第42号 2005.11.25発行



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平成17年11月度(第42号) 目次
【17年11月度産業懇談会(水曜1G)模様】 11月16日(水) 12時30分〜14時00分
【17年11月度産業懇談会(水曜2G)模様】 11月 9日(水) 12時30分〜14時00分
【17年11月度産業懇談会(木曜G)模様】 11月10日(木) 12時30分〜14時00分
【新会員自己紹介】
横山 博司 氏 株式会社安部工業所 執行役員中部支店長
【12,1月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】
コラム1  『花ちゃんからの健康だより』
コラム2  『プログレスシリーズ』
コラム3
『苗字随想』

17年11月度産業懇談会(水曜1G)模様

 テーマ:『塩ビ性善説 〜塩化ビニル樹脂と環境について〜』

日 時: 11月16日(水)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 オリオンの間
参加者: 16名


スピーカー:
    伊藤 誠一(いとう せいいち)
    名古屋樹脂工業株式会社 取締役社長

 

1 塩ビ樹脂とは

 塩ビ樹脂の用途とは、家の中では、壁紙・化粧板ドア・ソファー・テーブルクロス・スリッパ、窓枠など。その他に身の回りにも、バッグや財布・ウイッグ・手帳・カード・ラップフィルム・空気入りおもちゃ・各種包装材など。 生活を支える塩ビ製品として、雨どい・外装サイディング・ガーデンホース・ブーツ・水道管・各種パイプなど。その他にも、命を守るためにいろいろな場面でも活用されている。薬品の包装材、血液・輸液バッグ・医療用チューブ・目の不自由な方のための誘導タイルなど。
 塩ビ樹脂の生産は、石油化学コンビナートにて行われ、原油〜ナフサ〜エチレン、塩素が加わり二塩化エチレン〜塩ビモノマー〜塩ビ樹脂として完成する。全プラスチックの生産量の中で塩ビは16%。用途別では土木・建築用が57%を占め、最も多い。生産量は1997年がピークで現在は210万トンレベル。塩ビ樹脂の特徴は、化学的安定性(耐久性、難燃性、耐油耐薬品)と他物質との混和性(可塑剤の配合により、硬くしたり柔らかくしたりすることができる)。

2 塩ビ樹脂・製品に関する環境問題と現状

燃焼時における問題
  • ダイオキシン発生問題:塩素化合物を含む雰囲気中で物が燃焼した場合、ほとんどが不完全燃焼であるためどのような物質からでも非意図的にダイオキシンは生成される。自然界の火山、山火事などからもダイオキシンは発生する。1960年から70年代にかけて大量発生していたダイオキシンは、ほとんど農薬に由来する。農薬が規制され1980年以降は激減している。焼却炉での発生に関して、高温で焼却すればダイオキシンの発生は抑えられることはわかっていたようだが、欧米に比べ焼却炉の数がケタ違いに多い日本では、なかなか手が打てなかった。1997年より既存法のもとでダイオキシンの排出規制を実施、1999年に「ダイオキシン類対策特別措置法」が制定され、焼却炉の技術基準が定められた。この結果、対策前と比較すると3%程度まで激減している。
  • 塩化水素ガス発生問題:焼却時の条件をコントロールされれば問題ないため、焼却炉の規制に基づき対処され、塩化水素ガス発生は激減している。
添加剤の安全性問題
  • 主に可塑剤フタル酸エステルDEHPの安全性について、@急性毒性・皮膚刺激性は極めて低い、Aヒトに対する発がん性はない、IARC(WTOの下部機関)の評価ではDEHPもランク3の「発がん性には分類できない」とされている(お茶、塩素殺菌の水道水と同ランク)。B環境ホルモン性(内分泌かく乱作用)はない、Cシックハウスとの関連性は考えにくい、D霊長類での生殖・精巣毒性は考えにくい、とされている。環境ホルモンに関する研究が始まったという報道が、その対象とされた物質をすべて使うなというように誤解されて流布され、危険なものだというイメージが先行してしまっている。

3 地球環境保全への塩ビの有用性

  • 製造における地球温暖化防止、省エネルギー:他のプラスチックに比べて製造の消費エネルギーが30%以上少なくてすむ。その分、生産に伴うCO2発生が抑えられ地球温暖化防止にも貢献している。
  • 石油資源節約:塩ビは原料の4割をエチレンとしており、100%石油資源依存の他のプラスチックより石油資源を節約する材料である。
  • 長寿命素材の提供:腐らない、さびないという特徴から15年以上の寿命が珍しくない塩ビは、これ自体が省資源型である。
  • 高リサイクル率:2003年の使用済み塩ビ114万トンのうち約23%がマテリアルリサイクル(同じ用途に戻す)され、全プラスチックのマテリアルリサイクル15%に比べ進んでいる。その他、リサイクル方法としてケミカルリサイクル(高炉原料化、ガス化など形を変える)や、塩ビのリサイクルとしては有用な方法であるサーマルリサイクル(廃棄物を燃やしてそのエネルギーを電気エネルギーに変える)などが行われている。ただリサイクルすればいいというものではなく、LCA(製品の製造から廃棄までの,環境への影響を総合的に評価する方法)で評価することが重要である。生分解性樹脂はそのまま捨てられるが、製造には多くのエネルギーを使うなどの難点もある。塩ビは、環境負荷を与えずにリサイクルするにはうってつけの材料だという認識を持っていただきたい。
     ドイツは窓枠をはじめ、日本の倍くらいプラスチックを使用している。 その要因には学ぶべき点が多いと思っている。 まだ塩ビにはよくないイメージが実際あるので、こうした安全性、リサイクル性などご理解いただければ幸いである。

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17年11月度産業懇談会(水曜2G)模様

 テーマ:『エヌ・ティ・ティ・データ東海のご紹介』

日 時: 11月9日(水)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 22名


スピーカー:
    平田 昇(ひらた のぼる)
    株式会社エヌ・ティ・ティ・データ東海 代表取締役社長

 

1 NTTデータの歴史

 1952年、日本電信電話公社が発足した。そして1967年に電信電話に次ぐ第3の組織として「データ通信本部」が設置されている。なぜデータ通信本部が作られたかというと、1960年代半ばに「オンラインシステム」が出現したことによる。電話回線の専用線を使って、多数の利用者が遠隔地からでもコンピューターが使えるようにしようという銀行が出てきた。1968年には地方銀行協会システム稼動、1970年運輸省自動車登録検査システムを稼動させた。その後、近畿、北海道、千葉、静岡、愛知と続けて地銀システムを立ち上げ、1973年には全国銀行システムを稼動させた。1970年代には、気象庁(アメダス)、大蔵省(官庁会計事務システム)などシステムを開始している。この当時は、データ通信設備サービスのみで、電話の制度に従い、料金をいただくしくみであった。また電話回線につながる部分のみソフトウェアの仕事ができ、バッチ処理に関しては、民業圧迫ということで不可であった。

2 NTTデータ通信株式会社

 1985年NTTの民営化が行われ、その3年後、「NTTデータ通信株式会社」が発足した。その発足の条件は、情報通信サービス市場での公正な競争を阻害しないよう、@NTTからの出資比率を下げる、ANTTからの人材は転籍とする、BNTTの回線提供は他の企業と公平に扱う、CNTTとの取引きは、第三者と同等の条件で行う、こととされた。
  多くのシステムを立ち上げてきたが、主なものとして1988年道路管理システム、1990年特許庁ペーパーレスシステム、1991年通関情報総合判定システムなど。また1993年にはこの業界ではめずらしいデミング賞実施賞を受賞し、1995年には東証二部上場、翌1996年には東証一部に上場している。

3 株式会社NTTデータ

1998年、社名を「株式会社NTTデータ」に変更した。その後の主な変遷として、2000年日立と日本インターネットデータセンターを設立、2001年インターネットを利用したデビット決済「インターデビット」サービスを開始、2002年には日本たばこのシステム子会社を買収し、ITパートナー戦略をスタートさせた。2003年三洋電機とNTTデータ三洋システム、日本板硝子とビジネスブレインズ等を設立、東京ガスにIP電話を導入した。2004年りそなグループにアウトソーシングサービスを提供開始、戦略子会社のNTTデータシステムデザインを設立、2005年には中国大手ソフトベンダー用友と合弁会社を設立した。
 NTTデータの収益構造として、データ通信サービスでは多くの資産をNTTデータが保有し、開発から運用・保全まで提供するもので、お客様からは利用料金をいただき大きな資金負担は生じさせない仕組みになっている。またシステム開発サービスは、個々の企業向けのシステム構築、パッケージソフトウェアの販売など。

4 株式会社NTTデータ東海

 2003年7月に、NTTデータグループの構造改革の一環として、当地域にNTTデータの設計子会社として存在していた「NTTデータ東海テクシス」と販売子会社の「東海NTTデータ通信システムズ」を合併し、NTTデータ東海支社を廃止して、地域新会社「NTTデータ東海」を設立した。当会社は、中小ビジネスを中心に市場拡大を図るとともに、生産性向上、コスト削減を実現して行く。

5 NTTの民営化・再編

 NTTは、1985年の民営化後、1999年に再編され、持ち株会社制(東、西、COM)に移行している。この持ち株会社はグループ運営上、NTT法の規制の有無と業態により4つに分類された。第1類は、持ち株会社で規制を受ける会社(東日本電信電話、西日本電信電話)、第2類は、純粋民間会社であり「競争社会」(NTTCOM、NTTデータ、NTTドコモ)、第3類は、経営資源活用会社(NTTファシリティーズ、NTT-ME、NTTコムウェア等)、第4類は、新事業開拓会社(NTT都市開発、NTTリース等)。

6 東海のNTTグループ企業

 当地方には、まず西日本電信電話株式会社の支店が、名古屋・静岡・岐阜・三重にある。NTT西日本グループ地域会社として、NTTマーケティングアクト、ネオメイト、ビジネスアソシエがそれぞれ名古屋・静岡・岐阜・三重に会社を置く。その他にNTTアセットプランニング東海、NTTアプリエ名古屋支店、NTTコミュニケーションズ東海支店などがある。また移動体通信のNTTドコモ東海、金融のNTTリース東海支店、広告のNTTアド東海支店、はじめ教育ビジネスや物流、福利厚生を担当する会社もあり、トータルで40数社に及ぶ。
 民営化後、それぞれの会社がそれぞれの分野で、サービス向上に努めていますので、今後ともNTTグループをよろしくお願いします。

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17年11月度産業懇談会(木曜G)模様

 テーマ:『世界の中で最適の投資市場はどこか?』

日 時: 11月10日(木)12時30分〜14時00分
場 所: 名古屋観光ホテル 18階 伊吹の間
参加者: 17名

スピーカー:
   向  博(むかい ひろし)
   株式会社三豊ビル 取締役社長
   経済クラブ三豊会 会長
 

1 日本の現状

 小泉総理になってから、株価は2003年4月に最安値をつけ、そこから85%も上昇した。2005年7〜9月東証一部の株価は20%上昇し、平均出来高は20億株をはるかに超えた。弱気になってはいけない時代である。外国人投資家の持ち株比率が30%を超える企業が極めて多く、外国人投資家といえども安定株主の一部になってきている。対外関係では、日韓関係はこれ以上悪くならないだろうし、中国も輸出状況などから日本との関係を悪くしたくないはずである。経済が政治を超えていく。小泉総理の4年10ヶ月の実績は、借金の170兆円増、正社員の300万人強減少、貧富の差の実感、これらがマイナス点。しかし、株価、設備投資、雇用、企業収益、個人消費、これらを見ると、日本は再び蘇るチャンスを握ったと考えられる。

2 アメリカの状況

 アメリカは2001年にはITバブル崩壊により失速した。そこでグリンスパンは低金利政策をとり、家庭需要で下支えし、住宅需要を喚起した。狙い通り、不動産が50%も上昇し、家庭資産の含み益が増え、個人消費に繋がった。加えてアメリカを後押しするもの、それは消費者物価の上昇に見られるとおりアメリカ全体の旺盛な需要、そこへ更に世界全体の金余り、原油高、物価上昇傾向がある。2005年には平均 3.6%という成長率が見込まれている。7〜9月はハリケーンの被害があり、家賃収入の減少などはあるが、個人消費は3.9%、民間設備投資6.2%、住宅投資4.8%の成長が見込まれ、貿易赤字も減少している。世界銀行の米国成長の見通しも3.9%。FRBは昨年6月から今年11月までに12回も利上げしており、これはアメリカの実体経済が強い証拠。しかし、これだけ急に利上げするとドル高になる。円もユーロもドル買いに走る。すると世界のお金はアメリカ一国へ集まっていく。それが今のドル高、円安、ユーロ安である。

3 日本経済の見通し

 日本経済は極めて健全で、家計全体の伸びが期待できる。14年下がり続けた地価は上昇に転じ、雇用、正社員数、現金給与総額等すべてプラスになるだろう。日本の大企業は大金持ちで、キャッシュフローは84兆円もある。よって家計が潤い、デフレ脱却ができる年である。しかも更に後押しするものとして、地価がある。先進国の地価は、2ケタで伸びており、日本はこれからである。日銀発表の銀行貸し出しは1988年10月以来2005年8月、プラスに転じた。GDPは、今年が2.2%(1.3%から上方修正)、2006年が1.8%を見込み、先行きは息の長い成長となる。あと5ヶ月でバブル(51ヶ月)を越し、いざなぎ景気(57ヶ月)に迫っていく。  リスクとしては、来年2月のFRB議長を18年間務めたグリンスパンの交代と、来年9月の小泉首相の交代。今回の自民党の大勝には、バックに大きな企業の力があった。だから法人税にはさわらない。2007年3月までは企業の好業績は続き、株価は下がらないとみている。企業は不良債権処理をほぼ完了し、リストラも一巡した。工作機械の7月現在、6年2ヶ月という受注残をみれば、これからの設備投資も極めて順調だろう。工作機械に心配は無い、すなわち製造業全体に心配は無い。  1992年から2004年までの成長率の平均は1.14%、失われた14年。設備は古くなり、技術者もいなくなる。今は金があるから設備投資が続く。団塊の世代650万人の退職時期を迎えるが、好むと好まざるにかかわらず、定年を延長せざるを得ない。半分が再就職するだろう。直近の有効求人倍率は0.97倍、これは完全雇用状態。給与は下がらず、家計は安定する。設備投資、再雇用、家計の安定、これらにより消費は進むと考えられる。

4 世界の最適投資市場とは

 現在の原油高は、これまでのオイルショックとは違う。世界経済にとってプラスになっている。原油高になると、日本製品が売れる。日本はエネルギーロスが世界一少ない。省燃費カー、合理化が進みいい製品が生まれている。本物を作っている日本、対日投資が進むだろう。日経平均の株価は今年1〜9月の平均が11,725円、為替リスク、手数料、利益などで30%上乗せすると、15,242円、目先このあたりまでいくだろう。オイルマネーは最もリスクが少なく、出遅れている日本市場に入ってくるとみている。従って今後の見通しは明るい。なぜ対日投資が最適なのか。それは日本の法律、社会資本の整備が最高であり、不良債権処理、投資、融資、経済資本等に関して不足の無いのは日本だけである。金融センターは世界に比べ健全であり、IMFが日本の経済見通しを2.0に変更したのがよい証拠。日本は15年ぶりにデフレを脱却する。しかし宝の持ち腐れの企業が多い。企業価値を一層高めることが必要だと、ホリエモン、村上ファンド、楽天が教えてくれている。日本が再び蘇るチャンスが来ている。2011年まで、日本の陽はまた昇る。少なくとも来年中は明るい、これが結論である。

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【新会員自己紹介】

横山博司(よこやまひろし)

株式会社安部工業所 執行役員中部支店長

【株式会社安部工業所中部支店】

〒450-0002名古屋市中村区名駅3丁目25番9号堀内ビル9F
TEL:052-563-3851FAX:052-587-2303
URL:http://www.abe-kogyo.co.jp

 安部工業所中部支店の横山博司と申します。
 この度、産業懇談会 水曜第2グループに参加させていただくことになりました。宜しくお願いいたします。
 当社は岐阜に本社をおき、全国でプレストレストコンクリート構造物を主とする建設を行っております。プレストレストコンクリートとは鉄筋の10倍の強度をもつPC鋼材を用いてコンクリートを強くする技術であり、本技術を用いて社会資本整備に寄与する橋梁や水道用タンク等を建設しております。
 環境の変化の中において自主改革が求められている現状において、自己啓発しなければと強く感じております。 ご指導のほど宜しくお願い申し上げます。

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【12,1月度産業懇談会開催日程】
【12月度産業懇談会】
グループ名 世話人 開催日時 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄

12月6日(火)
18:30〜20:30

料亭 蔦茂 Tel.052−241−3666
名古屋市中区栄3−9−27
URL:http://www.tsutamo.com/
水曜第1グループ 飯田芳宏
落合 肇

12月21日(水)
18:00〜20:00

木曽路 栄店 Tel.052−264−1691
名古屋市中区栄3−7−9
URL:http://www.kisoji.co.jp/
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景

12月14日(水)
18:00〜20:00

兵ろく  Tel.052−971−9474
名古屋市中区錦3-21-18中央広小路ビルB1

URL:http://www.sakaemachi-shotengai.com/annai/hyoroku/top.html
木曜グループ 河村嘉男
倉藤金助

12月15日(木)
18:00〜20:00

札幌かに本家 栄中央店
Tel.052−263−1161
名古屋市中区栄3-8-28
URL:http://www.kani-honke.co.jp/tenpo/sakachuo.html

【1月度産業懇談会】

産業懇談会「代表幹事のご講話」ならびに「新年合同懇親会」のご案内

日  時  平成18年1月18日(水)17:30〜20:00
                 17:30〜18:30 松本代表幹事のご講話
                 18:30〜20:00 新年合同懇親会
場  所  名古屋マリオットアソシアホテル  Tel.052-584-1111
  講演会:16階 アイリスU / 懇親会:16階 アイリスT
事務局連絡先  担当:近藤・仙田  Tel.052−221−8901

以 上

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【お知らせ】
 

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【コラム】



〔花ちゃんからの健康だより〕 No.20

財団法人 愛知健康増進財団
保健師 佐藤 花子

ぬくもりの話

        11月の花   柊(ヒイラギ)  
 ぬくもりがほしい季節になりました。寒さ対策は十分でしょうか。
 気温が下がり、体温が下がるといろいろ身体に不都合なことがおこります。極端な話では、体温が30度で意識が消失し、27度では生きていけなくなります。そのとても大切な体温ですが、現在、平熱が36度未満の低体温の人が増えており、なんと子供では約40%がそうです。キレやすい子供たちが増えたのと一致しています。低体温の場合は次のような問題を引き起こします。

● 基礎代謝量が低下し太りやすい
● 血行不順になり、女性の肌荒れや便秘、生理痛も悪化しやすい
● 35.5度前後の体温がずっと続くと、自律神経失調症になりキレやすい。
● 体温が0.5度下がるだけで免疫力が65%低下し、体調不良やガンになりやすい
 ガンが温度の高い臓器(心臓や脾臓)にほとんど無いのもうなずけます。風邪のウィルスは熱に弱いのですが、歳をとると体温が低くなる傾向があり、その上熱が出にくいためウィルスをやっつけることができずに症状が悪化します。インフルエンザの予防接種はしておいたほうがいいですね。また、血行を良くすることで低体温を改善し、脳に栄養が十分に回るようにすると、認知症(痴呆)にもなりにくいという説もあります。低体温の改善には@筋肉を増やすAシャワーより入浴や温泉に入るB保温性のある衣類の着用C温かい食事をいただくなど昔から実施してきたことが基本です。身も心もホットになれば、そのぬくもりに人は集まります。(体温維持で人気度アップ?)人と握手して自分の手がひどく冷たい場合は要注意です。いつも温かい手で過ごせるといいですね。

【メモ帳】

 2月の節分にイワシの頭を刺し魔よけに使うのがこの木の枝です。葉が硬くてギザギザですので防犯として生垣になる木ですが、意外にとてもよい香りのする白い花が咲きます。語源は葉に触るとヒリヒリ痛む→疼く(ひいらぐ)ことからヒイラギとなりました。老木になると、とげが無くなり角が取れるという人生みたいな木です。

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株式会社リーダーズドメイン代表取締役会長
窪田経営塾塾主
窪田 貞三

『企業の進歩発展のヒント:bW』
【分けなければ成長する】

 企業という場は、人の集まりであり、人と人が協力し合いそれぞれの力を合わせることによる相乗効果・シナジー効果を生み出す場であると言えます。つまり組織力を活かし、成果を生み出していく場です。しかし、その組織力が充分に発揮出来ずに悩んでいる経営者の声をお聴きすることがあります。では、なぜ組織力が発揮されないのか?その一つの原因が組織を分けていることにあります。部・課・支社・営業所・工場・・・など。分けることにより、視界が狭くなり、自分の足元だけを見てしまい、全体が見えなくなっているケースが非常に多いと思います。もちろん分けることが悪いのではありません。問題は分けることで、分けるべきではないことまで分かれてしまうということです。全ての仕事は繋がっています。それが真に理解出来ていれば、分けることに問題は生じません。それでは仕事はなにによって繋がるのでしょうか?それは、理念=本質的目的(なんのために)、ビジョン=本質的目標(どこへ)によって繋がります。そして、戦略(どのように)によって、仕事が分けられる。と考えるべきであり、また、一つひとつ全ての仕事に理念・ビジョン・戦略を存在させ、その意味を考えることから仕事をスタートさせるべきです。

・・・・・<事例研究> 教育シリーズ−3「ある大學教授」・・・・・

 ある大学の教授が言いました。「科目が一つひとつ分かれていることで、学生達が知識を得ても、なかなか知恵に繋がらない。社会に出てからの実践に役立つ授業をしたい」と。そこで教授は、ゼミ生に対して、期のスタートに外部講師を招き「なんのために学ぶのか?」というテーマの授業を行っています。学ぶための目的(理念)と目標(ビジョン)から考えることを最優先しているのです。「勉強のための勉強」「点を取るための勉強」ではなく、真の学びというものを学生に得てもらいたいという思いから始めたのです。その結果として、ゼミ生達には、一つひとつの科目や勉強に対して、様々な繋がりが創造されてきて、机上の学問だけではなく、実践に役立つ知恵を得始めているそうです。

 この教授は、既存の教科書ではなく、全て手作りの教科書を使用し授業を行っています。「なんのために、どこへ、どのように」を理解している教授なのです。学生達は、勉強するための理念(本質的目的)から考えることによって、一つひとつの勉強を分けて考えるのではなく、繋がりをもって考えるようになっています。実は、期の始めの「なんのために学ぶか?」の授業は私窪田がやらせていただいています。彼等が社会に出た時の活躍が楽しみです。また、余談になりますが、先日教育問題委員会のご依頼で、瑞穂区にある中学校で特別授業をさせていただきました。なんのために学ぶか?みんな真剣に考えてくれたようです。
●プログレスとは

 プログレスとは、『新時代経営コンサルティング手法』として、私の会社である株式会社リーダーズドメインにおいて企業経営ご指導法として用いているもので、日々多くの企業と関わらせていただいています。同じように努力していても「潰さないための経営」より「進歩発展のための経営」のほうが企業組織は生き生きとするでしょうし、企業におけるマイナス面の分析でも、「成り立たせるための分析」よりも「進歩発展させるための分析」のほうがより良い組織創りに繋がる---と言う考えを土台に持ったものが、このプログレスです。

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〔苗字アラカルト〕 No 42

片桐清志

『神も仏も(2)』

 先月は「神」に因む苗字を紹介したので、今回は「仏」に因んだ苗字を紹介したい。一字姓の「神」さんがいるのもびっくりだったが、「仏」さんもいるとはさらにびっくりだ。「ホトケ」さんとお呼びすればよいのだが、生きている人を呼ぶのはなんとなく気が引ける。 種類の多さでは仏はやはり神には負ける。仏で始まる苗字はわずかに18種で神姓の1割にも満たない。その一部を紹介すると「仏具(ブツグ)」「仏器(ブキ)」「仏子(ブシ)」「仏性(ブッショウ)」「仏願(ブツガン)」「仏縁(ブツエン)」などがある。ご先祖は仏師か仏壇屋さんなのかも知れない。意外にも仏が下につく「石仏」さんも「木仏」さんもいない。「大仏」さんはいるが、「オサラギ」の読み方だけで「ダイブツ」の読み方はないようだ。「念仏(ネンブツ)」さんなどはさぞかし信仰あつい人だろう。 仏の仲間もいくつか見つけたので紹介しておく。釈迦・釈尊はさすがにいないが、「釈迦堂(シャカドウ)」さんはいる。そのほかに「如来(ニョライ)」「菩薩(ボサツ)」「観音(カンノン)」「羅漢(ラカン)」「四天王(シテンノウ)」さんが見つかった。 「僧」さんはいないが、「僧坊(ソウボウ)」さんや「坊(ボウ」さんもいるし、「寺(テラ)」さんや「堂(ドウ)」さんもいる。日本の苗字は神も仏も本当に多種多様だ。

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【17年11月号編集後記】

 10月27日に第63回西日本経済同友会が国立京都国際会館で開催された。環境問題でCO2の削減目標となったいわゆる「京都議定書」を定めた歴史的会場だ。今年は宝ヶ池の紅葉はいまひとつだったが、晴天に恵まれ約700人の参加者は晩秋の古都で「文明錯綜の新時代―日本力を問うー」をテーマに半日研修した後、京都の伝統芸能と京料理を楽しんだ。 基調講演は当初予定の石原慎太郎東京都知事は急用で欠席となり、代わりに塩川正十郎元財務大臣から「公務員問題について」その背景や今後の注目点の熱き思いを拝聴した。官から民へ、中央から地方への改革を進め、若者が夢と誇りをもてる元気な日本を作るための多くのヒントを頂いた。その後塩川先生も入って前述のテーマでパネルディスカッションが行われた。そして多方面から2時間を越える討議結果を共同見解として「高い志の国民国家を目指して」に要約し大会を締めくくった。経済成長の過程で置き去りになった精神的豊かさをどう取り戻すかを我々も考えたい。そのキーワードのひとつが心も自然も街も「美しい日本」のように思えた大会であった。 さて今月は4グループがそれぞれ個別の例会に戻った。伊藤氏の「塩ビ性善説」は日ごろマスコミでは悪者にされている塩ビの名誉挽回であり、マスコミ報道が一面性に過ぎないことを気づかせてくれる。平田氏のデータ通信の歩みは今でこそ当たり前になったサービスも誕生までは苦難の道を歩み、多くの先人の努力の賜物であることを教えてくれた。向氏の投資市場のスピーチは当面の世界経済の動向を独自の視点でわかりやすく解説していただいた。いずれも会員の仕事や日ごろの研究を通じて得られたものだけに含蓄ある内容だ。 12月は予定欄にあるように各グループがとっておきの店で忘年懇親会を予定している。大いに懇親を深めたい。

西日本経済同友会が開催された国立京都国際会館

西日本経済同友会の懇親会で基調講演講師の塩川正十郎氏を囲んで

(片桐)