第47号 2006.4.26発行



 メールマガジン ■産懇宅配便■

平成18年4月度(第47号) 目次
【18年3月度産業懇談会(火曜G)模様】 3月14日(火) 12時30分〜14時00分
【18年3月度産業懇談会(水曜1G)模様】 3月15日(水) 12時30分〜14時00分
【18年3月度産業懇談会(水曜2G)模様】 3月22日(水) 12時30分〜14時00分
【18年4月度産業懇談会(木曜G)模様】 4月6日(木) 12時30分〜14時00分
【18年4月度産業懇談会(火曜G)模様】 4月11日(火) 12時30分〜14時00分
【新会員自己紹介】
杉山 和久氏 杉山工業株式会社 取締役社長
梛野 泰男 氏 丸美産業株式会社 取締役マンション第二事業本部長
二宮 敏夫氏 日本カーソリューションズ株式会社名古屋支店 支店長
四元 圭氏 有限会社トリニティーBC 代表取締役
【5月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』

18年3月度産業懇談会(火曜G)模様

 テーマ:『 峠の話 』

日 時: 3月14日(火)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 16名


スピーカー:
  渡部 一俊(わたべ かずとし)
  名古屋ステーション開発株式会社 取締役社長

 

1 名古屋駅と当社の紹介

 名古屋駅には、セントラルタワーズ、名古屋ターミナルビル、そして駅構内を中心とした施設があるが、前者2つを除いた商業施設が当社の守備範囲である(名古屋駅マップにて紹介)。駅部の商業施設開発・貸付、高架下開発・駐車場貸付を主業務としている。昨年末には駅の北側を開発し4店舗を新設した。名古屋駅以外にも、中央線の鶴舞・大曽根・春日井・高蔵寺・多治見、東海道線では、一宮・岐阜など各駅の商業施設をアスティと名付けて展開している。ほかに駅ビルとして、大垣アピオ、津チャムを経営している。

2 碓氷峠の鉄道事情

 碓氷峠は、軽井沢と横川の間にあり、昔から関所が設けられるなど、交通の要衝であった。その距離8.5kmに対し、標高差552mもある。車両の長さを20mとすると、先頭と最後尾で椅子の背もたれほどの高低差ができる。国鉄へ入社して5年目に、ここ横川機関区に転勤した。勤務したのは1年だけであったが、数多くの興味深い経験をすることができたのでご紹介したい。
 東京〜京都間の幹線鉄道計画は、明治4年に中仙道を通る案が出されていた。外国から攻められても山間部を走っていた方が安全だとの考えがあった。翌5年、新橋〜横浜間に初めて鉄道が開業した。明治16年実際に測量に着手したが、中部山岳地帯は地形が悪く、特に碓氷峠が大変な難工事になることから断念され、明治19年、幹線は東海道に決定した。
 列島横断鉄道化が進む中、明治17年スイスのハルツ山で60/1000の勾配を通るアプト式の鉄道が出来た。そこで、碓氷峠にもこのアプト式を導入し、鉄道を通そうということになった。アプト式とは、車両に付いた歯車と地上のラックレールで車両を動かすもの。明治24年3月に着工し、翌25年12月には開通した。26本のトンネルはすべて手掘りでつくられ、橋梁も18本にのぼった。手作業で2年足らずで立ち上げられたのは驚くべきことである。運転開始は、明治26年4月であった。ドイツ製のアプト式蒸気機関車を使用した。1日5往復、75分/往復、時速は9.6km/Hであった。時期的にも運転開始の翌年に日清戦争が勃発し、物資輸送の必要性が高まっていた。アプト式では、登る時も下る時も横川方の歯に負荷がかかり、廃品となったラックレールの歯型を見ると、その跡がしっかりと残っている。
 明治39年には、軍需もあり軽井沢〜横川間にパイプラインがつくられた。輸送能力の少ないアプト式では限りがあるため、新潟方面からの石油は軽井沢まで運ばれ、軽井沢から横川へはこのパイプラインを使って落とす、そして横川で待機しているタンク車に詰め、東京に運ばれた。
 この区間の輸送力はまだ不足しており、この能力を上げるため、日本で最初に電化が行なわれた。明治43年に着工し、45年には完成している。横川に火力発電所(3000kW)を設置し、地中ケーブルで沿線に給電、変電所が2ヶ所に設けられた。直流で650Vの電気を供給した。当初の電気機関車はドイツ製であった。給電装置は2通りあり、トンネルの断面が低いため、第三軌条を併用した。第三軌条は、現在、地下鉄(名古屋の東山線、東京の丸の内線など)でも利用されている。輸送力が逼迫していたため、とにかく多くの列車を走らせようと、中央に位置しわずかな平坦地の熊の平駅では、行き違い用のトンネルを前後に4ヶ所掘って対応した。
 更に輸送力増強のため、粘着運転化(アプト式の廃止)と複線化を目指して、昭和36年新線工事に着工(線形改良、トンネル断面拡大、有効長延長など)、昭和38年にはアプト式廃止、昭和41年複線化が完成した。ここに投入されたEF63形電気機関車は、横川〜軽井沢間専用の特殊機関車。その特徴として、常時2両重連、108tという重量級、双頭連結器、機関車&他車種電車対応カプラー、異常時連絡手段としての無線、電磁吸着ブレーキ5基をはじめ幾重ものブレーキ装備、などがあげられる。勾配区間を安定的に走るため、列車荷重を均等化する重りが、軽井沢方につけられていた。最大で7人の乗務員が搭乗するなど、特別な対応をしていたこの線も、長野新幹線の開通とともに平成9年、その役割を終えて幕を閉じた。

3 碓氷峠鉄道輸送の総括

  1. 常識的でない急な勾配(66.7‰)での鉄道建設と104年間にわたる(明治26年から平成9年)列島横断輸送完遂。
  2. 時代の要請(明治の工業化、戦争、戦後復興、経済成長など)にこたえた輸送力増強のためのシステムチェンジの積み重ね。(アプト式、パイプライン、電化、粘着運転など)
  3. 特殊区間での安全確保のための工夫と努力、多くのトラブル克服(初期故障・座屈(脱線)・災害)幾重にも設けられた安全装置、連絡設備。

 以上のように私見として総括している。ここに勤務した1年間は、現代からタイムスリップしたような素朴な生活を送った。しかしそこは、警察のいらない程人情溢れる世界であり、今でも賀状のやりとりが続いている。ぜひ皆さんも碓氷峠を訪ねていただき、今はもうなくなった鉄道に懸けていた人たちがいたことに思いを馳せていただきたい。

>>目次へ

18年3月度産業懇談会(水曜1G)模様

 テーマ:『 企業経営におけるリスク管理−法的側面から 』

日 時: 3月15日(水)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 25名


スピーカー:
    榊原 章夫(さかきばら あやお)
   弁護士法人清和 弁護士

 

1 リスクの予測と認識

 予想されることは、実際に起きるし(交通事故、火災、地震など)、予想外のことも突然起きる(水害、政変、恐慌など)。水害は100年に一度しか起きないということで、行政の責任は問われないが、水害も実際に起きる。そのような中で企業が生き残っていくため、企業を取り巻くリスクにはどんなものがあるかを今一度認識し、それらに対し法的な側面からも事前に手を打っておくことが必要であろう。以下、リスクの種類とそれぞれに対する留意点をお話ししたい。

2 企業内部におけるリスク

(1)インサイダー取引
   (証券取引法第166条 会社関係者による内部者取引の禁止)

 インサイダー取引は、これを行なった人はもちろんだが、トップにまで責任が及ぶ。会社としてこうした取引が発生しないようなルール作りや、管理の体制などを整備しておき、トップまで責任が及ばないようにしておくことが必要。

(2)労務管理

  • セクハラ(雇用機会均等法及び労働者の指針 平成11年施行):
      妻帯者が職場で独身女性に接触するケースが多い。男女平等、すべての国民の労働義務が憲法で謳われ、女性もいい環境の下で働けるよう、この法律が施行されている。トップの責任になるため、普段から防止に対する措置を講じておく必要がある。  
  • 時間外手当(賞与との対比):
      時間外手当は法的な義務であるため、必ず払わないといけない。賞与は払う義務はないので賞与を減らしてでも時間外手当は払うこと。従業員との関係がうまくいっているときは表に出にくいが、何かのきっかけで表面化するケースがある。
  • 雇用と裁判(「解雇権の濫用」という判決):
     解雇に対し団交を求めてくるケースがあり、団交は法的には拒絶できない。裁判になると、会社にある解雇権は、この件については当てはまらず権利の濫用とされるケースが多い。解雇する際は十分に検討する必要がある。

3 企業内部〜外部におけるリスク

(1)インサイダー取引品質−P/L問題(平成7年施行)製造物責任

 件数としては、多くはないが10件/年程度発生している。引き続きP/Lに問われない製品作りを行なってほしい。現場でのはんだ付け不良なども、すべて社長の責任になる。

(2)公害などの発生

 自分の土地を掘り起こしたら有害物質が出てきた場合など、できるだけ速やかに市当局などに報告すること。報告しないことが罪になる。上場会社では株価にも影響する。交通事故を起こした場合、加害者は道路交通法で警察に報告する義務が定められている。報告しないとその罪も加わり、公害のケースと類似している。

4 企業の外部から生じてくるリスク

(1)売掛金などの回収の困難性

  掛売りには何%かはこげつくことを予測しておく。法的処理としては、破産手続き、又は民事再生法がある。破産、倒産した人の多くは、身内や奥さんの実家などからできるところまで借金し、赤字が続いても最終的に手形が不渡りになるまであらゆる金策を続けているのが実情だが、そこまでせずに、少し前で破産手続きをした方が迷惑をかけることも少なくてよいだろう。  

(2)知的財産権

    職務発明:会社として、従業員の発明に対しどのような報酬を払うか、規則を作っておくこと。裁判になった時は誠実に対応し、裁判官にアピールすることが大事。 その他特許権の侵害訴訟:開発段階からの資料の整備、保管が必要。被告となった場合には、即時提出が必要。特許の裁判は、通常の民事裁判とは別に考えられており、指定された日に出頭し関連資料を提出しないと訴え側の主張がすべて認められてしまう。新製品開発時には、初期の会議議事録から開発の経過がすべてわかるものをずっと保管しておくこと。明日持ってこいと指示された時でも対応できるように。

(3)株主代表訴訟

  原告が勝つ裁判は1,2割だが、その際の賠償額は大きい。訴訟が起こされないよう、警察に疑われるようなことをしない、疑われる人と付き合わない、疑われる場所に行かないことが大切。社長に嫌疑がかかると、銀行は融資を止め、会社倒産につながる。

(4)企業買収

  会社の含み資産を減らし、内部留保をたくさん持ち過ぎず、適度に配分していくこと。東京高裁が示した防衛ファイルには、TからWまでの類型があり、これに当てはまれば対抗措置として防衛側の新株予約権発行が例外的に許される。会社として何らかの対応が必要であり、問題が起きてからでは遅い。

5 外国取引に伴うリスク

(1)合弁企業におけるリスク

 パートナーの変動や経営問題における意見の食い違いが発生する。たとえば、資金繰りは借入れで対応するのか、増資するのか、など。めいっぱい投資した後の増資には応じられないということでは困るので、余裕を持った資金対応が必要。

(2)雇用の場面における国籍による差別との苦情

 アメリカなどで懲戒解雇をすると、国籍による差別だと訴えられる。一旦裁判となると相当な費用がかかるので注意が必要。  

(3)外国駐在員の管理

 発展途上国などへ駐在すると、メイドさんを雇い王様気分になり、会社のお金を使い込んだり虚偽報告を行なうなどの問題が発生しやすい。能力があるからと一人の人を同じところへ長く出向させておかないこと。  

(4)外国取引きから生じる紛争処理における問題

 外国で裁判を起こされる場合があり、費用が多大になる。裁判、仲裁が起こされる場合は、日本国内で起こしてもらう規定をあらかじめ設けておくことが望まれる。

>>目次へ

18年3月度産業懇談会(水曜2G)模様

 テーマ:『 最近のアスベスト対策について 』

日 時: 3月22日(水)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 31名


スピーカー:
    水谷  驍(みずたに たけし)
   菊水化学工業(株) 専務取締役

 

1 当社の概要と建築仕上材について

 当社は、1959年5月に創業、現在従業員330名、資本金約14億円、名証2部に上場している。事業内容は、建築仕上材・建築下地調整材・タイル接着材・ファインセラミックスの製造販売、ビルリフレッシュ(住宅リフォーム)等。中心の事業は、建築仕上材として建物外装の塗料を扱っている。これは日本独特の商品で、外国には無い。これには歴史的な背景がある。日本の建築は、江戸時代から木造建築であり、外壁は板張りであった。そのため火事が多く延焼しやすい。戦時中もヨーロッパでは瓦礫の山であったが、日本では焼夷弾攻撃にあって焼け野原になってしまった。戦後残った建物はコンクリート作りであり、それ以降モルタル仕上げが奨励された。セメントで外壁が灰色になると、戦後の復興期、どうしてもイメージが暗くなってしまう。そこで白セメントが使用され出したが、白も味気ないということで、左官さんが現場で色粉を混ぜて使用した。しかし、これも色ムラが出たりする。そこでメーカーが昭和25年頃から外装塗料の製造を始め、肉厚の厚い塗料でコーティングするようになった。現在外壁は、サイディングボードなどが多くなってきているが、吹き付けの改修工事の需要も多い。当社は創業時から環境問題に関心を払っており、溶剤系は一切使わず、水しか使ってこなかった。最近はシンナーが問題視され、水系が重用されてきた。また品質も溶剤系を上回るところまできている。

2 アスベストの問題について (市場開発部長 長江善彦様より)

 アスベストを吸い続けると、肺がんや中皮腫に罹患する危険性が高くなるとされ、アスベストが原因で亡くなられた方は昨年7月までで849名にのぼる。アスベストを含む建材としては、石綿・岩綿・石綿布・配管部の保温材など13種に及ぶ。日本では、昭和55年までは、5%未満のアスベスト含有のものは使っていいとされ、昭和64年までは1%未満のものは許可されてきた。しかし現在は、1%未満ならいいのかという議論がされている。横浜市の教育委員会は、全520校に対して緊急調査を行い、1%未満のものを含めてすべて取り除く工事を行なうこととしている。

 厚労省はアスベスト含有製品を08年までに全面禁止としているが、1年ほど前倒しで実施される予定。アスベスト6種のうち3種が建材に使用されており、95年にアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)を使用禁止、クリソタイル(白石綿)は昨年10月から原則禁止された。青>茶>白の順で中皮腫が発症しやすいといわれる。

 吹き付けロックウールは、見た目ではアスベストと区別がつかない。その種類として、(1)耐火被膜用=吹きつけロックウールにアスベストを混ぜて使用された。期間は昭和43〜55年頃まで。 (2)騒音断熱用=耐火用と同様に使用され、期間は昭和46〜55年頃まで。アスベストとロックウールの違いは、アスベストが0.01〜0.1μと細かく、肺まで達し、がん等の原因となるのに対し、ロックウールは3〜5μと太く、先はとがっていない。

 アスベスト環境濃度は、規則基準として10本/L以下と規定されている。新宿街中での測定結果は、昭和60年(アスベスト問題顕在化時期)0.85本/Lであったが、平成12年(アスベスト処理が大方完了した時期)の測定では0.22本/Lに低減されている。また環境が良いとされる多摩市の測定(平成12年)では、0.21本/Lとなっており新宿と大きな差は無い。地球上どこでもアスベストは浮遊しており、この部屋でも0.2本/Lくらいのアスベストはある。

  アスベストによる労災認定者は、186人(04年度)で前年比1.5倍。しかしまだこれは少ない。潜伏期間が30年、40年といわれ、定年退職された方も多い。労災認定者は増え続けるものと思われる。アメリカでは、アスベスト訴訟が多く行なわれている。対策が急がれるのは飛散性アスベストである。

<安全対策工事>

  • アスシール除去工法:根本的に建物から石綿の影響を排除し、無害な仕上材で機能を回復する方法。その工事は、全面マスクで保護(宇宙)服を着用、ビニールで覆い負圧にする(法定で養生の仕方が決められている)。薬剤をかけて、手で落としていく。休憩時は、保護服を都度廃却する。廃棄の際は、岐阜の山中の土の中に埋める。運搬処理費が高くかかる。
  • アスシール固化工法:除去工法と同様、外部と遮断状態で、専用の処理剤により飛散性石綿の表面層を固めてしまう。コストは7割くらいで済むが、解体時にはコストがかかる。
  • アスシール囲い込み工法:露出しているアスベストを吊り天井などで覆い隠す。もし天井に隙間が出来たときには、やり直しが必要となるなど普段の管理が難しい。

     愛知県、国交省などは、除去工法をメインに進めており、当社を含めた108社が加盟した「全国アスシール会」では、同様の工法で除去工事を行なっている。

    (実際の工事状況を撮影したビデオを視聴し、養生・保護具・機材等をはじめ工事のやり方など説明いただいた)

>>目次へ

18年4月度産業懇談会(木曜G)模様

 テーマ:『 『日置流雑感』〜食と健康を通じて〜 』

日 時: 4月6日(水)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 オリオンの間
参加者: 21名



スピーカー:
   日置 達郎 (ひおき たつお)
   株式会社札幌かに本家 代表取締役

 

 平生お聞きにならないような日置式雑学をお話したい。
 一体、地球の大きさはどれだけあるのか。太陽はどれくらいか。
地球は、学者が子午線の長さを4万kmと定めて、そこからm、cmを決めた。(注1)
1m真四角が1t。10cm真四角が1kgである。
 地球の面積は5億1千平方キロメートルで、その地球の陸地は3分の1もない。さて日本はどのくらいか。
日本は37万8千平方キロメートルなので、1万分の7.25。人口は世界の2%で、こういう小さい国が世界のGNPの14%を占めている。
 太陽は直径が地球の110倍、体積は130万倍ぐらいである。太陽の光の22億分の1しか地球には届いていないそうだ。地球で使っている1年間のエネルギーは、太陽のエネルギーの4時間分しかないという話もきく。
 さて、名古屋はというと、面積は326平方キロメートル、人口は221万人である。
 そもそも名古屋は1610年、名古屋城が築城され、福島正則が堀川を開削。そして、清洲越しによる清洲からの人々の移動にともなって発展してきた。藩主は義直で家康の9番目の子供である。お城から熱田神宮までの幹線として本町通りが出来、東西へさらに延びた。その小路が1660年の大火事に見舞われ、小路の幅を拡張して広小路となった。柳橋を南北に貫く通りは、江川通だが、昔、細い川があった。近代になって、港開発が行われ、工業地域としても発展した。
 戦後、当時の名古屋市長である佐藤正俊氏が内務省の技師であった田淵寿郎氏を招いて設計したのが100m道路である。その後、錦、桜通が出来る。現在の交通網からすると大変な先見性があった。

 さて、50歳になってから日本の海岸線を回って世界でも名だたる地図を作ったのは伊能忠敬だが、その彼に測量術を学んだ間宮林蔵は樺太が島であることを確認した。その間宮の名を残す間宮海峡では良い蟹が採れて店でも使っている。
 蟹は、冬と思っておられる方もいらっしゃるが、春から夏にかけてである。ただ、夏は漁場が樺太の北の方で、漁に4・5日、北海道の港まで3・4日。蟹は、船の中で水は浅く、音がするし、光もあたる。さらに餌も与えられず、ストレスが大きいので、身が細る。味噌も少なくなる。そして、秋からまた良くなってくる。
 店で扱うものとして、ほかにマグロがある。マグロは、本マグロ、インド(南)マグロ、メバチマグロ、キハダマグロ、ビンチョウマグロの5種がある。名古屋ではキハダがうけている。インドマグロは最近、オーストラリアで養殖していて、筋が少ないが、餌が均一でどうしても臭みがある。日本の南を鰯がやってくると、それを追いかけて鰹やマグロがくる。鹿児島や、太平洋あたりでは脂がのらず、段々北上して脂がのってくる。
 本マグロは、青森の大間あたりのものになると、大トロでキロ1万円になる。中トロでもキロ6千5百円ぐらい。材料はごまかせないので、当社でもこのぐらいのものを使う。商売の鉄則は、商品が良いかどうか。商品が良くて値段も手ごろなら繁盛する。
 以前、鰊御殿などといって、随分、鰊漁で儲けた人もいた。しかし、もともと鰊は昆布やワカメのような海草に産卵する魚だが、最近は鯨を捕らなくなったため、その鰊の産卵場に鯨がやってきて、鰊をがぶがぶと食べて日本には鰊がいなくなってしまった。さらに海鳥が、1日に2億匹にものぼる鰯を食べてしまうので、その鰯もいなくなってきた。
 動物の保護も大事だが、食料を考えるといかがなものかとも思う。
 マグロや鰯のような青魚にはDHAといわれるドコサヘキサエン酸や、EPAといわれるエイコサペンタエン酸が多く含まれていて、これらはコレステロールを下げ、循環器の働きに良い。
 ビタミンやミネラルがないと体調を崩す。いろいろ吸収することが大事だ。
 タバコは、一日一箱だけでも生涯で600万円ぐらいを燃やす勘定になる。障子を汚すし、じゅうたんを黒焦げにする。このタバコを吸うと思えば、サプリメントも安いものである。
 薬は何時間ももたない。せいぜい7時間くらいの話である。したがって、朝も昼も、夜も肉も野菜も、魚もそれぞれ少しずつ食べることが大事だと思う。サプリメントはその補完。
 野菜は、一晩水につけてから使うようにすると、農薬の影響も少なくなるので良い。
 次回は、蟹を食べていただきながら、元気で長生きのできる方法をお話したいと思う。

注1.18世紀末、フランス国民議会で、パリを通る子午線の北極から赤道までの距離の1千万分の1を1mとする案が決められたとされている。その後、国際的な調整が図られ、1875年にメートル法国際条約が締結。日本では尺貫法からメートル法に統一されたのは1959年のことである。(事務局)

>>目次へ

18年4月度産業懇談会(火曜G)模様

 テーマ:『 エネルギーと環境 』

日 時: 4月11日(水)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 18名



スピーカー:
   山本 豊 (やまもと ゆたか)
   株式会社テクノ中部 取締役社長

 

 テクノ中部は、主として火力関係の燃料設備の運転保守、燃料の輸送荷役、原子力関係で放射線の管理、廃棄物の取り扱い、環境アセスメント・調査をはじめとした環境コンサルティング、環境物質の測定を行っている。
 本日は、私が中部電力で長く火力関係の建設と運営に携わってきた経験を踏まえ、日本のエネルギー事情、電気事業の環境への取り組み、新エネルギー、テクノ中部の取り組みをご紹介したい。 

  さて、主要国のエネルギー消費であるが、日本は世界で4番目に高い国だ。石油の依存度が5割ある。一次エネルギーに占める電力の割合は4割。電力への依存は年々高まっている。原子力を除いては96%のエネルギーを海外から輸入している。フランスは殆ど資源をもたないが、原子力発電を積極的にすすめて、輸入依存度は49%に留まっている。中国は、かつてはエネルギーの輸出国だったが、最近はエネルギー・油の利権獲得に躍起だ。
 日本のGDPあたりのエネルギー消費量は、主要国の中で最も低い。エネルギーを効率よく使っている。日本は石油危機で、エネルギー政策は安定供給の確保が第一となった。そして、石油に頼らないエネルギーの多様化を目指してきた。最近は、環境保全への取り組み、さらに効率化を目指して規制緩和・自由化が進められてきている。
 電力は、経済成長に伴って、今後も伸び続けると予想される。発電方式は水力から石油、石油危機以降は原子力、石炭、LNGが増加してきている。
 一番最初の環境問題は、二酸化硫黄SOxの問題である。昭和30年代後半に四日市の公害が出て、同42年公害対策基本法、同43年大気汚染防止法が制定され、硫黄酸化物の規制が進んだ。同49年に総量規制が実施された。これに対応するため、火力発電では、排煙脱硫装置を設置し、同45年頃にLNGを導入、同50年頃には油の低硫黄化が進んだ。
 こうした取り組みによって、発電電力あたりのSOxとNOxの排出量は、他の先進国に比べて非常に低い。中国は、2004年のNOxの排出量が日本の27.7倍。SOxは68.7倍であり、日本の技術協力でなんとか中国での排出量を削減したい。
 私がかつて携わった碧南発電所は、石炭火力発電所として世界第二位の規模だが、世界トップレベルのクリーンな発電所で、施設の面積規模として、環境対策設備の方が大きい。また、発電所の建設コストは9,600億円だが、その内20%以上が緑化も含めた環境対策設備費である。脱硫装置では、排ガスに石灰石を混ぜたものを入れ、硫黄を取ってクリーン化し、副産物を石膏の形でとって利用している。脱硝装置は、アンモニアを注入して触媒を通ることで、窒素と水に分解してクリーンにしている。

  次にCO2の取り組みだが、総量としてのCO2排出量は20年前の1.2倍。米国、中国、ロシア、日本、インドの順。米国は京都議定書を批准していないし、中国、インドは対象外。今後の大きな課題だ。京都議定書において、日本は1990年レベルに対して△6%にしなくてはいけないが、2002年にはすでに8%増となっている。私見だが、京都議定書は、もともと省エネが最も進んでいた日本にとって、大変厳しい取り決めだったと思う。他国への投資した分を日本の削減分としてもらうCDM(クリーン開発メカニズム)を利用しないと不可能な目標だ。英・独はほとんど目標を達成したが、それは効率の悪い石炭火力があって、LNGの導入で容易に達成したものだ。米国は経済成長を阻害せず、数値目標を達成するのは到底不可能であり、結果として離脱している。

 中部電力の地球温暖化対策としては、使用電力量あたりのCO2排出量を2010年に1990年の20%削減する目標を定めて、原子力発電の推進、火力発電所の熱効率向上、送配電損失率の低減、新エネルギー導入などに取り組んでいる。また、電力の効率利用を支援し、お客様に省エネをPR。新エネルギーからの電力購入もしている。
 CO2の排出量は電力使用量のわりには増えていない。これは原子力発電によるところが大きい。日本の火力発電の熱効率は世界のトップレベルで、電源別のCO2排出量は石炭火力を100とすると石油が70。LNGが50〜60。太陽光、風力、原子力は運転に伴う排出量はない。発電コストでは石炭5.7円/kwhで、原子力は同じぐらい、LGNはやや高い程度だ。しかし、太陽光、風力はその数倍以上かかる。結局バランスの良い組み合わせが必要。

 新エネルギーは、技術的に実用化段階に達しつつあるが、経済的な面で制約があって十分に普及していないものである。石油代替エネルギーの促進等に特に寄与するものとして、自然エネルギーの太陽光、風力、およびリサイクルエネルギーとして廃棄物などがある。再生可能エネルギーとしてバイオマスがある。メリットとして、太陽光、風力は、枯渇する心配がない。発電時にCO2を排出しないなどがあげられる一方で、エネルギー密度が低く、不安定性、設備に関わるコストが高くなるなどの経済性に問題がある。廃棄物発電はダイオキシンの排出対策等の問題がある。最近話題の燃料電池にはSOx、NOxの問題はないが、耐久性と経済性に問題がある。原子力を止めて新エネルギーで対応すべきという話があるが、100万kwをつくろうとすると、たとえば風力では名古屋の面積の75%が必要であり、その稼働率は20%程度。したがって原子力や火力には到底敵わない。あくまでも補完的なエネルギーと考えるべきだ。
 2004年度の風力発電の導入実績は92.6万kwで924基が稼動。世界的には、欧米での導入の実績が高い。ただ、ドイツのようなところでは、地形として平地で、風が一定の方向から吹くので、導入しやすいということがある。日本では、風の良い場所は国立公園が圧倒的に多く、景観の問題等があって、ここに導入するのは難しい。沿岸では漁業権、日本海側では冬の高浪など、建設費が高くなるなど普及への支障がある。
 バイオマスエネルギーは生物が作り出す、有機物を使う再生可能なエネルギーで、例えば間伐材をガス化して発電、食品の廃棄物をメタン発酵させて燃料電池で発電するものがある。しかし、間伐材や廃棄物を発電する場所へ運搬するのに多額の費用がかかる。経済性の確保というのが、大きな課題である。ただ、発電だけではなく熱を利用するなど、もう少し、大きな観点からの利用法を考える必要がある。
 燃料電池は、大きくわけて作動温度が80℃〜200℃という低温型のものと650℃〜1000℃までの高温型のものがある。高温型のものに溶融炭酸塩形(MCFC)と、電解質にセラミックを使った固体酸化物形がある。一方、低温型は自動車や家庭用で話題になっている固体高分子形とリン酸形の二つがある。万博では、MCFCという燃料電池を使い、一日4.8tの生ゴミから発電、排熱は空調に利用した。家庭用は、実用化のために耐久性が問題だ。当面の目標として、4万時間が必要だが、現在は1.3万時間の実績となっている。さらにコストは10分の1になる必要がある。自動車は、家庭用よりも厳しく、現状のコストの100分の1以下にする必要がある。燃料電池は、コストの問題が大きいが、電極を安いものにするというような技術的なブレークスルーが望まれる。
 エコキュートは電気の力で、空気から熱をくみ上げ、使用する電気エネルギーの3倍以上のエネルギーを取り出すもので省エネ機器である。これを使ったオール電化の家庭も増えている。
 次に大きいのは、環境問題としての廃棄物の問題。テクノ中部が直接に関わっている。中部電力では廃棄物のリサイクルを89%しているが、廃棄物の圧倒的なウェイトは 石炭灰である。
この石炭灰には目の細かいフライアッシュと粒子の粗い多孔質のクリンカアッシュがある。フライアッシュについてはセメントと混ぜてダムに使われるフライアッシュセメントとなる。新しく開発したものとして人工ゼオライトのシーキュラス(商品名)は多孔質を利用して、ガスの吸着や土壌改良に使うようにした。クリンカアッシュはランドプラスやランドプラスZの商品名で農業用等の土壌改良剤として利用いただいている。
 当社は藻場造成事業も行っている。藻場は産卵場、稚魚を育てる機能、水質浄化機能等重要だが、これが消失しつつある。中部国際空港の沿岸壁にこの技術を役立てた。
 鳥類調査も実施し、従来、人の観測だけでやっていたものを機器を使って取組んでいる。これは中部国際空港の環境アセスメントにも利用していただいている。
 さらにビオトープの設計もしている。碧南火力発電所のところでも使っていただいた。
 皆さんには、見学施設もあるので、是非一度お出かけいただきたい。

>>目次へ

【新会員自己紹介】

杉山 和久(すぎやま かずひさ)

杉山工業株式会社 取締役社長

【杉山工業株式会社】
〒448-0855 愛知県刈谷市大正町1−715
TEL:TEL:0566-21-5257 FAX:0566-23-4673
URL:http://www.sugiyama-group.co.jp

 杉山工業の杉山でございます。この度、産業懇談会木曜グループに参加させて頂くことになりました。

 杉山工業は、大正10年に創立致しました。トヨタ自動車様、豊田自動織機様、三菱重工業様はじめ業界のトップ企業とのお取引を頂き、今日に至っております。主要な製品は、ダイカスト及び各種鋳造用金型・カーエアコン用コンプレッサの部品・航空機用部品です。

 「人が主役の技術者集団」が当社の目指す姿です。社員1人1人が主役となってお客様に真に喜んで頂ける製品やサービスをご提供できる様なモノづくりや人づくりに取組んでおります。
  会員の皆様の御指導御鞭撻を宜しくお願い致します。

梛野 泰男(なぎの やすお)

丸美産業株式会社 取締役マンション第二事業本部長

【丸美産業株式会社】
〒467-8533 愛知県名古屋市瑞穂区瑞穂通3丁目21番地
TEL:052-851-3511 FAX:052-853-4419
URL:http://www.marumi.com/

 丸美産業の梛野泰男でございます。この度産業懇親会火曜グループに参加させていただくことになりました。前任の当社会長兼社長の嶺木昌行同様よろしくお願いいたします。
 さて、当社はマンション販売50%・住宅資材販売30%・戸建住宅販売20%の売上比率の地場企業です(売上の90%以上が愛知・三重・岐阜のお客様です)。海外とは輸入木材を扱う関係から15年前にはカナダ・バンクーバー、10年前には中国・大連、一昨年にはタイのバンコクに現地法人並びに駐在員事務所の開設をいたしております。
 今後は、数年前に開設した東京事業所の育成と海外での拠点の活用が大きなステップ・アップの課題となっております。
 私自身このような全産業の横断的な会に入会するのは初めてであり、是非見聞を広めさせていただきたいと思います。多くの異業種の方々とお知り合いになれることを誇りに思います。ご指導・ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

二宮 敏夫(にのみや としお)

日本カーソリューションズ株式会社 名古屋支店 支店長

【日本カーソリューションズ株式会社 名古屋支店】
〒460-0008 名古屋市中区栄5-27-14 朝日生命名古屋栄ビル
TEL:052-242-4190 FAX:052-242-5362
URL:http://www.ncsol.co.jp/

 日本カーソリューションズ名古屋支店の二宮でございます。
 この度、産業懇談会水曜第2グループに参加させていただくことになりました。よろしく願い申し上げます。
 私は岡山の出身ですが、名古屋で入社して以来、東京・岐阜・三重と転勤を繰り返して参りましたが、名古屋に住みついて約20年になります。名古屋弁はまだまだですが、食生活には随分と慣れて参りました。
 弊社は昨年10月にNTTグループの「エヌ・ティ・ティ・オートリース」と伊藤忠グループの「センチュリー・オート・リース」がともに手を携え、「日本カーソリューションズ(NCS)」として再出発いたしました。
「各種自動車のリース業務及びメンテナンス受託業務」「損害保険代理業」が主な事業内容です。
  特に、個人向けのマイカーのリースは業界のトップであり、皆様方に是非お勧めいたします。また全体の管理台数も17万台を超え、業界の上位グループに位置づけられることになりました。今後は、両社が豊富な経験とノウハウを持つ、ビジネステレマティクスなど情報通信分野、及びビジネスのコラボレートを進める金融・商社分野のそれぞれの強みを一本化させ、お客さまのさまざまなニーズに対応した゛ソリューション゛をご提案して参りたいと思っております。
  この産業懇談会で多くの方々とお知り合いになれることを楽しみにしております。皆様の温かいご指導・ご鞭撻をよろしくお願いいたします。

四元 圭(よつもと けい)

有限会社トリニティBC 代表取締役

【有限会社トリニティBC】
〒465-0011 愛知県名古屋市名東区山の手1-305
TEL:052-777-3844 FAX:052-776-1790

 有限会社トリニティBCの四元(よつもと)でございます。この度、産業懇談会火曜グループに参加させていただくことになりました。おそらく会員の中でも、最も若輩だろうと思いますが、よろしくお願いいたします。
 コンサルスタイルの独自性も味方し、現在では、金融機関様のご紹介をもとに、名古屋、大阪で経営コンサルティングを提供させていただいております。
 「企業」という漠然とした組織に言及すると、経営課題の論点がぼやけてしまいますが、企業とは「所属する人の集合体」だと考え、一人ひとりの人生をいかに価値のあるものにするのか、そして企業との"WIN & WIN"関係をいかに構築するのかが、弊社の社会的使命です。
 私自身も、経営者としてまだまだ駆け出しです。産業懇談会の中で、先輩経営者から刺激を受け、より一層精進して参りたいと思います。どうぞ、よろしくお願いいたします。

>>目次へ

【5月度産業懇談会開催日程】
【5月度産業懇談会】 (5月10、11日以外、場所は名古屋観光ホテルです)
グループ名 世話人 開催日時 テーマ・スピーカー 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄

5月9日(火)
12:00〜14:00

(株)多湖不動産コンサルタント
代表取締役 多湖 利信氏
「最近の不動産事情と資産活用について」
18階
伊吹の間
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇

5月17日(水)
12:00〜14:00

東海旅客鉄道(株)
執行役員 小野 高史氏
「独立行政法人
     国立病院機構の話」(仮題)
18階
伊吹の間
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景

5月10日(水)
11:00〜15:40

(株)ポッカコーポレーション
企業視察ならびに名古屋工場見学
※ご参加の方には後日、詳細案内をお送りします。

ポッカ コーポレーション
名古屋工場
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

5月11日(木)
18:00〜20:30

(株)札幌かに本家
 代表取締役 日置 達郎氏
「『日置流雑感』〜食と健康を通じて〜」

札幌
かに本家
金山店

>>目次へ

【お知らせ】
 

産業懇談会メールマガジン配信について

メールマガジンの配信は無料です。配信をご希望でない方はお手数でも下記ボタンを押して、メールをご返信いただければ幸いです。ご意見などございましたら、そのメールにお書き下さい。


   メールマガジンの配信を ○希望しない


【コラム】



〔花ちゃんからの健康だより〕 No.25

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

発達・成長の話

     4月の花  蓮華草(れんげそう)  
 平成18年度がはじまりました。4月は新入社員を迎えられた会社が多かったことと思います。ところで今年度の良い人材探しには多くの会社において時間がかかったと聞きます。大事な新入社員のこれからの成長が楽しみですね。
 成長といえば、その言葉は子供や若い人にしかあまり使われなかったのですが、最近ではライフキャリア発達の観点から中高年にも使用します。人は一律に老いるのではありません。むしろ『人は生きている限り、死ぬその日まで発達・進歩し続ける存在である』というのです。そして、『キャリアは青年期に決まるものではない。生涯を通じて変化し発達するものである』と。ちょっと嬉しくなりませんか?歳をとってもまだ有能さを一層のばしていけるのです。歳とともに衰える知性を流動性の知能といい、経験の中から生み出された知恵などは脳の中で結晶として残り、失われない結晶性の知能なのだそうです。(これはすばらしい!)
 最近、脳の若さを保つためのゲームやテレビ番組や本が増えていますね。トライされましたか?先回お伝えした「育自(育児ではない)」に終わりはなく一生涯続くのです。特に若い人は、自分の付加価値や強みを作るための時間を確保しましょう。そして年配の方も育自の時間を大切にすれば、歳とともにさらに輝きを増すに違いありません。
 日本は、定年延長や再雇用制度の推進で、高齢者の就労期間を長くして労働人口を確保していこうとしています。(アメリカでは年齢での定年はなく能力で決めるとか。)ステキに歳を重ねて内面的な成長を続け、頼りにされる存在感をいつまでも維持しましょう。
【メモ帳】

 中国が原産のマメ科の花。名前の由来は全体の花の感じが蓮の花に似ていることから。昔はよく休耕時期の水田一面に蓮華草を育てました。それは蓮華草の根にはバクテリアがいて、耕し土に混ぜると、稲の良い肥料になるからです。千葉県の大多喜町では4月29日より「第21回大多喜世界レンゲまつり」が開催され、広いレンゲ畑での結婚式の企画もあり、若い方に人気!

>>目次へ



株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:bP3』
【目的を持てば成長する】

 企業の目的とはいったいなんでしょうか?「金を稼ぐこと」でしょうか?「物を作る」ことでしょうか?「人を育てること」でしょうか?なにが正しい目的か?どういう目的を持つことが重要か?様々な考え方があるでしょう。しかし、その様々な目的の基となる目的があるはずです。企業経営における真の目的は、様々な目的の目的であるということです。そして、目的を持てば成長へと繋がりますが、真の目的(目的の目的)を持てば、より質の良い成長へと繋がるのです。では、企業における目的の目的とはなんでしょうか?答えは理念です。しかし、理念という概念的目的では、日々の具体的行動はしづらいものです。そこで企業経営にはビジョンというものが必要なのです。ビジョンとは夢であり、将来の目的であり、方向性です。夢=将来の目的を持つことで、「なにを、どのように、どういう方向に向かって行うべきか」が分かって来ます。
 つまり、理念=「なんのために」に基き、ビジョン=「なにを、どのように、どういう方向に向かって行うべきか」明確になってくるのです。企業は人の集まりです。夢や方向性を持つことで、人は成長します。人が成長することで企業は成長します。

・・・・<事例研究> 教育シリーズ−5「ある小学生」・・・・

 ある小学校に、勉強嫌いな小学生の女の子がいました。その小学生にはクラスで成績トップの友達がいました。その友達の家に遊びに行っていた時、その友達に不幸が訪れました。その友達の家で飼っていた犬が病死したのです。その光景を目の当たりにした小学生は、心の中から湧き出してくる感情から、突然「私は将来獣医になって動物を救いたい」そう思ったのです。その後その小学生は人間が変わったように、毎日毎日長時間勉強し、そして私立中学受験に成功し、その後中学・高校共トップの成績で卒業し、見事国立大学の獣医科に合格しました。入学後の彼女の言葉は「正直に言って、国立大学に入学することに大きな価値は感じないけど、これで動物の役に立てれば嬉しい」と。

 最近、日本人学生達の学力が落ちてきているそうです。その理由は様々でしょうが、私が思う理由の一つに「目的意識の問題」があると思います。勉強をする目的を見失っているのか?自らの目的を持つことが出来ていないため、勉強のための勉強になってしまっているのではないでしょうか?勉強はあくまでも手段です。勉強が目的ではいけません。この小学生のように、将来の目的に出会えたことで、勉強に対する考え方や姿勢が変わったように、人は目的を持つことで変化出来るものだと思います。企業組織においても同じことが言えるのではないでしょうか?そして、その目的が夢であれば、人は生きがいを感じて日々を生きていけるものです。
●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

>>目次へ


〔苗字アラカルト〕 No 47

片桐清志

『入と出』

 4月は入学式や入社式のシーズンだ。やたらと「入」が目に付く。前回に続いて今回は「入」と「出」にまつわる苗字を探ってみた。
 種類の多さでは「入」で始まる苗字が107種に対して「出」で始まる苗字が159種と「出」に軍配が上がる。意外に思えるが「出」はもともと進み出る意味の字であり、元気がある字のため好んで使われたのだろう。
 どちらも一字姓がある。「入」はイリのほかにカエルダという読みがある。「出」はイズ・イデ・イズシ・イズルと読むようだ。両者で対になった苗字も多い。「入口(イリグチ)」と「出口(デグチ・イデグチ)」、「入水(イリミズ)」と「出水(デミズ・イズミ他)」、「入星(イリホシ)」と「出星(デホシ)」、「入月(イリズキ)」と「出月(デズキ・イデズキ)」、「入村(イリムラ・ニュウソン)」と「出村(デムラ・イデムラ)」、「入町(イリマチ)」と「出町(デマチ・イデマチ)」などだ。
 「入」姓でユニークな姓では、「入場(ニュウジョウ・イリバ)」「入学(ニュウガク)」「入門(イリカド・残念ながらニュウモンは見当たらない)」「入国(イリクニ)」「入舟(イリフネ)」などが見つかる。
 「出」姓では出と入が一緒になった「出入(デイリ)」や「出世(シュッセ・イズセ)」「出先(デサキ)」「出合(デアイ)」「出来(デキ・イデキ)」「出納(スイトウ・デノウ他)」「出店(デミセ)」「出目(デメ・イデメ他)」などがある。
 「出張(デハリ・デバリ)「出家(デイエ・デイケ)」「出馬(イズマ)」などはズバリの読み方は見つからなかったが、それでも出会うとびっくりしそうだ。

>>目次へ


【平成18年4月号編集後記】

 同友会の全国大会が今年は広島で開催された。1000名を超える参加者が「ヒューマン・ルネッサンス〜経済人に、今、求められるもの〜」のテーマで4月13、14日の二日間、4分科会に分かれて熱心に討議した。中部同友会からもパネラーの岩崎代表幹事をはじめ、36名が参加し昨年の名古屋以来の再会で旧交を温めた。お世話いただいた広島同友会も今年50周年を迎える。会員数も750名で当会と肩を並べる元気のよさだ。桜も盛りを過ぎ、お天気もあいにくではあったが温かいおもてなしに感謝したい。
  50周年といえば会員各位の許にも当会の記念誌が届いたと思う。半世紀の歩みが寄稿や写真や一覧表など貴重な資料で紹介されている本格的なものだ。万博・空港・同友会全国大会など普段以上に多忙な中で編集を担当した事務局の熱意に頭ガ下がる。ページ数の制約にも拘わらず産業懇談会の活動状況も世話人座談会の形でご紹介いただいた。関係者のご配慮と努力に改めて感謝したい。
 メモリアルという意味では昨年は戦後60年の節目だった。各地でいろんな行事が行われたが戦後60周年記念映画「男たちの大和・YAMATO」を見た会員も多いと思う。広島訪問の機会を利用して「大和」誕生の地、呉に足を延ばした。大和が沈んだ1945年4月から60年目の昨年4月にオープンした「大和ミュージアム」の見学が目的だ。正式名称は「呉市海事歴史科学館」という本格的ミュージアムだ。呉が明治政府の下で軍港として発展する過程や大和を造り出した産業基盤を当時の記念品や写真・映像・産業遺産と共に分かりやすく、奥行きのある展示で紹介している。当時のハイテクを支えた地域の力と現場力を生み出した技術者の育成の仕組みなどが印象的だった。広島駅で求めた駅弁「もぐり寿司弁当」の味と共に忘れがたい春の安芸路の旅となった。
 今月の産懇宅配便は例会模様と新会員紹介などで満載となった。渡部さんの「峠の話」は今では産業遺産ものの碓氷峠をめぐる鉄道関係者の奮闘記を伝えている。榊原さんには仕事柄目の当たりにしてきた、企業が直面する様々なトラブルの現場をご紹介いただいた。まさかのときのために日ごろの備えが「転ばぬ先の杖」として大切なことをご教授いただいた。水谷さんからは今話題のアスベスト問題を専門的見地から多面的に解説していただいた。日置さんには食べ物と健康の関係を幅広い視野からお話いただいた。山本さんには電力供給事業と環境問題への取組みを幅広くご紹介いただいた。いずれのスピーチも産懇ならではの貴重な内容だ。ご多忙な中、プレゼン用資料の準備等お骨折りいただいた各氏にあらためて感謝したい。

(片桐)