第17号 2003.10.28発行



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平成15年10月度(第17号) 目次
【火曜グループ】  10月21日(火) 12時30分〜14時00分
山清工業(株)取締役社長 山田章雄氏「TPM活動と企業体質強化 −商店経営による利益の先取り−」
【水曜第1グループ】  10月15日(水) 11時30分〜12時00分
日間賀観光ホテル 取締役社長 中山勝比古氏「元気印日間賀島観光について」
【木曜グループ】  10月9日(木) 12時30分〜14時00分
(株)東海通信資材サービス 取締役社長 坪内宏明氏「ERPパッケージによる業務処理システムの切替体験談」
※【水曜2グループ】10月22日(水) 12時00分〜14時00分に開催予定のありました
(株)花井製作所 取締役社長 花井文雄氏
「『仕事ができる』とはどういうことか。−問題解決能力と問題発見能力−」

については、スピーカーの(株)花井製作所取締役社長の花井文雄様が体調を崩されましたので、懇談は中止となりました。
【11,12,1月度産業懇談会開催日程】
【お知らせ】
【コラム】〔苗字アラカルト〕No.17



【15年10月度産業懇談会(火曜G)模様】

 テーマ: 『TPM活動と企業体質強化−商店経営による利益の先取り−』

日 時:10月21日(火) 12時30分〜14時
場 所:名古屋観光ホテル18階 伊吹の間
参加者:21名
スピーカー:
山清工業(株) 取締役社長
山田章雄氏

http://www.tns.ne.jp/YAMASEI/

当社は、バブル崩壊後の危機を克服するために、TQC活動を元に徹底した社内の見直し活動を展開、結果としてTPMが現在の社の基本方針となっている。
(注)・TPM(Total Productive Maintenance)−あらゆる部門で全員参加による生産システム効率化の極限追求であり、災害ゼロ・不良ゼロ・故障ゼロなどあらゆるロスをゼロにすること。なお、Meintenanceとは生産システムのライフサイクル全体を対象とする広義のメンテナンス
 TPM=経営と位置付け、5S、QCサークル活動などの徹底を通じて、設備を変え、人を変え、企業を変革させる事となった。従って、TPM活動を取り入れなければ、現在の当社は存在していないと自負している。


 活動の内容と結果

  1. 1993年から3年間、基礎作りのための社内見直し活動を徹底。設備ロス、人のロスを学び、原価改善で利益を確保し、21世紀に向けて革新できうる基礎を構築した。また、グローバル化に対応すべく、タイ、イギリス、台湾へ進出、今後は中国、トルコを視野に入れている。

  2. 一方、人材育成についてもTPMの活動の中で職場の活性化に大いに役立っており、財務体質も強化され、新規顧客開拓も進んだ。

 今後の目指すべき姿
  1. パワステは今後電気パワステに変わることとなり、当社にとって大きなハードルとなる。従来のパワステのシェア−を伸ばすとともに、高付加価値製品の開発を目指すしかない。考え方のベースは、「非常識の常識化」であり、改善活動に取り組んでいく。

  2. 1996年からの新たな取り組みは、利益向上活動を徹底するために、「商店経営の考え方」を導入した。会社決算だけでは、原価改善の詳細がつかめないので、製造のライン単位まで戻り、利益を生む活動を展開、一つの課を商店とみなし、課長を社長、ライン長を支店長と位置付け、全員参加によるTPM活動を実施している。この結果、調達ロス、スペースロスなどを含め、全体で17億円のロスを算出し、分科会で分担を決めロス削減に努めている。

  3. 10年後をどう生き抜くか?このためには、新規事業・新商品の開発を心がけないとTake-offできない。そのためには新たなTPM活動が必要。新規事業のための商店経営方針を設定し、画期的で特徴ある商店街づくりを目指す。中堅企業といわれるために、多角経営企業化を目指し、高付加価値製品作りを狙うしかない。2003年現在、新規事業の引き合い件数も増加し、着々と成果を挙げている。

 むすび
TPM活動で得られたノウハウを各拠点に活かし、世界最大のマーケットにチャレンジしていく。「セールスは現場がセールスマン−1個の製品がすべての信頼を生む」この方針を貫いていく。

【15年10月度産業懇談会(水曜1G)模様】

 テーマ:『日間賀島の観光開発について』

  日 時:10月15日(水)11時30分〜12時
場 所:日間賀観光ホテル
テーマ:「日間賀島の観光開発について」
参加者:25名
スピーカー:
   日間賀観光ホテル 社長
   中山勝比古氏

http://www.himakakankou-hotel.co.jp/

 20世紀社会は、強力なリーダーがピラミッドの頂点に立ち、人々に夢を与え、社会に活力を与えてきた。しかし、日間賀島には、強力なリーダーが存在しなかったので、観光開発を前進させるためには、島民一人一人の意識改革から始める必要があった。
 「島が良くなれば、島民一人一人は必ず輝く」という共生の意識をもち、活性化に向けて本音で語り合った。全員が自分の良さを探り、オンリーワンを育てれば地域が輝き、そこに人が集まる。これを観光の原点とした。
 観光産業は、経済的効果が大きいので、食材調達も島内を優先させ、カネが島内を循環するよう心がけた。お互いに利己的な生き方を慎み、実行可能なことから行動を始めた。そうした地道な努力を重ね、島の内外とのネットワークも広がり、「タコの島」「フグの島」として、今では知多半島で一番元気な島と呼ばれるようになった。
 2005年には、中部新空港"セントレア"の開港となるが、セントレアを観光空港と位置付け、「知多半島」=「観光の地」として活性化に努めたい。
 当地域は、ものづくり産業の拠点であるが、更なる強力な経済発展を目指すためには、観光産業の拠点を視野に入れて行動する必要がある。そうすれば日本全国からそして世界から人々が集まる。
 観光産業には誰でも参加が可能であり、自分の好きな生き方・考え方が活かせる。その集合が地域の魅力につながる。
 小さく固まらず、大きな夢を描きながら一歩一歩前進したい。当地域の発展のために、是非とも経済界から応援していただきたい。

【15年10月度産業懇談会(木曜G)模様】

 テーマ: 『中小企業のIT投資事例
ERPパッケージによる業務処理システムの切替体験談』

スピーカー:
(株)東海通信資材サービス 
取締役社長 坪内宏明氏

http://www. totsusi.com/
日 時:10月9日(木)12時30分〜14時
場 所:名古屋観光ホテル18階 伊吹の間
参加者:17名

 ERP
当社は、電気通信工事用物品の販売業を主に、一般貨物自動車運送事業、産業廃棄物処理業を行い、本社を名古屋市中区に、営業拠点を愛知県大口町・静岡市・津市に置いている。
売上の90%以上を占める物品販売については、従来オフコンによる販売管理システムを使用していたが、バックオーダー処理や配送料計算を別のパソコンで行っていたこと、仕入担当者毎に需要予測や仕入方法が異なっていたこと等により、売上・仕入・在庫の状況を把握するのに時間がかかった。 また棚卸で在庫数の過不足が生じるなどの問題も抱えており、業務全般の見直しをする必要に迫られていた。
そのきっかけとして、企業の経営資源を統合管理し、経営の効率化を実現するためのERPシステムを導入することとした。ERPシステムを実現するERPパッケージ(ソフトウェア製品)は開発されてから10年近く経っているものが多く、改善が重ねられてきて使い易いものになっている。購買・生産管理から販売・仕入在庫、財務会計、経営分析、人事情報、といった企業活動全般にわたる業務を共通のデータベースを介して統合することが可能となり、(1)部門ごとに構築されていた複数のシステムや経営データ資源を統合・一元管理させることにより情報の共有化が出来る、(2)経営判断に必要なデータをリアルタイムに取り出せる、(3)販売・仕入・在庫管理に関するグローバルスタンダードな業務ノウハウが簡単に入手でき、ビジネスプロセスの最適化(BPR)ができる、(4)ゼロから作り上げるシステムと違い、導入期間が短く、(5)汎用システムのため、導入・運用システムコストが抑制できる、などの特徴が挙げられる。
 ERPの導入・移行

ERP導入に際して配慮したことは、自社の業態・業務プロセスに合った、導入実績の多いERPパッケージを選ぶこと、また業務の見直しをフロー図に基づいて実施し、標準化されたプロセスを積極的に取り入れ、カスタマイズは最小限にとどめた。選択したERPパッケージは住商情報システム鰍フProActiveであるが、当社独自の業務プロセスに対処するため、受発注・出荷処理、配送料計算、需要予測などの機能ソフトを追加(カスタマイズ)した。これら機能追加だけで約2,000万円と膨れ、導入費用は、4000万円程かかった。半年の準備の後2003年4月に本格導入をしたが、やはり不慣れによるミスが続発し、落ち着くまでに数日かかってしまい、新システム移行へのサポート体制とともに、導入準備期間に余裕を持つことの重要性を痛感した。
 導入後まだ半年ではあるが、受発注・出荷・請求等の処理が同一システムで一元管理できるようになり、お客様からの問い合わせにも迅速に対応できるようになったこと、またオフコンからパソコンになったことに伴い、コンピュータに入力された全データを閲覧できるようになり、的確な経営分析が可能になったことなど導入効果は当初の期待以上のものがあり、今後もデータ蓄積による需要予測などにおいて効果が発揮できるものと期待している。

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【11、12、1月度産業懇談会開催日程】

【11月度産業懇談会】
4グループ合同視察会
日時: 11月12日(水) 10:30〜15:00(予定)
場所: (株)デンソー
〒448-8661 愛知県刈谷市昭和町1−1 Tel.0566−25−5511
(株)デンソー技研センター
〒446-8507 愛知県安城市高棚町新道1 Tel.0566−73−2612
当日スケジュール: 10:30      (株)デンソー本社集合
10:30〜11:30 デンソーギャラリー見学
11:30〜12:30 昼食・休憩
12:30      (株)デンソー技研センターへ移動
13:00〜13:30 講話「人材育成と技能伝承の取り組み」(仮題)
          (株)デンソー技研センター代表取締役社長 生駒 昇氏
13:30〜15:00 技研センター見学(質疑応答含む)
15:00      解散
ご参加の方には、後日別途詳細案内をお送りいたします。
事務局連絡先 担当:舘、亀井 TEL:052−221−8901

【12月度産業懇談会-忘年会開催日程-】※会費は、実費精算の上、後日ご請求いたします。
グループ名 世話人 開催日時 場所
火曜グループ 各務芳樹
深田正雄
12月9日(火)
18:00〜20:00
料亭 蔦茂 
名古屋市中区栄3−9−27
Tel:052−241−3666
水曜第1グループ 岩部一好
落合 肇
12月17日(水)
18:00〜20:00
木曽路 瓦町店
名古屋市中区新栄1−27−17
Tel.052−261−7469
水曜第2グループ 片桐清志
谷田利景
12月10日(水)
18:00〜20:00
名古屋東急ホテル 3階 葵の間 
名古屋市中区栄4-6-8
Tel.052-251-2411
木曜グループ 河村嘉男
山本美知子
12月4日(木)
18:00〜20:00
札幌かに本家 栄中央店
名古屋市中区栄3−8−28
Tel.052−263−1161

それぞれの会場の地図がご入用の場合は、事務局までご連絡ください。

【1月度産業懇談会-新年合同懇親会-】
日  時 平成16年1月19日(月) 17:30〜20:00
               17:30〜18:30 岡部代表幹事のご講話
               18:30〜20:00 新年合同懇親会
場  所 ウェスティンナゴヤキャッスル  Tel.052−521−2121
講演会:2階 青雲の間 / 懇親会:2階 青雲の間
懇親会費 5,000円  ※お手数ですが、当日講演会場受付で頂戴いたします。
※講演会のみご出席の場合は結構です。
本状ご案内先 代表幹事および産業懇談会メンバーの皆様
事務局連絡先 担当:舘・亀井  Tel.052−221−8901

【お知らせ】

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【コラム】

〔苗字アラカルト〕 No 17

H15.10.26
  片桐清志

お天気と苗字

天高く馬肥ゆる秋の到来だ。澄み切った秋の空がすがすがしい。今月は気象関係の漢字と苗字の関係を取り上げた。
「青空」さんはいる。読み方もずばりアオゾラ。「晴」さんもいる。ハレもしくはハライとお読みする。「晴間(ハレマ)」さんもいるが、残念ながら「秋晴」さんや「日本晴」さんは見当たらない。
お天気関係の一字姓では「空」「雲」「霜」「露」「雷」「嵐」「風」「雪(ユキ・キヨシ・ススキ)」などがある。「雨」や「曇」「霧」はやはり嫌われたようだが、多様性では雨はチャンピオンで雲についで多い。珍しいものでは「雨具」「雨笠」や「雨夜」「雨乞」などがある。
雲で珍しいのは「雲上(残念ながらウンジョウではなくクモカミ)」「雲中」などだ。雲は読むのが厄介な苗字も多い。「雲雀(ヒバリ)」は有名だが、「雲母」はウンモではなくキララ、「雲母谷」はウバガタニ「雲耕」がウズノウなど「雲をつかむような」読み方だ。
雪も種類は多い。「雪山」「吹雪・雪吹(どちらもフブキ)」や「雪上(残念ながらセツジョウでなくユキウエ)」。優雅な苗字では「雪竹」「雪松」「雪盛」「雪窓(読みはセッソウ)」。「雪江(ユキエ・セッコウ)」という苗字もあり、名前と紛らわしい。
その他珍しい苗字では「霜取(シモトリ)「霜月」「霜降(シモフリ)」「風上」「風呂」「風土(フト)」「風月」「風来」「風神」「風速(カザハヤ)」などがある。日常生活に深い関わりのある苗字が見つかるが、残念ながら「天」はあっても「天気」や「満天」は見当たらなかった。

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【15年10月号編集後記】

今月から各グループ別の懇談会がスタートした。水曜第2グループがスピーカーの花井さんの体調不良で急遽中止になったのは残念であるが残る3つのグループの熱心な懇談会の雰囲気が伝わってくる。それぞれ新たな分野への挑戦の熱意に敬意を表したい。

さて、編集子はテレコム(ITU主催の通信関係の展示会・4年毎にジュネーブで開催)視察の足を伸ばして、モネ(1840〜1926)のアトリエを訪問した。パリから車で1時間余のジベルニーという村にある。モネ自身が列車の車窓からの美しさに魅せられて43歳から住み着くことになったというだけあってセーヌ川沿いに自然が豊かな田園風景が広がる。モネが亡くなった後しばらく荒れていたが最近庭園と共に整備し公開したという。もう睡蓮の時期は過ぎていたがそれでも日本人の協力で見事な花を咲かすことができた池の片隅にわずかに咲いていた。モネは大変な日本びいきで、アトリエにはモネに大きな影響を与えた浮世絵もたくさん展示されていた。パリ万博に日本から出展した美術工芸品はほとんどがパリで売却されたというから、結構たくさん日本の第一級の作品がヨーロッパの美術愛好家の手に渡ったようだ。文化の交流が新たな文化を生み、花咲かせる実例に触れることができた。維新の人の気概を感じると共に愛知万博が後世の人に何を残せるか、万博の意義を改めて考えさせられた。
                           

(片桐)