4月に75才を迎えるが、自分の人生を振り返ると、こんな次第だ。昭和7年弥富町に生まれ、小学生の時に戦争が悪化。父親が、土木請負業として事業していたのがあだになり、軍属として徴用されて、南方で戦死し、母親と妹3人がいる手前、中学を中退して青果市場で働いた。八百屋の子供達が行くというので、働きながら自分も津島の定時制高校へ進学した。普通科だったが、簿記の授業があって、これが大変性に合った。その後、公務員初級に税務職員の募集があるというので受験したら合格、税務講習所に入所した。昭和29年のことで、3度の食事にありつけて勉強に専念できおまけに給料をくれる境遇に感激して命がけで勉強した。その甲斐あって、好成績を修めて、すぐに名古屋国税局の税務職員の憧れだった中税務署の法人課に配属された。昼は働いて、今度は愛知大学の夜間へ4年間通い、卒業後、東京の税務大学校へ1年通った。苦学したと言われることも多いが、自分としては昼と夜の両方を楽しんだと思っている。
  税務職員の仕事は、大変楽しいものだった。毎日がゲームをやっているようなもので、脱税のからくりを見破ることに生きがいを感じていた。その仕事も本当に楽しかったが、ある時、お客を12件あげるから税理士をやらないかという人が現れて、今の仕事を始めた。もう遅いと言われたが、それから高度成長になり、どうにか41年間プラスの連続でこれたことに感謝している。
  今や税理士業務は半分ぐらいで、行政書士や、社会保険労務士、会計士、不動産鑑定士などの業務も行なって、中小企業の問題をお客様の立場でいろいろやっている。中国にも、合弁企業を設けていたが、日本語を学んだ生徒の就職先として記帳を請け負う会社を設立した。
  我々の仕事は、頂上の無い山を登っていくようなもので、目指すところはきりがない。
  自分は、今、名南の広告塔となって、会合にも積極的に参加するが、人脈は作って使わず、借りを作るより、貸しを作るをモットーとしている。仕事は信者をいかに作るかに似ていて、信者になってもらえれば、こちらの立場を理解してくれる。ガラス張り経営というのがあるが、ガラスによって、見えても手が届かないといけないので、ガラス無し経営をする必要があると思っている。自分の姿勢として、責任は絶対負うが部下の仕事を取らないようにしている。ラインの長は、部下の育成がその仕事の半分だ。今や、顧客も情報が多く、お金をいただくからには、顧客以上の勉強が必要だ。常に情報力もつけておきたいと思う。
  長年この仕事をやってきた関係で、よろず相談を持ちかけられる。ここのところ事業承継が話題になるが、これは後継者問題だ。まず家庭で、母親が父親への不満ばかりを吐き出していると、後継者にとって全く魅力がなくなるので注意が必要だ。後継者がいるのに、他の者と対等に競わせるなどと格好つけるのも良くない。後継者がいれば、早めに会社内で言っておく必要がある。これに対して、父親が引退を早めに宣言しても、実行に移す人が少ないので、これも止めるべきだ。2代目が横柄な態度になってしまうところも問題がある。中小企業に資本と経営の分離は有り得ない。もしそう考えるなら、元気なうちに売るべきだ。
  相続も、財産があればあるほど、もめる割合が高い。分配の方向だけは確り決めて、公正証書遺言を作っておいて欲しい。会社法の改正で、種類株式など活用していろいろな対策ができるようになっているので、方向だけは決めるべきだ。
  家庭の問題も会社に持ち込まなければ関係はない。ただ、会社が大きくなって来たとき、奥さんの発言権が大きくて困る例がある。一定の規模では、内助の功に努めた方が良い場合がある。
  さて、これまでの経験から、魅力がある人間力とは何か。まず、信用。全ては信用作りだ。目先の欲を捨ててギブファースト。知識は在庫で、知恵は在庫をどれだけ変えられるかだ。第一印象だけでなく、現場で確かめる。潮流の程度がどうなっているのか本質を見抜く力も必要だ。口の軽いのも信用を失い、聞き上手で、場の空気を読むことが大事だ。判断は首から上だけで考えるが、決断には実行力が要る。見識を持って、責任をもつ。上には上があると知らざるを知ることだ。最近は社員にストレス耐性がなくて、企業に大きな問題となっている。才あって徳無しとい言葉があるが、徳をどう対処できるか。金儲けの話はするが、使い方を知らない人が多い。経営は矛盾を同時に行なう。利益と社会性をどう調和させるのかを考えないといけない。
  これから、時間をどう過ごすか、毎日プラス思考で、好奇心を持つことが重要ではないか。
  ボケの始まりは頑固になることと言う。出来るだけ素直になる必要がある。寝ることは死で、起きて生があると思えば、死はさほど恐れることは無い。くよくよせず、生きていきたい。

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19年3月度産業懇談会(火曜G)模様


テーマ『若者への伝承 デジタルで伝える限界はこころの問題から解決!=技術伝承をデジタルで行なう簡単な手法(納入案件での苦労や社内実例)を紹介』

日  時19年3月13日(火) 12時00分〜14時00分
場  所名古屋観光ホテル 18階 オリオンの間
参加者:18名

 

スピーカー
  富田 茂(とみた しげる)氏
  キャリオ技研株式会社 代表取締役

富田茂氏

 キャリオは知恵づくりの会社で、設計を3次元CADで起こし、評価、試作し、発想を形にしている。社内技術者の認定はもちろんだが、高校でのCADの講義も引き受けている。
  機器の操作については、デジタル手順書に纏め、それを使って先輩が後輩に教えていた。これを岐阜県で取り上げてもらって、技術情報デジタルモデル事業として受注した。
  技術をデジタルに遺すとはどういうことか。これまでの口から口、見て倣うというスタイルでは、熟練者がいつまでもいるとは限らないし、若者はきつい仕事になるとすぐ辞めてしまって伝わらない。それは実に、中小企業にとって切実な問題で、今すぐそこにある危機なのだ。これを、デジタルを利用して、いつでも誰でも使えるものにしようということだ。岐阜県は、その事業を通じて2007年問題に対してどう解決できるかを取り組もうと考えた。その本質は、中小企業がその独自技術をいかに伝えることが難しいかを認識することの方が重要な問題だ。また会社に入って教えてもらったことは本人のものだと思っていて、人に伝えないことも多いが、これは間違いだ。自分の周りの人達のお蔭で、今の自分があるということを忘れている。組織の人間である以上、会社の財産を預かっているという認識が必要だ。

 2005年11月の終わりから翌年の2月で完了したこの事業は、金型、輸送装置、精密、繊維、出版、陶磁器などなど10業種で行った。例えば、アルミの溶接は実は大変難しく、行程も沢山あるので、それを書いていくと膨大な作業となってしまう。そこで作業をデジタルビデオで撮って、語りをいれることで解決した。結果として、7割は伝えることが出来ると思う。ただし、人間の五感に頼るような、味、触覚、臭い、温度の感覚などは、どうしても伝えられない。これは人伝でも難しいわけで、限界があるということ知って、今の最高の技術を後世まで最高の状態で遺すことが大事だ。今日、デジカメ・ビデオが安く手に入るし、かつてはテレビ局しか出来なかったことが、パソコンで簡単に出来る。インターネットで、東京と九州で見ることも出来る。日頃から製造しているものは、それでも何とか伝えることができるが、1ヶ月数個というような稀少製造品については、ほとんど担当者以外にはわからないものになってしまう。技術伝承として重要な意義がある。
  もっとも、最初からこの方法が上手くいったわけではない。担当者がたたき台を作って、何度も何度も聞きに行き、数回作り直した。しかし、技術保有者が後世まで自分の実演が残り、これは大変名誉あることだと気付いて、いろいろ語ってくれたことが何より大きい。
  デジタルビデオで撮影したものをパソコンソフトで、ムービーを作り、これをフローチャートソフト(株式会社トヨタケーラム製ソフト=指南車)を使って、動画を90秒ぐらいでぶつ切りにしていく。こうすると手順書となる。デジタルに対抗するものは、従来の紙だが、この紙は、手順を守らず進んでしまう危険がある。デジタルは手順どおりにしか仕事が出来ず、この手順書にパスワードを使って権限をつけると、ここからの行程は係長、ここからは課長しかできない作業とすることもできる。

 デジタルでは何も伝えられないと言う人がいたりするが、それは今の世で、eメールでは仕事ができないと言うのに似ている。人と人が直接話をすることが一番良いとは思うが、いつもそうするのは現実には難しい。確かに伝えきれないことがある。その限界を知ることが重要だ。さて、このデジタルの中身を素人が作るということも大事だ。自分達の社内のことを、自分達がやってはまず上手くいかない。というのは、言葉が業界の言葉に慣れきってしまっているからだ。経験豊富な人が作ると判りきっているので、必要な言葉を抜かしてしまう。大事なのはポイントではなくて、その奥にある暗黙知である。知らない人が作れば一生懸命そこをカバーする。
 
 入社してすぐに仕事をしてもらいたいと思ったら、入る前にこのデジタルを使って仕事を見せておけば良い。ノウハウが出てしまうと言う人もいるが、まさか新入社員にそんな大事なところをやってもらうわけではあるまい。問題はほとんどないことが多い。
 
  現在各社で派遣社員を活用している。派遣社員もどんどん変わるとすると、それをプロパーの社員がいちいち教えるのも大変で、デジタル手順書にしてしまえば良い。総務などのルーチンワークをデジタル技術伝承化することも効果が期待出来るのではないか。
  今、大学との共同研究の中で、技術の伝承に遺伝子学的アプローチをしたいと考えている。
人伝は伝言ゲームに似ていて、情報がいつのまにか変わってしまう。デジタルの伝承には変化が無い。日本の企業の優位性は、このデジタルによる伝承を守り続けることで保たれると思っている。
  先日の石川代表幹事のお話を聞いて、会社に車座が必要だと認識した。そこで、一泊宿泊型の車座(先輩と後輩が少人数でテーマを出して答えを出すまで語りつくす)のアプローチを見ているが、社員の参加意識も高い。ITを使って、ものづくり、ひとづくりそして気(機)づくりに取り組んでいきたいと考えている。

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【4月度産業懇談会開催日程】
(4月5日以外、場所は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ
各務芳樹
深田正雄
4月10日(火)
12:00〜14:00


株式会社ヨコタエンタープライズ
代表取締役 横田 成人氏
「ひきこもりからの脱却、そして今、そして未来」

18階
オリオンの間

水曜第1グループ

飯田芳宏
落合 肇

4月18日(水)
12:00〜14:00

トヨタ車体株式会社
取締役会長 久保地 理介氏
「自動車の企画・開発 〜失敗談を含めて〜」

18階
鈴鹿の間

水曜第2グループ

片桐清志
谷田利景

4月11日(水)
12:00〜14:00

三菱商事株式会社中部支社 業務経理部長矢田部 一嘉氏のご紹介
三菱商事株式会社
中国事業戦略オフィス 室長 茂木 宏氏
「中国の現状・展望と三菱商事の戦略」

18階
オリオンの間

木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

4月5日(木)
12:00〜14:00

株式会社三清社 取締役社長 大岡 洋三氏のご紹介
東和不動産株式会社
取締役社長 神尾 
「ミッドランドスクエアから眺めた名古屋・愛知・中部」

ミッドランドホール・会議


【5月度産業懇談会開催日程】
(場所は名古屋観光ホテルです。)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ
各務芳樹
深田正雄
5月8日(火)
12:00〜14:00

新英金属株式会社
取締役社長 金子 功男氏
「鉄の世界あれこれ」

18階
伊吹の間

水曜第1グループ

飯田芳宏
落合 肇

5月16日(水)
12:00〜14:00

岩部建設株式会社
取締役社長 岩部 一好氏
「古代史を考える」

18階
伊吹の間

水曜第2グループ

片桐清志
谷田利景

5月9日(水)
12:00〜14:00

西日本電信電話株式会社
取締役名古屋支店長 伊藤 卓志氏
「 最近の情報通信 」

18階
伊吹の間

木曜グループ

河村嘉男
倉藤金助

5月10日(木)
12:00〜14:00

株式会社三豊ビル
取締役社長 向 博氏
「なんと言っても恵まれた日本」

18階
伊吹の間

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【お知らせ】

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【コラム】

コラム【花ちゃんからの健康だより】
〔花ちゃんからの健康だより〕 No.36

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

夫婦円満術の話

桜  お花見の頃、夫婦や家族お揃いでお出かけのことでしょう。やっぱり春といえば日本は桜でしょうか。
 近年、仕事を持つ女性の増加とともに「男子厨房に入らず」の社会通念は崩れ、仕事ができるだけでなく家事を進んで手伝おうとする男性が増えつつあります。女性は子供を産む○○や家事ロボットでもなく、「人として対等でありたい」という気持ちを強く持つ主婦もいます。ストレスの原因となるのは、サラリーマンの夫は「上司」、主婦は「夫」が最多でいずれも6割という民間の調査結果がでていました。特に良妻賢母のかたは「お話があります・・・・」と思い切った決断をするようですから怖いです。一人暮らしになった場合、再婚をする率は圧倒的に男性が女性より高い。それは、短絡的に家事をしてくれる人がいないからということではないようで、男性においては意外に家事をやれていた人が再婚できており、言い換えると家事を負担に感じていないからこそ結婚できるとも言えるのではないでしょうか。
 今までまったく家事に無縁だった男性のかたは、今からでもぜひ家事に挑戦しましょう。その際、妻は家事の先輩としてやさしくていねいに教えることが大切です。また、再婚希望のかたは家事のなかで何か1つ得意なことを身につけましょう。男性は「できちゃった結婚」もかなりの歳まで可能ですがおすすめはできません。
 いよいよ4月から厚生年金の分割支給制度が導入され熟年離婚時代が懸念されます。これからも心穏やかな日々を送るために、まずお互いの本音に心を傾けましょう。夫婦でいる時間が増えた場合に「うれしい。」と実感するような素敵な関係になれるように将来設計をしましょう。余生という人生はないそうです。

仕事も 家事も チームワークで 笑顔がいっぱい(佐藤花子)

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コラム【プログレスシリーズ】

株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『 企業の進歩発展のヒントNo.24』

忍耐とは人耐することである

 企業経営は忍耐の連続です。その忍耐の中でも、人(社員)に対する忍耐が一番永く辛い忍耐ではないでしょうか?「自分の思ったようには動かない」それが人というものです。忍耐=人耐です。つまり、企業経営は人耐力が重要になるということです。では、どうすれば人耐力は身につくのでしょうか?その答えは1.違いを受け入れる 2.分かり合うことの難しさを理解する 3.自分の思ったように人は動かないことを理解するetc でしょう。この考え方を皆さんはどう思われますか?この3つの考え方に対して、「人間関係は面倒だ」と思うか?「人間関係は面白い」と思うか?どちらの捉え方をするかによって大きな差が生じるのではないでしょうか?例えば、違いを受け入れるということは「人はそれぞれ違う考え方を持っているということを受け入れる」ということです。組織は一人ひとりが勝手なことを言って行動すれば崩壊します。しかし、違う考え方をぶつけ合い、互いが納得した上で、協調し合わなければ本当の成果は生み出せません。人耐とは、我を捨てることではないでしょうか?

・・・・ <事例研究>  歴史人物シリーズ−7「徳川家康」 ・・・・

 264年に渡る江戸幕府の始祖徳川家康。三英傑の中で本当の意味での天下人となった徳川家康も、生涯の道のりは険しい道のりでありました。5歳の時に人質となり、幼いころから我慢というものを強いられ、そのころから逆境や困難にも負けない忍耐力を身につけたようです。天下取りも豊臣秀吉に先を越され、豊臣秀吉の家臣という立場に我慢する日々を過ごしました。その後念願の天下人となった家康の人物像は、狸爺などというあだ名もありますが、戦国時代を終らせた誰よりも評価される名君であり、人を受け入れる器を持ち、良いものは良いと認める度量を持っていたようです。例えば、自分を苦しめ、屈辱的な大敗を経験させた武田信玄を素直に尊敬し、武田家の遺臣から武田信玄の思想や戦略や戦術を学んだという話があるように「自分の考え方が一番!」というような「我」ではなく、受け入れる謙虚さという欲を持っていたようです。

事例へのコメント
違いを受け入れることが大切!

 三英傑の中でも、最も忍耐力を持っていたの徳川家康でしょうが、よく「企業経営者が自分は三英傑の中で、どのタイプか?」などと話し合っている光景を見ることがあります。確かに性格によって、それぞれ似たようなタイプがあるでしょうが、私はどのタイプか?というより、企業の歴史や成長過程によって変化するものではないかと考えています。創業期は信長のような強さを持ち、その後秀吉のような人の使い方を身につけ、そして、最終的に家康のような安定的・継続的組織を創るのではないでしょうか?

●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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コラム【苗字随想】
〔苗字アラカルト〕 No 58

片桐清志

雛と姫

 徳川美術館では毎年2月から4月上旬に特別企画「尾張徳川家の雛まつり」を開催している。源氏物語絵巻をはじめとする公家文化、大名文化を受け継ぐ国宝級の美術品も圧巻だが雛飾りも多種多様で見応えがある。今月は桃の節句に因んで、雛と姫に関する苗字を探ってみた。
  先ず「雛」姓だが、さすがに雛で始まる苗字は少なく全部で10種見つかった。一字姓の「雛(ヒナ)」さんもいる。雛の意味はもともと雛鳥の意味だが、実物より小さな見本(ミニチュア)の意味もある。雛飾りはこの風習から作られ、徳川家のものは姫たちが嫁ぐときに嫁入り道具をミニチュアセット化したものだそうだ。さすがに「雛飾」や「雛段」という苗字は見つからなかったが「雛屋(ヒナヤ)」はあった。「雛鳥(ヒナドリ)」も見つかった。芸能界や物語によく登場する「雛形(ヒナガタ)」さんも実在する。
  「姫」で始まる苗字は24種で、「姫」姓もそんなに多くない。一字姓も見つからなかった。ユニークな「姫」姓も少なく、「姫名(ヒメナ)」「「姫社(ヒメコソ)」「姫宮(ヒメミヤ)」ぐらいだ。姫宮のもともとの意味は天皇の娘の尊称で皇女、内親王のことだ。雲上人ではないが「姫君(ヒメギミ)」は見つからなかった。しかし、「姫野(ヒメノ)」、「姫島(ヒメジマ)」、「姫路(ヒメジ)」さん等は身近な存在だ。「織姫」「歌姫」「舞姫」「椿姫」「雪姫」「一姫」などは見つからなかったが、「黒姫(クロヒメ)」「春姫(ハルヒメ)」さんはいた。「乙姫」は見つからなかったが「乙媛(オトヒメ)」は見つかった。

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鉄道の歴史と切手の世界
〔鉄道の歴史と切手の世界シリーズ〕 No.9

トンネルと切手(5)ハンガリー地下鉄とメキシコ地下鉄

藤井  浩(名工建設株式会社 社友

7. ハンガリー地下鉄(図―10、11:2種類)

(図-7:香港地下鉄駅)
(図-10工事中のブタペスト地下鉄)

(図-8:香港地下鉄車両)
(図-11ブタペスト地下鉄中央駅)

◆発行目的:ブタペスト地下鉄延長記念
◆発行日:1953年1月19日
◆印刷方式:グラビア印刷
◆発行国:ハンガリー

 1953年、ハンガリーの首都ブタペストの地下鉄を描く2種の切手が発行されている。60f(フォリント)の切手(図-10)には工事中のシールドトンネルが描かれている。1Ft(フロント)の切手(図-11)には計画路線の路線図と中央駅の完成図が描かれている。
  ブタペストの鉄道路線は市内を貫流しているドナウ河によって二分されているが、この地下鉄はブタペスト南駅と東駅を結ぶ路線として、1949年に着工されたものである。ドナウ河の河底横断が特に難工事で、滞水砂層のために10年ほど工事も中断されていたが、1970年ようやくドナウ河東部の第T期工事(7.2km)が完成している。地下鉄の車両はソビエト製車両が使用されている。
  トンネルの切手は完成したトンネル坑口やトンネル内を走行する列車を描くものが多く、トンネル工事を描くものはきわめて少ない。世界中を探しても、ソビエトのモスクワ地下鉄のシールドの切手があるだけだ。その意味でも珍しい切手と言える。60fの切手には円形シールドの切羽とセグメントが描かれている。手前の作業員はセグメントの裏込め注入を行っているように見える。

8.メキシコ地下鉄(図―12)

(図-7:香港地下鉄駅)
(図―12メキシコ地下鉄)


◆発行目的::メキシコ地下鉄完成記念
◆発行日:1969年9月4日
◆印刷方式:グラビア印刷
◆発行国:メキシコ

 1969年、メキシコ地下鉄第I期工事が完成し、地下鉄車両を描く切手が1種類発行された。激化する都市交通に対処するため、地下鉄が計画されたのは1965年で、メキシコ政府の依頼により日本から技術調査が行われた。フランス政府借款によったため、地下鉄建設はフランスに発注されている。全体計画は3線42.2kmの地下鉄計画であるが、開通の切手はI期線の一部であるチャペルテペクー国際空港間12.5kmの完成記念切手である。
  メキシコ市の地質は厚さ30m前後の軟弱粘土層となっており、湧水も多く工事は著しく困難をきわめた。メキシコ政府もこの地下鉄に力を入れ、駅構内やプラットホームには古代メキシコ文明を象徴する壁画や工事中に発掘されたピラミッドなどが置かれている。
  海抜2,300m、世界最高地の地下鉄として紹介する次第である。


【平成19年3月号編集後記】

 地元名古屋出身の作家、城山三郎が22日に亡くなった。享年79歳であった。経済小説に独自のジャンルを確立し、また自身の体験等を通して描く戦争小説も読み応えがある。東区の「文化のみち二葉館」の一角に設けられた、城山さんからの寄贈品をもとに再現された書斎が思い出のコーナーになってしまった。社会正義を追及した作品からは「リーダーの徳」が醸し出される。経済人が忘れがちな、しかしいかなる場合も忘れてはならない「志」や「品格」を思い起こさせてくれた。昭和の気骨の人がまた一人いなくなった。
  翌23日には恒例の選抜高校野球が始まった。第79回の今大会から出場選手が全員平成生まれとなったそうだ。戦前から続くこの大会は平和の象徴でもある。先日訪問した鹿児島県にある「知覧特攻平和会館」で見た同世代の写真や遺書を思うと、球児たちの悔いのない伸び伸びとしたプレーを期待したい。昭和から平成へ、形は異なるが若者の情熱が脈々と引き継がれるのを見届けたい。
  当会木曜Gの佐藤氏もまた、戦争で痛手を受けたが「禍転じて福となす」を実践した気骨の人だろう。75歳の今も意欲的に様々な活動をなさっている。今回の講演でも「人脈は作って使わず、借りを作るより貸しを作る」や「知識は在庫で、知恵は在庫をどれだけ変えられるか」など豊富な体験から発せられる含蓄あふれる言葉が目白押しだ。まさに「セレンディーピティー」のお手本だろう。
  水曜1Gのスピーカー、宮下氏は本誌にコラムを連載中の窪田氏の紹介だ。今日的課題の「心の健康づくり」について専門家の立場から貴重なアドバイスをたくさんいただいた。
  産業懇談会でも若手の活躍が目覚ましい。今月のスピーカーを引き受けてくれたキャリオ技研の富田氏は40歳、大日コンクリート工業の鈴木氏も47歳だ。両名の「モノづくり」に対する熱き思いが本会に春の到来を告げてくれる(鈴木氏のスピーチ内容は来月号で紹介予定)。今後も新たな芽をたくさん歓迎したい。

(片桐)